タタッタ・タタタター
モダン・ジャズの軽快なメロディーが物語を進行していくフランス映画の傑作“地下室のメロディー”。
この映画は、クアトロの父のお気に入りだ。
ジャン・ギャバンにアラン・ドロンのカッコよさに惚れ惚れする。
その物語の終盤、アラン・ドロンの義兄が金庫破りの仲間から抜けたいと云いだす。
「大金を手に入れて贅沢を覚える」
「しかし、お金はいつか無くなる」
「そうしたら、また義弟の誘いに乗り、悪いことをする」
「いつのまにか、オレも監獄行きだ」
タタッタ・タタタター
「クアトロで秋の味覚の美味しさを覚える」
「しかし、もっと美味しいものを食べたくなる」
「そうしたら、またクアトロのブログを見てしまう」
「いつのまにか、クアトロの虜にされてしまう」
タタッタ・タタタター
危険なクアトロのメロディーが今日も流れる。
タタッタ・タタタター
ここだけの内緒の話だが、フォワグラのステーキを・・・。
クアトロの仲間にだけ、その後の計画は教えよう。
やっぱり天然生本マグロ200キロものともなると旨い。
しかも鮨に握ると格別である。
酢飯のほのかな甘みと体温のぬくもりにマグロの脂の旨味が融合する。
生本マグロの脂は深みがあり、口の中でサラリと溶ける。
脂にくどさが無い。
上等なマグロの証拠だ。
ここがイタリアンだったことをしばし忘れることだろう。
やはり上等なマグロは鮨がいいなと思うクアトロのシェフだが、やはりマグロだけでは寂しい。
他の魚もあると、マグロもその他の魚も相乗効果で美味しくなるというものだ。
そこで、根室のサンマに、下関の関イサキ、鹿児島の天然小カンパチ、和歌山のメイタカレイ、北海道の生クジラまでも握りはじめた。
さらに、フォワグラまでも炙って握る。
ここがイタリアンだったことを思い出せなくなるだろう。
しかし、マグロだけや、旬の魚だけ三貫でも今日、明日は握ります。
前菜としてちょっと楽しんでみよう。
やはり、仕上げはパスタをどうぞ。
魚市場をクアトロ・シェフが歩いていると、
「スタちゃん(クアトロ・シェフのことだ)、ちょっと、ちょっと」
「いいマグロがあるんだけど」
そのマグロを見ると、確かにいいマグロだ。
伊豆下田沖の近海天然生本マグロのなんと200キロものだ。
「これは、確かにいいマグロですね」
こんな上等なマグロじゃ高いだろうなと思うスタちゃん。
「でも、どーしよーかな」
天然生マグロともなると、市場も連休前にさばきたい品物だ。
「スタちゃんには、一番良いところを特別安くしとくよ」
「そー、じゃ買っちゃおーかな」
この週末、クアトロに来ると、
「お客さん、ちょっと、ちょっと」
「いいマグロが入りましたよ」
そのマグロの刺しの良さをお客さんに見せるクアトロのシェフ。
「伊豆下田沖の近海天然本マグロのなんと200キロものですよ」
「これは、確かにいいマグロですね」
やっぱり上等なマグロは握ったのがいいよなと思うお客様。
「でも、どーしよーかな」
天然生マグロともなると、クアトロも連休中にさばきたい品物だ。
「お客さん、一番良いところ特別に握っちゃいましょうか」
そんな、やりとりもあるかもしれないこの週末の変わったイタリアン・クアトロだ。