Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

2012.09.28 スクロヴァチェフスキ指揮読響ベートーヴェン交響曲 2&3「英雄」批評(No.2137)

2012-09-28 23:56:32 | 批評

スコアもオケも隅々まで熟知して、ベートーヴェンが指示していない各パートのデュナーミクを読響に徹底させ、「ブルックナー的」「マーラー的」まで細部にこだわり大成功した スクロヴァチェフスキ + 読響


 私高本は、ベートーヴェン交響曲は「第9」だけ異様に好きでシューベルト「グレート」と同じかそれ以上かも? と思うほどだが、他の8曲は好きは好きだが、自宅ではマーラーやシューベルトを聴いている方が圧倒的に多い。この日も交響曲第2番は「前プロだろ?」程度に思って東京オペラシティコンサートホールに向かった。


 猫頭予想は全く違った><

ベートーヴェン交響曲第2番第1楽章序奏から、「細木細工のような細かな指示」が出まくり!


  スクロヴァチェフスキは腕は2本しか無いのに、各パート別にデュナーミク指示が異なるのを実施できたのは、リハーサルが充実していた他ならない。
 第1楽章主部に入った時の「転がりながら進むような愉悦感」の充溢は見事。低音楽器の「切れ」は在京オケ中、抜群にうまいが「生かし切った」演奏だった。弦楽器はともかく「ホルンの切れ」まで細かいこと!
 第2番では「愉悦感」が前面に出された。第4楽章の可愛かったこと! 押し付けがましさが一切無く、軽やかな楽想が次々と披露される。こんな「良い曲」だったんだ(爆

 終曲後、「ブラヴォー」が次々と降り注ぐは、拍手は全く音量が下がらないは、で、「客電全開」にして無理矢理前半終了。


 後半については、「第3番英雄は第2番の 5割増の規模の大交響曲」であり、それがそのまま実現できた、と記すだけで充分だろう。(終演後のブラヴォーは3倍くらいだったが)
 名誉桂冠指揮者 = スクロヴァチェフスキ は、いつまでも元気に読響を振って欲しい。プログラムビルディングについて、私高本と感性が合わなくても必ず「聴きには全回行っている」です><

今日公演を聴かなかった人はマチネの明日(横浜みなとみらい)か明後日(東京芸術劇場)で同一プログラムを是非是非聴いて欲しい

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マーラー「子供の不思議な角笛」1899年版詳述(No.2136)

2012-09-27 23:50:44 | 歌曲作曲家・マーラー(1860-1911

マーラー「角笛交響曲」の2大特徴



  1. 「女声ソロ交響曲」である


  2. 「直前の交響曲」を次の交響曲が振り返る


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マーラー「子供の不思議な角笛」1899年版詳述(No.2135)

2012-09-26 22:51:26 | 歌曲作曲家・マーラー(1860-1911
 「10のフモレスケ」として作曲された「子供の不思議な角笛」1892年版は、「フモレスケ」の名の通り「ユーモアを持った曲」として構想された。「あの世の生活」も「神 or 王 系」として作曲された、と言うよりは「面白おかしさ 系」で作曲されたと推察。(「10のフモレスケ」だからね!)だが、出版計画が長引く内に「神 or 王 系」作品としての魅力を自分自身で発見し、700編を超える「子供の不思議な角笛」から「あの世の生活」に比肩する内容を原題とは無関係に捜索した。

マーラー「子供の不思議な角笛 神 or 王 系」原題&改題相違一覧



  1. 「Verspätung 手遅れ」 → 「この世の暮らし Das irdische Leben」


  2. 「Rheinischer Bundesring ラインの指輪同盟、Mitgetheilt von Frau von Pattberg パットベルクの女の伝えること」 → 「ラインの伝説 Rheinlegendchen」


  3. 「Armer Kinder Bettlerlied 哀れな子供の乞食の歌」 → 「三人の天使がやさしい歌を歌ってた Es sungen drei Engel einen süßen Gesang」



