Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

プロデューサーノート(No.1727)

2010-01-15 22:46:57 | ピアニスト・佐伯周子

本年 1/7 佐伯周子 ベーレンライター新シューベルト全集に拠るピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.7


についての、「演奏会プロデューサー」の演奏会後のメモである。大半の人には役に立たないだろうな(爆



「ピアノソロ曲完全全曲演奏会」と銘打った演奏会で、「連弾で始まり、連弾で終わり、アンコール曲も連弾のみ」は空前絶後!


だと感じる。
 この曲順に関しては、(アンコール曲についてを除外すると)「佐伯周子の意向そのまま」である。

全曲を通して演奏して、D968A → D568 → D664 → D823 を決定した


様子である。
 アンコール曲は、岡原慎也から「アンコール何にする?」との電話で(連弾の)アンコール曲は一挙決まった。超有名な「軍隊行進曲ニ長調 第1番 D733/1 作品51/1」である。
 ここだけの話だが、その後に「岡原慎也のソロ + 佐伯周子のソロ」って話題は当初から出していた。「合わせ」が白熱するに従って、アンコール曲が減少して、ついに「軍隊行進曲ニ長調第1番」だけになった、、、



「連弾ソナタ ホ短調 D823 作品63+作品84」


は、「佐伯周子のシューベルト全曲演奏会で、是非弾いて欲しい最優先曲」と思い定めたのは 2006年だったと思う。

連弾の相手は「世界最高のシューベルト弾き = 岡原慎也」以外は考えられなかった


である。日本にも多くの素晴らしい「シューベルト弾き」がいる。

  1. 内田光子

  2. 田崎悦子

  3. 田部京子

  4. 伊藤恵

  5. 角野裕

  6. 今井顕


などなど、素晴らしい「シューベルト弾き」は数多いる。聴いて来ました。皆様に感謝を捧げるばかりです。
 その中で

2010年1月現在での「最高峰のシューベルト弾き = 岡原慎也」を実感した!


 私高本の感性であり、読者の皆様の感性と異なっているかも知れない。2つの視点が大きいような気がする。

  1. 「冬の旅」の過去最高録音のピアノを演奏している → マジ

  2. 「シューベルトの合わせ」が抜群!


 「2」は「1」の補足だよな(爆


 「演奏会アンケート」のファックスやメールも1週間経過したので、これで落ち着いただろう。ここに報告する。



  1. 「連弾ソナタ ホ短調 D823」が最も良かった、のご意見が最も多かった

  2. イ長調ソナタ D664 と 変ホ長調ソナタ D568 が良かったも頂いた

  3. 変ロ長調変奏曲 D968A と アンコールの軍隊行進曲第1番 D733/1 については何もコメントが無かったので印象が薄かったのだろう


である。
 これまでの経験上、「聴いたことのある曲」または「大好きな曲」の名演が評価が高いことが(佐伯周子演奏会に限らず、以前に実施した岡原慎也演奏会や川上敦子演奏会で)判明しているのだが、

2010.01.07 佐伯周子 + 岡原慎也 シューベルト:連弾ピアノソナタ ホ短調 D823 作品63+作品84 は極めて高い評価!


を得た。私高本は、過去の録音の全てを聴いているわけではないが、おそらく「過去録音の95%以上は聴いている」ので、この評価は極めて「重い結果」を産んでいるだろう。



「後期シューベルトの最高傑作の蘇演」 が出来た = D823


だと感じる。
 「プレトーク」を聞いた聴衆の皆様にはモロバレているが、岡原慎也は当初は「D823 の終楽章は長過ぎる!」と主張していた。あいまいな記憶で申し訳ないのだが、確か佐伯周子も同じことを言っていた(爆
 D823 は、私高本の感性では「D940 と並ぶ シューベルトの最高傑作」なのだが、岡原慎也からも佐伯周子からも同意が得られないスタートになってしまったワケである。う~ん。悲しい(泣
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1/7 「佐伯周子リサイタル」お礼とアンコール曲報告(No.1726)

2010-01-10 20:38:22 | ピアニスト・佐伯周子
1/7 新年早々松の内から寒い中をご来場頂きました皆様ありがとうございました。

アンコール曲 = 「軍隊行進曲」第1番ニ長調 D733/1 作品51/1


でした。佐伯周子 = Primo、岡原慎也 = Secondo。


 1/7演奏会終了後、私高本が何を勘違いしたのか、パソコンを「宅配便荷物」にしてしまい、ブログ更新が2日遅れてしまいました。荷物は本日受け取りました(泣
 メールも読めない日が3日続き、空けたらメールが信じられない量溜まっていました。

 「演奏会の感動」「演奏会の疲れ」両方だと思います。メール頂いた皆様、返信が遅れましたことを心よりお詫び申し上げます。
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本日コンサートのリハーサル報告(No.1725)

2010-01-07 00:27:16 | ピアニスト・佐伯周子
 昨日 1/6 に、岡原さんに大阪から1日早く東京にお越し頂き、演奏会会場の東京文化会館にて夕方から「リハーサル」を行った。ここだけの話だが速報する。
 まず連弾の2曲。

