年末はとうとう、30日、31日の二日間で8つの世界タイトルマッチが
虚構やなくて挙行されることになりました。
少し前に想像したり、小耳に挟んだりした話以上の、大変な事態です。
しかも井岡一翔、宮崎亮の世界戦が成立していないにも関わらず、こんなことになろうとは。
年末年始のTV局の編成は、紅白があり「ガキの使い」があり、という状況の中で、
それ以外の局が格闘技イベントを大々的に中継していたものですが、
それが色々あって(ホントに色々あったらしいですね)、その枠をボクシングで埋めよう、
という流れになって数年経ちます。
どういう形であれ、ボクシングが少しでも、従来より広範な世の注目を集めるのであれば、
それは悪くない話だ、と思って、以前そう書いたような記憶もありますが、
ここまで来るとさすがに飽和状態というか、その先が心配になりますね。
以前、年末では無くて正月三が日の日程を埋めるために、無理矢理な世界戦が組まれ、
結果が完敗に終わったことが批判的に語られ、ボクシングへの世評が悪くなった時代がありましたが、
今回の事態にも、それと似た危惧を持ちます。
世界王座、と一般に称されるものが、昔日のそれと同じものを指してはいない現実は、
ボクシングファンであるならば誰もが残念に思いつつも理解していることですが、
だからといって年末に与えられたTVの放送枠を、こういう形で慌てふためいて?
いかにも雑に埋めていく、という印象が拭えないボクシング「業界」のありようには、
やはりため息が出ます。
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そのありようが端的に表れているのが、ギジェルモ・リゴンドーの来日です。
TV局からの後援を見込んで?このような世界的強豪を招くのならば、
業界全体でその階級最強の日本人挑戦者を一年がかりで選出するマッチメイクを実現し、
「満を持した」形での挑戦試合を実現しよう、という程度の構想くらいはあってほしい、と思います。
しかし現実はというと...語るのも空しいですね、こういうのは。
天笠尚の健闘を切に願いはしますが、その内容と結果次第では、TV局及び視聴者の間における
ボクシングそのものに対する厳しい評価...というか、失望を招きかねない、という不安もあります。
単に天笠個人の技量力量に対してではなく、この試合の背景にあることども全てに対する不信、というか。
そういうものが長い目で見て、ボクシングそのものに対する評、信用を傷つけはしないだろうか、と。
もっとも、一部マスコミは、もっと具体的?なところにも不信の目を向けているんでしょうかね。
こういう記事もあります。笑い話半分、と読むべき記事なのかもですが。
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岩佐亮佑には、IBFのエリミネーションバウトの話が出ていますね。
来年2月という話ですから、山中慎介に敗れてほぼ4年後です。
あの名勝負以降、試合によって抜群だったかと思えば不調だったり、なかなか難しいところですが
この試合こそ大勝負、正念場となるでしょうね。
IBFはこの手の試合の勝者との対戦を、王者に対し厳しく義務づけるようですし、
ランディ・カバジェロへの、はたまた山中vsカバジェロ戦(が実現すれば)の勝者への、
いずれにしても大いなる挑戦が待っています。
不安なのは結局バンタム級にとどまるという選択ですね。
情勢がそうだから、ということなのかも知れませんが、けっこうはっきりと減量への不安や
それ故の不調を語り、また語られてもいたので...その辺を克服出来るかが鍵になりそうです。
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で、その相手、セルヒオ・ペラレスとはいったい、どないなお方なのか、と思って、検索してみました。
最初はWBCが企画した「未来のチャンピオン」?大会、5回戦での敗戦。
ラウンドが短いので、最初からビジーファイトになった感じ。
相手はウルグアイのカリル・エレーラという強打者。サウスポー対決。
WBC主催の大会なのでトランクスがお揃いです。白グローブの方がペラレス。
次は昨年5月、英国ヨークシャー、ドンカスター・ローバーズのホームスタジアム、
キープモート・スタジアムでの一戦。ジェームス・マクドネルvsフリオ・セハの前座で
スチュアート・ホールと対戦。ホールの体格に圧された感じですね。
最後がラウル・マルチネスとの一戦。ノニト・ドネアに完敗を喫するまで24連勝でしたが
その後は負けも増えてやや不調気味の、元ホープと激しい打ち合いの末、KO。
ハイライトですので、終盤、疲弊したあとの姿が中心。ほどけてくるとこういう感じか、と思う反面、
激しい試合に打ち勝つ勝負強さがある、とも見えます。
やや小柄?なサウスポーで、パンチ力は平均以上か。スピードはある方でしょう。
岩佐が厳しく突き放せば、充分勝機ありと言えますが、安易に手を出させてしまうと、
テンポ良く打ってくる怖さも感じます。
岩佐の調子次第でしょうが、ちょっと構えの甘さも見えますので、長いパンチで打ち崩してほしいですね。
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8つの世界戦のうち、最大の一番といえばやはりこれでしょう。
前田衷氏の手による「Number」誌のコラムです。
ボクシング・ビート誌の飯田覚士氏との対談でもそうでしたが、ローマン・ゴンサレスは
井上尚弥に対して、やや厳しめの評を下しているようです。
もっとも、115ポンドの井上尚弥が誰にとっても未知数の存在であることも承知しているようですが。
しかし、この記事の前田氏の評もそうですし、普段練習を間近に見ている報道陣、
そしてナルバエス挑戦を決断した大橋ジム陣営は、少なくとも今回の試合を「無謀」とは見ていないようです。
我々ファンからすれば、このキャリアでこの相手に、とまず第一に思ってしまうところですが、
井上尚弥の練習する姿に近い人ほど、そういう風には見ていない、のだとしたら、
その目を信じて、やはり普通の予想では収まらない何かを期待していい、のでしょうか...。
あれこれ考えると、今から気持ちが落ち着きません。
30日、我々はこの史上希なる逸材の闘いの末に、どのような光景を見ることになるのでしょう。