 「あの世の生活」を作曲した時、マーラーは交響曲第1番「巨人」の原型5楽章版の交響詩ブダペスト稿(1888年版)と後の交響曲第2番「復活」第1楽章となる交響曲ハ短調「葬礼」第1楽章1888年版(現行版と展開部と再現部が全く異なると言って良い)しか、管弦楽曲は手元に無かった。3年以上続きを書けないまま、「子供の不思議な角笛」1892年版=「10のフモレスケ」をピアノ版と併せてオーケストラ版も作曲した。ベートーヴェン「第9」のように高らかに「神」を歌い上げて終曲する「大交響曲」構想を持つ。これがまさに「角笛交響曲の理念」である。「あの世の生活」が交響曲ハ短調「葬礼」の中間楽章になるか?終楽章になるか? は確信が持てないままに「神 or 王 系」の原詩を700余の「子供の不思議な角笛」から探し漁った。「神 or 王 系」4曲目の「パドヴァのアントニウス 魚へお説教」ピアノ版を書いた瞬間に、それまで4年以上凍てついていたマーラーの「角笛交響曲への道」がパーッと開けた。「パドヴァのアントニウス 魚へお説教」のオーケストラ版を作曲する前に、交響曲第2番「復活」の中間楽章版(相当に拡大されていて歌手不要の管弦楽曲)が作曲された。その後に「パドヴァのアントニウス 魚へお説教」オーケストラ版も(オマケのように)作曲された。交響曲「葬礼」と同じハ短調の曲。現行版は第3楽章だが、作曲当時は第2楽章として作曲された。現行楽譜の「練習通し番号」は第1楽章と第3楽章が(第2楽章を飛び越して)28 → 29 に受け渡されている!


アルマ・シントラー と出会う前の歌曲は「シュトラスブルクの砦の上 Zu Straßburg auf der Schanz'」1曲を除き全てが全て「女声のための曲」だった!


ことをここに記す。現在はバリトン用歌曲と信じられている「さすらう若人の歌」さえ、「作曲当時のマーラーが恋するソプラノ歌手 = ハンナ・リヒター」に捧げたことをここに特記したい。「歌詞」は男声を想起させる上、音域も「中声」に感じる人が大多数(私高本でさえ中声に感じる!)もソプラノ歌手」に捧げたのである。(ハンナ・リヒター は、歌ってくれたのだろうか? 資料が存在しない!)


「角笛交響曲 = 交響曲第2番-第4番」は女声ソロの交響曲


である。「さすらう若人の歌」さえ、ソプラノ歌手に捧げたマーラー。「塔に囚われて迫害を受けし者の歌」も当時首ったけだっただろう「わたしの愛するホフマン・ニーナに」とピアノ版自筆楽譜に明記されている。この曲女声だけでなく、男声も(短いが)出現する曲だが。


 「角笛交響曲」が何曲になるかは、マーラー自身も(開始時は)全くわかっていなかった。但し、「何となく」2曲以上になる予感がしていた様子が伺える資料が数多く残されている。
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マーラー「子供の不思議な角笛」1899年版詳述(No.2134)

2012-09-24 23:43:57 | 歌曲作曲家・マーラー(1860-1911

「神 or 王 系」詳細



  1. あの世の暮らし Das himmlische Leben = (元・第3番第7楽章 & 第4番第6楽章、最終 第4番第4楽章)


  2. この世の暮らし Das irdische Leben = (元・第4番第2楽章、最終 未完成第10番第3楽章原曲)


  3. はじめての灯り Urlicht = 第2番第4楽章


  4. パドヴァのアントニウス 魚へお説教 Des Antonius von Padua Fischpredigt = 第2番第3楽章の原曲


  5. ラインの伝説 Rheinlegendchen


  6. 三人の天使がやさしい歌を歌ってた Es sungen drei Engel einen süßen Gesang = 第3番第5楽章



 読んだ皆様は「違和感」を感じたことと思う。つまり

交響曲第2番「復活」に起用される2曲が後半に現れる


ことである。「あの世の暮らし」が『角笛交響曲』の原点である。これは摩訶不思議である?!


