Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

再度 NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2982)

2024-10-23 16:00:06 | 批評
2024年10月20日(日)標題の演奏会が「リハーサル風景」込みでTV放映された。当該批評は以下の2本。
NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2945) - Piano Music Japan
NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14 & 15ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2946) - Piano Music Japan
興味深かったのは、「リハーサル風景」。

第1楽章開始早々、チューバ奏者をワーグナーチューバの「隣に移動」指示、それに伴いトロンボーン奏者が左から3番、2番、1番順にチューバの右


になり、私高本が初日に見た配置となった。
練習番号D(97小節)から練習番号G(143小節)まで、ワーグナーチューバ4番奏者とチューバ奏者(ノヴァーク校訂楽譜には「コントラバスチューバ」と記載されている!)は「オクターブで演奏」が半分以上なので、納得の指示である。
本番については、NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2945)記載の通り。


実は、2022年12月3-4日ルイージ指揮ブルックナー第2番初稿 は2日共に悪い演奏では無かったのだが、感動に至らなかったので、批評は書かなかった。初日の放映を録画しておいたので、今回改めて聴いて見ると

ルイージ指揮ブルックナー第2番は、音と音の繋がりが悪く、「切れて聴こえる」


のである。第4番や第8番では繋がっているのだが。ルイージの解釈なのか? 練習時間不足か? は分からない。


ルイージ指揮ブルックナーは、第9番 → 第4番(1878/80年稿) → 第2番初稿 → 第8番初稿 の順に演奏したハズ。第9番はナマを聴いていないのでわからない。(NHK放送では音響を操作するから)
第4番は良かったので、第2番を期待して聴きに行ったらハズレ、第8番は期待せずに行ったらアタリ、よく解らないモノです。

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NHK交響楽団第2019回B定期公演2日目2024.10.11ブロムシュテット指揮批評(No.2975)

2024-10-15 13:30:47 | 批評

ベルワルド作曲交響曲 第4番 変ホ長調「ナイーヴ」が素晴らしかったブロムシュテット指揮



  1. シベリウス/交響詩「4つの伝説」作品22─「トゥオネラの白鳥」
  2. ニルセン/クラリネット協奏曲 作品57
  3. ベルワルド/交響曲 第4番 変ホ長調「ナイーヴ」

プログラムであったが、メインの ベルワルド交響曲第4番が素晴らしい出来だった。
・・・だが、前半はそれほどの出来には達していなかった。シベリウス「4つの伝説」は4曲通して私高本は聴きたかったし、ブロムシュテットも振りたかった、と思う。
ニルセン クラリネット協奏曲は、小太鼓が喧しい曲。アンコールに ニルセン5重奏曲をフルート&オーボエ抜きの3重奏演奏は曲を舐めている。後半ベルワルト交響曲にフルートもオーボエも入っているのだから、舞台に挙げて5重奏曲として演奏するのが本来の姿。

来年度もN響首席クラリネット奏者に拠るクラリネット協奏曲がB定期


に組み込まれている。「1回券チケットが購入出来ないから年間B定期会員になっている=私高本」。多くのB定期会員も同じ思いのことと察する。全席完売とのことだったが、8割の入りに見えた。「協奏曲重視」と銘打ちながら、N響団員ソロで2年連続クラリネット協奏曲かよ(怒

最も心に残ったN響コンサート 中間発表


(第1位~第5位、以下すべて暫定順位)
 | NHK交響楽団

| NHK交響楽団

N響からのお知らせ、公演情報、プレスリリース、放送予定などNHK交響楽団からのさまざまなお知らせをご紹介します。

 


  1. 第1位|12月Aプログラム
    (2023年12月16日、17日)

