遊煩悩林

住職のつぶやき

略するところなり

2023年11月01日 | ブログ

真宗本廟 - 東本願寺 -

報恩講

https://www.higashihonganji.or.jp/lp/houonkou/

恩に報いる講座。

どのような恩を受け取り、いかに報いるのか。

報いるには、まず恩を知ることからだ。

知ることができなければ、恩知らず。

11月の常照寺の掲示板に

憶念弥陀仏本願

略して 念仏

と記した。

「略して」という表現はいかがかと思ったが。

「省」のニュアンスではない。

 略 【りゃく】

① はぶくこと。省略。

② おおよそ。あらまし。

③ 知恵。はかりごと。

また別に

① おさめる

と出てきた。

② ③ のニュアンスに、別 ① の意を込めて。

言い換えれば

念仏とは、憶念弥陀仏本願である、と。

宗祖は龍樹菩薩の教えを引いてくださった。

憶念弥陀仏本願 自然即時入必定

とつづく。

弥陀仏の本願を憶念すれば、自然に即の時、必定に入る、と。

「必定に入る」を意訳して「たすかる」と受け取るならば。

念仏すれば自然にたすかる。

さて、私はたすかるのか。

しかし、たすかろうとしているのか。

そもそも、たすからなければならないようなじぶんを知っておるのか。

まわり回って、恩を知らずに過ごしている私こそ、たすからなければならん者ではないのか。

ややこしいが。

恩知らずをたすける、そんな恩をいかに頂戴するか。

報いるとは、仏恩を報ずる以外にない。

恩知らずがどう報ずるか。

南無阿弥陀仏

合掌

 

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