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マーラー「子供の不思議な角笛」1899年版詳述(No.2133)

2012-09-23 22:16:02 | 歌曲作曲家・マーラー(1860-1911

マーラー「子供の不思議な角笛」についての「種類」分類



  1. 面白おかしさ 系


  2. 神 or 王 系


  3. しっとり 系


  4. 軍隊脱走兵 系



の4種類である。「若き日の歌」第2集&第3集に収録されている曲も含めて全24曲を並べて見る。「若き日の歌」は作曲順不明なので出版順、「子供の不思議な角笛」15曲は「新マーラー全集」オーケストラ版の曲順である。(ピアノ版と第3-5番が異なる)

  1. 面白おかしさ 系



    1. 悪い子を良い子にするには Um schlimme Kinder artig zu machen


    2. それ行け! Aus! Aus!


    3. 強烈な想像力 Starke Einbildungskraft


    4. 夏に交代 Ablösung im Sommer


    5. 別れて会えない Scheiden und Meiden


    6. 自意識過剰 Selbstgefühl


    7. 歩哨の夜の歌 Der Schildwache Nachtlied


    8. 無駄な努力 Verlorne müh'


    9. 不幸中の慰め Trost im Unglück


    10. 誰がこの小唄を思いついたの? Wer hat dies Liedlein erdacht?


    11. 高度な知性を讃えて Lob des hohen Verstands


    12. 塔に囚われて迫害を受けし者の歌 Lied des Verfolgten im Turm




  2. 神 or 王 系



    1. あの世の暮らし Das himmlische Leben


    2. この世の暮らし Das irdische Leben


    3. はじめての灯り Urlicht


    4. パドヴァのアントニウス 魚へお説教 Des Antonius von Padua Fischpredigt


    5. ラインの伝説 Rheinlegendchen


    6. 三人の天使がやさしい歌を歌ってた Es sungen drei Engel einen süßen Gesang



  3. しっとり 系



    1. 私は喜びに満ちて緑の森を歩いた Ich ging mit Lust durch einen grünen Wald


    2. 二度と会えない Nicht wiedersehen


    3. 美しきトランペットが鳴り響くところ Wo die schönen Trompeten blasen



  4. 軍隊脱走兵 系



    1. シュトラスブルクの砦の上 Zu Straßburg auf der Schanz'


    2. 起床合図 Revelge


    3. 少年鼓手 Der Tambourgesell




 ご覧頂くとお判りの通り「面白おかしさ 系」が半数を占めている。「嘆きの歌」「若き日の歌第1巻」「さすらう若人の歌」「復活」「おお人間よ! 心せよ」「リュッケルト歌曲集」「亡き子をしのぶ歌」「千人」「大地の歌」全てを通して、この手の曲は

「ハンスとグレーテ」唯1曲のみが「面白おかしさ 系」


である。また、(少々傾向は異なるが)

同じような「面白おかしさ 系」を作曲した「ドイツリート作曲家」は ヴォルフ だけ


である。フランスには、シャブリエ、サティ、ラヴェル など多々いるのだが、、、

 「面白おかしさ 系」「しっとり 系」「軍隊脱走兵 系」は「若き日の歌」第2&3巻と「子供の不思議な角笛」両方に存在しているのだが、「神 or 王 系」は「子供の不思議な角笛」だけに存在しているのが1つの特徴。もう少し拡大して掘り下げて見よう。

「子供の不思議な角笛」に作曲した全24曲の『作曲時期』区分



  1. ピアノ伴奏版のみの時代 = 「若き日の歌」第2&3巻 = 1887-1890


     「若き日の歌」第2&3巻全9曲。特徴は「ページ数で4ページ以内」で全て収まっている!!!

