9月28日 (土) 第38番 金剛福寺
距離:24K 民宿「安宿」 ~ 金剛福寺 ~ 足摺岬(民宿「北村」)
下の加江海岸の日の出
朝、戻りで延光寺に行く男遍路さんが一番初めに立たれました。(足摺岬の金剛福寺へはこの辺りから40キロを行って帰り、東回りで次の延光寺に行くコースと、竜串辺りで泊まって西側から行くコースの2つがあります。私達は1日40キロは無理ですので西側を取りました、メールを下さるおちさんはお若いので往復コースでした)そして私達、男性遍路さん、宮部さんご夫妻と言う順番でした。
歩いて30分もすると日の出に出会います。家に居る時には日の出を拝む事はありませんから、とても貴重な体験です。遍路をしていますと、鶏の声を聞いたり、日の出を目にする事が多かったです。美しい日の出を撮っていると、男性遍路さんが追いついてこられました。「美しいですね~」と共に眺めておられました。次の延光寺に行くにはこの道を往復するのが一番近道なので、往復する人がよく泊まる「民宿久百々」の前を通過しました。健脚の人は一日で足摺まで往復されるのです。
もう少し行きますと「大岐(おおき)マリン」と言うまだ見るからに新しい民宿で、1階が喫茶店になっているのを見つけました。此処ならお便所は奇麗だろうとトイレ休憩する事にしました。
民宿のお便所はまだポットン(汲み取り式)か「水鉄砲」なので(遍路に来て初めての経験ですが、水鉄砲の様なものが水道線と繋がっていて、引き金を引く事によって紙や排泄物を小さな蓋の付いた部分から自分で落とすのです。鉄砲の形や、水圧はさまざまでした)主人は特に気持ちよく出し難いそうで、私達は水洗便所がありそうなところでは、トイレ休憩と称して喫茶店を利用する事にしていました。
トイレと言えば28番大日寺にあと1/3の距離に来た町で、雨降りで体が冷えたのか、二人ともお腹の具合がおかしくなってきました。住宅街でトイレは無いし、やっと前方に喫茶店らしき店を見つけました。その店から出てきた人が私たちの方に道路を渡って来ましたので「あのお店は喫茶店ですか?」と訊ねました。「そうですけど、何が飲みたいの?」「飲み物が目的ではなく、おトイレが借りたいのです」「それなら家にいらっしゃい。直ぐソコだから」と言われました。私達は喜んで後に随いました。二階に上るようになっていて、歯医者さんでした。1階の駐車場で、雨合羽を脱いで、2階に上がりトイレをお借りしました。帰りには「お八つの残り物だけれど…」とおかきのお接待を頂きました。「今井歯科医院」今でもはっきりと覚えております、あの嬉しかった事を…、本当にありがたかったです。
町中を通り元の大通りに行く途中で美容院がありました。その店からも「お遍路さんお接待です」と飴を持って飛び出してこられました。嬉しかったです。
大岐海岸の砂の上の遍路道 この小さな橋も一応は潜下橋?
