今日はTV観戦を諦めていたのですが、TV大阪を視聴できるネットカフェに潜り込んで、
放送を見ることが出来ました。TV大阪が映らないお店もあったのですが、さいわいにも二軒目で、
視聴出来るお店に当たりました。うまく見られて良かったです。
今日のダブル世界戦、内山の試合はもちろんですが、そこまでしても見たいと思った理由のひとつは、
なんといっても下田昭文の世界初挑戦があったから、ということも大きかったです。
左のカウンターに抜群の切れ味を持ち、勘も良く、身のこなしも良く、センス抜群でありながら、
どうもあちこちにボクシングの基本というか、それ以前の常識が身についていないようなところがあり、
加えて精神面での脆弱さ、不安定さをさらけ出しつつ闘うこのサウスポーは、
良くも悪くもファンの耳目を引きつける存在であり、私もご多分に漏れなかったということです。
どうも話を聞くと、もうひとつ練習熱心とはいえなかった時期があり、
そのせいで体力面で自信を持てず、その心理面が時に冷静さを欠いた試合ぶりに出ていた、と
概ねそういう感じだったそうです。しかしダウンを食っての負傷ドローとなったホセ・アルボレダ戦の後、
敵地名古屋での大橋弘政戦などに象徴されますが、そのあたりは目に見えて改善されていて、
もう昔の不安定な、子供っぽかった下田は既に過去のものになっていました。
願わくば、挑む相手が海外の強豪だったら、下田一人に集中して見られるのにな、というところでした。
挑む相手は李冽理、あのプーンサワット攻略で一躍ニューヒーローとなった王者です。
ええカードやけど、どっちにも負けてほしくないなぁ、と矛盾することを思いながら、試合を見ておりました。
試合が始まってまず「下田自信満々、李は重い」と、ぱっと見て思いました。
やや気負いすぎかと思うほど気合いの入った下田がぐいぐい出て、李はというと押されて下がるばかり。
プーンサワット戦で見せた軽やかさと鋭さが最初から感じられませんでした。
試合は3Rにダウン応酬、5、8Rに下田が倒し、それ以外にも下田がほぼ圧倒して終わりました。
下田は相変わらず、攻撃はワン、ツーでリズムが切れ、好機にコンビネーションがまったく出ませんでしたが、
こと心身のタフネスは以前と段違いで、終始攻勢を譲りませんでした。
李は単発のカウンターに目を見張るものがありましたが、全体として後手で、大差で敗れました。
あれだけボディを打たれて、よく耐えたものだと思いますが、プーンサワット戦で見せたステップと
確実にポイントを拾った速い連打がほとんど見られず、ちょっと残念でした。
下田は試合後のインタビューでもなかなか立派な態度で、感心しました。
以前、山中との再戦だったですかね、応援団がインターバル中に
「落ち着け、落ち着け、し、も、だ!」とコールしているのを聞いて大笑いしたことがありましたが、
今の下田にはそんなコールも、もはや不要でしょう。
今は大半の攻撃が単調かつ細切れのものしか無い下田ですが、好機を逃さぬ攻撃の緩急が今後の課題でしょう。
下田は王座を手にしてなお、まだまだ改善点、伸びしろがあるという意味で、見方によっては本当に恐るべき選手です。
精神面ではもう不安はないと思いますので、技術面でさらに成長を期待したいですね。
さて、内山高志と三浦隆司の強打対決は、思った以上に激しい試合になりました。
以前、代打挑戦者となった三浦について、軽い代役などではないと書きましたが、
立ち上がりは「こんなに差があるのか」と思う展開でした。
サウスポーを苦にしない内山の的確で強い左の前に、三浦はほぼ何も出来ない状態。
だから3R、三浦の一撃で内山が倒れたときは本当にびっくりしました。
内山は試合後「一瞬目を外したら打たれていた」と語っていましたが、そんなはずはないでしょう。
やはり打たれた衝撃がすごかったのでしょうね。
三浦が全てを賭けて打った左の迫力が、試合の様相を一変させました。
5Rにも三浦の好打があり、かなり内山も失速したかに見えましたが、
6R以降は持ち直した内山が攻勢、三浦の右目が腫れ上がり、8R終了後、三浦陣営が棄権。
この判断も理性的なものだったと思います。遅いくらいだ、という意見もありましょうが、
今までの日本のボクシングの常識からすれば「進歩的」な決断であったことは確かですね。
李と下田の激戦に触発されたかのように、こちらも両者譲らぬ激闘でした。
130ポンド級、世界と日本の王者対決がこれほど見応えのあるものになったことは、
ボクシングファンとしてとても嬉しいことですね。
次の試合は海外になるかも、と報じられていた内山、現実には難しいこともありましょうが、
東洋最強の看板をひっさげて、今回はかなわなかった米大陸の強豪との対決に進んでほしいです。
対する三浦は、総合力では及ばなかったものの、日本王者の誇りを見せてくれたように思います。
ということで、なんとか見られたダブル世界戦、どちらも熱戦で、見て良かった、と思える試合でした。
どちらも日本人同士の対決となって、普通なら物足りなかったり、何か不満を言いたくなるようなものですが、
今日の試合に出た4選手とも、世界戦と名の付く試合に見劣りしない健闘を見せてくれたと思います(^^)
=================================================
日本時間で昨日、南アフリカで高山勝成がIBF王座に挑んだ一戦は、3Rノーコンテストとなったそうです。
映像が見られないので何とも言えませんが、これもまた、思わぬ形での試練ですね。
挑戦者決定戦を敵地で闘い、勝利して手にした指名挑戦権ですので、再戦の保証があって然るべきかとは
思うのですが、なかなかそう綺麗な話になるのかどうか...なんとか再戦が実現してもらいたいものです。