  2. 怒涛の集中作曲時代 = 幻の1892年版 10の新しい歌『フモレスケ』 = 1892


      「10の・・・」は実は、「ピアノ伴奏版5曲 + オーケストラ伴奏版5曲」で「10曲」である(← 本当
    「面白おかしさ 系 = 4曲」と「神 or 王 系 = 1曲」から成り立っている。「ピアノ伴奏版」同士で比較した時に、「伴奏音型」が細やかになっており「オーケストレーション前提の作曲」になっていることが明らかである。時間的にも拡大されており、『大規模な音楽』を予感させる。この5曲全てが魅力的だが、マーラーは「あの世の生活」に『それまでのどの作曲家が到達していなかった世界を予感』したらしい。その予感が「幻の1892年版出版中止」の直接の原因、と私高本は考える。

  3. 『角笛交響曲楽章』作曲時代 = 1893-1895


      「ラインの伝説」1曲を除き、全てが全て「角笛交響曲構想」に表面立って現れ、「交響曲第10番第3楽章」まで亡霊のように出現したのが、この時期の作品。『全歌曲中、最もマーラーらしい』と私高本は感じている。「ラインの伝説」も、もしかしたら「交響曲の1楽章」の予定だった可能性が高い、と感じる。「あの世の生活」を除くと、「神 or 王 系」はこの時期だけに集中作曲され、この前もこの後も一切出現していない。

  4. 「1899年版出版決意」までの3曲 = 1896-1898


      「神 or 王 系」が(マーラー人生中)終了し、「元のペース」に戻った時期に当たる。「面白おかしさ 系」2曲作曲した後に、「しっとり 系」の超名作 = 「美しきトランペットが鳴り響くところ Wo die schönen Trompeten blasen」を作曲する。「これで出版したい!」とマーラーが考えたのは、まさにこの時であった。この後は主としてリュッケルトの詩に興味が移る。

  5. 「軍隊脱走兵 系」2曲の余韻時代 = 1899-1901


      「若き日の歌」で1回だけ作曲した「軍隊脱走兵 系」を2曲も作曲する。2曲とも「テノールのための曲」であり、ニ短調 = 交響曲第3番の基本調性!
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マーラー「子供の不思議な角笛」1899年版詳述(No.2132)

2012-09-22 23:07:44 | 歌曲作曲家・マーラー(1860-1911
 これから書くことは、9月12日に神奈川県で行われた「老田裕子 X 佐伯周子」の マーラー「子供の不思議な角笛」合わせ を聴き、私高本が感じたことを本日まで、新マーラー全集楽譜(オーケストラ版が主、ピアノ版も勿論照合)と突き合わせて、私高本が感じた通りに書く。素晴らしい演奏を聴かせて頂き、さらに深い「音楽の真実」を探求する 老田裕子 と 佐伯周子 には深く感謝するばかりである!!!


 マーラー「子供の不思議な角笛」は摩訶不思議な曲集である。特にわからんポイントは

「角笛交響曲(第2番「復活」、第3番、第4番)」は全部が全部「女声ソロ」なのに、「子供の不思議な角笛」全曲録音は「女声だけ」は皆無! 全部「バリトン + 女声」 または 「バリトン」


  私高本の「犬のサンダル集め」を以てしても、「女声」どころか「テノール」さえ無かったことをここに報告する。この曲集は「バリトン向き」なのか?????


 「旧マーラー全集」と言う言葉を(私高本も)使用する。だが、

「マーラー旧全集」は、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト のように ブライトコプフ が出版した「体系だった全集」は全く存在しない!


ことを『大前提』として、ここに明記して置く。これって、金子建志 の一連の「マーラー著作」(音楽之友社)でも指摘されていない。誤解し易いところだ!

