この阿弥陀三尊来迎板碑は後補の石龕に納められ比較的風化摩耗も少ない。
郡山市街を縦断して走る奥州街道と呼ばれる県道355号線で駅前より北上すること約4km足らず、まだまだ住宅が密集する富久山町福原に本栖寺と言う
臨済宗の立派な寺院が有る。
大きな本堂の前には大きな磁器の花瓶と何やら装飾の多いい石灯籠が置かれ、ちょっと不思議な雰囲気もしないではない。
境内左隅、白壁塀を背に吹き放ちの覆い屋が有り、その下に二体の石仏が安置されて居る。
一体は切板石を両側に建て、上に方形に加工した屋根笠石を置き、言うなれば阿弥陀三尊来迎石龕仏とでもいう格好に成って居る。
中尊阿弥陀は厚い雲に乗り書いう面を向き来迎印、この手のものとしては珍しく舟形光背と頭光を共に負う。
勢至観音は左右下方で向き合い俯向き加減、保存が良いので小像にも係わらず丁寧な彫りがよくわかる。
頭光上部で断裂、尊顔は剥離したのか欠損していて惜しい。
郡山市の文化財に指定され、鎌倉後期の造立だとされて居ます。
向かって右側には笠石をなくした笠塔婆。
分厚い多重連弁に坐し、定印の阿弥陀如来立像。
二重光背を持ち、像高37cm、小像ながら力強さが感じられ、鎌倉期の造立だと考えられて居ます。
摩耗した顔が少し微笑んで居る様な・・・・。
撮影2012.9.26