遊煩悩林

住職のつぶやき

「に」学ぶ

2011年10月24日 | ブログ

常照寺が所属する真宗大谷派三重教区南勢一組というグループで、来年「仏教に学ぶ講座」と題した連続講座を開催します。そのご案内をご門徒の皆さまにお送りさせていただきました。ご不明な点やご質問などお気軽にお問い合わせ下さい。
ポイントは「仏教『を』学ぶ」のではなく、「仏教『に』学ぶ」というところです。
私たちは、何のために仏教を学ぶのかということについて、仏教的知識や教養を身に付けることによって少しでも自分の人生に役立てようとか、より良い人生にするために、などと考えがちです。
仏教「を」学ぶのであればそうなります。
しかし、もともと仏教は何かの役に立てたり、人生を良くするために説かれ、伝えられているのではありません。
「仏さまのみ教え」までも、そのような道具にして利用しようとしていた「私」「自分」に気づかされるためにあるのだとすれば、何のために仏教を学ぶのかというのは、自明のことにしてしまっている「私」の正体を学ぶのです。仏教「に」いったい何を学ぶのか。「仏教に自己を学ぶ」のであります。
経は鏡だといわれます。仏教(経)が人間に説かれたということは、人間は私、自己を映す鏡を得たということです。仏教が自己を映す鏡であれば、仏教を学ぶということはその鏡を磨いて、より真実に近い私を映していくということになりましょう。
この講座では観無量寿経の序分「王舎城の悲劇」http://ryoten.blog.ocn.ne.jp/jyosyojiを「鏡」として、ともに学んでまいりたいと思います。
ややこしいことを申し上げましたが、ややこしくない講座です。どうぞお気軽にご参加下さい。

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今日がつまらないのは

2011年10月21日 | ブログ

毎年12月20日から23日までの期間、桑名市にある桑名別院本統寺http://www.betsuin-987.com/で報恩講が厳修されます。?この報恩講にバスにて団体参拝を予定しています。
歳末の忙しい時期ではありますが、だからこそ仏前に身を置き、何のために忙しく過ごしているのか、仏法に聞かせていただきたくご案内申し上げます。
考えてみれば私たちは、日々忙しく時間に追われて生きています。何を忙しくしているのかと思えば、昼の準備、夜の準備、明日の準備、来年の準備・・・老後の準備。とくに年末はタイムリミットを設けて忙しさに拍車をかける時期です。

今日が明日の準備のためにあるのだとしたら
今日ほどつまらないものはない

と聞いたことがあります。忙しいときだからこそ、ひとときその場を休めて「今」というときの意味を確かめたいと思います。
先々の心配と準備に追われる毎日にありながら、何のために生まれ、何のために「今」を生きるのかということを深く見つめることで手が合わさる事柄を知らされ、それを大切に受けとめていくことが報恩「恩に報いる」態度ではないでしょうか。そしてその態度決定こそが「往生」の確定であり、何の心配もない、何にも勝る、生きていることの中でできる最大の「準備」なのかもしれません。いや「今」の連続が「過去」であり「未来」なのですから、「今」が完成すれば何も先に備える必要もなくなるのでしょう。

「生まれてきた」とは「恩を知る」ということではないかと思います。「恩知らず」な私が恩を知るためにこの世に生を受けたといってもいいのではないでしょうか。

2011

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沙羅の木を植えてみた

2011年10月12日 | ブログ

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす

平家物語

今夏に生まれた娘の名にちなんで沙羅の木を双樹で植えました。

実際の沙羅樹(サラノキ、シャラノキ)は、耐寒性が弱く日本で育てるにはよほど温暖な気候の場所か温室が必要で、そのために日本ではナツツバキをシャラノキとして植樹しています・・・