「旧マーラー全集」の対語 = 「新マーラー全集」である。


 この「新マーラー全集」の全貌を伝えた文章を、私高本は知らない。他の作曲家、例えば「バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ショパン、リスト」とは相当に違う。(他の作曲家は研究したことが無いのでよくわからん><)
 
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2012.09.21 上野優子ピアノリサイタル批評(No.2131)

2012-09-21 23:40:31 | 批評

『近代ロシアンピアニスト』から「ドビュッシー」「モーツァルト」にまで説得力を持った 上野優子


  ボルトキエヴィチ、プロコフィエフ、ラフマニノフ の3名については、既に日本トップクラスの実力を毎回聴かせてくれていた 上野優子 が「ドビュッシー」「モーツァルト」でも大輪の花を咲かせた。バッハ でもこれまでは「ロシア作曲家に拠る編曲」ばかりだったが、この日は平均律クラヴィーア曲集第2巻第16番ト短調。「現代ピアノのためにバッハが作曲した」方向の演奏で、「ピアノを鳴らす + 多めのペダリング + クレッシェンド&デクレッシェンド多用」。私高本は平均律1曲だけ聴いて、バッハを語れるほどはバッハを聴き込んでいないので、何とも言えない。もし、バッハもレパートリーにしていく方針ならば、組曲1曲かイタリア協奏曲 クラスを次の機会に聴きたい、と感じさせる演奏だった。

モーツァルトピアノソナタ第6番ニ長調K284 は4月25日に東京文化会館で聴いたのとは「全く別」で『透明感の高いモーツァルト』を実現


していた。「アーティキュレーションの取り方」「ペダリング」がわずか5ケ月で全く変わっていた!!!

「新たな上野優子」は『指レガート』でペダリングは最小限に止め「透明感」「明瞭なアーティキュレーション」「ノンレガート」を見事に描き出した




「力強いタッチ」に拠る「明瞭なドビュッシー」路線で「前奏曲集」「版画」各抜粋は高みに達しており、「小川典子」と同方向 & 同水準の感動的名演


であった。(小声でここだけで囁くが)技巧が簡単な「月の光」は音が膨らむ方向が残念だった。上野優子 の技巧を以てしたら制御できると思うのだが。

「近代ロシア」の ラフマニノフ と ボルトキエヴィチ は、いつも通り「日本最高」の演奏


だった。日本初演となる ボルトキエヴィチ ソナタ ロ長調についての「作品批評」を手短に述べて、今回批評を締め括る。

ボルトキエヴィチ ピアノソナタ ロ長調 は、スクリャービン初期ソナタ(第3番まで)やメトネルピアノソナタ と似た傾向で、「ロシア派後期ロマン派ソナタ」


に感じた。部分的には、ウェーバー の4曲のピアノソナタ中、長調の前半の第1番&第2番に似た「技巧ひけらかし」もあり、楽しめる曲である。

もし可能ならば、「上野優子2枚目のCD」に収録して貰えれば幸甚


と感じた名演であった。
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2012.09.20 リツキー・ピアノリサイタル批評(No.2130)

2012-09-20 23:46:46 | 批評

『ピアノの純粋な音色と響き』を最大限に尊重して「音楽作り」するリツキー。『純粋なピアノの音』聴きたい人は集まれ!


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2012.09.15マーラー同日対決! インバル+都響 vs. プレヴィン+N響 中編(No.2129)

2012-09-19 21:54:44 | 批評

「指揮者の長所」を余すところ無く引き出したマーラー同日対決! 都響第1番「巨人」 vs. N響第9番


  インバル と プレヴィン は「ある意味」で同傾向の指揮者である。それは

インバル も プレヴィン も「オーケストラビルダー」ではなく『現況のオケの力量に合わせて音楽作り』するタイプ


ということ。どちらも「オケに過大な期待」はしないので、オケメンバーからは(1回1回の練習でギューギュー絞られないため)「好かれる指揮者」である。しかも

インバル も プレヴィン も「内から発散される音楽のエネルギーは大きい」のが魅力



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2012.09.17 シナイスキー指揮東響「ショスタコヴィチ:交響曲第4番」他批評(No.2128)

2012-09-17 23:53:58 | 批評

「オーケストラビルダー」としても「ショスタコヴィチ指揮者」としても卓越した シナイスキーの交響曲第4番の超名演! 信じられない「求心力」が漲った60分!!