    マーラー/交響曲 第8番 変ホ長調 「一千人の交響曲」
    ファビオ・ルイージ(指揮)
    ジャクリン・ワーグナー、ヴァレンティーナ・ファルカシュ、三宅理恵(ソプラノ)
    オレシア・ペトロヴァ、カトリオーナ・モリソン(アルト)
    ミヒャエル・シャーデ(テノール)
    ルーク・ストリフ(バリトン)
    ダーヴィッド・シュテフェンス(バス)
    新国立劇場合唱団(合唱)
    NHK東京児童合唱団(児童合唱)

  2. 第2位|2月Aプログラム
    (2024年2月3日、4日)

    ヨハン・シュトラウスII世/ポルカ「クラップフェンの森で」作品336
    ショスタコーヴィチ/舞台管弦楽のための組曲 第1番 -「行進曲」「リリック・ワルツ」「小さなポルカ」「ワルツ第2番」
    ショスタコーヴィチ/交響曲 第13番 変ロ短調 作品113 「バビ・ヤール」*
    井上道義(指揮)
    アレクセイ・ティホミーロフ(バス)*
    オルフェイ・ドレンガル男声合唱団(男声合唱)*

  3. 第3位|5月Aプログラム
    (2024年5月11日、12日)

    パンフィリ/戦いに生きて[日本初演]
    レスピーギ/交響詩「ローマの松」
    レスピーギ/交響詩「ローマの噴水」
    レスピーギ/交響詩「ローマの祭り」
    ファビオ・ルイージ(指揮)

  4. 第4位|1月Aプログラム
    (2024年1月13日、14日)

    ビゼー(シチェドリン編)/バレエ音楽「カルメン組曲」
    ラヴェル/組曲「マ・メール・ロワ」
    ラヴェル/バレエ音楽「ラ・ヴァルス」
    トゥガン・ソヒエフ(指揮)

  5. 第5位|6月Aプログラム
    (2024年6月8日、9日)

    スクリャービン/夢想 作品24
    スクリャービン/ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 作品20
    スクリャービン/交響曲 第2番 ハ短調 作品29
    原田慶太楼(指揮)
    反田恭平(ピアノ)

「最も心に残ったN響コンサート」は全てA定期。B定期皆無

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読売日本交響楽団2024.10.09定期演奏会批評(No.2971)

2024-10-10 14:33:03 | 批評

素晴らしかった前半 伊福部昭「サロメ」から「7つのヴェールの踊り」&ブラームス ヴァイオリン協奏曲


  常任指揮者=ヴァイグレ指揮の定期演奏会。直後に「ヨーロッパツアー公演」に持って行くプログラムである。

  「日本モノ」として選ばれた=伊福部昭「サロメ」から「7つのヴェールの踊り」である。リズムに固執する伊福部昭の特徴を掴み切った鋭い演奏。盛大なブラヴォーが冒頭曲から繰り広げられた。
  続くブラームス ヴァイオリン協奏曲。初共演となるテツラフであったが、「ピアニッシモの語りと囁き」を絶妙に活かしたヴァイオリンの妙技を披露、ブラヴォーの嵐となった。アンコールのバッハを含め、「ヴァイオリン ピアニッシモの魅力」を余すところなく発揮した。


 後半のラフマニノフ交響曲第2番は、好悪別れる演奏。読響は充分に鳴っているのだが、効果が伊福部&ブラームスに比べて希薄なのである。第1楽章終了時、退出者出たのは理解できる。ヨーロッパ公演も後半大丈夫?
終演時間=21時16分。
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井上道義指揮「ラ・ボエーム」2024.09.23批評(No.2968)

2024-10-07 12:03:39 | 批評

井上道義 最後のオペラ指揮は「真剣道義」の顔で締めた


井上道義指揮オペラは「真剣」と「おふざけ」の回があった。最後のオペラにプッチーニ「ラ・ボエーム」を選んだが、どちらになるかは、解らなかった。今回もダンサー4名が事前発表されており、不安は尽きなかった。ジャコモ・プッチーニ/歌劇『ラ・ボエーム』   東京芸術劇場
ミミ:ルザン・マンタシャン
ムゼッタ:イローナ・レヴォルスカヤ
コッリーネ:スタニスラフ・ヴォロビョフ
と3名も外国人招聘しているので、期待も大きかったが。


