Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

献本御礼

2010-05-01 14:06:39 | Weblog
立て続けに献本いただいた。この場で御礼申し上げるのは変かもしれないが,世に広く伝播させる一助になればとおもい,紹介させていただく:

日本人の心理・行動モデルと日本企業のクォリティ

山下 洋史,
白桃書房,


このアイテムの詳細を見る


明治大学商学部が中心に行った,文科省オープンリサーチセンター整備事業「クォリティ志向型人材育成とスマート・ビジネス・コラボレーション」の成果が収められた論文集。主にHRM系の論文が中心だが「日本における欧米志向・ブランド志向の消費者行動」や「国際浅草学」はマーケティングにおおいに関係する研究である。

大逆転のブランディング どん底から成長した13社に学ぶ

田中 洋,
講談社,


このアイテムの詳細を見る


最近の日本でブランド作りに成功した13の事例が紹介されており,授業の教材にもなる。著者の田中洋氏は,消費者行動理論の体系化とブランド戦略の事例研究の双方ですでに多くの本を出されている。自分と比べるのはあまりにおこがましいが,その生産性の違いにいまさらながら愕然とする。

マーケティング (New Liberal Arts Selection)

池尾 恭一,青木 幸弘,南 知惠子,井上 哲浩,
有斐閣


このアイテムの詳細を見る


有斐閣の New Liberal Arts Selection シリーズは,これまで社会科学の各分野で本格派の教科書を世に送り出してきたが,いよいよその「マーケティング版」が出た。日経の同様のシリーズからすでに発売されている,小川孔輔『マーケティング入門』と価格も厚さもほぼ同じである。

今後,この2冊が日本のマーケティングの教科書の覇を競うのかもしれない。ちなみに,わが2年生のゼミでは現在,小川『マーケティング入門』を輪読中だ。来年度は池尾・青木・南・井上(I_AM_I) 本を使って,味わいを比較することも考えられる。ただ,どちらも持ち運びがちょっと大変だ・・・。