岩倉は宝ヶ池国際会議場の北方約2kmの山裾にある静かな里山ですが、最近は新興住宅が建ち並びその様相を一変させています。
西側山裾には岩倉門跡と呼ばれる名刹実相院が周りを集中する病院や、其の関連施設群の建物に囲まれる様にあり、その北側には「大雲寺」と言う古刹と其の鎮守社、この地の産土神を祀る「石座(いわくら)神社」もまたそれらに取り込まれたようにある。
そんな病院群のひとつ北山病院への通路にあたる大雲寺と石座神社の間に覆堂を掛けられた大きな石仏がある。
大日さんと呼ばれる其の石仏はこの付近以外では余り見かけない三面石仏で其の大きさと共に特異な石仏です。
高さ約2m、幅約1.7m、奥行約60cm程の花崗岩自然石正面、舟形光背の中、厚肉彫りの像高約150cmばかりの定印を結ぶ阿弥陀坐像を刻み出している。
堂々とした迫力で顔容穏やか、体躯は張りが有り力強く、鎌倉期石仏の特徴を余すところ無く伝えていますが・・・・、やっぱり磨耗が進んでいます。
向かって右側面には十一面観音・・・余り良く解りませんが 頭上に化仏の有るのがそれとなく解ります。
像高約1m・・・これ以上下部は覆屋の腰板がどうにも邪魔になり撮影不能です。
向かって左側面には地蔵立像。
像高84cmの錫杖を持たない古式地蔵菩薩・・・・。
比叡山天台密教や天台浄土教の色濃い類稀な石仏です。
撮影2009.5.30:2011.8.27