東北の石仏は福島県に集中、その中でもこの阿弥陀三尊来迎石仏は地域性が強く、「浜通り」や「会津地域」では見られず、白河から福島市にかけての「中通り」特有の石仏。
それもこの須賀川市を中心とする旧岩瀬郡に集中している様です。
JR須賀川駅北方へ約500m、新興住宅が間際まで迫った森宿集落入口の台地上に「宝来寺」が有り、その境内に三基の阿弥陀三尊来迎石仏が有る。
山門へ続く石段には大黒天石仏と、咲き出したばかりの彼岸花は彩を添えていた。
ひと気も無くガランとした境内、無住なのか?戸締め本堂の向かって左前方、コンクリート台に並べ安置されて居ます。
三基共にかっては本堂裏の墓地に有ったようですが・・・・・。
中で一番大きな中央の供養石仏。
高さ約1m、安山岩の自然石表面を凸状に彫り沈め、雲上に乗る阿弥陀三尊をレリーフ調の薄肉彫りで刻み出している。
中尊の阿弥陀如来は正面を向き、両側の観音像と勢至像が阿弥陀の方に向いあい、少し腰をかがめて居る。
向かって左側の一体、殆ど中央のものと変わりなく、共に鎌倉後期から南北朝の造立だと考えられて居ます。
右手の一体は幅高さ共に少し小さく、像容も三尊共に飛雲に乗り右下側を向く来迎像だと言うが、風化や苔黴の繁殖で殆ど判りかねます。
しかしこの近隣だけでもよく似た来迎石仏が50基近くも確認されて居るとか??
撮影2012.9.26