  今朝、14:00開演と言う(私高本にとっては発狂の早い開演時間公演のために)目覚まし時計の音で起床し、ブログの閲覧数を確認した。『過去最高!!!』であった。ツイッター全盛期に「ブログ」と言う(やや)過去の遺物でこれほどのアクセス数を頂いたことには驚くと共に

マーラーファンが(シューベルトファンに比べて)東京近郊いかに多いか?


を実感した。マーラーは「ピアノソロ曲」遺してくれなかったんだよなあ、、、

 「マーラー批評後編」を書くつもりだったが、今日聴いた公演については何が何でも書かなければ「私高本のヒョーロンカの価値」が皆無になってしまう><
 マーラーほどの詳細批評が書けないことが恨めしいが、ご容赦頂きたい。


「オーケストラビルダー」としても「ショスタコヴィチ指揮者」としても卓越した シナイスキーの交響曲第4番の超名演! 信じられない「求心力」が漲った60分!!


  今年4月から、「東響定期」は「横浜みなとみらいホール」か「サントリーホール」かで全て聴いて来た。音楽監督就任8年を経過した スダーン の舵取りが物の見事に的中し、スダーン指揮 の回だけでなく、他の指揮者の回も全て名演を揃えてくれたことには感謝するばかり。スダーン指揮でも5月定期で、今年度のテーマ「マーラーの歌」中、最大のプログラムになる「大地の歌」を名演で聴かせてもらったり、7月定期で「さすらう若人の歌」を聴かせてもらった。「大地の歌」批評は過去ログで読めるので、読みたい方は遡って読んで下さい。(「さすらう若人の歌」は未掲載><)


スダーン は「モーツァルト指揮者」として「一世を風靡した指揮者」


 「大地の歌」の批評を読んで頂くとお分かり頂けると思うが、マーラー「大地の歌」よりもモーツァルト「ハフナー交響曲」の方がはっきり出来が良かった。7月「さすらう若人の歌」も良い演奏だったが、「手に震えが来て」速攻で書く、ほどでは無かった。「管楽器アンサンブル」が読響の水準には至っていなかった点が主だと感じている。さらに「弦楽器の低音から積み重なった和声感」も読響の水準に至っていなかったことも(モーツァルトでは全く感じなかったが)マーラーでは少々感じたことも否めなかった。今日は「手に震え」来たよ!!!


指揮棒は持たないが「オケへの指示」は徹底する シナイスキー


  「ショスタコヴィチのオーケストレーション」は(マーラー以上に)神経質だ。「パート毎」に違う。これが表現できるか? できないか? が「ショスタコヴィチ指揮者」として、名声を得るか? 得ないか? の「差」となる。


 私高本は猫頭なので、「プロオケ」の「オーケストラビルダー」の手法なんて全く判らない><

 ショスタコヴィチ交響曲第4番で、「オーケストラの強化」が可能? ってことは、この日まで全く知らなかったし、想像も出来なかった。ハイドン → シューベルト 辺りの作品が「響き確認」に最適かな? と思っていた。

 だが、

シナイスキー指揮東響:ショスタコヴィチ「交響曲第4番」は、シナイスキーの思い通りに「響いていた」


が印象深い。これだけの名演を「ナマ」で聴けるとは思っていなかった。「コンドラシン指揮CD」よりも素晴らしいじゃないか!!!


ショスタコヴィチ交響曲第4番で「オーケストラトレーニング」できるのか!!!


  これが「目から鱗」であった。東響 は、(読響やN響に比較すれば)管楽器が「やや落ちる」と思っていたのだが、これが全くの誤解!

第1トランペットにアシ付けただけで、『ショスタコヴィチ通りのオーケストレーション』だった シナイスキー指揮 東響


を明記したい。私高本が老眼で見落としたのなら、ご指摘頂きたい。猫頭だからなあ(爆


再来年の3月を以て音楽監督=スダーン退任決定、をレコード芸術に表明している。


  できることならば

東京交響楽団次期音楽監督 = シナイスキー 希望!


