Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

飯森範親著「マエストロ、それはムリですよ・・」批評(No.1990)

2012-01-30 22:45:52 | 批評

飯森範親著「マエストロ、それはムリですよ・・」批評



 Piano Music Japan 初の「書評」である。無事に書けるのだろうか?
 猫頭の私高本は年初に「重点演奏家」を定める傾向にある。今年注目している1人が「飯森範親」である。基本的なスタンスは以下の通りである。

  1. クラシック音楽関係の 大量の郵便物と(私高本の認識では)ジャンクメールと思われるモノが大量に送りつけられて来る


  2. 「好きな演奏家」の「好みの作曲作品だけ」を聴きたい



 ごく普通の要求だと思うんだが。しかし、ジャンクメール多い(泣

 今年はいろいろな方向で演奏会を選択したが、その中で

飯森範親指揮の2回のコンサート = 2/11大阪フィル & 11/18 東京交響楽団 は聴きに行く!


をここに宣言する。後の方はまだ「チケット確保」出来ていないが、スタートダッシュに負けない所存である(爆


 副題を見てみよう。

日本最小のオーケストラが激変? 観客動員数180%増のキセキに迫る!


とある。「クラシック音楽界」で『180%増し』は極めて実現不可能! だからなあ(爆

 あぁ。「飯森範親は音楽界に全身全霊捧げている人」と分かった。これは常人では無いわ(爆

 実は

1995年の日本オペレッタ協会「メリー・ウィドウ」公演の指揮者 = 飯森範親


である。

飯森範親指揮1995年「メリー・ウィドウ」公演は、「日本オペレッタ協会全公演」中、『オケと合唱団』の水準が最高だった公演!


である。私高本の前妻が「日本オペレッタ協会合唱団チーフ」をしていた時代の公演は、全公演「合唱団の音量バランス確認」のためにAB両キャストの本番会場ゲネプロから音量チェックに駆り出されていた。もっと大きなオペラ団体だと「合唱指揮者」が確認するのだが、日本オペレッタ協会には合唱指揮者のポジションは無かった。すると、経費の掛らない身内が駆り出される次第である。


 「定点観測」は私高本は日本オペレッタ協会が最初であった。この「Piano Music Japan」の原型を形成して頂いたことになる。日本オペレッタ協会に感謝!

 ・・・で、この1995年「メリー・ウィドウ」公演A組ゲネプロを聴いてぶっ飛んだのである。公演日が10月6日(金)夜~8日(昼)でダブルキャストで4公演。今となっては正確に思い出せないのだが、おそらく10月5日(木)の昼&夜に2組のゲネプロを実行したような記憶が残っている。JR王子駅前の「北とぴあ」さくらホール(大ホール)であった。
 何にぶっ飛んだか? と言えば

オーケストラと合唱団の「響き」が、その前までの日本オペレッタ協会公演とは次元が違う「高み」になっていたから!


だった。マジかよ!! Aキャストのゲネプロ直後に前妻に報告したのは「合唱団は過去最高。特に男声は別世界! 声の質が女声とは全く違って上!」だった。あぁ、前妻は女声だったので、どう思ったのだろうか?(爆
 ちなみに、その時の「男声合唱団員」メンバーの一部を書いておくか。すげえぞ(爆

1995年日本オペレッタ協会「メリー・ウィドウ」公演合唱団員 :(テノール)大槻孝志 & (バス)青山貴


 そう、デュトワ指揮マーラー「千人」バリトンを歌った『あの青山貴』が学生時代に(鍛錬&小遣い稼ぎに)出演していたのである!

 ・・・で、前妻が「合唱チーフ」だったのだが、前妻が連れてきたメンバーで無いことは確認できた。「誰が連れてきたのかなあ?」と言っていた(ような気がする)。


 オケは6型。合唱団は「5+5+2+5+3+4」とプログラムノートに記載されている。「メリー・ウィドウ」ヴォーカル・スコアを読むと合唱は基本的には4声で記譜されているので、「メゾソプラノ」と「バリトン」は何らかの処理をされたハズ。今となってはわからん。オケメンバーも現「京都市交響楽団メンバー」とかがいる強力布陣。誰が集めたの???

 ゲネプロ開始されて即ぶっ飛んだ。「オケの鳴り」「脇役陣の鳴り」「合唱団の鳴り」が過去に聴いたことが無い水準になっていた! 最小に言って「合唱団が良い」原因は「合唱団チーフでは無い」ことは本人が明言していたし、私高本の耳でも明らか。オケも同じだろう。脇役陣も。すると、1つ結論が出た。

指揮者 = 飯森範親 の「棒の力」が引き起こした「奇跡」である!


と。思わず、(あずかっていた)チラシを読んだが、何も書いて無かった。さらに言えば本番当日になって配られた「プログラムノート」にも1言も飯森範親の解説は無かった。う~ん、これって間違ってないか?


 時は17年流れた(爆

 私高本が、偶然興味を持ったのが「ピアニスト = 法貴彩子」と「マーラーの歌曲」である。今年の「ジャンクメール」&「郵便物送り付け」の中で最も興味を惹かれた指揮者が「飯森範親」である。

 さて、この辺りで「書評」本論に戻るか(爆

 この本は

標題通り「マエストロ、それはムリですよ・・」と言う山形交響楽団メンバーの声に負けずに、前進を続けた 指揮者 = 飯森範親 の「観客動員数180%増」の名誉の記録


である。私高本自身が(定期会員にはなったことは「時期」がずれてなれなかったが)創設10年後辺りの1年間を聴いた感想とした実感である。確か「年4回定期演奏会」だった、と告知されていた(ような気がする)。
 この本に書いてあることは「1995年日本オペレッタ協会:メリー・ウィドウ」公演では原型が出来上がっていた! 「青は藍より出て藍より青し」だわ。「6型のオケ」から(そりゃ、「12型のオケ」ほどのニュアンスは出せないが)充分なニュアンスを出していた!
 合唱団からも「引き出せる限りの最善」を尽くしていた。女声は「モトがちょっと足りなかった」んだろな > 前妻も含めて
 基本的に「男声合唱」で進める構想ははっきり伝わって来た。しかも、素晴らしく説得力が高い。

 AB両キャストのゲネプロを聴かせて頂いて、いよいよ本番。ご招待頂いていたので全4公演(夜&昼&夜&昼)聴いた。素晴らしかった!! このような公演が未来永劫、日本オペレッタ協会で続いてほしい! と切望した次第である。

 だが、その希望は即打ち切られた。次回以降の日本オペレッタ協会公演で飯森範親は招聘されなかったからである。前妻に尋ねた。「何で?」と。すると意外な答えが帰って来た。「飯森範親さんが、(主役)ソリスト陣を強化したい」と申し入れたら、寺崎裕則芸術監督兼専務理事が怒り狂った、と。


 いろいろなエピソードが書かれている。

音響の良い「山形テルサで2日連続公演」にした(他ホールで1日公演が多かった)p49-51


演奏会にはソリストをなるべく毎回呼ぶ p53


ブルックナー交響曲第4番を十型編成のまま演奏 p64


プレトーク の完全実施(他の指揮者の時も必ず実施)p86-87



 アイデアが次から次に湧いて来る指揮者である!

 飯森範親って男はこんな指揮者です。私高本は「飯森範親の耳」は信じています。だが「趣味」まではわからない。感性に合致すればうれしい。
 山形交響楽団のことで「ブルックナーで、弦楽器増強は不要です!」は、はっきり「飯森範親の原点」。これで「感動する音楽が作れる棒の魔術」を持っている。こんな指揮者で 佐伯周子 も「協奏曲デビュー」できれば最高だよねー!

 ・・・てか、「マネジャー = 私高本」は売り込める実績あるんかよ???
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2012.01.28第9回東京音楽コンクール優勝者コンサート批評(No.1989)

2012-01-29 23:36:49 | 批評
異種楽器のコンクール優勝者5名が一同に会しての「優勝者コンサート」。どのように聴けば良いのか皆目見当も付かなかったので、何も準備しないで聴きに東京文化会館に向かった。八木寿子 に期待して行ったのだが、「八木寿子の曲目」だけ事前準備して行くのは「ちょっと違うだろう」が私高本の感覚。
 そんなワケで、「コンクール優勝者コンサート」なるものは、今は亡き「東京国際音楽コンクール」以来だと記憶している。「デイリー創刊」の遥か前に亡くなってしまったのはとても残念だったが。
 「お目当ての優勝者」がいないと、焦点の合わせどころがよくわからないので、乏しい財布の紐がキツくなるような気がする。


『ソリスト & 作曲家 のリズム感』が指揮者とオケメンバーを鼓舞し、聴衆にも伝わる!


