Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

修論中間発表

2006-10-04 23:54:30 | Weblog
今日は朝から修士論文の中間発表。割り当てられたもの中心に計8つの発表を聞いた。

わが研究室からは,いけだ君が潜在クラス・ロジットの枠組みで,購買履歴データから消費者間の影響-被影響関係を推測するモデルを発表した。しかし,専門が近い教員からのテクニカルな突っ込みにどう対応するかばかり考えていたため,専門を超えて本質を理解してもらい,興味を喚起することがおろそかになってしまったと指導教員として反省する。そのどちらにも備えることが,理想的な発表なのだが・・・。

それ以外の報告を聞いて感じたこと:

(1) 先行研究をきちんと調べないで,自分の研究のオリジナリティが高いと思ってしまう人がいる。いまの時代 Google Scholar なんて便利なツールがあって,先行研究を調べるのは格段に簡単なはずだ。自分と同じアイデアを持つ人がすでにどこかにいる可能性は高いと思っておいたほうがいい。しかし,仔細に見れば,どこかに自分のオリジナリティがあるという希望は捨てるべきでない。

(2) 他方,先行研究に基づいて仮説を作ったというのはいいが,その先行研究が尊重に値するものかどうか,門外漢にはわかりにくい場合もある。ページランクのような尺度が示されると面白いかもしれない。

(3) SEM を用いた研究で,お互いの違いがよくわからない構成概念=潜在因子をいくつも作って,適当にパスを引いて「仮説」だといわれても,全く腑に落ちない。モデリングの柔軟性が,意味不明な研究の量産に加担しているという不幸。潜在因子の数はせいぜい3~5にとどめるべきで,それを越すと研究の質は低下するのではないかと思ったりする。

ヤバいマイクロソフト

2006-10-04 11:47:45 | Weblog
日本のマイクロソフトを率いてきた古川享氏が,Windows Live Space上のブログにすごいことを書いておられる…

「MacのIEは改修も修正もしません、っていうならそれを社会に責任を持って告知すべきだし」
「現在でもサファリで..私のブログが読めない」
「Windows のIEでも、私のブログバックナンバーの2005年9月をクリックするだけで、IEが暴走して死ぬって事実を3ヶ月も放置したままってのは、あまりにも不誠実でないかい」
「こんなことが続くならこのブログスペースも、汎用的なブログサイトに引越しせざるを得ないという状況になってしまうかも...」

かつてのマイクロソフトがどこまで顧客本位だったか,正直いってわからないが,マイクロソフトを愛する古川氏さえ嘆かせてしまう変化が起きていることになる。それは他企業にとってはチャンスといえるかもしれない。

さらに古川さんが記す記事を読んでいくと,Windows Vista に早々に乗り換えるべきでないという判断になる。