演出・振付・美術・衣裳=森山開次 は、プッチーニ音楽&ト書き に忠実


  ダンサー出身の森山だが、歌中心の演出である。東京芸術劇場は「オペラ用ホール」では無いので、しっかりした大舞台は不可能。その中で「パリの屋根裏部屋」「パリ、カルティエ・ラタンにあるカフェ・モミュス」を(安普請だが)雰囲気を醸成する。女性主役2名は、しっかりした歌唱。ロドルフォ:工藤和真 も伸びのある高音を響かせる。読売日本交響楽団は弦8-9-6-6-4 編成で左から第1Vn, 第2Vn, Vc, Va で第2Vn 左奥に Cb と言う「低音分断配置」であったが、特に不都合も無かった。
1階1~6列の座席を取り外し、オケピットにした。
NHK-BS4K にてこの日の演奏を放映とのこと、来年だが。関西や川崎公演がこれからあるので、興味ある方はお聴き下さい。
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新国立劇場オペラシーズンオープニング初日2024.10.03「夢遊病の女」批評(No.2965)

2024-10-04 13:14:01 | 批評

音楽的に大成功を収めたベニーニ指揮ムスキオ+シラグーザ「夢遊病の女」


10月5日に還暦を迎えるシラグーザがエルヴィーノ役、欧米で大活躍若手ムスキオがアミーナ役と主役2名に超大物が起用されたシーズンオープニング「夢遊病の女」初日。女声23名+男声29名の新国立劇場合唱団は、迫力十二分。ベニーニ指揮は安定しており、細かな指示が次々に繰り出される。主役2名の高音のメリスマは、それは見事なこと!アリア直後に「ブラヴォーの嵐」が毎回出る!
夢遊病の女

夢遊病の女

新国立劇場のオペラ公演「夢遊病の女」のご紹介。 新国立劇場では名作から世界初演の新作まで、世界水準の多彩なオペラを上演しています。

新国立劇場 オペラ

 

に主役だけでなく、指揮者や合唱指揮者や振付家などのビデオが豊富にあるが、全日C席以上余裕あり、である。最近の新国立劇場オペラはつまらないことが多かったことが、裏目に出ているようである。
 シーズンオープニングで新演出(リュック)なのに、演出家がカーテンコールに出て来なかった。テアトロ・レアル & 新国立劇場 & リセウ大劇場 & パレルモ・マッシモ劇場 の4オペラハウス共同演出で、最初がテアトロ・レアル。その時に盛大なブーイングを喰らったのだろうか?
 第1幕も第2幕もオーケストラ演奏開始前に延々と「アミーナ役に10名のダンサーが絡む」を見せつけられた。ダンサーは主役の歌は邪魔しないが、オーケストラと合唱団の音を妨げる雑音を「わざと」出す。「演出家はブーイングだろう」と私高本は感じたが、出て来ない、は意表を突いた。演出以外=音楽は充分に満足行くシーズンオープニング「夢遊病の女」であった。


【2024.10.04 19:30 追記】
(本日平日だが昼公演観に行ったので、夜追記しました)

4オペラハウス共催なのに、大道具も衣装も安っぽいリュック演出「夢遊病の女」


  第1幕1場、2場、第2幕1場、2場と「4場面の大道具が転換される」リュック演出だが、全てが安っぽいのだ。4場面全ての大道具全部価格は、新国立劇場粟国淳演出「ラ・ボエーム」第1幕冒頭の「パリの屋根裏部屋」だけよりも安い、感じ。第1幕は真ん中に1本の木があって、1場は5本の棒に8枚の布切れ、2場は2本の棒に8枚の布切れ、これほど安っぽい大道具は初めて見た。「段ボールのフィガロの結婚」未満の安っぽさである。
  ダンサーの「オーケストラ&合唱団妨害騒音」も含めて、『演出家登壇ならばブーイング大炸裂』の演出であった。即廃棄して欲しい。