 一見「異種格闘技競技」のように見えるコンサート。クラリネットとメゾソプラノとヴァイオリンが2名とピアノ。「ソリストの提出曲がそのまま」とのことで、プログラムに一貫性は一切無い。

 ・・・で、聴き通して真っ先に感じたことが「リズム感」である。まず、楽器と優勝ソリストと作曲家と曲名を書く。

  1. クラリネット:西川智也:コープランド「クラリネット協奏曲」


  2. メゾソプラノ:八木寿子:モーツァルト:皇帝ティートの慈悲」K621より「行きます、でも愛するお人よ」 + サン=サーンス「サムソンとデリラ」より「あなたの声に心は開く」 + ヴェルディ「ドン・カルロ」より「むごい運命よ」


  3. ヴァイオリン:岸本萌乃加:ワックスマン「カルメン幻想曲」


  4. ヴァイオリン:周防亮介:ヴィエニアフスキー「グノーのファウストの主題による華麗なる幻想曲」


  5. ピアノ:石田啓明:プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番ハ長調」op.26



 (聴く前に)プログラムノートを読んで真っ先に感じたことは「(楽器名)協奏曲」が2曲だけか! だった。まあ、声楽だけは「メゾソプラノ協奏曲」とかは皆無なんだが、ヴァイオリンの2名が外していたのは意外だった。どうやら「優勝者が2名出たので、時間制限が半分とは言わないまでも60%程度に制限されたらしい」と気付いたのは、ピアノ協奏曲が終わった後だった。やっぱ私高本は猫頭だわ(藁

 ・・・で、聴き通して真っ先に感じたことが「リズム感」である。これは「ソリスト」と「作曲家」の両面がある。良かったのは

  1. 八木寿子:モーツァルト + サン=サーンス + ヴェルディ


  2. 石田啓明:プロコフィエフ



 八木寿子 全プログラム演奏直後は四方から「ブラヴォー」が降り注いだ。あぁ、モーツァルトとサン=サーンスの後にも「ブラヴォー」が出ていた。石田啓明の演奏直後もブラヴォーが四方から掛かった。他の3名には「四方からのブラヴォー」は掛らなかった。なぜか?

ソリスト または 作曲家 少なくともどちらか一方の「リズム感」が欠如しているから!


をここに指摘しておく。どちらかわかるほど、クラリネットやヴァイオリンの曲は知らない。だが、明らかに「リズム感」が不足しているのだ > コープランド & ワックスマン & ヴィエニアフスキー


 「ソリストの申請曲がそのまま通る」との説明だった。その言質を額面通りに受け取るならば、

モーツァルト、サン=サーンス、ヴェルディ、プロコフィエフ > コープランド、ワックスマン、ヴィエニアフスキー の不等号が成立する


と思える。あくまで「私高本の眼」で見ると、この不等号式は「充分に納得」である。つまり「選曲段階」で問題を抱えた可能性がクラリネットとヴァイオリンのソリストには内包している可能性が極めて高い。
 ワックスマンは ビゼー「カルメン」を、ヴィエニアフスキーは グノー「ファウスト」から旋律を借りて作曲されている。多くの人は原曲となった ビゼー や グノーと「同じリズム感」が残っていると錯覚しがちだが、実際は「原曲のリズム感」は残存していない。残っているのは「原曲の旋律(と和声)」だけである。
 この2曲は時間が短く手頃なので、オケの演奏会でもちょくちょく演奏される。1度として感動したことが無い。「ヴァイオリン奏者の技巧のひけらかし」だけが印象に残る曲で、この日も同じ。「左手の音程、速いパッセージでも見事なものだ!」とは思うのだが、ブラームス や チャイコフスキー のヴァイオリン協奏曲を聴いて「共鳴」したような感動は来ない。大きな曲の必要もない。モーツァルト や バッハ や ヴィヴァルディ のヴァイオリン協奏曲でも感動することは多い。時間的には ワックスマン や ヴィエニアフスキー と大差無い曲だ。ヴァイオリン2名はまだ高校生なので、この辺りのことは師匠などが配慮してあげれば、さらに実力通りの人気を積み上げれるような気がする。他の楽器の優勝者の曲は(差し替えた人もいたが)本選曲目を想定すれば半分以上の確率で当たるだろうから。
 コープランド のクラリネット協奏曲については、第2部 が「ジャズやカントリーの雰囲気」の旨のソリスト自身による解説があり、それっぽいのだが、曲の出来なのか? 演奏なのか? はわからないが、スイング感 などが表には出て来なかった。

コンクール優勝 → 優勝者コンサート までに大きく飛翔したピアニスト = 石田啓明


 コンクール優勝時の演奏が高く評価されて「優勝者コンサート」出場になったのだが、コンクール時よりも数段「確信を持った手の内の演奏」が出来たのが、石田啓明 だった。
 今回のプログラムノートに「東京音楽コンクール本選」時が初のオーケストラ共演だった、とのこと。いろいろと不慣れなことだらけの中、見事優勝の栄誉に輝いた。自信も付き、経験も重ねた結果だろう。

第1楽章冒頭から、石田啓明 のリズム感がコンクール時よりも明確に表現された


 プロコフィエフピアノ協奏曲第3番は、「タッチの強靭さ」が無いと弾きこなせない曲だが、「バレエ作曲家としてもチャイコフスキーと並ぶトップ人気作曲家=プロコフィエフ」である。本当に「強靭さもリズム感も満ち溢れたプロコフィエフの世界」を聴かせてくれたことには感謝するばかりである > 石田啓明 + 円光寺雅彦 + 東京フィルハーモニー交響楽団
 指揮者もオケも「ノリノリ!」だった。曲もいいからなあ!!!

 石田啓明 は今後ご縁があれば、注目して行きたい。(ご縁が無ければしゃーないわな)


 ・・・で、メゾソプラノの 八木寿子 である。これほど理知的なメゾソプラノは、猫頭の私高本は1名しか思い浮かばない。藤村実穂子である!

  1. コンクール本選では「ズボン役」は回避して、モーツァルトは「コンサートアリア」を歌った


  2. 「優勝者コンサート」では、モーツァルトオペラでは「フィガロの結婚」以外では唯一つの「ズボン役オペラ = 皇帝ティートの慈悲」の「セストのアリア」を歌う


  3. 日本ではほとんど上演されないオペラ(私高本が聴いたのは1991年が最後)なので「スカート姿で歌っても、大半の聴衆は違和感皆無」



 「ケルビーノのアリア」をスカート姿で歌われると違和感感じる人は多いだろう。かく言う私高本も同じである(爆
 だが、同じモーツァルト作曲「皇帝ティートの慈悲」の「セストのアリア」は、それほど有名で無いので、「スカート姿」で歌っても違和感はほとんど無い。少なくとも私高本には無い。う~ん、「コンクール本選にはコンサートアリア」で「優勝者コンサートはセスト」ですか!!!

八木寿子 が歌うと、メゾソプラノってこんなに感動的なのか!


が実感。「ズボン役(つまり男だわな) → 悪女 → 貴族(だったと思う)」を瞬時に切り替えられるメゾソプラノは、過去にも居た。藤村実穂子だ。聴いた時に「こんな世界あるの?」と思った。八木寿子 も「同じ境地」に達してほしい。上から下まで「声質が変わらない超絶技巧」は信じられないばかりである!


 「東京音楽コンクール」は、過去の優勝者(&入賞者)に拠って高められて来た。今回の優勝者たちが更なる高みに達する、と信じたい。八木寿子 と 高校1年生 ではちょっとした弾みだと、「親子の世代間格差」なんだが、声楽って時間が掛かるんだとねー(泣

 ご縁があれば、今後も追い続けたいメゾソプラノ = 八木寿子 である。本拠地が関西で、出身が九州なので、どうなることやら? 私高本はビンボーなので、佐伯周子 が発狂しない範囲でしか活動できないヒョーロンカだからなあ(爆

 ちなみに

八木寿子 の「次回東京演奏会 = 4/19東京文化会館文化会館モーニングコンサート」は速攻で購入した。500円(← マジ)




 最後になったが、円光寺雅彦指揮東京フィルハーモニー交響楽団 の演奏が素晴らしかったことを書き記しておきたい。12型編成であったが、ヴェルディ「ドン・カルロ」の巨大編成でもコープランドの小編成でも「和声を美しく鳴らし、ソリストを引き立てる」に徹していた。感度のとても良い演奏であり、特に弦楽器の美しさが印象に残る。1番クラリネットの技巧の良さは特筆しておく。
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新国立劇場は「ナマ」は全く考慮しないオペラハウス(No.1988)

2012-01-28 12:01:44 | 演奏会案内
 まずはご覧頂きたい。リンクを貼っておく。

新国立劇場2012年1月26日発表 : オペラ「沈黙」のオーケストラにつきまして


 いくつか「事実」を記載する。

  1. 本日1月28日(土)到着郵便物までに「シーズン通し券」購入者=私高本へは郵便でも電話でもFAXでも連絡告知無し


  2. 作曲家=松村 禎三(まつむら ていぞう、1929年1月15日 - 2007年8月6日)は、5年前に没しているので「改訂版」でオーケストラ規模が大きくなった可能性皆無


  3. 平気で「マイク&スピーカ三昧」公演を重ねているので、「既購入者に対して悪い」とは思っていない



 新国立劇場制作スタッフは元々が「客を舐めている」のだ。中劇場公演初回は以下の顛末。

新国立劇場は2000年11月のバルトーク「青ひげ公の城」中劇場公演の時から「バルトークがパイプオルガン指定」を「電子オルガン+PAスピーカ垂れ流し」が実績


 飯守泰次郎 の新国立劇場初指揮で期待した人もいた公演だったが、電子オルガン三昧のスカ音響に拍手も少なかったことが印象深い。
 非常に評判が悪かったので、その後2009年6月の清水脩「修善寺物語」まで、自催公演オペラでは使用しなかったほどである!(ちなみに「修善寺物語」も全く評判を呼ばなかった。)


『新国立劇場2012年1月26日発表 : オペラ「沈黙」のオーケストラにつきまして』は、重大な「ウソ」がある。


オペラ「沈黙」の上演に際し、オーケストラの一部の楽器につきまして、別室にて同時演奏し、中継してお送り致します。これは作品に指定されたオーケストラの楽器数が多く、【中劇場のオーケストラピットでは収容できない】ためです。


 これは赤字にした部分が「真っ赤な嘘」である(怒

 私高本の座席は1階6列で「最前列」である。つまり、前5列を外した構造。これだとオケが入らない。だが

前9列までを外す(つまりさらに4列外す)と新国立劇場「沈黙」前回公演規模の大きさならば確実に入る!


