ただいま愛知県は刈谷からの帰途、この文章を書いております。
今日は中部ボクシングファンの皆様方にとり、同日にふたつのOPBFタイトルマッチが
ほぼ同時刻に別会場で開催されるという、嬉しくも辛い一日でしたが(笑)
関西ボクシング原理主義で売っている私は、当然刈谷の方へお邪魔しました。
OPBFスーパーバンタム級タイトルマッチ、若き王者小國以載(おぐに ゆきのり)が
不屈の闘志で勇名を轟かせる元王者大橋弘政と初防衛戦を闘ったわけですが、
試合内容は誤字脱字ご愛敬で速報しました通り、小國が9回負傷判定勝ちで防衛成功でした。
後日スカイAで放送されますけど、会場で見た印象としては、
こと小國と大橋の間においては、明確に新旧交代となった一戦でありました。
序盤から低い姿勢で出た大橋ですが、小國はほどよく重心が降り、なおかつ無理なくステップを切れる
バランスの良い構えで大橋を迎え撃ち、初回半ばに右一発で大橋をダウンさせます。
立った大橋に小國が右ストレート、左フック、アッパー上下を決め、
これ以上ない好スタート。初防衛戦とは思えない水際だった立ち上がりでした。
2回から大橋も接近戦に持ち込もうとするが、小國は大橋の出鼻にジャブを散らし、
時に探り、叩き、突き放しと自在にコントロール。
時折鋭い右、左ボディーアッパーを正確に決め、中盤までほぼワンサイドの展開。
大橋は序盤悪くても終盤盛り返すから、という次元の期待をすべきではない、と思うほどに、
小國が大橋の攻勢の芽をことごとく摘み取っては打ち込む、という試合内容でした。
7回になり、大橋が文字通り、捨て身の猛攻を仕掛けます。
両者肩をぶつけあって、接近戦でショートパンチの応酬となり、これは大橋にとって
自分の力を一番出せる展開のはずなんですが、ここでも小國の左アッパーを中心にした
正確なショートパンチが優っているように、私には見えました。
8回はやや小國の手数が減りましたが、小國が逆転を許すような展開ではなく、
試合は9回へ。ここで少し打ち合ったあと、7回にバッティングで切った小國に
ドクターチェックが入り試合終了。負傷判定、3-0で小國勝利となりました。
全体的な印象としては、上記の通り新旧交代の一戦というところです。
小國は王座奪取のロリ・ガスカ戦で、負傷を抱えて闘っていたという話が本当だったのだ、と
改めて思わされるほど、パンチが切れて正確で、要所で見せる緩急の切り替えも見事でした。
まだ8戦目の選手とは思えないほどの、落ち着き払った試合ぶりにも驚きでした。
今回は試合が途中で切れたので、大橋のような、不利な展開の終盤において
理屈を越えた強さ、しぶとさを発揮する相手に、終盤のスタミナが試されなかったですが、
今後はそのあたり、より密度の濃い12ラウンズを闘う体力、集中力を証明しなければならないでしょう。
また、序盤にダウンを奪う有利な展開を利用しての冷静な迎え撃ちは見事でしたが、
こういう好機をより早く、確実にフィニッシュへと繋げる攻撃力も求められるでしょう。
しかし繰り返しですが8戦目で、この相手にこの内容での勝利は、充分立派、合格、と見ます。
会場には日本王者芹江の姿も見えましたが(見間違いだったらごめんなさい...)、
現段階で、後楽園ホールにて芹江をクリアにポイントアウト出来るとは思いませんが、
長身と長いリーチを生かし、常に冷静で、急きもせず怯みもせず、
距離の長短によって打つパンチの選択を間違えない、という長所を、
わずか8戦目のリングにおいて、しっかりと発揮して闘った小國は、
いずれそういうレベルに達するだろうと期待できる、良い「素養」を
たくさん持っている期待の若手である、と確認出来ました。
そういう基準において、今日の小國以載が見せてくれたボクシングは、
会場で直に見ておいて良かった、という満足感のあるものでした。
大橋弘政にとり、この試合の終わり方は無念の一語でしょうが、
序盤のダウンと、それ以降も続いた劣勢による大量失点はあまりに大きく、
終盤以降の反撃など、期待していいものかどうか、と迷う内容でした。
残念ながら、新旧交代の時が来た、ということなのでしょう。
試合後、大橋が無念を押し隠して小國を笑顔で祝福する姿は、
多くの声援を集めた戦士ならではの潔さで、見ていて清々しい気持ちになりました。
私も以前、頻繁に名古屋にお邪魔していた頃、彼の試合をいくつか見て、
その中には、直に会場に来ないと見られない、鮮烈な記憶として焼き付いたものがあります。
今日もまた、彼は大橋弘政として十分に良く闘ってくれました。
ひとまず、お疲れ様でした、と言わせてもらいたい気持ちです。
=======================================
ちなみにOPBFバンタム級の方は、ロリー松下が初回KO勝ちで防衛。
ニューヨーク遠征のチャーリー太田は7回TKO勝ちだったそうですね。
今日はボクシングファンにとり、なかなか良い一日でした、ということで取り急ぎ。