と、花屋さんhttp://www.maniera.jp/で教えてもらい、それにあやかりナツツバキを娑羅の樹として一双、常照寺に植樹しました。

ナツツバキは落葉樹で、花の色を愛でるには来春を待たなくてはなりませんが、さて常照寺の鐘の音は如何なる響きを、そして常照寺の沙羅双樹の花の色は私たちに何を語るのか、ココロの目と耳を樹木の根っことともに養われることが求められます。
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さてお釈迦さまが「阿弥陀経」を説かれたという古代インド、コーサラ国の首都「舎衛城」にある祇園精舎。その僧院に響く鐘の音色は、釈迦の「諸行無常」の説法であると。
そのお釈迦さまが入滅されたとき、その臥床の四辺にあった双樹の沙羅は「盛者必衰」の道理を黙して語っていると、平家物語には平家の衰退になぞらえて仏の道理が伝えしめされています。
しかし「諸行無常」も「盛者必衰」も、平家に限ったことではありません。私たち一人ひとりの「身の事実」を語っていることばです。
釈迦の説いた仏教は、何も釈迦が発明したのではなく、物事の「道理」を私たちに理解できる言葉で伝えているものです。
「生老病死」人は生まれ、老い、病み、死ぬといいますが、それは「道理」です。それを「四苦」といいますが、それがなぜ「苦しみ」なのかといえば、その道理に背く意識があるからでしょう。老い、病み、死ぬのが真の道理であるにもかかわらず、若くいたい、健康でいたい、死にたくないというのであれば、道理に反しているのですから苦しむんでしょう。
「諸行無常」「盛者必衰」が自然の道理です。それが仏教であるにもかかわらず、仏に「商売繁盛」や「家内安全」を祈願するとすれば、それがそのまま「苦」ということになります。その祈願に何かのご利益があるとするならばそれは「思いどおりにならない」という「苦しみ」をつくづく自覚するということではないでしょうか。
平家物語の冒頭はこう続きます。

おごれる人も久しからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ

鐘の音に、花の色に、塵のごとき自分自身の驕りを知らされ続けるのです。
私自身を知らせる「おはたらき」を枯らさぬようにしたいと思います。

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おっ!こんなところに寺が

2011年10月01日 | ブログ

1317334187_2 あるく!マップ伊勢
http://www.emelon.net/aruku/index.html

この「あるく!マップ伊勢」の地図上を実際に歩いてみるという企画ムービーをDad film associatesが制作。
http://www.emelon.net/eps/lineup/dad_01.html
http://yellow.ap.teacup.com/t_emelon/

その「歩く!ムービー」に常照寺が登場しています。

常照寺はこのMAPでは番外ですが、「あるく!マップ伊勢」の仕掛人である画家の中谷タケシ氏とDad film associatesのウェブデザイナー西岡友幸氏のはからいもあって、「あるく!マップ伊勢+」ということで、わざわざ常照寺まで足を伸ばして撮影してくれました。

そのムービーがコチラ ? ? ?

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YouTube: [aruku! map ISE nishioka edition] film by:Dad film associates

この「歩く!ムービー」中のお寺の部分だけ、西岡氏が切り取ってアップしてくれています。

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YouTube: 常照寺[aruku! map ISE nishioka edition] film by:Dad film associates

ムービーは、従来のマップ的な位置や商品の情報発信ではなく、実際に歩く「人」がメイン。「あるく!マップ伊勢」の上を実際に「歩く人」が「あるく!マップ伊勢」のプレーヤーです。
そのプレーヤーの「寺の前をちょっと行き過ぎる姿」から提起される事柄は、お寺がただ「通り過ぎるだけの場所」になっているのではないかという問題です。
かつてオウム真理教の信者が語ったように「日本の寺は風景でしかなかった」という実態が、生々しくそこには映し出されています。
もちろん寺と関わりを持つ多くの方々にすれば、寺を風景ではなく「自己を学ぶ場」として“機能させて”くださっておられますが、まだまだ一般的には寺の前に立ち止まり、門をくぐるには様々な壁というか、抵抗させるものがあるのでしょう。
その障壁や抵抗感は内と外の両面から取り除く作業が必要だと思います。外からは門を叩いていく態度、内からは門を開いていく態度です。
内側の努力のみが要請されるような世間の中で、寺が社会的に本来の機能を果たすには「機能させようとする」外側のチカラが不可欠です。
ムービーの「寺の前をちょっと行き過ぎる」という絵は、「おっ!こんなところに寺が・・・」という発見をリアクションしています。さらに門をくぐり・・・本堂の扉を開く姿にはあくなき「自己探求」の積極的な心が演出されているようにみえます。
寺が社会的にその機能を果たしうるかどうかの条件は、まず門が開いていること、扉が開いているかどうか、近年では防犯上の問題がありますが・・・さて。

この「歩く!ムービー」をとおして、「歩く」ということの意味に「立ち止まる」ことの重要性を教えられたような気がします。「立ち止まる」ということによって「歩いた」その意味が確かめられるのではないでしょうか。ただ地図上をスクロールするのではなく、実際にそこで立ち止まり、出会い、聞き、見て、触り、嗅ぎ、味わい、知り、感じる行動を私も実践せねばなりません。

「あるく!ムービー」は常照寺のホームページにもアップしています。http://web.me.com/jyosyoji/

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