愛しきものたち

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天理市 櫛山古墳地蔵石仏

2014年07月21日 | 石仏:奈良

大和に多い前方後円墳の濠淵堤防、夏草に埋もれる様に佇む石仏さん。

長岳寺の直ぐ南、崇神天皇陵南端外周道を道成に行くと陵が途切れ・・・・・

ちょうど東隣の櫛山古墳との間の散策道を進めば櫛山古墳の濠堤に出る。

濠堤に登り、マムシは居ないかと枯れ枝で夏草を掻き分け、やっとご対面。

この時期、特にマムシがヤバイのだが何とか無事到着、台石に腰を落としてしばし一服、邪魔な夏草をなぎ倒す。

石仏は頂部が山形に成った高さ120cm、幅約65cmの柱状花崗岩自然石の表面を荒削りに整え、鏨痕の残る舟形を深く彫り下げ・・・

中に像高87cmの定形地蔵立像を厚く半肉彫りで刻み出している。

細部まで神経の行き届いた像容は堂々としていて石仏量産以前を物語る。

室町中期の永世十一年十月(1514)の銘が確認されている。

野面の石仏ゆえ苔むすとは言え、中々良い地蔵石仏なのだが、この地に有っては殆ど見向きされる事もない。

撮影2012.5.23