愛しきものたち

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岩屋洞飛天像.迦陵頻伽(かりょうびんが)

2010年02月02日 | 石仏:九州

福岡県と県境を接する大分県豊前市の山中に修験道の修行の場として知られた求菩提山が有ってその麓、県道32号線の岩屋集落の山手斜面に「狗(いぬ)ケ岩屋」と呼ばれる岩洞窟が有り その天井部に彩色された飛天像が有るというので訪ねてみました。

周囲は耶馬渓につながる豊前独特の山容に囲まれた長閑な里山、岩屋集落の入り口あたりにそれとわかる小さな看板が有って集落内への道を進むとすぐにこの岩屋洞へ続く進入路入り口に着く。

通行量の少ない田舎道、特別な駐車場はないが適当に路肩に車を寄せれば問題なく駐車は可能。

田んぼの畦道のような進入路を山裾伝いに進むと直ぐに掲示板と鉄網の柵が有る岩屋洞の入り口、柵には開ければ必ず閉めて帰るようにとの表示が有りイノシシでも進入して洞内を荒らすのだろうかと思ったり????。

入り口から急な石段を少しばかり登ると岩壁に大きな口をあけた岩屋洞が有りその奥突きには小さな古びた薬師堂、右手岩肌には近年のものと思われる石仏が一列に10体程、国東塔が一塔、一番手前には妙見菩薩?の石仏。

 飛天像は石仏と言えるかどうか?窟内薬師堂前の天井壁に半肉彫、彩色の飛天が優雅に舞っています。

しかし窟内は暗く、おまけにかなり高い天井壁の飛天は肉眼では容易に半肉彫りなのかも確認できず、ただ明治時代に補彩されたという彩色だけは目に鮮やかに写る。

平安時代の末期の作造だと云われる飛天は体長約1m、迦陵頻伽(かりょうびんが:極楽浄土に住むとされる鳥)だとされ、通常は雌雄2羽が対になるのですが、壁画では1羽が欠落しており、向かって左の天井落岩部に描かれていたと考えられているようです。

堂内には平安後期の薬師如来が祀られているようですが正面は鍵で閉ざされ薄暗くて確認は出来ません。

宇佐の影響化で有ったと思われる求菩提山修験修行の一端を垣間見せてくれるもので、貴重な仏教美術を伝えるものとして県指定の文化財となっています。

撮影2009.12.26

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2 コメント

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Unknown (幽黙)
2010-02-02 23:40:58
おおおおおぉぉぉぉぉ
これはすごい
初めて知りました
すごいな~
いいなぁ~
返信する
Unknown (ぺん)
2010-02-03 08:41:41
幽黙さん、やっぱり九州面白いですよ。
畿内では見れないものがいっぱい。

詳しく訪ねれば知らないものがいっぱい有りそうです。

ちょっと遠いのが玉にキズ。
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