ことを、ここに私高本が明言する。東京オペラプロデュースは「ブリーカー街の聖女」「修道院の結婚」で『張り出し舞台』を用いたので、弦楽器が8型になったが、張り出し舞台を使用しなければ新国立劇場「沈黙」前回公演規模のオケならば確実に入る。この手の「数数え」は私高本以上に神経質に数えているヒョーロンカはいないと思うぞ。

新国立劇場は今からでも、1階6列~9列の客に払い戻しして「オーケストラピットを拡大」しさえすれば、「マイク&スピーカ三昧公演」を聴衆は「聴かされ無いで済む」が実態


 尚、新国立劇場中劇場で上演された 東京オペラプロデュース プロコフィエフ「修道院の結婚」公演2日目を尾高忠明新国立劇場オペラ部門芸術監督は「中劇場で9列まで客席を外した公演」を自分の目と耳で確かめて、東京オペラプロデュース竹中史子プロデューサーと終演後に固い握手をしていたことをここに記す。

尾高忠明芸術監督に尋ねてほしい。「マイク&スピーカ三昧」で行きますか? 払い戻ししてでも作曲家=松村禎三の意図通り「ナマ」で行きますか? と

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上岡敏之指揮読響第511回定期演奏会2012.01.25批評 後編(No.1987)

2012-01-27 19:40:08 | 批評
 糖尿病で体が衰えているので、「2日連続演奏会」はキツい。一昨日、書いている途中でそのまま眠り込んでしまった。昨日も体力戻し最優先。明日~明後日も2日連続だが体力もつのだろうか?


pppp←→fff の「マーラー指示」を見事に再現した 上岡敏之指揮読響!


 「普通のマーラー観」だと、前号で書いた点を重視する。私高本も同じだったことをここに記す。上岡敏之 は違った。

「マーラーのスコア通り」を実現させよう。上岡敏之自身の指揮 + 読響 ならば可能だ!


と。上岡敏之 が重点を置いたのは次の通り。

上岡敏之 マーラー交響曲第4番「天上の生活」構想



  1. 「デュナーミクの巾が最も広い第3楽章」に重心を置く


  2. あちこちに山ほど出てくる「スタカートの16分音符」を『モーツァルトのノンレガート』風に徹底して演奏する(弦だけでなく管も!)


  3. デュナーミクは「スコア通り」にはっきり切り替え、不要な「間」は取らない。「スビト」!


  4. テンポも「スコア通り」。例えどんなに難しくとも「棒」で実現できる!!


  5. 管楽器編成が第1番~第3番に比べて小さいが、「イメージとしてホルン7本分」を「4本」で吹いてもらう



 う~ん、書くのは簡単なんだが、普通「実現するか?」と腰が引けることばかりなのだ。第1楽章「練習番号1」の3小節目には「ppp」が出てきて、その4小節後には「pp でオクターブでチェロがスタカートの16分音符16ケ連続」とか(爆

 出来の悪いオケ(プロオケです)だと、ここの音程合わせるだけでどれだけ時間が掛かることやら。大概はスラーを掛けて演奏する。それで誰も不満は言わない。オケメンバーも聴衆も。だが 

上岡敏之 + 読響 は「マーラー通り」に演奏した。交響曲第4番全体を



 「言うは易し、行うは難し」について、もう1点だけ書く。

第2楽章スケルツォで「コンサートマスター」が「ロンド主部」(← 当日解説は別解釈)で、「長3度高く調弦したヴァイオリンでソロ」を弾く。その時に「コンサートマスター代理」をする奏者で、第2楽章は決まる!


 大概のオケは、ここが弱点になる。「切り札」を切ってしまって、「次は無いですよ(泣」状態。あぁ、「印象批評の時の私高本状態」って言えば、解り易いかも(爆

 だが、読響は違う。

「コンサートマスター = 藤原浜雄」だけでなく、「影のコンサートマスター = 小森谷巧」も仕込み済!


であった。「第2楽章から崩壊するのがマーラー交響曲第4番」の通常なのだが、(特に良くなった点も無かったが)何1つ変わらぬ表情で第2楽章が演奏された。これは稀有なことなのだ。ウソだと思ったら、CD聴いてみな(爆

 藤原浜雄 が素晴らしいことも聴かせて頂いた。小森谷巧 が素晴らしいことも聴かせて頂いた。


 「マーラーの弟子」で最も有名な ブルーノ・ワルター は「マーラーの指示通りに必ずしも演奏していない」ことで有名。多くのヒョーロンカは「ワルターの解釈」と思い込んでいる。
 だが、この日の「上岡敏之 + 読響」を聴いた私高本は感じた。

これだけ「マーラー通り」徹底したら、オケメンバーが疲れて反発するのではないか?


と。結論を先に書く。

読響は、「マーラーの指示」を「上岡敏之の棒」経由で受け取り、受け入れ、聴衆に伝えてくれた!


 なぜ、可能なのか? 裏返せば、ブルーノ・ワルター指揮のオケでさえ、反発しかねないような

『超神経質なマーラーの指示』を「棒 + 左手 + 全身」で明解にオケに伝えた!


ことを私高本はここに明記する。「この瞬間、最重要なパート」を全て把握し、両手で「キュー出し」明解! そうそう、

マーラー交響曲第4番のピーク = 第3楽章「練習番号13」で調号がト長調に変わったところ(実際の音はニ長調)の「pppp」の静けさ!!!


 これまで1回も聴いたことが無かった「静寂」がサントリーホールを覆った。「読響定期会員」は極めて上質な顧客なので、静寂をブチ壊したりしない、も信頼の証。


 ・・・で、手放しで絶賛したいところだが、第4楽章に登場した ソプラノ = キルステン・ブランク が大ハズレ(泣

第4楽章登場の キルステン・ブランク は「落ちる、走る、ぶら下がる」の「悪の3拍子」揃った愚演!


だった。完全に「峠を下りきったソプラノ」だった。高いロングトーンだけは響かせられるのだが、下降音型でぶら下がる、すぐに走る、あげくに落とす、だった(爆涙

 オケメンバーの精神が切れずに終曲まで持っていけたのは、私高本には信じられない。あれだけ「事故だらけ」だと、大抵のオケは粗くなるものだが、「読響だけ」は最後の最後まで精密だった。

 終演後はしばらく静寂が続き、(風邪かインフルエンザの人の「空咳」だけが2~3回鳴り)上岡敏之 が手を完全に下ろしてから圧倒的な拍手と「ブラヴォーの嵐」! だが、ソプラノ単独で登場(指揮者なし)の時は「ブーイング」は掛らなかったモノの、「ブラヴォー皆無」& 拍手が小さくなった。読響定期会員 ってキツいわな > だからこそ「良い演奏」続きなワケだ。


 モーツァルト交響曲第34番ハ長調K338 について、簡単に述べる。

「モーツァルトのノンレガート奏法」徹底して下さい。マーラーでも使いますから、と言う 上岡敏之 のメッセージ!


であった。ざっくり、「後宮からの誘拐」K384 以降を「モーツァルト後期」、その前を「モーツァルト前期」とすると、K338 は「交響曲で前期の最後の作品」なのだが、人気は薄い。K297 とか K183 より演奏頻度低いんですよね。
 その「無名性」を逆手にとって、

マーラーが「モーツァルトから学んだ手法」を1回の演奏会に盛り込んだのが 上岡敏之


だ。凄い! ここまで「読みきった」プログラミングだったんだ!! 諸君、脱帽したまえ!!!


