さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

難敵を着実に攻略、しかし本人不満げ 田中恒成、1位にボディでKO勝ち

2019-08-24 18:08:50 | 中部ボクシング



ということで本日はTV観戦でした。
アンダーも良い試合が多かったようで、出来たら行きたかったんですが...簡単に感想。



小柄なサウスポー、ジョナサン・ゴンサレスは、立ち上がり持ち前のスピードを見せる。
手も足も速く、それを「見た」田中恒成が、ちょっと硬い構えになってしまった?印象。

初回は恒成、様子見か。2回は右から左の返しが一度出る。
しかしポイントはいずれも、速いコンビを見せたゴンサレスと見ました。

田中の出鼻に来る左ストレートは、威力も無いわけではなく、多彩な返しの右、連打の速さもなかなか。
これ、今日はなかなか大変そうやなあ、と。
ただ、もっと軽打のみに限定し、ちょこまか系の闘い方に徹してきた方が嫌かなあ、と思っていたので、その辺はちょっと安心したところもありました。

そして、田中恒成もまた、焦って無闇に出るでない、体力を浪費せず、ボディをしっかり狙って圧している。
中盤以降、崩す端緒を掴めるか?と思っていた3回。
田中の右ストレートが上に二回決まり、続いて三発目の右がボディへ。ゴンサレスがダウン。

早々のダウン奪取、しかもボディが効いてのもの。
これはゴンサレスの注意が一瞬「上」に行っていたからこそ、あれほど効いたのでしょう。
この辺の攻め口は見事なもので、さすが田中恒成というところ。


この相手を早々に倒せるとは、と見ていて安堵しましたが、4回はゴンサレスが奮起。
当然、世界戦ですから、きっちりネジ巻いてきた感はありましたが、時に踏ん張って打ち返し、時に頑張って動く。
そして、コーナーに追い詰められたところから、苦し紛れに打った左が、田中の首に引っかかって、田中が尻餅。
微妙なところでしたが、ダウンの裁定。しかし田中、ダメージはない模様だが、取れたかもしれない回を落とす。


続く5回、ゴンサレスさらに奮戦。手数、ヒットいずれもゴンサレス。
6回は田中がガード上げて距離を詰め、手数を出せる時間帯もあり。しかしゴンサレスも巻き返す。

ポイント的には、ゴンサレスがリードしているだろう、と見え、中盤以降、膠着するようだと...と不安も。
しかし7回、それまで単発では良く入っていた田中のボディがまた効いて、ゴンサレス止まり、ダウンを重ねる。

この回、二度目のダウンで止めて充分だったでしょうが、それまでの展開、1位挑戦者であることなど、レフェリーにしても、簡単には切れない感じだったか。
田中は上への「ストップ用連打」を出すも、そこはゴンサレスが抵抗。
最後は「観念せい」とばかりにボディ連打。ゴンサレスがまた倒れ、今度はストップでした。



木村翔、田口良一とはあらゆる面で真逆、しかし手強い、高い水準にあった挑戦者を、誰もが思う通り、ボディで止めて、中盤に仕留めた。
夏場の調整にも関わらず、体力的にも不安は見えず、また体力を浪費するような愚も犯さず。
見ていて、何も不満などない、この手の相手に手こずったとて不思議の無いところ「多少は」手こずった、という程度に収めて、倒して勝った。


さすがは田中恒成...と、全部ひっくるめて、そうまとめた感想を持つ試合でしたが、試合後は何だか、えらく不満そうな表情と語り口でした。
「上で倒したかった」という言葉が出ましたが、全体的に、思うようにいかなかった部分があり、また攻防のバランスも、後ろに重心を残して芯を外した「防」の部分はともかく、「攻」の際に、そのバランスを維持するか、調整するかのところに、不満の原因があったのかもしれません。

しかし「今後」への質問に対する「何も見えない」「やりたいことも特にない」というコメントは、単に試合のみならず、それ以外の部分について、いろいろと思うところがあるのだろうか、と感じさせるものでした。
この辺、あれこれ詮索すると切りが無いですが、年末に向けて、彼が追い求める「誇り」を満たすような、特別な試合が組まれてもらいたい、と思わずにはいられません。
それがどういう試合になるのか、なり得るのか、については、今のところ、まったく見えてきませんが。




コメント (3)
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