クアトロの父はその昔ジャズ喫茶のカウンターマンであった。コーヒー専門店でもあり、ドリップ式で淹れるクアトロの父のコーヒーはとても美味しかったと自負している。軽食メニューではピザトーストも自慢だった。紀伊國屋のイギリスパンにオレガノの効いた自家製ピザソースを塗り、オニオン、ハム、サラミ、トマト、ゆで卵をトッピングしゴーダチーズのスライスを載せて焼く。マッキントッシュから大音響で流れるジャズとコーヒーとピザトースト。クアトロの父の青春の1ページである。
朝の仕込みで大玉のゴーダチーズを解体してピザトースト用にゴーダチーズのスライスを用意する。今ではスライスチーズというものがあり便利なものだが、大玉から切り出したゴーダチーズで焼いたピザの味には及ばないだろう。
クアトロに山羊のゴーダ“ゴーダ・ペニング”が入荷している。野生のヒースの丘で育つ山羊のミルクから作ったゴーダチーズだ。とてもミルキーでクセがない。ほんのりハーブの香りが心地よいとても上品な味わいである。
ゴーダ・チーズといっても色々とあるものだ。この白いゴーダでピザトーストを作るとどんな味なのだろう。ジャズよりもクラシックが似合いそうな味わいの白いゴーダである。