あぁ、私高本の批評を確認したい人は「4月に日本テレビ系」で「深夜の音楽会」で放映するからみてちょ。おそらく「マーラー」だけ。モーツァルトも、あんな地味な曲でいきなり前プロから「ブラヴォー」掛かった名演なんだから、何とか都合付けて放送して欲しいモノだ。P席1列右端のカメラ見ていたら、「収録だけはしていた」ハズ。

「読響のベスト」の1つ がここに有った公演 = 2012.01.25上岡敏之指揮定期


だった。


 この演奏会は今後いろいろと(良い方にも、悪い方にも)引用される演奏会になることだろう。批評前編を書いていた時には、思い出せなかったのだが、「上岡敏之は、誰かに似ている!」と思って、演奏会を聴いた。カンブルラン や 下野竜也 ではないし、誰だったんだろう? 新国立劇場登場の指揮者でもないようだ。疲れが癒されてはっきり思い出した。

『上岡敏之の指揮姿 = グスタフ・マーラーのカリカチュア』と瓜二つ!


である。揶揄もされるし、反発もキツいぞ(爆

 私高本は「上岡敏之の感性」をマーラーについては全面的に信じる。この公演で唯一残念だったことは、ソプラノ。

老田裕子 で聴きたかった!


が実感。「天上の生活」も素晴らしかった! ピアノ版だったが。小節数も同じだしなあ。あぁ、演奏家2人以外で聴いていたのは私高本だけだったか! > 今年秋の公演の昨年秋のリハーサル
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上岡敏之指揮読響第511回定期演奏会2012.01.25批評(No.1986)

2012-01-25 23:34:32 | 批評

pppp←→fff の「マーラー指示」を見事に再現した 上岡敏之指揮読響!


 マーラーの「オーケストラスコア」を読んでいると、(特に第4番までは)ステンドグラスのようにこと細かに指示がある。昨年末、第8番「千人」を読んだら、「マーラーも丸くなったんだな」と思ったほどである(爆
 交響曲第5番以降は「アルマと結婚」して、「アルマの手」がスコアに加わっていることは「マーラーを研究した人」には常識。

グスタフ・マーラー が自分1人だけで「詳細を描き込んだら、どこまで細かくなるか?」の最終到達点 = 第4番「天上の生活」


である。う~ん、普通は、交響曲第3番終楽章予定だった歌曲「天上の生活」を「次の交響曲に転用したのが第4番」説であり、今回のプログラムノートもまさに王道路線だった(爆
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新国立劇場来シーズンオペララインナップ発表!(No.1985)

2012-01-24 23:52:33 | 演奏会案内
オペラファン待望の「新国立劇場オペララインナップ」が発表された。「セット券」購入者には「継続のご案内」が送付されて来たが、指揮者も、キャストも、演出家も(新演目は)皆目わからない。「闇鍋」で継続しろってか?(爆

 ・・・ってなことを感じていた本日、新国立劇場も「ヤバい!」と思ったらしく、2頁だけHPを更新した。リンク貼っておく。

2012-13シーズンセット券のご案内


2012-13シーズンオペラ(詳細)


 見た人それぞれに感慨があることだろう。私高本の卒直な意見を。

  1. 尾高忠明芸術監督の「感性」が過去2年の蓄積を経て、最高に高まり「新国立劇場オープニング15周年」で「最高のシーズン」になる予感


  2. 10演目中、8演目は期待。「魔笛」は「日本人キャスト」復活させる、が目的だろうが、丁の目が出るか半の目が出るか? 5公演も埋まるの?(爆


  3. 新作「夜叉ヶ池」はまだ作曲完了していない模様。演奏まで1年半あるからなあ(爆


  4. セット券継続決定した!



 こんなところ。「ひいきのキャスト」が出演していなかったりすると怒り狂うのは(土地柄を越えて)オペラ狂の常。近寄らないで下さい。

老田裕子 と 大隅智佳子 が出演記録無くても「セット券」せっせと突っ込んでまっせ!


が実情。佐伯周子 に持って行かれる頻度が高いのが悩みの種なんだが > 何故か「沈黙」は持って行かない(泣

 私高本が注目した 指揮者、演出家、ソリスト、を上記記載順に書く。演目との照合は興味あったら各人がしてちょ。

  1. 尾高忠明


  2. リチャード・アームストロング


  3. 高橋淳


  4. 沼尻竜典


  5. ノルマ・ファンティーニ


  6. コンスタンティン・トリンクス


  7. エレナ・ツィトコーワ


  8. アントニーノ・シラグーザ


  9. パオロ・カリニャーニ


  10. グラハム・ヴィック


  11. イヴ・アベル



 私高本は猫頭なので、「新国立劇場初登場」の歌手は基本的にわからん。

尾高忠明の「芸術監督」任期は確かこのシーズンが最後だったと覚えているが、是非是非後3年延長して欲しい!!!


が実感。目利きの良さ(&「自分が振りたい」皆無)がこれまでの芸術監督と違う。坐っている座席も「自分のこだわり」あるし。
 ところで「チケット価格」がワケわからん。何で「アイーダ」こんなに高いの???
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レコード・アカデミー賞について(No.1984)

2012-01-23 21:53:00 | 批評
 読者の方からコメントが書き込まれた。本日号はこの件について「客観的」に述べる。


再発売盤は賞の候補にならない規定だと思います。 (Unknown)
2012-01-22 11:29:57
MEMBRAN盤がレコード・アカデミー賞になったことがないのは再発売だからであって、サンプル盤や広告代金とは無関係だと思います。一方的に決め付けるのは良くないと思います。


 まず事実関係を客観視したい。最新はこれ。「タワーレコード」が自社が表彰されたので最も力が入っていたので紹介しておく。

2011年度「レコード・アカデミー賞」受賞一覧タワーレコードHP

 1963年の第1回から2010年までの一覧は「HMV」が最も見易い。

レコード・アカデミー賞の全記録 HMV HP



 最新2011年について、【特別部門 特別賞】を当のタワーレコードが受賞しているが、これは大半が「再発売盤」である。2008年にも【特別部門 特別賞】 DG ヘルベルト・フォン・カラヤン生誕100年記念リリース
カラヤン/DGコンプリート・レコーディング(240CD)が獲得している。240枚のCDの内、初発売は「運命の力」序曲だけで残りは全部再発売盤(爆
 つまり

レコード・アカデミー賞は「再発売盤」でも受賞している、が実績


です。Membran が発売している「マリア・カラス25オペラ」「マリア・カラス30オペラ」の方が企画として優れている、と思う人が多く、「callas  → ベストセラー」で検索すると、今は「上から2番目」と「上から3番目」に来ています。昔「いつも1番だった10枚組で1132円」はさらに安くなったワケです(爆


 折角の機会なので、Brilliant レーベルについても充分に語っておこう。

HMVで「reecorder → ベストセラー」で検索すると、1位ブリュッヘン、2位と4位に ボスグラーフ、3位と5位に トリプラ・コンコルディア


が来ているのを確認できるだろう。だが「ボスグラーフ」「トリプラ・コンコルディア」の話題で盛り上がったのを日本では見たこと無い。両方とも Brilliant レーベルで現在新譜を出している。レコード芸術誌の「古楽」担当者は知っているのかなあ?サンプル盤贈られて来ないから知らない、の可能性大。とにかく日本語で「ボスグラーフ」「トリプラ・コンコルディア」で検索掛けても、ヒョーロンカ筋からの情報発信皆無。ちなみに英語で検索掛けると

ボスグラーフ は、現役リコーダー奏者だった頃のブリュッヘン以来の「大物」で『ブリュッヘン以上の技巧と音楽解釈を有したリコーダー奏者』


との記述が多い。「HMVの記述」の通りじゃん(爆

 これほどのリコーダー奏者について、何一つ推薦が出ない「レコード芸術・古楽担当ヒョーロンカ」は不勉強と言われてもやむを得ないだろう!
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『音楽の真髄』って何なんだろう?(No.1983)

2012-01-22 20:08:56 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 本日号は以下の皆様の演奏を聴かせて頂いたおかげさまで書ける内容です。

岡原慎也、川上敦子、佐伯周子、法貴彩子、東京オペラプロデュース「修道院の結婚」公演関係者ご一同様、新国立劇場「ラ・ボエーム」2012年公演関係者ご一同様に深謝


 ちょっとした弾みで、1回でも上記の皆様の名演を聴いていなければ、本日号は書けない。深く深く感謝する次第である。ちなみに上記掲載順は「聴いた順番」である。「岡原慎也が最高」ってワケでは無いので、誤解無きように(、、、ってまた何かマズいこと書いたんけ?)


 「印象批評ヒョーロンカ = 私高本」が1996.12に、旧「デイリー」を立ち上げて、印象批評を垂れ流して1年経過した日に「奇跡」が起こった。「音楽の神様」が思ったんだろう > 少しは「きちんと詳細批評しろや > ボケ!」と。

 新国立劇場「ヘンゼルとグレーテル」公演がなぜか公演日が移動して、空いた1日に「ヘンシェル + 岡原慎也:冬の旅」があった。

 聴いた。

 オレは今まで何聴いて来たんだろう??? 信じられない名演だった。『フィッシャー=ディースカウ + ブレンデル』などの録音などはきちんと聴いて行ったよ。そんな水準では無かったのだ > 岡原慎也 + ヘンシェル


 招待頂いた音楽之友社の営業マンから「もし良かったら、打ち上げ会場にお越し下さい。」とお誘い頂いて「音楽の友ホール」向かいの喫茶店に行き、初めて 岡原慎也 と話した。極めて「理性的な人」だった、ピアニストには珍しく。「シューベルト」中心にいろいろと盛り上がった。師匠の シルデ も夫妻で来ていてご満悦だった。


 その4年後、「川上敦子のリスト」を猫頭=私高本 が敢行する。演奏は素晴らしかった。
 ・・・が、勿論、大赤字(泣

 しかも反響無い(爆涙


 さらに悪いことに、「指の故障」発生。急遽「モーツァルトソナタ全曲」に差し替えて演奏してもらった。素晴らしい演奏だったのだが、「父親の会社の引継ぎ」で一時演奏活動中止に追い込まれた(泣


 ・・・な時に、救ってくれたのが、旧知の「佐伯周子」である。会場を押さえていた「彩の国さいたま芸術劇場」で演奏会をしてくれる > しかも「ベーレンライター新シューベルト全集に拠る完全全曲演奏会第1回」として!

