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九州気まま旅の最終日、鹿児島市郊外の山肌を削って新興団地が建ち並ぶ谷間、鹿児島市内より薩摩半島を横断して東シナ海沿岸部へと抜ける県道35号線沿いの田圃脇で見かけた「田の神」です。
谷間に広がる田圃を背にして誇らしげな土地改良工事の大きな石碑と居並ぶように、やっぱり顔を潰され哀れな姿で佇んでいます。
この画像だけを見てると長閑な里山風景、それでももう間際まで都市化の波が押し寄せ、県道はけたたましい車列がひっきりなしに続いています。
県道脇に有る五ヶ別府郵便局の手前の信号を左折、川口公民館と道路を挟んで対峙するかの様な田の神は修行僧の像容を持ち磐に腰掛けている。
何処の田の神でも同じ様に頭には甑簀(こしきす)、右手にメシゲ、多分お碗でも持っていただろう左手は案の定欠損。
正月を真近に控え真新しい注連縄が掛けられて居ますが、顔をなくした「田の神さぁ~」は一体どんな心境なんだろう??
隣に立つ小さい石碑に、安永十年(1781)二月二十四日川口村中の銘が在り、同時期の建立だと言われています。
裏側から見ると甑簀(こしきす)をかぶった姿が男性の陽物の様にも見えるところから、「田の神」は五穀豊穣と共に子孫繁栄も願って信仰されたものだと言われているようです。
撮影2011.12.21