「やっと寝てくれたのに…」選挙カーの爆音に悔し涙するママに共感殺到「これで『子育て支援』と言われても」(まいどなニュース)
やっと思いで寝かしつけたのに、選挙カーの大音量でぐずり始めたわが子はやがて大泣き。感情があふれそうになった母は窓を開け、選挙カーに向かってー。日曜日に衆院選の投開票が迫り、候補者の訴えも熱さを増す今、「まさに昨日それでした」「今日のお昼寝まさにこれだった。窓開けてうるさい!って叫びたくなる」とSNSで読まれている漫画があります。みんなの代表を選ぶ選挙、大事です。大事だとはわかっていますが、選挙カーの爆音、何とかなりませんか。
保育園に通うはるちゃん(2歳)とちーちゃん(4歳)姉妹のママとして、姉妹の発言や行動を優しいタッチで表現している、やまぎし みゆき(@yukiyama_27)さん。「選挙の時期に思い出すこと。」と題した漫画をSNSに公開すると、2万超のいいねが付きました。
選挙カーがうるさい……と言う声は選挙の都度に聞かれるものでもあります。私なんかは生まれてこの方ずっと近隣で工事が繰り返される人生を送っており、今さら選挙カーごときで心を掻き乱されることはないのですが、普段は静かな環境で暮らしている恵まれた人にとっては感じ方も違うのでしょう。私からすれば、なんとも羨ましい悩みです。
自分の身の周りで言えば、まず第一の騒音源は人生の伴侶となりつつある工事ですけれど、その次は子供でしょうか。通学児童もそうですし、隣の家から子供の泣き叫ぶ声と母親と思われる女性の怒り狂う声を聞く日々も10年以上続いています。子供が育つには十分な年月が経過しているはずですが、継続して幼児の声が聞こえるあたり、定期的に新しい子供が生まれているようです。
あるいは犬の鳴き声であったり、深夜に徘徊する人々の奇声、信号待ちの暴走族等々、身近な騒音は多岐にわたります。立地によっては保育園であったりエコキュートや風力発電施設であったり、あるいは商業施設に屯する人々や基地から飛び立つ軍用機であったり、そして集合住宅であればマナーのない上下左右の隣人等々、騒音によって日常生活を脅かされている人は多いことでしょう。それを思えば選挙カーごとき、可愛いものです。
四十住さくらの母、夢支えるため赤ちゃん誕生の隣人に手紙「どうか滑らしてもらえないでしょうか」(スポーツ報知)
自宅の庭にコンクリートを敷き詰めて練習場を作ったときのことだ。隣人に赤ちゃんが生まれ「新生児の間は練習しないでもらえないか」と頼まれた。練習の音がどうしても響くからだ。清美さんは手紙を丁重にしたため、理解を得た。「うちの子は、日本一を目指すと言っています。決めた時間や赤ちゃんが起きている時間にだけ滑らせてもらうので、どうか滑らしてもらえないでしょうか」
こちらは東京五輪のスケートボードで金メダルに輝いた四十住さくら選手のエピソードです。栄えあるメダリストの故事に倣って各政党も「うちの候補は、当選を目指すと言っています。決めた時間や赤ちゃんが起きている時間にだけ(選挙カーを)走らせてもらうので、どうか走らしてもらえないでしょうか」と手紙を丁重にしたため、理解を得るのが良いのではないかと思います。
まぁ騒音を巡るトラブルは色々とあるわけですが、総じて騒音を発する側と被害を被る側の力関係によるところが多いようです。無職が音楽を流していてうるさいという事案では無職が逮捕されたかと思いきや、法廷で国が定める環境基準を超えていることが認定されたにもかかわらず「(子供の声には)健全な発育を感じてほほえましいと言う人もいる」との理由で原告の訴えが退けられるなど、騒音の度合いよりも別の要因が重要であることが分かります。
では選挙カーはどうでしょうか。一般に政治家は嫌われがちですから、選挙カーをうるさいという声も一定の共感を呼ぶわけです。その一方で政治家はまた力を持った存在でもあります。政治家が有権者に向けて自分をアピールする行為は公共性があるとして、裁判所からも尊重されるであろうことは想像に難くありません。
そもそも選挙カーで住宅地を回って反感を買うことがあるとしても、このやり方で当選を重ねてきた議員がいることもまた確かなのです。嫌われることはあっても名前を売るメリットの方が大きい、そう選挙のプロが認めているからこそ選挙カーは走り回っていると言えます。敗戦やコロナのような大きな転機が選挙の世界にも起こらない限り、このスタイルは長く続くことでしょう。