ベッリーニ「夢遊病の女」は、原純 or 粟国淳 で新演出して欲しい


外国人でも良いぞ! 初日登壇出来ない演出は、即廃棄。
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NHK交響楽団第2018回C定期公演2日目2024.09.28尾高忠明指揮「白鳥の湖」抜粋批評(No.2961)

2024-09-30 05:03:41 | 批評

終曲が初日を上回り盛り上げた2日目 尾高忠明指揮N響「白鳥の湖」抜粋


  初日が圧倒的な聴衆の支持を受けた 尾高忠明指揮「白鳥の湖」。2日目は終曲第29曲が初日以上に「ハープの入り」以降が盛り上がり、終演後の「ブラヴォーの嵐 + 一般参賀」が連日繰り広げられた。出来れば本日2日目を収録放映して欲しいがそれは無理。来期以降、尾高忠明指揮を「年に2定期以上」聴きたい。チャイコフスキーバレエは得意そうなので、「眠れる森の美女 + くるみ割り人形」も期待したい。
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NHK交響楽団第2018回C定期公演初日2024.09.27尾高忠明指揮「白鳥の湖」抜粋批評(No.2959)

2024-09-28 11:59:01 | 批評

NHKホール音響を全て把握した 尾高忠明


  NHK交響楽団正指揮者 と言うのは、日本人にしか出されたことのない肩書で、現在は 尾高忠明 と 下野竜也 が就任している。ここ数年見ていると、「Ñ響定期年1回」振る、である。つまり、「年1回のN響定期を見事に振れないとそこまで」の判断である。2024年9月-2025年6月シーズンも この 2024年9月C定期 のみである。


前半の チャイコフスキー「ロココ風の主題による変奏曲」は10型オーケストラによる「小さな音」の演奏。私高本は「チャイコフスキー協奏曲は16型オーケストラを突き抜けるが醍醐味」と信じているので、好みに全く合わない演奏。尾高忠明の意向なのか? チェロソリスト=N響首席チェロ=辻本玲の意向なのか? は不明。


後半のチャイコフスキー「白鳥の湖」抜粋が始まって直ぐに耳を疑った。

前々週 ルイージ指揮ブルックナー第8番 よりも「弦が鳴っている」


のだ。ルイージ指揮ブルックナー も充分に弦も鳴っていた。それ以上なのである! 同じ16型なのに。序奏 演奏中、耳と眼に神経を集中した。発見!!!

N響弦楽器が「ルイージよりも1m以上舞台奥配置」


NHKホールは元来、オペラやバレエで「オーケストラピット使用」時が『現在のN響定期公演』の座席であった。オープニング時は、「ピット」相当に5列座席を配置して、客席数を増やしていた。それが、1996年には、前3列を潰して、オーケストラ用に張り出し、2列だけ客席を配置し、P4列P5列として販売していた。ルイージ指揮ブルックナー第8番は未放映なので、直近放映の6月C定期第2014回定期=沖澤のどか指揮映像で確認した。相当に客席寄りに指揮台配置である。沖澤 はN響定期初登場だったので、これが「N響NHKホールでの通常配置」であろう。

尾高忠明指揮「白鳥の湖」は終演後「ブラヴォーの嵐」


尾高忠明ブラヴォーの嵐は、私高本の記憶に無い。ルイージ指揮ブルックナー第8番並みである。客入りは半分以下に2~3階は見えたので、支持率は尾高忠明 の方が高い。
「一般参賀」で尾高忠明は呼び戻された。日本人指揮者では、朝比奈隆晩年や引退発表後の井上道義くらいであった。圧倒的な聴衆支持。私高本 は2日目も「白鳥の湖」聴きに行く。
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NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14 & 15ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2946)