 シューベルト演奏は素晴らしい演奏会だった。他は「それなり」だったが(爆


 月日は流れる。

「老田裕子 の マーラー」聴きに、大阪に行った


 岡原慎也のご好意で、GPから聴かせてもらった。老田裕子 も 岡原慎也 も素晴らしかったのだが「とんでもない大物」が居た、それが ピアニスト = 法貴彩子。「岡原慎也の弟子」と「プログラムノート」に記載されていた。

岡原慎也を「若く再生した」 = 法貴彩子


が実感。「岡原慎也よりもドイツ・リート伴奏うまいピアニスト」なんて想定できなくて当たり前。「私高本=猫頭」が原因でないことだけはここに明記しておきたい。


 岡原慎也は別段「音量の大きいピアニスト」では無いが、「デュナーミクの巾」は極めて大きい。「岡原慎也よりも音量の大きいピアニスト」を掲載してみるか > 岡原慎也 が文句垂れても撤回しないよ(爆

岡原慎也 より音量のデカいピアニスト一覧



  1. Nikolai PETROV


  2. 小川典子


  3. 川上敦子



 はっきり断言できるのは以上3名。川上敦子は「岡原慎也と合わせて頂いた」ので絶対に間違い無い。おそらく、ペトロフ、小川典子、川上敦子 の順だと感じる。全員ナマ聴いているので。


 ・・・で、

「音量が大きければ、感動は深くなるのか?」と言う疑問が湧き上がる


のは、当たり前。それは「ちょっと違う」だわ。「猫頭=私高本」は昨年は大阪方面に大いに迷惑掛けましたが、今年は掛けません。「猫頭批評」以上の批評が掲載される鴨 > 今年(爆

 私高本が聴いた限りでの 音量世界最大ピアニスト=ペトロフ について紹介しよう。

ペトロフ のCD売れてる順一覧


 一番上に来ている3枚組は是非是非聴いて欲しい。安いし音も良い。2枚目が最も重要で、ムソルグスキー「展覧会の絵」とリスト「パガニーニ練習曲1838年版」で第4番はもちろん難しい方で録音されている。リスト「パガニーニ練習曲」は『史上最高の録音』の名誉を録音時から今まで保持している。大ピアニストである。

ニコライ・ペトロフ「展覧会の絵」の特徴



  1. 原典版楽譜を使っているが、勝手気儘に装飾音やトリルやトレモロをブチ込む


  2. デュナーミクはムソルグスキー無視


  3. アーティキュレーションもテンポもムソルグスキー無視どころか、「音符の長さ」さえ守られていない


  4. ペダルは「ON or OFF」で、ハーフペダルは無い


  5. 結果として「遠近感」が全く表現されていない。迫力満点なんだが(爆



 録音データがこの3枚組でもその前発売された OLYMPIA盤 も一切記載が無いが、ステレオでソ連で録音した音源なので、「上のリンクしたHMVのリンク先の2番目に来ている プロコフィエフソナタ全曲」の前後の録音だろう、多分。1971-1974がプロコフィエフ録音。「ソフィアのリヒテル」よりも10年以上後になる。同じソ連在住だから間違いなく「ソフィアのリヒテル」は知っていたハズ。
 ・・・で「リヒテルとは別路線」を ペトロフ は選択した。だがこの録音は注目を集めなかった > ペトロフ追悼盤まで復刻もされなかったほどだ。

岡原慎也「展覧会の絵」の特徴



  1. 原典版楽譜を使っており、ムソルグスキーに忠実


  2. デュナーミクもムソルグスキー通り


  3. アーティキュレーションもテンポもムソルグスキー通り


  4. ハーフペダルが豊富で、私高本が聴いた限り少なくとも3種類あった


  5. 速い曲「殻を付けたひよこ」や「リモージュ(市場)」の速度が「狂人の速さ」に唖然


  6. 結果として「遠近感」豊富


  7. しかも迫力満点



である。

方向として「ソフィアのリヒテル」と同じで「彫りの深い演奏」を目指し成功した 岡原慎也


 猫頭の私高本も「展覧会の絵」詳細批評が書けるようになった。これもひとえに 岡原慎也 のおかげ様である(爆

岡原慎也、飯坂純、コンスタンティン・トリンクス、デュトワ が目指す方向は全く同じ!


なことをここに記す。扱う曲は異なり、条件が異なるが「作曲家尊重」である。指揮者の場合、ピアニストとは違った問題があり、「与えられた条件」の中で、公演を成功させる必要に迫られる。練習回数を チェリビダッケ のようにわがまま言うと、ミュンヘン・フィル 以外からはお呼びが掛らなくなったりする(爆


 ・・・で、昨年腰が抜けるほど驚いたことがあった。

岡原慎也よりも『ドイツリート伴奏がうまいピアニスト』法貴彩子


 岡原慎也の弟子。弾いたのはシューマン。岡原慎也も得意にしている作曲家だ。経歴を読むと、パリ・コンセルバトワール出身。ドイツに留学していたワケではない。
 演奏会の直後に話したが、弁の立つことに再度驚き。なぜか(シューマンではなく)ラヴェルについて話した時間が長かった。それから1ヶ月半の間に関西の2つのコンクールで優勝、立派な「コンクール荒らし」である!
 「ABC音楽振興会ニュース November 2011 第20回ABC新人コンサート」号を送って頂いたが、審査員の皆様の興奮が伝わって来る。

審査員一同が「法貴彩子のラヴェル両手協奏曲」を聴きたい!


との強い意思が感じられた。確かに「法貴彩子のラヴェル」は尽きることの無い弁で、私高本も感じたからなあ。

2012.02.11 法貴彩子のラヴェル両手協奏曲 with 飯森範親+大阪フィル


で『音楽の真髄』が聴ける、と信じ、大阪の福島に向かう。

飯森範親

は、現在、山形交響楽団音楽監督、東京交響楽団正指揮者、いずみシンフォニエッタ大阪常任指揮者、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団名誉指揮者、ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者 であり、オケからの信頼が極めて厚い指揮者である。飯森範親 も審査員の1人であり、「法貴彩子のラヴェル」に惚れ込んだ中の1人。これほど指揮者に惚れ込まれての「協奏曲デビュー」なんて、『奇跡の演奏会』だ!!!
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新国立劇場オペラ「ラ・ボエーム」2012.01.19批評(No.1982)

2012-01-21 19:13:10 | 批評

東京交響楽団を「イタリアオペラハウスの管弦楽団」に化けさせた 指揮者=コンスタンティン・トリンクスの魔術


2年1ヶ月前に同じ新国立劇場「ドン・ジョヴァンニ」を振った コンスタンティン・トリンクス が 「ラ・ボエーム」で戻って来たが、『全くの別人』になっていた。

  1. 「ラ・ボエーム」の全貌を骨格から、毛穴まで見据えて


  2. オーケストラと合唱団を、どうすれば「プッチーニの望む響き」が醸成できるか知り尽くし


  3. 持ち前の「リズム感の良さ」を生かし


  4. デュナーミクとテンポを「スビト(突然に)」で動かし


  5. オケだけでなく、「ソリスト」「合唱団(大人と子供)」の信頼を得たのが、コンスタンティン・トリンクス



である。ここまで「徹底できる」んだ!! 私高本は猫頭なので、帰宅して即「オーケストラスコア」を見た。あ~ぁ、ここまで「プッチーニは徹底しているのか!」って言うスコア。弦楽器の「上げ弓、下げ弓」まで細かにごちゃごちゃ書いている。これじゃ、マーラーじゃん(爆
 指揮者=コンスタンティン・トリンクス は、十全に「プッチーニの細かいスコア」を実現させてくれた。標題に掲げたように「東京交響楽団がイタリアのオペラハウスの管弦楽団に変身」したようだ! ツボは(おそらく)

  1. 弦楽器をコントラバスから「和声で積み上げた」


  2. アーティキュレーションを「プッチーニの通り」にした


  3. 響きを「スタカートの長さ」なども含め、厳密にした



だけだったと聴こえた > 猫頭の私高本には

 この指揮者=コンスタンティン・トリンクス は、「カルロス・クライバー」並みに実る可能性が極めて大。来年も再来年も「新国立劇場オペラ」で振って欲しい。
 少々細かいことを言えば、テノール(=ロドルフォ)が第1幕の2重唱で「走りかけた」時に、

コンスタンティン・トリンクス は「棒だけ」で「走りを止めた」!