「大岐マリン」の直ぐそばです
大岐海岸の砂浜の遍路道
大岐マリンのマスターは高知市生まれの青年です。この景色が気に入って、此処に民宿を始めたそうです。
此処のベランダからの景色はすばらしかったです。これから歩いていく砂浜の中にある遍路道、その道を行く為に渡るのが写真の可愛らしい小さな橋(潜水橋?と呼びたい…)は昨日の雨で枯れ草が橋の上に引っかかっていました。
国道を暫く行くと標識が出ていてこの道を行くと4キロ短いとあり、1時間の差は大きいので、勿論その方に行く事にしました。
村の切れ目に漁村がありました。鰹の1本釣の漁船が停泊していました。その道に沿って歩いていますと沢に突き当たりました。
「鰹の1本釣り」の船の為の港らしい 此処に来るまでに加工所の建物がありました
沢は急斜面で人気が全然なく、本当にこの道を行くのが正解なの? と心細くなりました。昨日の雨の所為でしょうか、水が心細げに流れていました。道が違うのではないかと思うほど、何の気配も感じませんでした。本当に心細い感じでした。
アチコチに居る真っ赤な蟹に喜んでいる内に、何とか沢を登り終えました。細いけれども気持ちのいい遍路道に出ました。「あ~よかった!」とほっとしました。
この「沢蟹」を土地の人は「赤蟹」と呼んでいる
小さな蟹なので「から揚げ」にすると美味しいらしい
窪津小学校の校庭
昼食を食べ トイレを借り一休みさせていただいたが 全く人影なし
「安宿」のご主人が言っていたようにお店は一軒もありませんでした。テクテクと歩いていると、自転車に乗った人が寄ってきて近道を教えてくれるといわれる。教えてもらった道を行きますと窪津小学校の前に出ました。人気は全然ありません。黙って校庭に入らせていただきました。明日、運動会でもあるのだろうかテントが用意してありました。
お腹が空いたので、持っていたクッキーとカロリーメイトでお昼を済ませました。水飲み場でお水も汲ませていただきました。その場所から今夜の宿を探し電話しました。いい宿である事を祈りながら…。携帯を持っていなければ、こうゆう事も出来ないと、文明の利器のありがたさに感謝。
高砂百合
虫押さえ程度の食事とはいえ、水も飲んだし、ボトルに補給もしたし、心豊に歩きました。だけど如何したわけか今朝から私はクシャミと鼻水に悩まされています。半端でない鼻水です、一寸ほっておくとポタリポタリと垂れ流しになります。始終鼻を咬むものですから鼻の頭が真っ赤になり、ひりひりしています。
そんな私の目に飛び込んできたのがこの「高砂百合」です。こんな所でこの百合に遇えるとは思っても居ませんでした。
実はこの百合は我家にも在るのです。昨年の春(平成13年)に紙に包まれて見つけた種を何の種かも知らぬまま蒔いて、咲いたのがこの百合だったのです。始は3本ほど真冬に咲きました。こんな形ではなく袋のまま先だけが開くと言う感じでした。(今思うと、寒さで開ききれなかったようです)冬に咲く百合なんて知らないし、如何見ても百合だし、困ってネットで「これ百合? 名前は?」と訊ねてみました。「高砂百合」との回答を得ました。残りの数本は夏の初めに、写真の様な形で咲きました。本当に嬉しかったです。「わっ!!」と歓声を上げ、何枚も何枚も写真を撮りました。
距離:24K 民宿「安宿」 ~ 金剛福寺 ~ 足摺岬(民宿「北村」)
下の加江海岸の日の出
朝、戻りで延光寺に行く男遍路さんが一番初めに立たれました。(足摺岬の金剛福寺へはこの辺りから40キロを行って帰り、東回りで次の延光寺に行くコースと、竜串辺りで泊まって西側から行くコースの2つがあります。私達は1日40キロは無理ですので西側を取りました、メールを下さるおちさんはお若いので往復コースでした)そして私達、男性遍路さん、宮部さんご夫妻と言う順番でした。
歩いて30分もすると日の出に出会います。家に居る時には日の出を拝む事はありませんから、とても貴重な体験です。遍路をしていますと、鶏の声を聞いたり、日の出を目にする事が多かったです。美しい日の出を撮っていると、男性遍路さんが追いついてこられました。「美しいですね~」と共に眺めておられました。次の延光寺に行くにはこの道を往復するのが一番近道なので、往復する人がよく泊まる「民宿久百々」の前を通過しました。健脚の人は一日で足摺まで往復されるのです。
もう少し行きますと「大岐(おおき)マリン」と言うまだ見るからに新しい民宿で、1階が喫茶店になっているのを見つけました。此処ならお便所は奇麗だろうとトイレ休憩する事にしました。
民宿のお便所はまだポットン(汲み取り式)か「水鉄砲」なので(遍路に来て初めての経験ですが、水鉄砲の様なものが水道線と繋がっていて、引き金を引く事によって紙や排泄物を小さな蓋の付いた部分から自分で落とすのです。鉄砲の形や、水圧はさまざまでした)主人は特に気持ちよく出し難いそうで、私達は水洗便所がありそうなところでは、トイレ休憩と称して喫茶店を利用する事にしていました。
トイレと言えば28番大日寺にあと1/3の距離に来た町で、雨降りで体が冷えたのか、二人ともお腹の具合がおかしくなってきました。住宅街でトイレは無いし、やっと前方に喫茶店らしき店を見つけました。その店から出てきた人が私たちの方に道路を渡って来ましたので「あのお店は喫茶店ですか?」と訊ねました。「そうですけど、何が飲みたいの?」「飲み物が目的ではなく、おトイレが借りたいのです」「それなら家にいらっしゃい。直ぐソコだから」と言われました。私達は喜んで後に随いました。二階に上るようになっていて、歯医者さんでした。1階の駐車場で、雨合羽を脱いで、2階に上がりトイレをお借りしました。帰りには「お八つの残り物だけれど…」とおかきのお接待を頂きました。「今井歯科医院」今でもはっきりと覚えております、あの嬉しかった事を…、本当にありがたかったです。
町中を通り元の大通りに行く途中で美容院がありました。その店からも「お遍路さんお接待です」と飴を持って飛び出してこられました。嬉しかったです。
大岐海岸の砂の上の遍路道 この小さな橋も一応は潜下橋?
