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桃ヶ野の千体磨崖石仏と称される石仏は大抵「個人石塔墓」の背後にでんとっ座って居る・・・、というか、磨崖石仏の前に多くは石塔が建っている。
桃ヶ野は、梅林として有名な旧月ヶ瀬村(現在は奈良市)の梅渓を見下ろせる山肌にある集落、奈良から柳生街道を経て伊賀上野へ至る古い街道筋にあたります。
山腹中段にある善法寺と言う小さな古刹をさらにクネクネ上のほうに上っていくと重要文化財の「菊家家住宅」への辻があり、その広場左手斜面に石塔が在り背後にこの多尊磨崖石仏が有る。
石高2m、幅3mほどの花崗岩を3段に区分して像高36cmの地蔵立像を数十体浮き彫りにしている。
江戸初期作造の、像も小さく単調な彫りではあるが、それゆえ素朴な野趣の強い磨崖石仏で周辺の環境とあいまって魅力ある石仏です。
室町末期の永禄年間、この谷の一番高い一角が山崩れを起こし、多数の人家が大災害に遭ったと伝えられ、村人達がその後の安泰と供養のため、仏像を刻み、その無事を祈願したのではないかと思われています。
そのときの死者74人と言う・・・・
ここ桃ケ野には、この様な多尊石仏が10箇所確認されているようです。
撮影2006.3.6/2011.5.14