は印象深い。直後の弦楽器で「テンポはこれだよ~ん」を明示したからなあ。ミミ、ロドルフォ、ムゼッタの3役は「これが初舞台」な感触。ういういしいのだが、「指揮者=コンスタンティン・トリンクス が導いて下さい」モード。見事に導いていた > コンスタンティン・トリンクス


 影の立役者にも言及しないと、「Piano Music Japan」読者の皆様は納得しないかも(爆

新国立劇場オペラ部門芸術監督=尾高忠明夫妻は、2階RB6列1~2番で観劇!


していたことを報告しておこう。あの席が最高なんだ、、、
 知らなかった(泣


 この「粟国淳演出:プッチーニ:ラ・ボエーム」は2003年の初演以来、今回で4回目の上演のような気がする。全部聴いて来たが、今回が最高!
 その「推進力」は コンスタンティン・トリンクス の指揮 だったと感じる。ソリストに対しても、「不可能なことは要求しない」。だが「守るべきプッチーニの線」は守る、だった。3年前とは別人。こんなこともあるんだねえ。

09/10シーズンよりダルムシュタット州立劇場の音楽総監督を務めている コンスタンティン・トリンクス


 オペラハウスにポジションを得て、経験を積み、実力を急速に伸ばした指揮者である。


 過去に1回だけあった > 数年で別人

プライ「冬の旅」から、ヘンシェル「冬の旅」の岡原慎也!


である。確か猫頭=私高本の記憶では、3年。岡原慎也はその期間に「世界規格で真人間」になったワケだ。コンスタンティン・トリンクス は、「カルロス・クライバー」並みの指揮者になる可能性を秘めている。(管楽器ソロとかを気にしないで)この公演は1人でも多くの人に聴いて欲しい。「大野和士指揮:トリスタンとイゾルデ」よりも響きが良い公演なんて、そんなに無いぞ(爆

 チケットは全日じゃぶじゃぶ余っている(藁
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月刊「モーストリークラシック」3月号詳細分析(No.1981)

2012-01-20 23:46:28 | 批評
「吠えて欲しい」の要望を頂いたところに丁度良い「批評材料」が飛び込んで来た!月刊「モーストリークラシック」3月号(← 誤記では無い。「音楽の友」よりも1月先の「月号」を同時に出版する。)
「モーストリークラシック」は、「特集」でその号の半分以上の印象が決まる雑誌で、本日発売。私高本は定期購読を地元の産経新聞配達店に依頼しているので、今朝「新聞受け」に入っていた。新聞紙と同じように「閉じたポリ袋」にいれてあったので、雪に濡れずに今朝から読み始めた。

「モーストリークラシック」3月号特集「ドビュッシー&ラヴェル」の詳細分析


を行う!
 今年は「ドビュッシー生誕150年」なので、「ドビュッシー」特集はいろいろあると思っていたが、「ラヴェル」との組み合わせは意表を突かれた。しかも「付録CD=ラヴェル:ボレロ」だったし(爆

「モーストリークラシック」3月号特集「ドビュッシー&ラヴェル」の特に良かった記事一覧



  1. 井上さつき著:ドビュッシーの生涯(p12-14)


  2. 井上さつき著:ラヴェルの生涯(p15-17)


  3. シルヴァン・カンブルラン語る(p18)


  4. 吉村渓著:「ボレロ」大解剖!(p24-25)


  5. 守山実花著:20世紀のバレエを豊穣にした作曲家たち(p26-27)


  6. 伊熊よし子著:ピアノ曲(p32-33)


  7. 高久暁著:エリック・サティ 近代フランス音楽史の演出者(p42-43)


  8. 中村孝義著:新音楽の扉を開いたフランスの音楽家たち(p56-57)


  9. 三光洋著:芸術の都「パリ」 世界の文化の首都であり続ける街(p58-59)


  10. 野平多美が語る:ローマ賞とパリ国立高等音楽院(p61)


  11. 浅子啓子著:フランス絵画における印象派の誕生(p68-69)


  12. (無署名)「ドビュッシー、音楽と美術-印象派と象徴派のあいだで」展 ブリジストン美術館で7月から開催(p70)



 う~ん、これほどの企画は(巻末にあるバックナンバーで確認したが)2009年8月号の「マリア・カラス」特集以来である! この快挙に拍手!! これで1000円なので、是非是非興味を持った読者の方はご購入下さい。


 ・・・で、前回大感銘を受けた「マリア・カラス特集号」は何もブログに掲載出来なかったことをここに記す。当時は猫頭だった。正確には「当時も猫頭だった」か(爆

 猫も少しづつ賢くなる。我が家のバカ猫は腹が減ると「餌を実力行使」で食うようになった。まずは「ジャンプ力向上」して餌喰いまくり(泣
 私高本も猫頭とは言え、「きちんと締まり、猫の通常の背丈よりも高い場所に餌保管場所移動」はしたのだが、家飼い猫の方が私高本よりも賢く(泣

○ジャンプして蓋を開けて、餌喰いたい放題、の惨状、と相成った

 私高本は「猫以下の頭」かよ(爆涙


 2009年8月号「マリア・カラス特集号」の時は明言出来なかったことを(昨年の3回の大阪方面公演の批評を遅らせてしまった経験)から、「私高本の猫頭」を自分で理解できるようになった。「私高本は猫頭である」ことをここに宣言しておく(爆


 これだけ「名文」多い「モーストリークラシック3月号」にも私高本は「大きな違和感」を持った。前回の名作「マリア・カラス特集号」と同じ違和感。3年前は明言出来なかったが、(昨年の「批評落としまくり」の大阪行き、のおかげさまで)今回ははっきり原因がわかった。

掲載されている「CDのレーベル」に著しい偏りがあり、この通りに購入すると「モーストリークラシック読者」のためにならない!


 この1点が全てである。「ん?」と思った読者の方は、「モーストリークラシック3月号」購入してちょ。上に書いたように素晴らしい記事だらけ

但し、掲載されている「参考CD」がレーベルが限られており、「完全に自由な私高本の眼」からすると「偏光著しい」から!



 具体的に語ろう。まず初めに「凍てついた」のは、p55 の「推薦CD」。2枚が変。

マルグリット・ロン(p)+ ラヴェル(指揮) の「世界初演顔合わせ盤」を薦めるならば、高額な海賊版のウラニア盤を薦めるのではなく、安価な正式リリースの「10枚組でいつでも1132円のmembran盤」でしょ!


ヴラド・ペルルミュテールの「ラヴェル全曲」ならば、初回のVox盤だろ!!


の2点。私高本は猫頭なので、随分「スカな演奏会やCD」を聴いて来ました > 昨年は「右手不随」になるほどのショックな演奏も聴きました(泣

 ・・・で、「これは無いだろ!」と猫頭=私高本は「瞬間湯沸かし器」のように怒ったのだが、チョット待て。「レコード芸術誌ヒョーロンカ」の著名評論家からご教示頂いたことを思い出した。

「送りつけられて来るCD全部聴いていたら、起きている時間でも足りない」


 渋谷の(余り美味くない)中華料理屋での発言だったが、私高本の糧になっている。その当時は「協奏曲」担当だったんだが、今は何担当してるのかなあ(爆

とにかく「凄まじい量」のCD送りつけられて来て、全部聴くことは不可能


だと。「レコード芸術」担当範囲外も送りつけられるんだと。バッハ「カンタータ」の箱とか、モーツァルト宗教曲全集 なども来たとのこと。「レコード芸術大賞」の選考委員でもあるから、送っておくよなあ。 そりゃそうか、私高本が「佐伯周子のCD」リリースしたとしたら、真っ先に送るわな > 例え、担当分野が違っても

 ・・・で、結局「聴き通せない」多量のCDが送り付けられるんだと > 「レコード芸術」批評家全員だろ、多分

 その費用は少なくない。「クロネコメール便」で送るのが最小だと推定されるが、「1回当たり80円最小」掛かる。しかし、「3枚組」以上になると、厚さが2cmを越すので、メール便は使えない。佐川急便で送るハメになる。こんなことを「日本国内に繰り返し」しているのが、「CD販売業者」なのである。彼らは「自分の業務に忠実」なだけなので、決して批難しないように。

 裏側から覗いて見るとするか、、、

HMV検索で「ravel → ベストセラー」にすると、必ずトップに来るのが membran10枚組1132円盤!


 リンク貼っておいたので、確認して下さい。この10枚組購入するだけで、「モーストリークラシック推薦CD」が何枚含まれていることか!(怒
 ちなみに HMVで「debussy → ベストセラー」で検索すると「2番目に membran10枚組」が来る。これも買うと「モーストリークラシック推薦CD」が何枚も含まれている!!
 さらに「おかしい!」点あり。

マルティノンを特集している頁(p49)で推薦CD=EMI2枚組国内盤だが、正規盤4枚組=Brilliant盤の方が安くて全曲揃う!


