愛しきものたち

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三重県旧美杉村太郎生(たろう) 国津神社十三重石塔:他

2012年08月05日 | 石塔:石造物

町からは遥か離れた山間集落の三重県旧美杉村、国津神社境内に安置されている重要文化財の十三重石塔と種子石塔婆

国津神社の有る旧美杉村太郎生は平成の大合併で津市の一部と成ってしまいましたが、歴史的には奈良文化圏に属し、地理的にも木津川の支流の名張川上流域に位置し、津市より名張市の生活圏に在る山里です。

名張市街から国道365号線で一路南進、山間部に入り比奈知ダム湖を横目に、20km弱、車で約30分足らずの距離です。

国津神社は太郎生の中心に近い旧街道脇の斜面に在って、境内に有る見事なケヤキの巨木の撮影でも訪れ、古石仏もあちこちに有り良く訪れる土地ですが、まさに山紫水明を絵に描いたようなところです。

石塔は拝殿への登り石段脇の境内より一段高い石垣上に他の灯篭類と並び建てられている。

十三重石塔は、太郎生日神(ひかわ)不動院前の山王権現社にあったものを、また自然石塔婆は日神(ひかわ)不動院にあったもので、同じく明治四十年の山王社合祀の際、現在地に移されて来たようです。

十三重石塔は地元産出の大洞石(おおぼらいし)と言う凝灰岩製で、ちょっと小振りな総高330cm、正面を東に向け緩やかな屋根反りで建っている。

四面共に素面の基礎石の上に載る 初層軸部には舟形を彫りくぼめ顕教四仏を半肉彫りとする。

正面には蓮華座上に座する像高約30cm阿弥陀如来坐像・・・・・本来西面のはずですが??どう考えても正面は東向きに建って居ます。

まさか移設した際に方向を間違ったのかも???

本来南面の向かって左面には弥勒仏。

本来北面の向かって右面には釈迦如来・・・・これだけ小さいと弥勒と釈迦の見分けが殆どつきません。

本来東面の背面には薬師如来・・、これは左手に薬壺を持っているので僕にもわかります。

背面に大きい杉木立があり、年中日陰に成っていて苔むして居ます。

相輪は新しく後補のものノようですが全体的に鎌倉時代後期の特徴をよく表し、国の重要文化財に指定されています。

一方、右隣に立つ阿弥陀種子自然石塔婆はこの地域独特な意匠をもっている。

高さ約1.5m 幅約70cm足らずの大洞石に線彫りで、三角基台、その上に蓮華座、月輪と刻み込み、中に阿弥陀の種子「キリーク」を大きく彫り下げている。

この地域独特の美杉型(勝手に名付けた)石塔婆はこの他、同じく美杉町三多気「真福院」の物などがよく知られている。

いつもは滅多に見かけない神職にたまたま出逢って、色々親切にしていただき石塔の前で写真を撮らせて戴きました。

京都にも縁の有る方ようで・・・・またの機会もよろしく、その節はありがとうございました。 

撮影2012.6.2



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