伊賀市の最南端、旧青山町高尾の旧道脇に岩崖から切り取られ、今は忘れ去られた様に佇む地蔵さん。
何処も同じだろうが、平成の大合併と称した地方自治体の省略化で、この伊賀市も膨大な市域を有する市となり、市街地からは車で1時間も懸かるこの鄙びた辺境の地も伊賀市内となり面食らう。
木津川上流域の支流の一つ、前深瀬川の源流近くに軒を連ねる山間集落。
現在廃校となり高尾地区センターと名を変えた高尾小学校付近から対岸に渡り、川沿い山道を10分程も遡ればこんな景観に出逢う。
この道はその昔、県道が開通するまでの旧道、酷い難路だった様ですが・・・・、現在殆ど利用されず、この石仏より奥は廃道同然に成っています。
石仏は、この地「岩鼻(いわっぱな)」と呼ばれる川岸にせり出した岩盤の磨崖仏だったようです。
昭和の初め頃、岩盤は切り出され、磨崖の地蔵さんも切り離され、この地に留まり、今の姿で祀られた様です。
切り出された高さ約1m程の板石状花崗岩・・・舟形光背の中に像高約50cm程の定形地蔵を中肉彫りで刻み出す。
江戸時代中期の造立・・・・・ちょっと、したり顔で仄かに微笑む地蔵さん。
岩鼻の危険を避ける為に磨崖として彫り刻まれたのでしょうか・・・・・。
撮影2012.3.7
だ~れもいない旧道でこの雰囲気を独り占め・・・
伊賀の石仏行脚順調ですか?
もう殆んど巡っているので大物はありませんが、ちょこっとだけ・・・
伊賀方面も何度行っても飽きませんなぁ。