 これはひどい。


 そう、私高本が主に購入している2つのレーベルが完全に欠如しているのだ。マリア・カラス の時も「callas → ベストセラー」で検索すると、必ずトップに来るのが「membran 10枚組1132円」だったので、何でこんな高いCDばかり推薦しているのだろう? と思い、何も推薦しなかった > モーストリークラシック

membran(Documents) & Brilliant の「2大廉価盤レーベル」を完全に除外しての推薦CD一覧が「モーストリークラシック」


なのである。

「お買い物ガイド」として役に立つのだろうか???


 尚、「モーストリークラシック」が特に「クラシックCD雑誌」の中で偏っているワケではなく、「レコード芸術」や「Grammophon」「Diapason」なども大差無い。

私高本の購入した「membran(Documents)& Brilliant CDに「××賞受賞」貼ってあったのは皆無!


だからなあ。他レーベルはワケわからんほど貼ってあるCDにちょくちょくお目にかかるのだが。(聴いてみると、こんなCDに賞やるなよ! ってのが結構あるんだが)


 クラシックCD業界の慣習は次のようになっている、と私高本は理解している。

  1. 世界各国の「CD雑誌」は、贈られて来る「サンプル盤」を聴くことにより、「CD批評」が成立しており、「権威ある××賞」が毎年排出される


  2. 読者の購読料金と並んで重要なのが「CD会社の広告代金」であり、「権威ある××賞」は広告代金が多い会社に行くことが大半


  3. membran(Documents)& Brilliant の2社以外は、大手は必ずこの「業界慣習」の仲間入りをしたが、この廉価盤2社は『インターネット販売で安くすればお客様は付いて来る』の信念の下で「CD雑誌」とお付き合いしない


  4. HMVで「作曲家 または 演奏家 で検索 → ベストセラー順に並び替え」をすると、大概「membran(Documents)盤」が最上位に来る



 CD雑誌の編集者やヒョーロンカの皆様は「membran(Documents)盤」の存在自体を知らないのかも知れない。サンプルCDが贈られて来ないからなあ(爆
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今後1ヶ月に聴きに行く演奏会予定(No.1980)

2012-01-19 12:56:59 | 演奏会案内
『「直前に吠える」が面白いので、もっと掲載してほしい』との励ましの言葉を頂いたが、「吠える材料」が多数あるワケではない。一定水準で研究してないと「吠える」は難しいからなあ。
 ・・・で、「聴きに行く演奏会」を列挙しておくことにした。批評書くのも書かないのもあるだろう。今後1ヶ月の確定したものだけ。他にも行くかも知れないが、ビンボーしているので、それほど増えないような気がする(爆

  1. 2011.01.19(木)18:30 新国立劇場「ラ・ボエーム」


      私高本はオペラは「イタリアオペラ」ファンである、マジ。イタリア語はさっぱりわからんが。プッチーニの名作中の名作を楽しんで来ます。今日じゃん!

  2. 2011.01.24(火)19:00 上野優子 チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番 with 川瀬賢太郎 & 日フィル 東京文化会館


      最も注目している演奏会の1つがこれ。若い 上野優子 と 川瀬賢太郎 が共演しての チャイコフスキー第1番! 曲は超有名で超人気作。上野優子 はラフマニノフを中心に「ロシア音楽」と相性が最高のピアニストだからなあ。「都民フェスティバル」の内、これと後述する読響が裏表になっている演奏会ばかりチラシを撒いているので、チケット入手は簡単(爆

  3. 2011.01.25(水)19:00 上岡敏之指揮読響 マーラー交響曲第4番「天上の生活」他 サントリーホール


      名演が約束されている(だろう)演奏会だが、多くの人が同じことを思っており、昨年の内に全席完売。読響はたまに「チケット」が出ることもあるので、粘り強く毎日電話するのがコツ。「会員の振替」が結構平日は出る。

  4. 2011.01.28(土)14:00 東京音楽コンクール優勝者コンサート 八木寿子 他 東京文化会館


      昨年開催された「東京音楽コンクール優勝者」4部門5名が協奏曲を演奏する。八木寿子 から事前にインタビュー記事を頂き、掲載しようと思っていたが、連絡が来ないのでおそらく掲載出来ない、関西在住だからなあ。印象批評を掲載予定(爆

  5. 2011.01.29(日)13:00 永竹由幸 企画&演出 モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」セミ・ステージ・コンサート 東京文化会館


      昨年11月に 服部譲二 率いる「東京アンサンブル」にて「ドン・ジョヴァンニ」のセミ・ステージ上演での名演を経験しているので、大いに期待しているのがこれ。日本モーツァルト協会の第535回例会になる。この日は 河原忠之 の「指揮&ピアノ」。合唱団はこの日も無い様子。最近、この手の「骨格だけのモーツァルト」は流行しているようで、『ピーター・ブルックの魔笛』も大量にチラシを撒いている。宮本益光 が ドン・ジョヴァンニ を歌うこの公演は結構期待してる。

  6. 2011.02.03(金)12:10 & 14:30 ヴェルディ「椿姫」&プッチーニ「トスカ」 小林万里子(p) 横浜みなとみらいホール大


      横浜みなとみらいホールが主催する「ランチタイムコンサート」と「ティータイムコンサート」。前回は演奏時間がそれぞれ40分だった。40分で名作オペラの名場面だけを駆け足で聴かせる。ピアノの 小林万里子 は指揮者=秋山和慶 の信頼厚いピアニスト。

  7. 2011.02.06(月)19:00 沼尻竜典指揮読響ストラヴィンスキー「3大バレー」東京オペラシティ


      びわ湖ホール芸術監督就任以来、充実していると定評ある 沼尻竜典 が舞台作品でも「オペラでなく、バレエを振る」と言うので聴きに行く。しかも「ストラヴィンスキー:3大バレエ」を音楽だけだからなあ。大編成な上に著作権生存中作品なので(以下略)

  8. 2011.02.11(土・祝)14:00 法貴彩子(p)飯森範親指揮大阪フィル ラヴェルピアノ協奏曲ト長調 他 ザ・シンフォニーホール


      昨年「関西コンクール荒らし」を見事に成し遂げたピアニスト = 法貴彩子 の「ABCフレッシュコンサート」。「ABC音楽振興会ニュース」の「第20回ABC新人コンサート号」を読むと、審査員を圧倒した様子。その時の審査員の1人=飯森範親指揮でラヴェル「両手」を弾く。その後に「ダフニスとクロエ」第2組曲が置かれているので、飯森範親は相当に入れ込んだようだ!

  9. 2011.02.14(火)19:00 指揮=ヴァンスカ、クラリネット=マルティン・フロスト、アホ クラリネット協奏曲(日本初演)東京オペラシティ


      「日本初演」好きなので聴きに行く。前後がグリーグ「ペール・ギュント」とシベリウス交響曲第2番でヴァンスカ指揮なので、名演期待。

  10. 2011.02.16(木)18:30 新国立劇場 松村禎三「沈黙」 中劇場


      新国立劇場主催オペラ中、「沈黙」だけが連日公演でABキャスト。「沈黙」は過去に公演したので、特に聴きたいオペラではない。新演出とか言われても台本悪いから「ラ・ボエーム」のようになるワケでないし(爆
     連続通し券に付いて来るので泣く泣く行くハメになった。ダブルキャストで売れ行き抜群になるワケでも無いので、キャストが選べたので、一昨年&昨年の読響「第9」で名演を聴かせてくれた 与那城敬 が歌うBキャストにした。指揮者=下野竜也 が唯一の魅力か?

 上野優子 と 法貴彩子 の「ピアノ協奏曲」が楽しみ。それにしてもオペラとバレエが多いな、しかも「ピアノ版」2回で3演目かよ!
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岡原慎也が『文化庁芸術祭優秀賞』受賞!(No.1979)

2012-01-18 10:46:47 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也

岡原慎也が『平成23年度文化庁芸術祭優秀賞』受賞


が発表された。

文化庁芸術祭平成23年度受賞者HP


にリンク貼っておいたので、ご確認下さい。

岡原慎也HPプロフィール

岡原慎也Wikipedia


にもまだ掲載されていない。

おめでとうございます > 岡原慎也!

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続 東京オペラプロデュース「プロコフィエフ:修道院の結婚」2012.01.14 & 15批評(No.1978)

2012-01-17 23:30:51 | 批評

プロコフィエフ:オペラ「修道院の結婚」全貌を把握した 指揮者 = 飯坂純


 今回公演の大立役者 = 飯坂純 である。東京オペラプロデュースでの過去3回の指揮は以下の3人の作曲家だった。

飯坂純の東京オペラプロデュース公演での過去作曲家(&作品,会場)



  1. 2009.10 シャブリエ(「エトワール」大田区民ホール アプリコ大ホール)


  2. 2011.03 メサジェ(「フォルテュニオ」なかのZERO大ホール)


  3. 2011.07 メノッティ(「ブリーカー街の聖女」新国立劇場中劇場)



 3名ともプロコフィエフほどは有名な作曲家ではない。中で最も知名度の高い「シャブリエ」について、少し掘り下げてみよう。オケの演奏会では、狂詩曲「スペイン」が抜群に人気高い。5分少々の曲である(爆
 ピアノ曲も結構人気ある。「10の絵画的小品」「2台ピアノのためのスペイン(→ オケ曲と同じ曲の2台版)」「2台のピアノのための3つのロマンティックワルツ」などが人気高い。私高本も大好きである。
 ・・・で、

「シャブリエのピアノ曲」と「プロコフィエフのピアノ曲」の『演奏家にとっての技巧的難易度』を尋ねたら、百人が百人「プロコフィエフが圧倒的に難しい」と回答する!


