Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

プロデューサーノート(No.1500)

2007-08-13 23:49:03 | ピアニスト・佐伯周子
 8/8 佐伯周子 ベーレンライター新シューベルト全集に拠るピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.3 の「プロデューサー」としての記述である。


 思えば、この記述は 旧「Daily Classical Music Critique in Tokyo」時代からで通算1500回目になる。よく継続できたモノだ。読者の皆様に感謝するばかりである。
 今回の演奏会については、どのような形式での報告が最適か? について、考えていたが、

私高本の立場を明らかにした「プロデューサーノート」がベスト


と考えた。


 今回の演奏内容について、私高本個人の思いとしては以下の通りである。

  1. これまで4回の「佐伯周子ピアノリサイタル」の中では出色の出来!

  2. 「幻想ソナタ」が中でも最高の出来!

  3. 「さすらい人幻想曲」は、疲れが出てしまったが、これは「トータルバランス」を考慮できなかった「プロデューサー = 私高本」が原因であり、佐伯 の罪は極めて少ない。


である。
 これまでの2回は「ショパン」を含めたプログラムで披露して来た「シューベルト完全全曲演奏会」が「第3回」にて初めて「オールシューベルト」を組めた。この責任の一切は私高本である。
 佐伯周子 は大いに意欲を盛り上げ、当日のリハーサルまでは「さすらい人幻想曲」で完璧な演奏を聴かせてくれていた。むしろ他の3曲の方に傷はあった、が進行報告である。


 ・・・で、演奏会本番では、信じられないことに、それまでは完璧だった「さすらい人幻想曲」に傷が集中してしまった。もちろん、プロの演奏家であるので、綻びは最小限に収まり拡大することは無かったのだが、これは私高本のミスである。個々の曲のリハーサルは完璧に出来ていた、と思っていたのだが、「通す」と疲れが(シューベルトはキツいことが、他の作曲家の数倍なので)溜まる。これが見通せなかった。
 他の曲を目当てに聴きにいらっしゃった方には素晴らしい演奏会だったと思うが、「さすらい人幻想曲」目当ての人には ご満足はいかほどに?
 近日中に、「佐伯周子 ベストの さすらい人幻想曲」を再演できるように最大の努力を尽くす所存である。
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佐伯周子 シューベルト全集CD I 発売告知 (No.1499)

2007-08-12 23:28:55 | ピアニスト・佐伯周子
 確約はできませんが、「佐伯周子 plays Schubert I」のCDを今年秋に発売開始する予定です。

●CD-R盤ではなく
●CD盤

です。ファンの皆様、お楽しみにして下さい。
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佐伯周子 シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.3 (No.1498)

2007-08-11 23:44:08 | ピアニスト・佐伯周子
 8/8 のアンコール曲目について、当日 佐伯周子が話した内容の要約は以下の通りです。

  1. ギャロップ D735/Gallop 作品49/ギャロップ

  2.   現代で言う「ウィーン宮廷舞踏会」に『シューベルトの曲が最初に採用された記念すべき曲』の冒頭の入場曲です。

  3. 「悲しみのワルツ」 D365/2 作品9/2

  4.   シューベルト生前の最大のヒット作だったワルツです。

 以上の内容が当日の 佐伯周子 の話でした。
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佐伯周子 シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.3 (No.1497)

2007-08-09 23:40:10 | ピアニスト・佐伯周子
 8/8 のアンコール曲目です。

  1. ギャロップ D735/Gallop 作品49/ギャロップ

  2. 「悲しみのワルツ」 D365/2 作品9/2


以上2曲でした。使用楽譜は、ベーレンライター新シューベルト全集舞曲IIです。

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佐伯周子 シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.3 (No.1496)

2007-08-07 23:28:43 | ピアニスト・佐伯周子
明日の

佐伯周子 ベーレンライター新シューベルト全集に拠るピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.3


への来場を心よりお待ちしております。 佐伯周子 は初の「全シューベルトプログラム」の為か、前回まで以上に氣合いが入っています。今回プログラムには、シューベルトの名曲が3曲(「さすらい人幻想曲」「幻想ソナタ」「グラーツ幻想曲」)入っているからでしょう。

当日券はあります。18:59 にご来場頂いて必ず入場できます!




