先日の天童市高擶、石仏寺より国道13号線山形バイパスで約20分強、山形空港のある東根市大森山緑地公園南西山裾に、鎌倉末期造立だと推定される磨崖仏が有る。
夏の名残の直射日光が覆屋の深い庇に遮られ大きい磨崖を真っ二つ、醜い画像に成ってます。
県道304号線から案内板通りに山道を少し登れば目の前に磨崖を覆う真っ赤な背の高い覆屋が目の前に建つ。
あまりのけばけばしさで景観も台無しおまけに骨組みが邪魔になり全体を見渡す事がでできません。
保存が大切なことは解りますが崩れるに任せた自然のままが良い様な気もしないでは有りません。
高さ5m、幅7m、厚さ3.5m、こんな大きなものは動かし様も無いので単立していたと思うのですが、背後の岩盤との妙な距離が気になります。
2段にに分けられた上段にはおよそ横幅6m、高さ2mの方形龕を穿ち向かって右端に一仏分の粗面を残し四体の薄肉彫り如来坐像が刻まれている。
四体は五智如来のうちの四体で向かって左端は未完のままであるとされて居ます。
<向かって右から>
浅い彫りの上軟質多孔の凝灰岩ゆえ、ほとんどその詳細は判りません。
共に総高約150cm、像高100cm足らず・・・・光背の一部に彩色の痕が見受けられる。
こちらの岩は全てが凝灰岩なのでしょうか??柔らかいので掘り易いでしょうが長くは持たない。
大口を開いて居る様に見えるのはたぶん石孔です・・・・もう全身あばただらけ。
共に敷茄子を持つ蓮台に載り二重光背・・・・、敷茄子下の受華には薄く朱が残って居る。
下段には上段の約半分位の方形龕が設けられ最早風化で、でくの坊と化した六体地蔵が刻まれて居る。
右手枠には何やら銘らしき物も見えるが不明。
鎌倉末期の造立だとされ山形県では貴重な磨崖石仏です。
説明板に拠ると、ホイト(乞食)穴と称する洞窟の大岩にも小磨崖があると言うが、加工の入った岩盤は分かりましたが像までは確認できません。
帰り道、県道脇の草叢で見かけた大きく荒削りな五輪塔。
空風輪を欠損するも、現高約2.5m、完品なら3mは超えるだろう、地元では水輪部分を「大きな腹」に見立ててタイパラ(大腹)地蔵と呼ばれて居る。
民間信仰の俗信から水輪を削り、薬として服用したとか・・・・・。
同様のものが近辺では七箇所に確認できるが造立時期やその趣旨が全く不明で謎とされて居る。
やっぱり五輪塔も凝灰岩・・・・五輪を地蔵に見立てるなどちょっと無茶すぎですけどね。
撮影2012.9.17