大洞石と言う、この地特有の柱状節理石に刻まれた阿弥陀石仏。
先日紹介、高尾集落より西へ一山、林道の峠を下り、前深瀬川沿いに軒を連ねる床並集落、萬松寺之境内に祀られて居る。
小高い斜面を拓いた狭い台地に建つ萬松寺、その境内脇に六角屋根を持つ覆い堂が有り、この阿弥陀石仏が有る。
大洞石は高さ約2m、幅約80cm、正面に大きく舟形光背を彫り沈め・・・・
中に像高85cmの来迎印を持つ、阿弥陀如来立像中肉彫りで刻み出している。
線彫り二重台座は力強い鎌倉形式を表しているが、体躯はことのほか細身、尊顔も温和で少し笑みを浮かべている。
元は山越え間道の路傍に有り、いつしか土中に没してしまった様ですが、山崩れで飛び出して来たと言う・・・・。
明治中期、ここへ移動中、落下事故が起き胸部で断裂してしまった。
像容から鎌倉末期之造立とされるが・・・、そんな古い時期にもこんな山中に人は居て、祈りがあったのだろうか??
撮影2012.3.7