「軽やかさ」が満開した エヴァ・メイ のモーツァルトアリア名演!
全モーツァルトプログラムの コルステン指揮読響サントリーホール名曲シリーズ。4年前と同様に「エヴァ・メイ モーツァルトアリア集」を中心とした全モーツァルトプログラム。今回は、エヴァ・メイ の歌唱は「演奏会アリア & オペラ・セリア のみ」と言うやや地味系だったためか、前回公演が早々に売り切れになったのに反し、当日券(&学生券まで!)出る初日公演となっていた。確かに「地味目のアリア」を揃えたモノだ!
・・・だが、歌唱は「地味」では無く、かと言って「派手」では全く無く、
エヴァ・メイ の『柔和な高音』が最も映えるアリアばかりが厳選されていた選曲であった! ことが(聴き終えた後でしか言えないが)圧倒的な演奏会であった
エヴァ・メイ アリア集 終曲後の圧倒的な「ブラヴォーの嵐」の後に、オペラ・ブッファ「後宮からの誘拐」のコンスタンツェのアリアが演奏されたが、説得力&聴衆への心の揺さぶりが大きかったこと! 本プログラム後以上の圧倒的なブラヴォーの嵐が再来してしまった(苦笑
エヴァ・メイの声は、「大きい」では無い。「響く」だ!
この日の読響の編成は正規終始12型。これでもモーツァルト時代のオケ(最大?8型)より大きいのだが、現代の16型オケで「ジュピター」などを聴いている耳からすると、相当にスリムに聴こえる。
コルステン 指揮は「基本的にはオリジナル楽器奏法」であり、第1ヴァイオリンには終始ヴィブラートを制御させる。低弦にも「長い音符にはヴィブラート禁止は徹底」だが、短い終止形は割りと放置
であり、昨秋N響に来演した ノリントン指揮などと比較すると曖昧、と言うか「オケの自発性」は放置する指揮(爆
・・・で、出て来た「音の質」は「コルステン指揮読響 > ノリントン指揮N響」であった。私高本は、「オリジナル奏法演奏オーケストラ」は興味があり、東響の「ティンパニはオリジナル楽器復元楽器にて演奏」なども数多く聴いて来た。
それら全てと比して、「コルステン指揮読響のモーツァルト」は説得力が極めて高かった。
コルステン は、「奏法」はあまり拘らない。「澄んだ音」で エヴァ・メイ の歌唱を支える、に徹する
これだけであった、と感じる。だが、これは、ほとんどの指揮者が到達できない高い境地、に感じた次第である。
「エヴァ・メイのモーツァルトアリア」を聴きたい人は3/21(土)東京芸術劇場昼公演を! 「コルステン のモーツァルト交響曲の精髄」を聴きたい人は3/27(金)の読響定期演奏会を!
を聴いて欲しい。私高本は 3/27 も聴きに行く。