愛しきものたち

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伊賀市 空鉢山延命地蔵

2014年07月01日 | 石仏:三重

先日の不動堂からその先の山道を少し登るとこんな磨崖仏。

 

 途中の杉林には「空鉢山常住寺阯」の石柱が建ち、このあたりが古刹常住寺があったところだと知らされる。

その辺りの看板には十一面観音地蔵とか八大龍王地蔵、南無延命地蔵の文字が見える。

仰せの通り粗末(簡素)な覆屋を覗いて見るが、どこが十一面やら、何が地蔵やら???、風化摩耗で無くなったのか?はたまた戦火に遭って剥がれ落ちたのだろうか・・・、その痕跡さえ残っていない岩塊がうつろに置かれて居た。

その上、崖淵に八大龍王地蔵の祠も有ったが此方も岩があるだけで何も確認できなかった。

 

確認できたのは一番上部、延命地蔵の看板を掲げ、今にも倒れそうなトタン屋根の奥に小さな磨崖仏

三角頭の大石に枡形を造り、中に双体地蔵尊を薄く刻み付けている。

単純素朴な江戸期の造立だと考えられ、戦国期に戦火に遭い、寂れ果てた古刹「空鉢山常住寺」の遺仏だとは考えられず、後の世に、在りし日の寺を偲んで、刻まれたものだろうか??

撮影2012.5.12