ことを明記する。「シャブリエ演奏」にはまた違った難しさがあり、「フランスのエスプリ」が漂わないと「何弾いているの?」とツッコミを入れられることになるのだが、それは横に置いておいて「譜面通りに弾く」までに要する時間は倍とか3倍ではなく、プロコフィエフの方が圧倒的に長い練習時間を要する。

 ・・・で、この厳然たる事実は「オペラ」でも全く同じ。

シャブリエは「軽い(=薄い)響きでエレガントを求める」。プロコフィエフは「岩をも砕くフォルティッシモまで求める」。



 さらに「東京オペラプロデュース」ではいろいろな「足枷」が加わる。「予算が8型以内に収める必要あり」「東京ユニバーサルフィル」が自主活動を停止した」などなど(泣

 常設オケや準常設オケならばあまり時間を掛けずに可能な「オケ水準までの音作り」も「必要に応じて招集されるオケ」だと時間を食う。それを、決められた時間内に仕上げられるのか? を「公演告知前」に判断する必要を、飯坂純 は 竹中史子プロデューサー に求められる。「オケのインスペクター(← メンバーを集めて来る中心人物)を誰に依頼するか?」なども含めて、飯坂純は「GO!」指令を出した。これで「音楽的責任」はうまく行っても、不味く終わっても「全てが飯坂純の肩」に掛かった。


 この批評は「2日目終演後に尋ねておかないと正確な批評が書けない点」をご教示頂くために、楽屋に 飯坂純 を表敬訪問したから書ける批評である。猫頭(兼 ビンボー)の私高本が確認したかった点は1点のみ。

管楽器は「スコア通り」ですか? → 回答:「はい、オリジナル通りです。」


 やはり「3管編成」だった。私高本が事前に聴いたCDは「オリジナル編成」なのか? 1番奏者に「アシ」付けたのか? 倍管なのか? は全く不明。「14枚組で4千円台の超廉価仕様」だからしゃーないわな(爆
 質問はこれだけ。「素晴らしい感動的演奏でした!」はきちんと伝えたが、他は猫頭で「聴いた通りに書く」しかないじゃん(藁

 ・・・のその時に、飯坂純 から教えて頂いた

プロコフィエフ「修道院の結婚」日本初演指揮者=飯坂純の「ブラヴォー三昧公演」での吐露があった。「オケスコア」と「ヴォーカルスコア」で違う点が相当にあり、どちらにするか時間を食った!


 盲点! 全く気付いていなかった。佐伯周子 の演奏する曲は、「日本初演」であっても、「オペラ」で無いからこの問題にブチ当たったことは無いし(爆

 後、柔らかく

オケ合わせが2日、AのGPとBのGPで本番、昨日(Aキャスト)よりもオケは今日(Bキャスト)が良かったです。


と静かに言われた。あぁ、昨日公演について、「1番トランペット」と「第1ヴァイオリン」にキツ過ぎることを(また)書いてしまったんだよなあ、と瞬間思った。書いてしまったことは仕方無い。楽日公演ははっきりよくなっていました > 第1ヴァイオリン と 1番トランペット奏者。ありがとう!!!!

(さらに、続編書きます。)
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続編:東京オペラプロデュース「プロコフィエフ:修道院の結婚」2012.01.14批評の影響について(No.1977)

2012-01-16 21:06:51 | 批評
 本日書くことは全くわからない範囲のことである。私高本の猫頭の妄想の可能性も極めて高い。何か文句あれば、コメントに書いて下さい。「名無し」でも、まともな内容ならばアップします(爆


私高本の、東京オペラプロデュース「プロコフィエフ:修道院の結婚」公演初日批評は「キツ過ぎた」可能性が極めて高い


 1番トランペットと第1ヴァイオリンを名指しで批評したからなあ。

 ・・・で、2日目は良かったのである > 1番トランペット も 第1ヴァイオリンも!

 書いたのが原因かどうかはわからん。私高本は「自分が聴くのに最適な音響」が欲しいだけ、である。あぁ、「佐伯周子シューベルト完全全曲演奏会」も全く同じ。「後3000円収入が増えたら良いな!」とかは思わない。増えるに越したことは無いのだが、増えなければ「主催者の企画想定が不足していただけ」である。私高本は猫頭なので、基本的に不足しているらしい(泣


東京オペラプロデュース「プロコフィエフ:修道院の結婚」は両日ともに「9割5分」の入りであった > 1階9列まで潰したからなあ


 東京オペラプロデュースの 竹中史子プロデューサー がこの配置を認めたのは、チケット販売前。その英断に深く感謝するとともに、その成果の大きさに深く感謝する次第である。

高本秀行

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東京オペラプロデュース「プロコフィエフ:修道院の結婚」2012.01.14 & 15批評(No.1976)

2012-01-15 20:45:34 | 批評

松尾史子代表=竹中史子プロデューサーの「目利きの鋭さ」が光り輝いた 東京オペラプロデュース「プロコフィエフ:修道院の結婚」


 初日&2日目の両日公演を聴き終え、深く感動した。

壮大な構想の「修道院の結婚」を2日公演するに必要な「指揮者」「演出家」「ダブルキャスティング」「バレエ」「会場」などなどを全て把握し、「日本初演」で素晴らしい公演を2日連続で実現させた = 竹中史子プロデューサー!


だからである。「言うは易く行うは難し」。おそらく1998年2月「ワーグナー:恋はご法度」公演以来、全公演聴いている、と記憶しているが、これほど大規模なオペラは初めてだった、と感じる。


指揮者 = 飯坂純 & 演出家 = 八木清市 のコンビ


を竹中プロデューサーが決めたのは、シャブリエ「エトワール」公演の出来の良さだったのだろうか? それとも、メノッティ「ブリーカー街の聖女」公演稽古中だったのだろうか? 2回とも余りの素晴らしさに感動したので、大いに納得!!!

 ・・・で、問題大なのが「キャスティング」だ。主要な役が(最小に勘定しても)9つもある! マジかよ!! とCD聴いて思った。東京オペラプロデュースプログラムノート掲載順に記載する。

プロコフィエフ:「修道院の結婚」主要役一覧



  1. メンドーザ(バス)


  2. ドン・ジェローム(テノール)


  3. ルイーザ(ソプラノ)


  4. フェルディナンド(バリトン)


  5. デュエンナ(メゾソプラノ)


  6. アントニオ(テノール)


  7. クララ(ソプラノ)


  8. アウグスティン神父(バス)


  9. マスク1/エルスタフ(テノール)



 最終行の「2役」はゲルギエフ指揮CDでも行われているので「慣習通り」である。9×2 で18人。これが『日本人だけで』集められる「オペラ団」は、私高本は「東京オペラプロデュース」以外には一切考えられない > 新国立劇場も含めてで。

 これが私高本の「猫頭」が原因と思う方には、今回の 東京オペラプロデュース「プロコフィエフ:修道院の結婚」公演に足を運んだ『新国立劇場主要関係者』が多いことをここに明記しておく。

最重要な人 = 新国立劇場オペラ部門芸術監督 = 尾高忠明


だと思う。楽日公演に2階1列最中央の目立つ位置に座っていたので、気付いた方も多いことだろう。ちなみに、新国立劇場「沈黙」公演はこの中劇場で行われるのだが、私高本の座席は「1階6列」である(爆
 あぁ、「この響き」は聴けないのね > ベートーヴェン も悲しむと思うぞ(泣


 上記9役のA&B両キャストが素晴らしかったことをここに記す。「ルイーザ役」は、大隅智佳子の圧倒的な歌唱を聴かせてもらったが、岩崎由美恵 も素晴らしかった。岩崎由美恵 の名演が無ければ、Bキャストは崩壊していたハズである。(大隅智佳子を聴いた後では)少し「細い」点があるが、「大隅智佳子が化け物級のソプラノ」なだけである。岩崎由美恵の名演にも感動した次第である。

声楽アンサンブルは、Bキャストの方が良かった


が実感。(書いて良いのかわからんが)楽日終演後に、指揮者 = 飯坂純 を「名演を聴かせて頂いた表敬訪問」した。(ん?、マズいことまた書いたか??)
 練習日程の少なさ = 民間オペラ団体 の「実態」を聞いた。あぁ、昨日の批評は「キツ過ぎ」だったんだなぁ(藁



訂正とお詫び:昨日1/14に松尾史子東京オペラプロデュース代表から2011.11.24「オペラくご:ドン・ジョヴァンニ」ではPAは用いていない、との抗議の申入


がありました。ここに訂正記事を掲載するとともに謹んでお詫び申し上げます。 Piano Music Japan 高本秀行
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