さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

巧さと工夫だけでは埋まらない差 スペンス、マイキーの健闘を丁寧に退ける

2019-03-17 15:28:12 | 海外ボクシング



そういうことで今日は午前10時頃から、WOWOWオンデマンドを観賞しました。
当初は正午くらいからという話でしたが、前座もやることになった模様。
この辺はどういうことかいな、と思いましたが、ルイス・ネリーの試合を取り扱うべきかで
意見が割れていたのかな?と...いや、そんなことではないか...。
それはともかくメインイベントから簡単に感想を。


ウェルター級最強をクロフォードと争うエロール・スペンスと、
ライト級最強をロマチェンコと争うマイキー・ガルシアの対戦は、
当然、体格、パワーの差をマイキーがいかに埋めるかが焦点でした。

小さい方のマイキーが、いかに左ジャブを当てられる位置に立つか。
スペンスの左右強打の合間に、身体を滑り込ませて左を当て、
身体を左右に翻し、ダック、スリップを繰り返して芯を外し、
当然ガード、ブロックも頑張って、かなう限り打たせず、ダメージを抑えられるか。

これまでの試合の倍の労力を費やしてでも、そういう展開を作れるものかどうか。
それにはマイキー万全の仕上がりと同時に、当然有利を予想されるであろう
スペンスの側に、多少なりとも隙、慢心、そこから生まれる戸惑いのようなものが
なければ難しい、とも思っていました。


立ち上がりは、若干その想定に近い展開にも見えました。
マイキーは思った以上に上体が大きく見え、スペンスとの体格差が意外に小さいような。
正対した両者、スペンスが意外に圧倒する風でなく、マイキーはガードで防ぎ、当てていく。
序盤のうちは、マイキーが連打で出る場面もあったりで、ポイントは知らず、
流れ自体はマイキーにとり悪くはない。これは、と思ったりもしました。

しかし3回半ば過ぎから、スペンスが少し引いて、しっかり見た上で左右上下に
強打を当てていく流れに。マイキーは徐々にダメージを溜めていく。
5回、僅かに反撃もあったが、スペンスの拳がマイキーのガードを、
少しずつ突破してはヒットする比率が増えていき、その流れは最後まで変わりませんでした。


マイキーはもっと身体を小さく締めて構え、低い姿勢で防御して攻め上げる、
というような形になるかと思っていたら、案外大きな身体を作り、正対していく感じでした。
ウェルター、ミドルに上げて以降のロベルト・デュランの姿をイメージしていたのですが、
単に才能、能力がどうという以前に、マイキーはああいう、天性の勘を前面に押し出すような
スタイルの選手ではない、ということなのでしょうね。

エロール・スペンスは、インターバルの様子などを見ると、けして楽でもなかったのでしょうが、
隙を見せたら色々厄介だったであろうマイキーを、丁寧に当てていく攻撃で痛めつけ、無難に勝ちました。
普段の相手に見せている爆発力を振りかざしたいところ、セコンドの指示もあってか、
やや自重した部分もあったようですが、結果としてそれが吉と出た、と見えました。



しかしこのカード、まずは勝って当然、負けたら問題、というものだったのも事実です。
試合後、パッキャオを呼び寄せて対戦をアピールしていましたが、ここのところ、
それぞれに他の相手と闘っているウェルターの王者達には、さっさと互いに対戦しなはれや、と言いたいです。

スペンスはクロフォード、マイキーもロマチェンコと闘って然るべきところですが、
やれ会社が違う、TVが違う、条件がどうのこうの...。
まあ、マイキーは困難な挑戦という意味合いが言えるにせよ、スペンスについては、
二階級下の相手とですから。余計な寄り道やな、ときつく言えば言えるでしょう。

ついでに言うと、来月のクロフォード、カーン戦も同様ですね。規模の大きな「寄り道試合」です。
もちろん、それはそれで見所もある試合ですが、なかなか「肝心」な試合は
見せてもらえんものやね、という気持ちです。


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アンダーは、話の早い試合が続きました。けっこうなことです。

セミのデビッド・ベナビデスは、早々に強打炸裂。
相手もランカーだったけど、強いとこ見せました。


セミセミのルイス・ネリーは、MJアローヨを4回でストップ。
アローヨの方がはっきり小柄で、一階級分の体格差は、確実にあったかなと。
ネリーはかさにかかって、得意の連打攻撃で仕留めました。

しかし、純正バンタム相手、しかも序盤、動いて外す作戦も取れそうな
ウーバーリや井上拓真相手に、この強さが存分に出せるものかどうか。
その証明は、いよいよ次以降に問われるところでしょう。モラル面の問題は置いといて言えば、ですが。


合間に、リンデルフォ・デルガド、という元オリンピアンが出てKO勝ち、9勝9KOとのこと。
メキシカンでスーパーフェザー級ということですが、がっちりしてて、最初ミドル級くらいに見えました。
荒削りでしたが、パワーは相当ありそうでした。


コメント (6)
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