放送を見ることが出来ました。TV大阪が映らないお店もあったのですが、さいわいにも二軒目で、
視聴出来るお店に当たりました。うまく見られて良かったです。
今日のダブル世界戦、内山の試合はもちろんですが、そこまでしても見たいと思った理由のひとつは、
なんといっても下田昭文の世界初挑戦があったから、ということも大きかったです。
左のカウンターに抜群の切れ味を持ち、勘も良く、身のこなしも良く、センス抜群でありながら、
どうもあちこちにボクシングの基本というか、それ以前の常識が身についていないようなところがあり、
加えて精神面での脆弱さ、不安定さをさらけ出しつつ闘うこのサウスポーは、
良くも悪くもファンの耳目を引きつける存在であり、私もご多分に漏れなかったということです。
どうも話を聞くと、もうひとつ練習熱心とはいえなかった時期があり、
そのせいで体力面で自信を持てず、その心理面が時に冷静さを欠いた試合ぶりに出ていた、と
概ねそういう感じだったそうです。しかしダウンを食っての負傷ドローとなったホセ・アルボレダ戦の後、
敵地名古屋での大橋弘政戦などに象徴されますが、そのあたりは目に見えて改善されていて、
もう昔の不安定な、子供っぽかった下田は既に過去のものになっていました。
願わくば、挑む相手が海外の強豪だったら、下田一人に集中して見られるのにな、というところでした。
挑む相手は李冽理、あのプーンサワット攻略で一躍ニューヒーローとなった王者です。
ええカードやけど、どっちにも負けてほしくないなぁ、と矛盾することを思いながら、試合を見ておりました。
試合が始まってまず「下田自信満々、李は重い」と、ぱっと見て思いました。
やや気負いすぎかと思うほど気合いの入った下田がぐいぐい出て、李はというと押されて下がるばかり。
プーンサワット戦で見せた軽やかさと鋭さが最初から感じられませんでした。
試合は3Rにダウン応酬、5、8Rに下田が倒し、それ以外にも下田がほぼ圧倒して終わりました。
下田は相変わらず、攻撃はワン、ツーでリズムが切れ、好機にコンビネーションがまったく出ませんでしたが、
こと心身のタフネスは以前と段違いで、終始攻勢を譲りませんでした。
李は単発のカウンターに目を見張るものがありましたが、全体として後手で、大差で敗れました。
あれだけボディを打たれて、よく耐えたものだと思いますが、プーンサワット戦で見せたステップと
確実にポイントを拾った速い連打がほとんど見られず、ちょっと残念でした。
下田は試合後のインタビューでもなかなか立派な態度で、感心しました。
以前、山中との再戦だったですかね、応援団がインターバル中に
「落ち着け、落ち着け、し、も、だ!」とコールしているのを聞いて大笑いしたことがありましたが、
今の下田にはそんなコールも、もはや不要でしょう。
今は大半の攻撃が単調かつ細切れのものしか無い下田ですが、好機を逃さぬ攻撃の緩急が今後の課題でしょう。
下田は王座を手にしてなお、まだまだ改善点、伸びしろがあるという意味で、見方によっては本当に恐るべき選手です。
精神面ではもう不安はないと思いますので、技術面でさらに成長を期待したいですね。
さて、内山高志と三浦隆司の強打対決は、思った以上に激しい試合になりました。
以前、代打挑戦者となった三浦について、軽い代役などではないと書きましたが、
立ち上がりは「こんなに差があるのか」と思う展開でした。
サウスポーを苦にしない内山の的確で強い左の前に、三浦はほぼ何も出来ない状態。
だから3R、三浦の一撃で内山が倒れたときは本当にびっくりしました。
内山は試合後「一瞬目を外したら打たれていた」と語っていましたが、そんなはずはないでしょう。
やはり打たれた衝撃がすごかったのでしょうね。
三浦が全てを賭けて打った左の迫力が、試合の様相を一変させました。
5Rにも三浦の好打があり、かなり内山も失速したかに見えましたが、
6R以降は持ち直した内山が攻勢、三浦の右目が腫れ上がり、8R終了後、三浦陣営が棄権。
この判断も理性的なものだったと思います。遅いくらいだ、という意見もありましょうが、
今までの日本のボクシングの常識からすれば「進歩的」な決断であったことは確かですね。
李と下田の激戦に触発されたかのように、こちらも両者譲らぬ激闘でした。
130ポンド級、世界と日本の王者対決がこれほど見応えのあるものになったことは、
ボクシングファンとしてとても嬉しいことですね。
次の試合は海外になるかも、と報じられていた内山、現実には難しいこともありましょうが、
東洋最強の看板をひっさげて、今回はかなわなかった米大陸の強豪との対決に進んでほしいです。
対する三浦は、総合力では及ばなかったものの、日本王者の誇りを見せてくれたように思います。
ということで、なんとか見られたダブル世界戦、どちらも熱戦で、見て良かった、と思える試合でした。
どちらも日本人同士の対決となって、普通なら物足りなかったり、何か不満を言いたくなるようなものですが、
今日の試合に出た4選手とも、世界戦と名の付く試合に見劣りしない健闘を見せてくれたと思います(^^)
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日本時間で昨日、南アフリカで高山勝成がIBF王座に挑んだ一戦は、3Rノーコンテストとなったそうです。
映像が見られないので何とも言えませんが、これもまた、思わぬ形での試練ですね。
挑戦者決定戦を敵地で闘い、勝利して手にした指名挑戦権ですので、再戦の保証があって然るべきかとは
思うのですが、なかなかそう綺麗な話になるのかどうか...なんとか再戦が実現してもらいたいものです。