浄瑠璃寺参道脇に有る「あ志び乃店」の横に有る小道を15分程分け入った先、訪れる人も少なく、まったく野の仏となってしまった石仏さんです。
往古この地は赤門坂と呼ばれ、浄瑠璃寺の赤門と呼ばれた南大門が建ち、奈良から笠置、伊賀への古道が通じていたようです。
石仏は緑生い茂る斜面際にあり、その昔には地蔵堂が設えられ、傍らには茶店もあり賑わった様ですが、今では殆ど廃道となっています。
この石仏は三角オニギリ状の自然石に円光背を線彫りで表し、造り出しの大きな蓮弁に座す地蔵石仏です。
地蔵坐像は厚く刻みだし、右手に錫杖、左手に宝珠の定型ですが地蔵堂の火災で焼け爛れ痛みも酷く、磨耗も加わり顔容も定かで無く痛々しい姿ですが、その堂々とした体躯は鎌倉中期の造立だといわれています。
像高180cmと、地蔵坐像としては珍しく大きく、また額には輝石の白毫でも埋め込んだのか??小さな穴がうがたれていました。
傍らには水飲み場があり、剣豪「荒木又兵衛」もこの水を飲み、この地で一休みしたとか??。
真しやかに伝えられた昔話がこの石仏さんの呼び名になった様です。
撮影2011.6.22