2024-09-15 19:30:11 | 批評

初日以上に素晴らしかった ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番第1稿


  ブルックナー第8番第1稿初演だった昨日初日=2024.09.14。NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2945) - Piano Music Japanホルン1番奏者の負担は半端無く高く、初日は少し「アラ」があったが、2日目は落ち着いた。その分、2日目の方が良かった。
  ルイージ指揮は解釈は一貫している。「できれば3台で」と書かれているハープが2台以外は、第1ヴァイオリンソロも「3台指示は3台」「ソロ指示は1台」で、トラ皆無。
  「金管低音の繋がりが極めて良好」が推進力を第1楽章から貫く。
  第2楽章トリオは「Allegro Moderato」指示だが、「Andante Molto」の感じ、第3楽章はまさに「Adagio」。
  終演後は放送無い2日目の方が静寂。放送に「自分の拍手を入れたい」「自分のブラヴォーを入れたい」変人が初日は存在しており、迷惑千万である。
  「ルイージ指揮ブルックナー第1稿」は第1番から第4番まで全て聴きたい。第7番と第9番も聴きたい。
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NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2945)

2024-09-14 23:30:06 | 批評

ブルックナー交響曲を知り尽くしたN響首席指揮者=ルイージ


  ブルックナー交響曲第8番は「完成した最後の交響曲」であり、最長時間&最大楽器編成の曲であるが、実は(稿や版に拘わらず)名演が出難い曲である。第4番・第5番・第7番に比べて、名演頻度が低い。何故か?

テナーチューバ&バスチューバとホルンの持ち替えが指示されており、テナーチューバ&バスチューバ&コントラバスチューバと5本で合わせるフレーズがスムースに聴こえないから


である。別の視点で見ると

コントラバスチューバは「3本のトロンボーンと4重奏」フレーズと「4本のワーグナーチューバ(テナーチューバ&バスチューバの総称)と5重奏」フレーズがあるが、通常配置だと「5重奏がまとまって聴こえて来ない」


からである。

ベートーヴェンからトロンボーン3本が交響曲に加わった。(ハイドン&モーツァルトは使用しなかった。宗教曲のみに使用)トランペットの右に配置するのが普通。ホルンはトランペットの左である。

ブラームスが交響曲第2番でコントラバスチューバを使用した。通常配置は3番トロンボーン(=バストロンボーン)の右。

ブルックナー交響曲第7番で第2楽章&第4楽章にワーグナーチューバ4本使用。コントラバスチューバの傍に配置が通常。前でも右でも大差無し。

・・・で、ブルックナー交響曲第8番である。第7番と異なる点は「ホルン5~8番奏者がワーグナーチューバ持ち替え」である。第7番は持ち替えは無い。

「奏者を移動させる」が一案だろうが、見たことは無い。打楽器奏者はしょっちゅう移動しているので、やってやれないことはないのだが。

ルイージ構想は左から4番→1番ホルン、後列に8番→5番ホルン(=ワーグナーチューバ)、その右にコントラバスチューバ、その右に3番→1番トロンボーン、その右に1番→3番トランペット


この配置は初めて見た。納得の配置である。「音のまとまり最高」である。

第4楽章第1主題で「いきなり木管楽器が3管編成に増強」は、「第1稿の魅力」だが、十全


  3番奏者に「1番奏者パートを重ねて吹かせる指揮者が圧倒的に多い」中、ルイージは増加させない。第2楽章で、5番→8番ホルン奏者に1番→4番ホルン奏者パートを移しただけだった。

