さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

確かにアンフェア、されど自身も不調 大森将平、前王者に返り討ち喫す

2017-04-23 23:03:09 | 関西ボクシング


今日は名古屋遠征、刈谷にて観戦しまして、府立には行きませんでした。
心の片隅には、ハシゴかけたろか、という気持ちもなくはなかったのですが、
前日にマーロン・タパレス計量失格、王座剥奪の報を知り、その気持ちは萎えてしまいました。

ということで帰宅後、録画を見終えましたが、当然、色んな意味で苦い感想です。


計量失格した王者の試合は、世界でも、日本でも、色々と過去にありました。
アランブレット、ワンディー、ノーウッド、パーラなどなど、思いつくだけでもこれだけ。
古くは名王者チャチャイ・チオノイも。

この中で、計量失格後、試合当日に何ポンドまで、という縛りをかけて
行われたのは、知る限りではパーラと坂田健史の三戦目だけではないでしょうか。
海外ではリカルド・ロペスとロセンド・アルバレスの再戦で、アルバレスが失格し、
当日115ポンドまで、という縛りの元、試合が挙行されたと覚えています。

計量で体重が合わない選手同士を、グローブハンデもなく闘わせる。
しかも、失格した方が、試合当日まで好きなように食事をし、体力を削らずにいる状態で。
どう見ても、釣り合いが取れない話です。正しく暴挙だと思います。

いい加減、世界的なルール整備が必要だ、と、もう10年以上前に書いた記憶が
おぼろげにあったりしますが、ホントに何も変わっていないことには、溜息しか出ません。


そして、大森将平は雪辱を期す一戦を、その条件で闘わざるを得ませんでした。

試合全般を通じて、大森のパンチがまともに入っても、タパレスの耐久力がまさり、
ダメージあったと見えても、回復が早いのに対し、大森は打たれるごとに弱り、
確実に削られていきました。

単純に「アンフェア」と言いたくもなろうというものです。
ただでさえパンチの威力に秀でた相手、しかも一度敗れた相手です。

しかし、同時に、試合開始早々から、あまりにも良いときの大森将平とは違う、
動きが硬く、縮こまっていて、パンチも伸びない。これはどうしたことか、と見えもしました。

序盤は丁寧に外すこと優先、だったのだと思います。
それは良いのですが、リーチを生かして突き放すストレートが伸びず、
タパレスのリターンパンチが届く位置取りで、ガード自体は心がけていたものの、
やはり打たれる頻度が高く、5回の好機も反撃されて逃し、7回は効果自体が乏しく。

10回のダウンで、陣営がタオルを入れない、異常な判断に驚かされたのち、次で試合は終わりました。

もちろん、条件が違う試合だったことは前提です。
しかし、大森将平の闘いぶり自体にも、早々から不調の影が色濃く見えたのも確かでした。

大森将平の今後はどういうものになるのでしょう。
不運、悲運であったことだけではなく、彼自身の現状にも、厳しいものが見えた、
二重の意味で苦く、重い試合となってしまいました。残念です。


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井岡一翔vsノックノイについては、実力的には確実に差がありましたが、
いつも選んでいるような相手とは、ちょっと「寸法」が違ったかな、という印象でした。

いつもは、井岡が相手の距離の僅か外に立ち、そこから相手を前で捌く、という流れが作れる、
そういう距離の選手を厳選しているな、という印象で、その寸法に収まるならば、
ファン・カルロス・レベコ級の相手まではOK、という基準なのでしょう。

しかし、今回の相手、腕の長さ自体はともかく、肩幅が想定より広かったかな、と。
丁寧に城攻めをする井岡に対し、勝ちには届かない程度の反撃が出来たのは、
その辺に、若干読み違いのようなものがあったからかな、と見えました。
もちろん攻撃力には不足あれど、細かい巧さや粘りがあった、ノックノイの健闘でもありましたが。


しかし、両者の攻防自体もそうですが、単に「絵」として、世界どうこうという
試合には見えませんでした。困ったことではありますが。

ノックノイは、普段よく見る「噛ませさん」的な、風呂上がりのおじさん風ルックスが
なかなか味わい深かったですね。
あれで61連勝、12年間無敗、無冠の帝王...以前も少し書きましたが、
往年のマービン・ハグラーも下駄履いて逃げ出すような触れ込みと相まって、
なんとなく愛着がわいてくる選手でありました(笑)



コメント (14)
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