変奏曲 変ロ長調 D968A 作品82/2


 岡原慎也Primo。佐伯周子Secondo。「シューベルトの器楽曲」としては徹頭徹尾明るく楽しい曲想が巡る巡る。格調高い序奏から、「主題」が生まれ、4変奏曲を経て、フィナーレに飛翔する。とくにフィナーレは聴きごたえ満点の曲であり、演奏であった。

ソナタ ホ短調 D823 作品63+作品84


 佐伯周子Primo。岡原慎也Secondo。全4曲中、最大規模の曲。直前に出版された(ソロの)ニ長調ソナタD850 作品53 をさらに技巧的に凝らした曲であり、同時期に作曲していた「交響曲グレート D944」の響きがあちらからもこちらからも聞こえて来る。岡原慎也の豊かなリズムの上に、佐伯周子の「歌」が奏でられるフレーズが多いが、色彩感豊かなこと!
 演奏会当日の「トリ」にしたのは大正解だった!!
-------
 ここからは佐伯周子のソロ。

ソナタ 変ホ長調 D568 作品122


 テンポ変化の小さい曲だが、細やかな表情変化が巧み! 佐伯周子の見解では「循環ソナタ形式」との指摘があり、聴いてみると確かに「循環ソナタ」である。これまで出て来た全曲録音はほぼ全て聴いているのだが、佐伯ほどの説得力は初めてである。第2楽章と第4楽章の盛り上がりは、これまでのピアニストでは聴けなかった水準。是非、聴いてほしい。

ソナタ イ長調 D664 作品120


 この曲は「旧シューベルト全集」(1888)以来、多くの方に「若い(=幼い)女流ピアニスト向け」と完全に誤解された曲。跳躍あり、難しいオクターブ進行あり、の曲で、真価は今日まで聴けなかった曲のように佐伯周子の演奏を聴きながら感じた。やや小振りな第1楽章の後に、信じられない静寂が支配する第2楽章。そして「ウェーバー礼賛」の第3楽章。これは佐伯並みの技巧が無いと聞くことは難しいだろうなぁ。ウェーバーの「舞踏への勧誘」と同等かそれ以上の華やかさを聴かせてくれる。
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 アンコール曲について、ここでバラすと 岡原慎也 と 佐伯周子 に怒られるんだろな。名演を聴かせてもらいました。
 ご来場の皆様が、演奏に満足したならば、拍手喝采下さい!

本日のご来場を心よりお待ち申しあげます。当日券確実にあり


です。
 「プレトーク」は「第3グランドソナタの謎」がテーマになります。演奏にのみ興味ある方は聞く必要皆無です。「D568,D664,D823 のどれが第3グランドソナタ?」と思っていらっしゃる方は聞くと少しは役立つかも。「シューベルトの番号付け」は謎が多くて、学者毎に学説があるかのようです(爆
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1/7 「佐伯周子リサイタル」当日券あり(No.1724)

2010-01-05 23:51:28 | ピアニスト・佐伯周子
 電話が来るが「心配無用」である(爆

1/7 佐伯周子リサイタル 当日券は充分にあり


である。
 マネジャー = 私高本 が「正月松の内」にしかスケジュールを確保できなかったのが、原因だと思う。深く反省したいが、何を反省すればいいのだろうか? 「当日券派」の皆様は余裕を持ってご来場頂きたい。

  1. 「プレトーク」を聴きたい方は 18:34 までに入場

  2. 「演奏だけ」を聴きたい方は 18:59 までに入場


をお薦め。今回のプレトークについては明日の夜の「佐伯周子 + 岡原慎也の最終合わせ練習」で決定される予定だが、私高本がパソコンを移動できるかどうかが不明なので、この更新が 1/7 前の最終更新の可能性大。
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佐伯周子(と岡原慎也)のシューベルトの魅力(No.1723)

2010-01-04 23:47:09 | ピアニスト・佐伯周子
 1/7 のプログラムが決定した。


  1. 変奏曲 変ロ長調 D968A 作品82/2(Primo : 岡原慎也,Second : 佐伯周子)

  2. ピアノソナタ 変ホ長調 D568 作品122


  3. (休憩)

  4. ピアノソナタ イ長調 D664 作品120

  5. ピアノソナタ ホ短調 D823 作品63+作品84(Primo : 佐伯周子,Second : 岡原慎也)


 以上である。


 ここだけの話である。連弾の2曲は「こんないい曲だったの?」って感じだ! 日本では「デュオ児玉」も D823 は通して演奏していないようだ > 新旧どちらのデュオも!
 ちなみに

連弾ホ短調ソナタは、「死と乙女」弦楽四重奏曲でさえ 第2楽章終結は長調だったのに、ホ短調ソナタD823 は全3楽章全てが 短調で始まり短調で終わるシューベルト唯一の曲!


である。
 う~ん、「全曲の曲想」は決して暗くない。第1楽章も第2主題は明るく、第2楽章も「長調変奏曲」は明るい。第3楽章に至っては「第2主題は徹頭徹尾明るい、が基調」なのだが、「死と乙女」弦楽四重奏曲以上に、様式的には暗い曲だ。どちらもシューベルトの名手である 岡原慎也 と 佐伯周子 が「つい長調に!」と楽章終結部で合わないことが多発!
 これ、って両者共に「シューベルトのスペシャリスト」故のことと思う。しかし「死と乙女」弦楽四重奏曲よりも「短調寄り」の曲がこの世に存在したのかよ!(爆
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