ブルックナー交響曲を知り尽くした指揮者=ルイージ


である。

 テンポの緩急自由自在、ダイナミクスも自由自在。終演後の「ブラヴォーの嵐」は3階だけでなく、1~2階からも圧倒的。これほど素晴らしいブルックナー第8番が聴けるとは思ってもみなかった。明日も聴けるのが楽しみでならない。
「ルイージ指揮ブルックナー」は日本では初めて、と記憶している。マーラーやヴェルディだとNHKホールが2杯全席完売になるが、ブルックナーは初めてなので、結構空き席がある。E席でも充分響く。是非是非聴いて欲しい。
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新国立劇場オペラ ディアツ演出「トスカ」今回も大成功(No.2912)

2024-07-20 22:29:06 | 批評
2000年初演のディアツ演出「トスカ」。今回も素晴らしかった。スカルピアが、アンダー=青山貴 になったが、充分な声量。トスカ=ジョイス・エル=コーリー、カヴァラドッシ=テオドール・イリンカイ に呼応する。
  ディアツ演出は「舞台=大道具」構成が素晴らしい。上下の動きも活発で、更に最後の「トスカの飛び込みシーン」以外は全て「反響板」がある! 声楽家の声が艶やかに響く。


  ディアツ演出「トスカ」は、新国立劇場オペラとしてはゼツフィレッリ演出『アイーダ』に次いで古い演出。「アイーダ」は毎回赤字になるので、「トスカ」の方が遥かに多い公演数。やはり素晴らしい。

  「トスカ」次回公演もディアツ演出でお願いします。(2024.07.06初日初見)
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2024.06.22 内幸町ホール 大隅智佳子監督&主演「ジャンニ・スキッキ」他批評(No.2893)

2024-06-22 23:51:41 | 批評

1年半でスケールアップした 原純演出プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」


  2023年1月足利公演時よりもスケールアップした原純演出「ジャンニ・スキッキ」。大きく変更したのは以下の2点。

  1. 冒頭に「天の声」で『プッチーニ ト書き』と「ジャンニ・スキッキの娘の婚約者でありブオーゾの甥=リヌッチョの説明」

  2.   リヌッチョが「ジャンニ・スキッキ、ラウレッタ に次いで重要な役」を印象付ける為。実は、私高本はこの日の演奏を聴くまで、知らなかった(涙
     リヌッチョ役=大川信之 のソロが新国立劇場「ジャンニ・スキッキ」よりも心打つ歌唱だったことをここに明記したい。

  3. ヴェッキオ橋を字幕で「日本橋」表記

  4.   渡良瀬大橋は内幸町ホール集結聴衆にはわからないからなあwww

  「天の声」は 小田知希。オペレッタの元祖=オッフェンバック代表作「天国と地獄」の「世論」を模して 原純が創出した。「世論」と異なり、冒頭序曲前だけに話すので、「ジャンニ・スキッキ」音楽は全く阻害しない。考えたモノだ。

ジャンニ・スキッキ役=小林大佑 の知恵&機転に突き動かされるドラマ


であり、小林の圧倒的に豊かな声量が要になっている。
  ラウレッタ役=大隅智佳子 がセーラー服で(w)、「私のお父さん」を歌うと、態度をコロッと変えて、遺族に協力する振りをするのも、ジャンニ・スキッキ=小林が表情豊かに描き切る。


  これだけ笑えた「ジャンニ・スキッキ」は、1年半前の足利公演を含めて初めてである。足利公演は「管楽器は楽譜通り」を実現した公演。今回は「ピアノスコア」通りの公演。バックは勿論足利公演の方が断然良い。
  内幸町ホール公演だと、「管楽器指示通りのオケ」は無理。「ピアノスコア」通りの演奏は期待通りであり、良心的。プッチーニが生前に承認していた楽譜である。

 信じられないことだが、「センターブロックは埋まっている」のだが、Lブロック & R ブロック は余裕。明日公演も当日券あり、の様相。是非是非ご覧頂きたい。

 演奏会形式「カヴァレリア・ルスティカーナ」も歌唱が圧巻。大隅智佳子、内山信吾、小林大祐 は凄い!
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NHK交響楽団短時間C定期最終回最終日2024.06.15批評(No.2889)

