非国民通信

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優先順位が高いもの

2024-01-13 01:26:50 | 編集雑記・小ネタ

災害時も「国防万全」と強調 陸自空挺団が降下訓練始め 船橋(千葉日報)

 陸上自衛隊唯一の落下傘部隊である第1空挺(くうてい)団は7日、船橋市薬円台の陸自習志野演習場で「降下訓練始め」を行った。冷たい風が吹く中、隊員たちは離島に見立てた演習場へ航空機からパラシュートで次々と降下。戦車や8カ国の部隊から援護を受け、敵を制圧するまでの様子を公開した。日頃の訓練の成果と各国との連携を確認し、災害時でも国土防衛の備えは万全であると強調した。

 1974年から一般公開している毎年1月の恒例行事。今年は陸自、空自合わせ約260人、米英など8カ国の部隊60人が参加した。全国から集められた精鋭の自衛隊員約40人が、上空約340メートルを飛行する輸送機から次々と降下。各国の大使や一般来場者の前で、見事に演習場に降り立った。

 

 この引用元の最後にある「見事に」ってのは必要なんでしょうか。こういうところにメディアの価値観が表れるように思います。たぶん、80年ばかり前も同じように軍隊の活動を報じていたに違いありません。ともあれ祝賀行事の類いは中止されるものもあるわけですが、戦争の準備は何よりも優先されるようです。離島にパラシュートで突入する技術があれば道路が崩壊した陸の孤島の救助だって出来そうに見えますが、そこは優先順位の問題があるのでしょう。

 

“国防も疎かにせず!” 今年の「降下訓練始め」世界8か国による国際演習に 陸上自衛隊(乗りものニュース)

 ひとつは、この「降下訓練始め」自体が貴重な実働訓練の機会であり、その練度を維持することは、今回の大地震とは別のより大きな有事に備えるという点から重要だと考えられたからです。能登半島地震はあらためて説明するまでもなく大災害です。しかし、自衛隊の本来任務は国防です。大災害が起きたからといって安全保障を疎かにすることはできませんし、事実、この間に国土や国民に脅威が迫ったら即座に対処する必要があります。

 

 隣国を敵に見立てる政府やメディア、大学教員の不断の努力とは裏腹に日本に住む人々を最も脅かしているのは自然災害であり続けているところですが、それでもなお「自衛隊の本来任務は国防」と先軍の思想を高らかに歌い上げる人は少なくありません。先軍政治は隣国のものとするのが「政治的に正しい」見解なのでしょうけれど、人々の生活よりも隣国と戦う準備を優先している、それを当たり前と説く人が闊歩していることは顧みられるべきと思われます。

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