清凉寺二面石仏(弥勒宝塔石仏)に良く似た二面石仏があの大徳寺にも有ると言うので出かけて見た。
臨済宗大徳寺派の大本山、洛北一の壮大な寺域を占め、街中に塔頭を連ねて居る。
境内東側にある総門より入って直ぐ、右手に勅使門、真正面に「平康頼之塔」と刻まれた石碑の建てられた切石で組まれた塚が有る。
「平康頼之塔」と呼ばれる石仏は塚の上、中央部の自然石を基台にして立つ地蔵宝塔二面石仏。
東向けに立つ二面石仏は総高140cm足らず、正面には舟形光背状に仕上げた中、蓮台上に立つ、厚肉彫り地蔵立像を刻み出して居る。
地蔵立像は像高約100cm、地蔵に有っては珍しく右手は下げて与願印、左手は胸元で宝珠を抱いている。
背面には石高一杯に宝塔が刻み出され、塔身部には「清凉寺」のものと同じく釈迦如来と多宝如来が並座、両面共に古式を良く伝え、鎌倉後期の造立だと言われている。
一方、大徳寺三門脇の参道を隔て小石仏の集積が有り・・・
小石仏ながら中には鎌倉期の造立だと思われるものも何体か・・・・
きっと街中に埋もれて居たものも有ったことだろう。
古い街には古い石仏。
撮影2012.8.25