2024-06-18 13:23:19 | 批評

演奏順が効果を削いだ 沖澤のどか指揮 N響短時間C定期最終回



  1. イベール/寄港地
  2. ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲
  3. ドビュッシー/夜想曲

のプログラムビルディングであったが、ドビュッシー/夜想曲 が静かに終曲するため、1曲目&2曲目終曲に比べて、拍手も盛り上がらない上、ブラヴォー無しとなった。プログラム記載演奏時間=55分 に +ピアノ出し入れ +合唱団椅子配置 +合唱団入り +ピアニストアンコール=シューマン「トロイメライ」 で75分。「N響の狙い通り」だと思う。去年も今年も 「N響ウェルカム・コンサート」の標題=「75分でN響定期をいいとこどり」まさにそのものであるから。
 ・・・が、編成大きい曲=ドビュッシー/夜想曲 でコンサート終了は「落ち着く」よりも「ここで休憩、後半に期待」感になる。イベール「寄港地」で終演の方が盛り上がり、と思う。
ルイージ指揮「メンデルスゾーン」プログラムでも感じたが、短時間C定期は曲順が上手く行かない月が多かった。
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新国立劇場バレエ「アラジン」2024.06.16批評(No.2887)

2024-06-16 20:13:45 | 批評

鮮やかに魅せた 福田圭吾=アラジン、池田理沙子=プリンセス、渡邊峻郁=ジーン


  ビントレー振付「アラジン」、今回4キャストで唯一主役2名=ファーストソリストの 福田・池田組、売れ行き悪いかと思えば、この06.16公演は全席完売であった。この「アラジン」で引退の福田は、年齢を感じさせない若々しい踊りで「ひょうきんなアラジン」を演じ、「高貴なお姫様=池田」を下に置かない扱い。渡邊峻郁=ジーン は、煙から出現するシーンが鮮やか。何度見ても飽きない。第1幕の「宝石シーン」は豪華絢爛。
  左右だけでなく、上下も巧みに使い廻す(1例を挙げれば、ジーンをロープで釣り上げる)ビントレー振付が十全に展開された。マーフィー指揮東京フィルハーモニー交響楽団も12型を鳴らし、ブラヴォーを受けていた。

カーテンコールでの1階最前列スタンディングオベーションは「くるみ割り人形」池田組と並び圧巻であった。
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NHK交響楽団第2013回A定期6月初日2024.06.08全「スクリャービン」批評(No.2880)

2024-06-09 09:17:01 | 批評

アルゲリッチ&アブデーエワに並ぶ圧倒的感動をくれた 反田恭平 スクリャービン協奏曲演奏


  1996年「デュトワ常任指揮者就任記念定期公演」から開始した「Piano Music Japan」前身「Daily Classical Music Critique in Tokyo」である。27年以上、NHK交響楽団&読売日本交響楽団中心にオーケストラ聴き捲りの 私高本が聴いた「協奏曲」でベスト演奏であり、アルゲリッチ&アブデーエワに並ぶ。反田恭平が「ショパン国際コンクール2位」は「運が良かった」のでは無く、「更に上のショパン弾きが居た不運」であった、と実感。スクリャービンピアノ協奏曲は是非是非録音して欲しい。勿論、原田慶太楼指揮NHK交響楽団で。カプリングは グリーグ ピアノ協奏曲で。
 2日目6月9日の演奏が楽しみでならない。初日以上を期待してまっせ!