「幻想ソナタ」D894 から手垢を取った演奏が 8/8 に聴ける!


 今回の演奏会の内、

  1. D2E はおそらく日本初演

  2. D605A は一定回数は演奏されているが、ナマ演奏は珍しい曲


である。 あっ、D605A は、先日 技巧派を売り物にしている 小菅優 が演奏していた! それだけテクニックの必要な曲なのである。
 ・・・で、「さすらい人幻想曲」D760 の超絶技巧は、ご来場頂いた皆様がご自分に耳で確認できるので、ご自分で確かめて頂きたい。

 刮目すべきは「幻想ソナタ」D894 である。 両端楽章の「リズム感の素晴らしさ」を是非是非シューベルトファンには聴いて頂きたい。もちろん、中間の第2楽章も第3楽章もリズム感がみなぎっている。
 ちなみに、ここだけの話だが、本日聴かせてくれた「アンコール候補曲」は、シューベルトファンであれば、是が非でも聴きたくなる曲なのでは?

滅多に聴けない名曲!


の予定のようである。(即興曲とか楽興の時とかでは無い名曲です!)
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佐伯周子 シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.3 (No.1495)

2007-08-06 23:50:31 | ピアニスト・佐伯周子
 本日「演奏会通りの曲順」で初めて通して、佐伯周子 に 8/8 の曲目を聴かせてもらった。「演奏会曲順」を決めたのは、前週末なので(ちょっと遅いようにも感じるのだが)やむを得ない。既に印刷に掛けてしまったので、今さらは変更できない。


 全体を通しては以下の通りである。

  1. 「シューベルトの指示通りのシューベルト」を聴かせてもらえる

  2. 「シューベルトの指示通りの世界」はあまりにも素晴らしい

  3. これまでに聴いて来たシューベルト像は「楽譜には忠実」とは言えないモノが多い


の3点である。 う~ん、唸った。
 「佐伯周子のシューベルト」は、例えば有名かつこれまでも名演続出の 「幻想ソナタ」D894 を例に取れば

  1. 全曲が「舞踏に溢れている」

  2. 『実際に踊れる』テンポが徹頭徹尾貫かれている


などが顕著。 第3楽章 = 舞踏楽章 だけでなく、第1楽章(第2主題)も第2楽章(主題A)も第4楽章(楽章全体)も「皆踊りまくる」コンセプトがみなぎっている。

「こんな名曲だったの?」

が偽らざる感想。他の3曲も充実した演奏だった。D605A なんて、これまで発売された全てのCD を遙かに超えていた。
 やはり『シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会』を実行する力があるピアニストは、『読みの深さ』が桁外れなのかも?
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佐伯周子 シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.3 (No.1494)

2007-08-05 18:57:59 | ピアニスト・佐伯周子
 読者の方から「コンサート情報を詳しく知りたいのですが」とコメントが来たので、できる限り詳細に述べる。

佐伯周子 シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.3


  • 日時 : 2007年8月8日(水)18:30開場予定(少し延びる可能性あり) 19:00開演
  • 会場 : 東京文化会館小ホール(JR上野駅公園口から徒歩1分)
  • 使用ピアノ : ベーゼンドルファーインペリアル(全長290cm,97鍵盤)
  • 全席自由 3,000 学生1,000(当日券あり、17:15から発売開始)

幻想曲全曲



  1. 幻想曲 ハ短調 D2E「モーツァルト幻想曲」(1811)
  2. 幻想曲 ハ長調 D760 作品15「さすらい人幻想曲」(1822)
  3. ピアノソナタ第18番 ト長調 D894 作品78「幻想ソナタ」(1826)
  4. 幻想曲 ハ長調 D605A 「グラーツ幻想曲」(1827?)


