実に遅い遅い感想文ですが...
例のドリームマッチについてです。
この試合については、何のタイトルもかかっておらず、体格差も大きい、
最強のボクサーを決めるというよりは商売を優先したマッチメイクだと感じ、
あまり好感を持ってはいませんでした。
それが試合前の、正直な気持ちでした。
いくらパッキャオが常識外れの怪物で、
名匠フレディ・ローチに仕込まれた立体的なボディーワークを持ってしても、
デラホーヤの左ジャブ、フック、アッパーの風車をよけきれるとは思えず、
どんな展開であったとて、どれか一発入れば、そのときから試合展開は
全部デラホーヤの望むものになる、そう思いこんでいました。
逆に言えば、この試合はパッキャオが速く踏み込んで一発当てて、
もしデラホーヤがぐらついたりすれば、それだけでお祭りとしての、
見ものとしての価値があり、それだけで充分であり、
それ以上の期待はすべきでない、と見ていたのです。
試合はあの通りになりました。
アジアの選手が米国に進出し、フェザー、ライト級近辺の
メキシコのトップ選手3人を下し、なおも階級を上げて、
しかも試合の度に技術面で伸びている。
マニー・パッキャオは、ボクシング史上類例を見ない常識外れの存在です。
しかしそれを知ってなお、今回の試合は想像できないものでした。
デラホーヤは練習段階から不調を伝えられていたそうで、
いざ試合ではなるほど、あの通りでした。
あれは調整不足か作戦ミスか、はたまたパッキャオの攻防一体のボクシングが
デラホーヤを上回ったが故に、あれほどワンサイドな展開となったのか。
様々な見解があり得るでしょう。
しかし、ひとつ確かなことは、デラホーヤというボクサーの存在意義、
歴史的使命が完全に終わった、ということでしょう。
レナードが去り、タイソンが自滅したボクシング界に、
デラホーヤは必要不可欠な存在として登場し、スターとしての役割を
一生懸命に、時には姑息と見られることもありつつ、まっとうし続けてきたのです。
かつてアリが去ったボクシング界がスターを求め、レナードがそれに応えたように。
そして、そのデラホーヤに引導を渡したのがアジアのボクサーであったことは、
歴史的な大事件だったと思います。
デラホーヤが、メイウェザーが、その他のトップボクサーの多くが、
ひとつの階級でベストのパフォーマンスを追求するより、
進化したフィジカルトレーニングメソッドによって多くの階級で
俗に言う「ビッグマッチ」を闘う趨勢に、アジアから出たフライ級上がりのボクサーが、
一番極端な形で適応し、勝ち続けている。
我々は今後、こんなボクサーを二度と見ることは出来ないでしょう。
冒頭に書いたとおり、この試合は、タイトルマッチではなく、
最強のボクサーを決めるという意味が薄弱な試合ではありました。
しかしあの驚くべき展開と結果を経て、多少なりとも考えが変わっています。
やはり、この試合は、ある意味において、とても大きな「夢」の試合だったのですね。
例のドリームマッチについてです。
この試合については、何のタイトルもかかっておらず、体格差も大きい、
最強のボクサーを決めるというよりは商売を優先したマッチメイクだと感じ、
あまり好感を持ってはいませんでした。
それが試合前の、正直な気持ちでした。
いくらパッキャオが常識外れの怪物で、
名匠フレディ・ローチに仕込まれた立体的なボディーワークを持ってしても、
デラホーヤの左ジャブ、フック、アッパーの風車をよけきれるとは思えず、
どんな展開であったとて、どれか一発入れば、そのときから試合展開は
全部デラホーヤの望むものになる、そう思いこんでいました。
逆に言えば、この試合はパッキャオが速く踏み込んで一発当てて、
もしデラホーヤがぐらついたりすれば、それだけでお祭りとしての、
見ものとしての価値があり、それだけで充分であり、
それ以上の期待はすべきでない、と見ていたのです。
試合はあの通りになりました。
アジアの選手が米国に進出し、フェザー、ライト級近辺の
メキシコのトップ選手3人を下し、なおも階級を上げて、
しかも試合の度に技術面で伸びている。
マニー・パッキャオは、ボクシング史上類例を見ない常識外れの存在です。
しかしそれを知ってなお、今回の試合は想像できないものでした。
デラホーヤは練習段階から不調を伝えられていたそうで、
いざ試合ではなるほど、あの通りでした。
あれは調整不足か作戦ミスか、はたまたパッキャオの攻防一体のボクシングが
デラホーヤを上回ったが故に、あれほどワンサイドな展開となったのか。
様々な見解があり得るでしょう。
しかし、ひとつ確かなことは、デラホーヤというボクサーの存在意義、
歴史的使命が完全に終わった、ということでしょう。
レナードが去り、タイソンが自滅したボクシング界に、
デラホーヤは必要不可欠な存在として登場し、スターとしての役割を
一生懸命に、時には姑息と見られることもありつつ、まっとうし続けてきたのです。
かつてアリが去ったボクシング界がスターを求め、レナードがそれに応えたように。
そして、そのデラホーヤに引導を渡したのがアジアのボクサーであったことは、
歴史的な大事件だったと思います。
デラホーヤが、メイウェザーが、その他のトップボクサーの多くが、
ひとつの階級でベストのパフォーマンスを追求するより、
進化したフィジカルトレーニングメソッドによって多くの階級で
俗に言う「ビッグマッチ」を闘う趨勢に、アジアから出たフライ級上がりのボクサーが、
一番極端な形で適応し、勝ち続けている。
我々は今後、こんなボクサーを二度と見ることは出来ないでしょう。
冒頭に書いたとおり、この試合は、タイトルマッチではなく、
最強のボクサーを決めるという意味が薄弱な試合ではありました。
しかしあの驚くべき展開と結果を経て、多少なりとも考えが変わっています。
やはり、この試合は、ある意味において、とても大きな「夢」の試合だったのですね。