「大岐マリン」の直ぐそばです
大岐海岸の砂浜の遍路道
大岐マリンのマスターは高知市生まれの青年です。この景色が気に入って、此処に民宿を始めたそうです。
此処のベランダからの景色はすばらしかったです。これから歩いていく砂浜の中にある遍路道、その道を行く為に渡るのが写真の可愛らしい小さな橋(潜水橋?と呼びたい…)は昨日の雨で枯れ草が橋の上に引っかかっていました。
国道を暫く行くと標識が出ていてこの道を行くと4キロ短いとあり、1時間の差は大きいので、勿論その方に行く事にしました。
村の切れ目に漁村がありました。鰹の1本釣の漁船が停泊していました。その道に沿って歩いていますと沢に突き当たりました。
「鰹の1本釣り」の船の為の港らしい 此処に来るまでに加工所の建物がありました
沢は急斜面で人気が全然なく、本当にこの道を行くのが正解なの? と心細くなりました。昨日の雨の所為でしょうか、水が心細げに流れていました。道が違うのではないかと思うほど、何の気配も感じませんでした。本当に心細い感じでした。
アチコチに居る真っ赤な蟹に喜んでいる内に、何とか沢を登り終えました。細いけれども気持ちのいい遍路道に出ました。「あ~よかった!」とほっとしました。
この「沢蟹」を土地の人は「赤蟹」と呼んでいる
小さな蟹なので「から揚げ」にすると美味しいらしい
窪津小学校の校庭
昼食を食べ トイレを借り一休みさせていただいたが 全く人影なし
「安宿」のご主人が言っていたようにお店は一軒もありませんでした。テクテクと歩いていると、自転車に乗った人が寄ってきて近道を教えてくれるといわれる。教えてもらった道を行きますと窪津小学校の前に出ました。人気は全然ありません。黙って校庭に入らせていただきました。明日、運動会でもあるのだろうかテントが用意してありました。
お腹が空いたので、持っていたクッキーとカロリーメイトでお昼を済ませました。水飲み場でお水も汲ませていただきました。その場所から今夜の宿を探し電話しました。いい宿である事を祈りながら…。携帯を持っていなければ、こうゆう事も出来ないと、文明の利器のありがたさに感謝。
高砂百合
虫押さえ程度の食事とはいえ、水も飲んだし、ボトルに補給もしたし、心豊に歩きました。だけど如何したわけか今朝から私はクシャミと鼻水に悩まされています。半端でない鼻水です、一寸ほっておくとポタリポタリと垂れ流しになります。始終鼻を咬むものですから鼻の頭が真っ赤になり、ひりひりしています。
そんな私の目に飛び込んできたのがこの「高砂百合」です。こんな所でこの百合に遇えるとは思っても居ませんでした。
実はこの百合は我家にも在るのです。昨年の春(平成13年)に紙に包まれて見つけた種を何の種かも知らぬまま蒔いて、咲いたのがこの百合だったのです。始は3本ほど真冬に咲きました。こんな形ではなく袋のまま先だけが開くと言う感じでした。(今思うと、寒さで開ききれなかったようです)冬に咲く百合なんて知らないし、如何見ても百合だし、困ってネットで「これ百合? 名前は?」と訊ねてみました。「高砂百合」との回答を得ました。残りの数本は夏の初めに、写真の様な形で咲きました。本当に嬉しかったです。「わっ!!」と歓声を上げ、何枚も何枚も写真を撮りました。