ここも東北に行ったら是非とも訪れたい磨崖石仏でした。
五年ほど前に急死したNETで交流のあった友達から何度も掲示板に投稿戴いた思い出の磨崖・・・・最初から鳥海山の眺めと、この磨崖は外せないと決めていた。
畿内では、好かれ悪しかれ海を背景にした磨崖石仏など見られる訳もなく、やっぱりネット友さんの事も相まって感慨一入でした。
秋田県との県境まで約6kmばかし、吹浦漁港のすぐ北側、日本海に突き出した岬の岩場に波に立ち向かう様に、この磨崖仏が刻まれて居る。
国道345号線沿い、岬突端の崖淵からい岩場の連なる海岸へ降りる散策道が設けられ、誰でも簡単に近づく事が出来る。
近く、海禅寺の第21代住職「寛海和尚」が、海難事故でなくなった人の供養と海上の安全を祈り十六羅漢の造立を発願、托鉢を繰り返し、元治元年(1864)から明治元年(1868)に掛けて刻まれ続け、22体の石仏を完成させた。
後、5年後の71歳の時、自身が即身仏となることを志し、この岩場から身を投じたと言う。
磨崖石仏は数箇所の岩場に分れ刻まれているが、中心となる一番大きな岩には釈迦牟尼仏を中尊に文殊、普賢菩薩と十大弟子中の舎利弗、目蓮の合計五尊。
右上の方、文殊菩薩背後に獅子頭の様なものが見えます・・・・。
この岩場は出羽富士とも呼ばれる鳥海山の溶岩が固まった安山岩でやっぱり脆く、冬の荒波のせいもあるでしょうが、完成後130年ばかりでここまで風化が進んで居ます。
前の岩場にはインガダ尊者、ビンドラバラダージャ尊者、ジュバカ尊者・・・・。(本当は全くよく知らないのですが・)
磨崖石仏は総じて等身大以上のの坐像です。
観音菩薩は何故か一段高い岩場に単独で刻まれて居ます。
海岸線真近の岩場に海坊主の様に空を見上げるこんな尊者・・・首から下部は基から無いのか??最早波に削られたのか・・・。
岩場に続く国道直下の散策道を進めば・・・コンクリートに半分埋もれて二体の尊者。
国道を支える擁壁をトンネル状にして保存されて居る二尊者の磨崖石仏。
ぐるっと一回りするのに約30分、石仏としてはそれほど優れたものだとは思われませんが、荒天の冬場、岩を噛む荒波に向かって立つ羅漢たちの姿はどんなに凄い形相に変わるのかと思う。
夏の終りの穏やかな海を背景に見る尊者たちはどこかほっとしている様にも見えますが。
海のある景観の一部ととして自然と溶け込んでいる。
撮影2012.9.18
あとは遠野かな…
ガイド本などでは吹浦の羅漢の姿がここまではっきり
見えるものがなくてなんだか…だったのですが
ぺんさんのおかげでこんなにしっかりと全体像を
拝することができて益々行きたくなってしまいました…
晴天の下座り込んでぼんやりと眺めてみたいです。
ネッ友さんとの思い出の磨崖に出会えて良かったですね。
冬場は海が荒れてとても近づけない取思いますよ。
>あとは遠野かな…
今回の旅でもチョッピリ寄りましたが、僕が30年前ほど前に行った時とは様変りして一大観光地の様相でした。
別に遠野だけが特別じゃないですよ。
やっぱり石がもろく、自然も厳しいのか、風化の進みが尋常では無いような・・・・。
海に向かう摩崖など畿内では見ようにも見れないので感慨一入でした。