鄙びた山里、集落から集落へと伸びる旧道脇に有る磨崖仏。
名張市街地より南東に約5km強、青蓮寺湖と比奈地湖に挟まれた名張川の支流沿いに走る県道693号線、広芝橋で左折・・・・、
羽根~長瀬方面に伸びる旧道へ入って直ぐ、左手斜面裾に簡素な覆い屋を掛けられた磨崖仏が見える。
磨崖仏は二ヶ所に解れて刻まれており、向かって右側には阿弥陀と地蔵の双石仏。
左手岩には小さく江戸中期期以後の追刻だと思われる地蔵磨崖仏。
右手の双石仏は双頂部を持つ方形を彫り沈めた中、向かって右に阿弥陀立像、左に地蔵立像・・・
阿弥陀頭部背面には放射光背と「キリーク」が刻まれ、ともに像高約50cm程、地元では足痛地蔵と呼ばれ、今も信仰は続けられて居る様です。
地蔵と阿弥陀の壁面には慶長十七年(1612)九月二日の銘が有り、安土桃山時代の造立。
共に、この名張地域で目にする、個性の強いローカル色豊かな像容で、周りの景観と相まって、見るものを和ませてくれます。
撮影2012.3.7
伊賀、甲賀、湖東と一巡り・・・・。
手始めに正月堂近くの六体地蔵さんにもお目に掛かってきましたよ。
あの上のお婆ちゃんにも話が聞けました。
あれは「お迎え地蔵さん」と呼ばれて居る様でした。
別面下方には双体五輪塔も彫られて居ました。
あの磨崖六地蔵、まさかのまさかだったでしょ。
在るとこには在るんやなぁ・・・知らないだけ・・・
せやけどそれを探し出すのが石仏探しの醍醐味ですね。