  1978年11月以来、「最も好きな作曲家=シューベルト」は45年以上不変の 私高本。2番目に好きな作曲家はコロコロ変わる。「スクリャービンが2番目」は1992年頃から数年だった。私高本が30台前半、若かった。作品番号付いた曲は全部CDで聴いた。スクリャービンは作風がコロコロ変わる作曲家。作品54~作品56間の「中期~後期」の変わり目は誰もが一致するのだが、「初期~中期」は研究者に拠って意見が分かれる。私高本は 作品29交響曲第2番~作品30ピアノソナタ第4番 と考えていた、当時。
  その考え方だと、「初期スクリャービン」オーケストラ曲披露、が今回コンセプト。
  実は、現在の妻=佐伯周子 との出会いもスクリャービン。2001年5月の洗足学園音楽大学の学内オーディションの曲の相談を受けた。多分同年4月末日頃。スクリャービンピアノソナタ第2番作品19 を推薦した。佐伯周子は受け入れ、オーディション合格した。2004年「佐伯周子デビューコンサート=彩の国さいたま芸術劇場公演」でも演奏した。「出会いの曲」であり、大好きである。今の妻です。22才の年下です><

 スクリャービン ピアノ協奏曲は、名演皆無。
・・・が1992年頃の私高本認識。実際聴いたCDはスカだった。「ピアノが映えない」のである。反田恭平のピアノは、14型のオケを原田慶太楼が「鳴らす」N響を突き抜ける。特に左手の打鍵は圧巻!
N響6月定期を振る3名日本人指揮者のトーク。
[SPOTLIGHT] 2024年6月定期公演に登場する日本人指揮者達が語らう 原田慶太楼、鈴木優人、沖澤のどか | NHK交響楽団

[SPOTLIGHT] 2024年6月定期公演に登場する日本人指揮者達が語らう 原田慶太楼、鈴木優人、沖澤のどか | NHK交響楽団

6月の定期公演では、原田慶太楼(Aプログラム)、鈴木優人(Bプログラム)、沖澤のどか(Cプログラム)と、将来を期待される日本人指揮者たちが指揮台に立ちます。 世界を股...

 

ご覧の通り、反田恭平 提案スクリャービンピアノ協奏曲が発端の演奏会だが、指揮者=原田慶太楼 は「全スクリャービンプログラム」に仕立てた。
  原田の考えでは、「ピアノ協奏曲が最初のスクリャービン管弦楽作品なので、2番目(夢想 作品24)と4番目(交響曲第2番)で初期スクリャービン管弦楽曲」のプログラムビルディング。3番目=交響曲第1番が外されたのは、合唱入りだから、の気がする。

  協奏曲後がブラヴォーの嵐になっただけでなく、交響曲第2番終曲後もブラヴォーの嵐。スクリャービン指揮者=原田慶太楼 の誕生の瞬間に立ち会えたことを幸せに感じる。

  反田恭平アンコール=グリーグ作曲:小人の行進(妖精トロルの行進)。2025~26年シーズンにNHKホールでグリーグピアノ協奏曲を披露して下さい。
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新国立劇場オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」2024.05.30 & 06.04批評(No.2877)

2024-06-06 04:20:27 | 批評

1階聴衆は「損をした」と感じさせる ミキエレット演出「コジ・ファン・トゥッテ」


  11年ぶりに再演されたミキエレット演出「コジ・ファン・トゥッテ」。初日5月30日も楽日6月4日も上階からはブラヴォーの嵐となったが、1階聴衆は静かな拍手だけ。初日に至っては、拍手もせずに場内灯りが点いた途端に退出者が大量発生であった。理由は初演初日(2011.05.29)には判明している。

第2幕冒頭のフィオルディリージ、ドラベッラ、フェルランド、グリエルモ が「山あいの湖に入るシーンでの水を蹴る」が音だけ聞こえ、全く見えないから


初日はS券1階最前方、楽日はC券3階だったが、「3階は大満足」なのである。「水を張った演出」は上階には鮮やかに映る。「ブラヴォー」は初演初日から出たし、今回も初日も楽日も盛大に出た。だがスタンディングオベーションは1人も1階最前列には出ない。見えないからである。

う~ん、ミキエレット演出「コジ・ファン・トゥッテ」再演するならば、1階定期会員には払い戻しして下さい。
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