  これほどの「ショスタコヴィチ振り」が東京を根拠にしてくれたら、(今、私高本がそれほど興味を持っていない曲も含めて)交響曲、オペラ、バレエ、協奏曲 などなど「ショスタコヴィチの魅力」を聴かせてくれる予感がする。 
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2012.09.15マーラー同日対決! インバル+都響 vs. プレヴィン+N響 前編(No.2127)

2012-09-15 23:58:41 | 批評

「指揮者の長所」を余すところ無く引き出したマーラー同日対決! 都響第1番「巨人」 vs. N響第9番


 これほど素晴らしい「マーラー演奏」を1日に2回聴ける時がやって来るとは、私高本は想像もしていなかった。演奏家の皆様には感謝するばかりである!



  1. 上原彩子ピアノ + インバル + 都響:ベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番


  2. インバル + 都響:マーラー交響曲第1番「巨人」


  3. プレヴィン + N響:マーラー交響曲第9番



の順に1日で聴いたが

群を抜いて素晴らしかったのは、ベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番であり、原動力は『上原彩子のベートーヴェン造形力』の卓越した構想と感性とリズム感を武器とした技巧!


であったことを冒頭に述べて置く。

ベートーヴェンの「跳ねるリズム感」がこれほど表現できているのは、グルダ、ゼルキン くらしか思い浮かばないほど!


である。曲がトランペットもティンパニもクラリネットも使用していない小規模な曲なので、終演後のブラヴォーは(多かったのだが)マーラー「巨人」の「ブラヴォーの嵐」状態には至らなかったが。

上原彩子 には、「ベートーヴェンピアノ協奏曲全曲」「ベートーヴェンピアノソナタ全曲」を演奏と録音の両方で大いに期待したい!


 これから30年の「ピアノ協奏曲界」を(ロシア物だけでなく)牽引してくれる超大型ピアニストであることを確認した演奏会となったことに感謝する。
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2012.09.01 下野竜也指揮「マーラー:交響曲第2番:復活」(No,2126)

2012-09-14 21:47:27 | 演奏会案内
 
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2012.09.13 安達朋博ピアノリサイタル批評

2012-09-13 23:45:47 | 批評

クロアチア女流作曲家 = ペヤチェヴィッチ の再生に「演奏家生命」を注ぐ 安達朋博!


  『コンクール系ピアニスト』は生き残り易い。「ショパンコンクール優勝」すると、世界各地のオケから「ショパン:ピアノ協奏曲」でひっきり無しに引っ張りだこになる。協奏曲の合間に「全ショパンプログラム」でリサイタルすれば、満席になる。

 ・・・が『コンサート系ピアニスト』はなかなか生き残れない。協奏曲で声が掛かることは相当に出世してからで無いとあり得ない。私高本も「佐伯周子」と言う『コンサート系ピアニスト』と二人三脚で8年ほど、「風車に突進するドン・キホーテ」を続けているので、苦労は痛いほどわかる。『コンサート系ピアニスト』は、できる限り生き残って欲しい! と願い続けている。(佐伯周子は、「シューベルト弾き」なので、協奏曲の声が掛かる可能性が皆無に近い。多くのピアニストは「ピアノ協奏曲」あり作曲家をメインにする。安達朋博 もだった、、、)


 『コンサート系ピアニストが5年保つ』は凄いことだ。「川上敦子」は5年は何とか保ったが、6年は保たなかった。全ては私高本の「猫頭マネジメント」が原因である。だから「佐伯周子が6年保った」時には感動した。ちょうど「チェコ音楽コンクール2010」第1位優勝の年である。『コンサート系ピアニスト』がコンクール優勝は極めて珍しい(と思うぞ)。私高本は「コンサート」しか興味無いが、佐伯周子が何やら拾って来る(爆


 安達朋博 はデビュー5周年、とのことだが、初めて聴いた。5周年の後、10周年だけでなく、「天命を全うするまで現役であり続けてほしいピアニスト」である。その理由は

クロアチア女流作曲家 = ペヤチェヴィッチ を「現代」に広めよう! と言う 安達朋博 の意欲


である。この日の演奏も、ペヤチェヴィッチ と シューマン が最高だった。

「クラシック音楽では、世界初演の 99% が世界終演」は、作曲家兼辛口音楽評論家 = 吉松隆 の至言!


