愛しきものたち

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京都市南区  羅城門矢取地蔵石仏

2014年01月10日 | 石仏:京都

平安京の南門、羅城門址脇に「矢取(やとり)地蔵」と呼ばれ、空海ゆかりの地蔵石仏が有る。

京都のシンボルタワーとして親しまれる東寺五重塔、その西約300mに今は小さな児童公園と化した地に、「羅城門遺址」の石碑が立って居る。

その入口脇に地蔵堂らしからぬ納屋風建物が有り、中に矢取地蔵が祀られて居る。

しかし正面はしっかり戸締、格子戸に貼られた透明樹脂越しの撮影で思うに任せられません。

供台が蓮台の前を隠し 、頭には頭巾を被り何とも判断は付きかねますが・・・・見たところ蓮台に載る像高約1mの程の丸掘り半身地蔵石仏。

敢えて坐像としないのは胴から下が直ぐ蓮台のようで足元が覚束無い。

穏やかな面相、三道もしっかり有り、それほど新しいものでは無さそうですが・・・

由来記に有る平安初期、天長元年(824)以前までは遡れないだろう・・・。

一方地蔵堂から庇を伸ばし覆い屋とし、下に小石仏や石塔の残欠多数と、中央に等身大の石仏が安置されて居る。

これらの石仏達は昭和の初期、この辺りの工事中、地中から出土したものだそうです。

石仏は大きい舟形光背を持ち、蓮台の上に立つ長身の地蔵立像。

光背には円頭光の線彫り、宝珠をもつ左手首から先を欠損・・・・地中から掘り出されたのではしょうがなのかも??

像容、蓮台から室町後期の造立だと思われます。 

撮影2010.2.20:2012.9.6