今日は中部ボクシングファンの皆様方にとり、同日にふたつのOPBFタイトルマッチが
ほぼ同時刻に別会場で開催されるという、嬉しくも辛い一日でしたが(笑)
関西ボクシング原理主義で売っている私は、当然刈谷の方へお邪魔しました。
OPBFスーパーバンタム級タイトルマッチ、若き王者小國以載(おぐに ゆきのり)が
不屈の闘志で勇名を轟かせる元王者大橋弘政と初防衛戦を闘ったわけですが、
試合内容は誤字脱字ご愛敬で速報しました通り、小國が9回負傷判定勝ちで防衛成功でした。
後日スカイAで放送されますけど、会場で見た印象としては、
こと小國と大橋の間においては、明確に新旧交代となった一戦でありました。
序盤から低い姿勢で出た大橋ですが、小國はほどよく重心が降り、なおかつ無理なくステップを切れる
バランスの良い構えで大橋を迎え撃ち、初回半ばに右一発で大橋をダウンさせます。
立った大橋に小國が右ストレート、左フック、アッパー上下を決め、
これ以上ない好スタート。初防衛戦とは思えない水際だった立ち上がりでした。
2回から大橋も接近戦に持ち込もうとするが、小國は大橋の出鼻にジャブを散らし、
時に探り、叩き、突き放しと自在にコントロール。
時折鋭い右、左ボディーアッパーを正確に決め、中盤までほぼワンサイドの展開。
大橋は序盤悪くても終盤盛り返すから、という次元の期待をすべきではない、と思うほどに、
小國が大橋の攻勢の芽をことごとく摘み取っては打ち込む、という試合内容でした。
7回になり、大橋が文字通り、捨て身の猛攻を仕掛けます。
両者肩をぶつけあって、接近戦でショートパンチの応酬となり、これは大橋にとって
自分の力を一番出せる展開のはずなんですが、ここでも小國の左アッパーを中心にした
正確なショートパンチが優っているように、私には見えました。
8回はやや小國の手数が減りましたが、小國が逆転を許すような展開ではなく、
試合は9回へ。ここで少し打ち合ったあと、7回にバッティングで切った小國に
ドクターチェックが入り試合終了。負傷判定、3-0で小國勝利となりました。
全体的な印象としては、上記の通り新旧交代の一戦というところです。
小國は王座奪取のロリ・ガスカ戦で、負傷を抱えて闘っていたという話が本当だったのだ、と
改めて思わされるほど、パンチが切れて正確で、要所で見せる緩急の切り替えも見事でした。
まだ8戦目の選手とは思えないほどの、落ち着き払った試合ぶりにも驚きでした。
今回は試合が途中で切れたので、大橋のような、不利な展開の終盤において
理屈を越えた強さ、しぶとさを発揮する相手に、終盤のスタミナが試されなかったですが、
今後はそのあたり、より密度の濃い12ラウンズを闘う体力、集中力を証明しなければならないでしょう。
また、序盤にダウンを奪う有利な展開を利用しての冷静な迎え撃ちは見事でしたが、
こういう好機をより早く、確実にフィニッシュへと繋げる攻撃力も求められるでしょう。
しかし繰り返しですが8戦目で、この相手にこの内容での勝利は、充分立派、合格、と見ます。
会場には日本王者芹江の姿も見えましたが(見間違いだったらごめんなさい...)、
現段階で、後楽園ホールにて芹江をクリアにポイントアウト出来るとは思いませんが、
長身と長いリーチを生かし、常に冷静で、急きもせず怯みもせず、
距離の長短によって打つパンチの選択を間違えない、という長所を、
わずか8戦目のリングにおいて、しっかりと発揮して闘った小國は、
いずれそういうレベルに達するだろうと期待できる、良い「素養」を
たくさん持っている期待の若手である、と確認出来ました。
そういう基準において、今日の小國以載が見せてくれたボクシングは、
会場で直に見ておいて良かった、という満足感のあるものでした。
大橋弘政にとり、この試合の終わり方は無念の一語でしょうが、
序盤のダウンと、それ以降も続いた劣勢による大量失点はあまりに大きく、
終盤以降の反撃など、期待していいものかどうか、と迷う内容でした。
残念ながら、新旧交代の時が来た、ということなのでしょう。
試合後、大橋が無念を押し隠して小國を笑顔で祝福する姿は、
多くの声援を集めた戦士ならではの潔さで、見ていて清々しい気持ちになりました。
私も以前、頻繁に名古屋にお邪魔していた頃、彼の試合をいくつか見て、
その中には、直に会場に来ないと見られない、鮮烈な記憶として焼き付いたものがあります。
今日もまた、彼は大橋弘政として十分に良く闘ってくれました。
ひとまず、お疲れ様でした、と言わせてもらいたい気持ちです。
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ちなみにOPBFバンタム級の方は、ロリー松下が初回KO勝ちで防衛。
ニューヨーク遠征のチャーリー太田は7回TKO勝ちだったそうですね。
今日はボクシングファンにとり、なかなか良い一日でした、ということで取り急ぎ。