 「演奏してくれる演奏家」あっての「作曲家」なのだ。まず、ペヤチェヴィッチ 作品(=ピアノソナタ第1番変ロ短調)について語りたい。


 この日の「演奏会プログラム」は『全て安達朋博が設計 & 詳細決定』したようだ。バッハ、シューマン、ペヤチェヴィッチ、スクリャービン の4作品についての「詳細分析記述」が掲載されていた。プログラム全体は、「聴いた印象としての時系列順」に並べたようだが、ちょっと待った!

ペヤチェヴィッチ作品 の方が、スクリャービン作品よりも「相当に後の作品」なのである。


  この点をぼかした「プログラムノート」だが、私高本は「ん?」と感じる。詳細批評では無い。印象批評である。シューマンとスクリャービンは「佐伯周子に提案した作品」なんだが(爆



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追加 9月に聴きに行く演奏会予定(No.2125)

2012-09-11 23:53:56 | 演奏会案内
 元来が無計画な性格なのか? 今月9月に聴きに行く演奏会を2本追加した。どちらも「日本初演」!!!

  1. 2012.09.13(木) 安達朋博ピアノリサイタル 杉並公会堂


      

    ペヤチェヴィッチ:ピアノソナタ第1番 変ロ短調 作品36(日本初演)


    に飛びついた「日本初演」狂の私高本。どんな作風の作曲家さえ知らない、、、

  2. 2012.09.30(日) ヘンデル:オペラ「ラダミスト」日本初演 伊丹アイフォニックホール


      VOC と言う団体がヘンデルのオペラ「ラダミスト」を日本初演する。しかも

    老田裕子 が主要準主役を歌う!


    とのこと。「老田裕子 が歌うオペラ」は 堺シティオペラ「椿姫」の「ヴィオレッタ」以来2年ぶり! チラシを見たが、「カネが無い」を前面に押し出したチラシ。どこの民間オペラ団体も、民間オーケストラも、民間演奏家(って言うか?)も全員が全員(皆、自分の思いよりは)カネが無い、が常態(のハズ)。私高本もカネ無いよ(爆

     だが「創意工夫」が半端では無い、との評判も関西には立っている様子。古楽オーケストラを使用しての上演。「関西の古楽オーケストラ」を聴くのも初めて。楽しみ と 一抹の不安を抱えて、「こだま」でまたも新大阪に向かう。カネがあったら「のぞみ」で行くよなあ~(泣
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ユーロピアノ『汐留ベヒシュタイン・サロン』オープン&『佐伯周子クリスマスコンサート』予告(No.2124)

2012-09-08 22:14:39 | ピアニスト・佐伯周子
 9月3日(月)に

ユーロピアノ『汐留ベヒシュタイン・サロン』がオープン!


した。当日は、大阪に滞在していたこともあり、紹介が遅くなってしまったが、ここに紹介する。リンクを貼っておいたので、興味ある方はご覧頂きたい。

ユーロピアノ『汐留ベヒシュタイン・サロン』は、松尾楽器商会日比谷『松尾ホール』に比肩する素晴らしいピアノ & 遮音 & 演奏環境


であった。そこで

12月2日(日)に『佐伯周子クリスマスコンサート』を『汐留ベヒシュタイン・サロン』にて実施!


を急遽決定した。曲目とかについては、佐伯周子 の決定を待つ。「クリスマス・ソング」って、「歌」の曲しか思い浮かばないのだが、「ピアノソロ」はどんな曲があるのだろうか???
 乞う、ご期待!
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