大津市坂本は比叡山延暦寺の里坊で開けた門前町、日吉大社境内前に穴太(あのう)積みと呼ばれる石垣や懐かしい建物が軒を連ねて独特の景観を見せている。
11月の中頃、少し早い紅葉でも見に行こうと日吉大社を訪れ、坂本の街並みをブラブラ散歩・・・・。
ふと歩を停めた懐かしい店先で立ち話をしているおばあちゃん。
その軒並みに目を留めた小さなお堂・・・覗きこんでいたら先ほどのおばあちゃんが「お地蔵さん みとくれやす」と言って近づいて来てくれた。
ありがたき幸せ。
正面扉の枡障子??・・・・・小さな八角吊り灯篭がよく似合う。
障子を開けて見せてくれた地蔵さんは大きな白木の厨子におさまっていた。
この地蔵石仏は、元々今の比叡山中学校の敷地にあった廃寺に祀られて居たそうですが寺が火事になり倒されていたのを、当家「大文字屋」さんの何代か前の当主が
ここまで持ち帰り、お堂を造りお祀り大切にしてこられたようです。
地蔵石仏は石棺蓋石にでも見えるような花崗岩の扁平な石に中肉彫り、等身大の像高を持つ立派なもので、「亀の錫杖が立派でしょう」と説明してくれたが銘や下部については確認する術も無かった・・・・・・ただ火事に逢ってか?大きな亀裂が2箇所ほど確認出来た。
鎌倉期のものだろうか??「大文字屋延命地蔵」と言われているようです。
また日吉大社正面鳥居の脇には立派な六角地蔵堂が在って延暦寺開闢の伝教大師最澄が自ら刻んだと伝えられる地蔵石仏が祀られている。
直ぐ傍に石段上に有る早尾神社に由縁か「早尾地蔵尊」、「かくれんぼ地蔵」、「子育て地蔵」などと親しく呼ばれ、今なお篤い信仰を集めている。
地蔵石仏は花崗岩を舟形光背型の厚肉彫り、ただ信仰が激し過ぎたのか手擦りに寄る磨耗が激しく、目鼻立ちも良く判らない程・・・・
お前立ちに阿弥陀に見える石仏さん。
石仏としての歴史的美的価値は疑問だが、信仰の篤さは延暦寺や日吉大社とあいまって飛び切りです。
立派なお堂の奥で大切にされてるからか、野の石仏に抱く素朴な良さは感じるべくもないけれど・・・・
撮影2010.11.13
小学生の頃
このあたりは自転車で
走り回っていました
坂本は近くでしたか??
今年は色々ありがとう。
来る年が幽黙認さんにとって良い年になりますように。
そしてまたよろしくお願いいたします。