昨年も拙いブログではありますが、見ていただいていた皆様に感謝いたします。
本年もよろしくお願いします。
そういうことで今年一発目の更新はこれから行きます。
またも大トリ、ボクシング界の北島三郎...とか書こうと思ってたら、会場にいてはりましたね、本物が。
プレビューめいたものを書いたとき、数試合を映像で見たイスラエル・ペレスですが、
実際見ると力的にはほぼ見たまま、しかし身体はかなり大きく、厚く見え、これは内山の状態次第で
手こずる可能性もありそう、と改めて思いました。
しかし実際は、内山高志の強さばかりが目に付く展開でした。ワンサイド、と言える試合でしょう。
ペレスのガードの中央をジャブで突き、アッパーで拓き、右ストレートを貫く。
ガードの外側からは右をひっかけ、左ボディブローも再三再四。
コンスタントにクリーンヒットを重ねて、ラウンド毎にペレスの心身を削っていきました。
内山を「技術不足」と切り捨て、リング上で打たれて劣勢でもそれを認めぬ素振りで抵抗する
ペレスの意地はある意味天晴れでしたが、同時に「諦め時」が来れば、それを受け容れる分別もあり。
不遇の末に世界戦に辿り着いたという、35歳の元世界一位は、その「闘士」ぶりを見せ続けてもなお、
それを受け止め、撥ね付け続ける内山高志の圧倒的な力の前に、完敗を喫しました。
内山高志は、今更褒めても白々しいですが、圧倒的に、揺るぎなく、強かった。
ペレスの連打に受け身に見える時もありましたが、当然打たれても大丈夫だから打たせているに過ぎず、
「やらせて」おいてから毎回、きっちり反撃し、打ち込み、の繰り返し。
好機を慎重に探り、待ち、それでも懸命に粘るペレスに対し、もっと強く攻め込んで行くかな、と思った
その前に試合が終わったのは残念でしたが、変わらず強い内山の姿を十全に見られた、満足感のある完勝でした。
一昨年、けっして内山に落日の影を見た、とは言わずとも、勝ってもダウンを喫するなどした金子大樹戦から丸一年、
右拳の負傷、周辺事情にもよる?一年のブランク、35歳という年齢を普通に考えれば、ランクの数字よりは
明らかに力のありそうな挑戦者相手に、不安を感じ、そのように書いたわけですが、全ては杞憂でした。
内山高志の日々の鍛錬は、彼の心身をいまだ強固に保ち、その強さを維持し続けていることが証明されました。
若き井上尚弥の、脅威の躍進とは対象的なところもありますが、その揺るがぬ強さはますます、千金の輝きを放っています。
今後について、陣営は三浦隆司との統一戦を含めて、防衛記録更新が基本のようですが、一部に報じられているように、
昨年、米国での試合観戦を機に、海外進出への気持ちが一層強くなった、という本人の希望も汲んだ展開を期待したいですね。
何度も書いていますが、彼はやはり、従来型の国内ボクシングビジネスの枠内に押し込めておいていい器ではありません。
未だ衰えぬその強さを見て、改めてその思いが強くなりました。
今年はコンスタントに試合の機会があること、そしてより開かれた話の中で、内山高志の勇名が聞かれることを願います。
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TV東京の放送枠にフルラウンドの世界戦三試合を押し込めるのは不可能とわかっていても、やはり残念なことに、
あとふたつの世界戦放送、ラウンドカットがありました。
田口良一の勝利はまあ、問題ないとしても、河野公平の試合は6ラウンドからの放送だったので、
試合後にノルベルト・ヒメネス陣営ご一行様が激怒、という報道を見ても、ちょっとその是非は判断しかねますね。
河野はここ数試合、以前よりはバランスが良くなり、前にのめらず要所で身体を回して打てるようになったので、
世界戦でもダウンを奪い、KOを決めたりしていましたが、昨日はちょっとだけ、以前の悪いとこが戻ってしまってましたかね。
リーチがあって足を使う相手だと、どうしてもそうなってしまうのは無理からぬところでしょうが。
ただ、序盤5ラウンド分を見ていない前提で、残りの様子だけで言えば、完璧に打ち込めはしなかった反面、
捌かれているという風でもなかったので、見た範囲で言えば僅差、という印象ではありました。
相手は戦績から持つ先入観よりは良い選手で、そこそこ巧かったですが、一級品ともいえず、微妙なところでしたね。
ちょっと残念な試合かな、まあ防衛したんやし、と思った終了直後、変なテロップが出て、ちょっとヤな感じでしたが。
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田口良一はペルー初の世界王者、小柄なアルベルト・ロッセルをパワーと体格で圧倒して、クリアな勝利でした。
ダウンや減点にまつわる裁定が有利に出た、というのは事実でしょうが、そういうのが逆に出ていても、
田口の勝利は動かなかったことでしょう。より強く、正確にヒットを重ね、相手を確実に上回っていました。
終盤、けっこうきついクリーンヒットを数回浴びたところなど、まだ粗いところも見えますが、
体格、パワー、積極性などによって、その欠点もほぼカバーされていた、そんな試合でした。
井上尚弥の挑戦を逃げずに受けて、敗れたものの健闘と言える試合を闘った田口が、こうしたチャンスに恵まれ、
結果を出したこと自体が、何よりもファンとしては嬉しいところです。
試合後、スパーリングでも再三拳を交えているという井上から祝福されたとのことですが、なかなか良い話ですね(^^)
しかし初防衛戦で暫定王者のランディ・ペタルコリンと対戦という話が事実なら、いきなり正念場が来ることになります。
小型パッキャオと呼ばれるサウスポーの強打者、以前井岡一翔と対戦か、と一部で報じられたときに動画を貼ったことがありますが、
相手次第でどうかは不明なれど、その時見た映像では、けっこ強いなこれ、という印象でした。
もっとも、強制的な指令が来ない限り、最初は他を当たる可能性の方が高いのでしょうし、それも仕方ないことかも知れませんが、
日本王者時代にそうしたように、今後も最強の挑戦者と闘ってほしい期待もありますね。
何せあの怪物相手に逃げなかったんですから。ペタルコリンが強いにせよ、まだ人間の範囲内ですしね(笑)