愛しきものたち

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京都市下京区朱雀裏畑町 権現寺の石仏

2014年01月08日 | 石仏:京都

京都中央卸市場の直ぐ近く、商店や民家の家並に埋もれる様に建つ、浄土宗「清光山権現寺」に安置されて居る石仏。

七条千本商店街の中、路地の様な参道を進むと瀟洒な山門が有り、狭い境内に地蔵堂と本堂が通路を挟んで並び建って居る。

石仏は地蔵堂の脇、軒下に小石仏20躰程と、見るべき二躰の中石仏が一同に並べられて居る。

向かって右端には地蔵菩薩坐像、左端には観音菩薩坐像・・・・、これらの石仏は明治末期、現JR京都駅の拡張により現在地に移転、その際、敷地依り出土したと言う・・・。

出土した石仏は「権現寺」の前身の一つでもある祇陀林寺(ぎだりんじ)の遺仏だとされ、出土時には火災に拠る煤で真っ黒であったと伝えられる。

左端の観音石仏は高さ1m程の舟形状自然花崗岩にれんげ坐に結跏趺坐する像高75cmの厚肉彫り聖観音坐像を刻み出して居る。

火災に拠る傷みは激しいものの、右手には未開蓮華を捧げ持ち、全体に力強い造形、よく整った像容から鎌倉後期の造立。

一方向かって右端の石仏は幅の広い舟形光背を背負う、錫杖を持たない古式の地蔵坐像石仏。

やっぱり火災のために傷みが激しく両手首共に欠損・・・・ちなみに像高、造立は左端の聖観音石仏に同じく。

この地も「応仁の乱」では焼け野原に成ってしまったのでしょうか??

撮影2012.9.6