演奏順は当日発表。上記とは異なります。


佐伯周子のシューベルトの魅力


 これまで2回開催した「佐伯周子 ベーレンライター新シューベルト全集に拠るピアノソロ曲完全全曲演奏会」を通じて、次の点は明言できる。

  1. 大曲ほど演奏が充実している

  2. 「シューベルトの軽やかさ」と「シューベルトの深淵な暗さ」が両方表出される

  3. シューベルトは相性が良く、ショパンやスクリャービンをはっきり上回る

  4. ベーレンライター新シューベルト全集の楽譜&校訂報告に対して極めて忠実であり、「ダイナミクスの巾」と「テンポ設定」がうまくマッチしている

  5. 「ベートーヴェン的な激しさ」が「シューベルトの大曲の底流に流れている」ことが実感できる

  6. ベーレンライターインペリアルの「ウィンナトーン」をとてもうまく引き出す


以上である。

 まず「1番目」であるが、これまでの演奏会で最高に良かったのは 「ピアノソナタ第14番イ短調 D784」で、次が「ピアノソナタ第15番ハ長調 D840」である。「未完成ピアノソナタ D655」 や 「断片ピアノソナタ D769A」や、「楽興の時 D780」の3曲(第3番,第4番,第6番)もなぜか D784 & D840 の域には達しなかった。技巧的には D784 と D840 の方が遙かに難しいのだが、「大曲ほど燃えるピアニスト」のようだ。
 今回は

  1. 幻想曲 ハ長調 D760 作品15「さすらい人幻想曲」(1822)
  2. ピアノソナタ第18番 ト長調 D894 作品78「幻想ソナタ」(1826)
  3. 幻想曲 ハ長調 D605A 「グラーツ幻想曲」(1827?)

と「大曲が3曲」あるので、私高本は期待している。
 次に「2番目」であるが、「シューベルトの軽やかさ」をこれほどうまく演奏する演奏家は少ないように思う。また「深淵な暗さ」も今回の曲目では

  1. 「さすらい人幻想曲」D760 第2楽章
  2. ピアノソナタ第18番D894 第2楽章第2主題

ではっきり呈示されるので、ご自身の耳でご確認頂ければ幸いである。
 さて「3番目」であるが、ショパンやスクリャービンも魅力ある演奏だったが、シューベルトははっきりそれらを上回っていた。今後も「シューベルトオンリーのピアニスト」として活動するワケではなく、他の作曲家も演奏する予定(本人談)とのことだが、次回東京公演では 「リスト:ロ短調ソナタ」も演奏することが内定している。『技巧的な安定 + 古典的な形式感』の双方が備わっているピアニストの強み、だと感じる。
 そして「4番目」であるが、「ベーレンライター新シューベルト全集」はピアニストからは極めて評判が悪い。日本語で読める資料として、『世界最高のシューベルトピアニストの1人 = 内田光子』の発言として、D946 に対する暴言がある。広くTV(NHK)でも放映されたので、有名であるが、

  1. 内田光子は新シューベルト全集の「黄色い普及版」を読んで批判したのであり

  2. 新シューベルト全集の「灰青色の高価正規版」では D946 の問題も全て明瞭に記述されている


のである。「佐伯周子 シューベルト全曲」は、全て【正規版】で演奏するので、この点については安心して頂きたい。
 さらに「5番目」であるが、これまでの2回を聴きに来て頂いた方のアンケートが「ベートーヴェンのようなシューベルト!」と言う内容を多数頂いた。確かに、これまでの「シューベルト演奏家ピアニスト」として考えられる方々 = ブレンデル,クリーン,B=スコダ,デムス,シフ,内田光子,田崎悦子,館野泉,田部京子 などに比べると、

はっきり構成感が浮き出てくる


ことは明確。是非ご自分の耳で確かめてほしい。
 最後の「6番目」であるが、「ベーゼンドルファーインペリアル」の響きをうまく引き出すピアニストとして、B=スコダ や 岡原慎也 に匹敵すると思う。(クリーンやデムスよりも上だと、私高本が聴いた演奏会の中では断言できる。単に、クリーンやデムスの調子が悪かった演奏会に当たった可能性は相当に高いのだが)
 今回の演奏会も「日本ベーゼンドルファー後援」を頂いて、最高の状態で「ベーゼンドルファーインペリアルを整調&整音」して頂けるのが心強い。尚、前回公演の経験からすると「日本ベーゼンドルファーの技術者」がぎりぎりまでピアノの状態を向上させるために、開場時間が延びる可能性が高い。これだけは納得して頂きたい。小ホールロビーの椅子には座れるように 18:30 には「チケットもぎり」は必ず開始する。 「ベーゼンドルファーファン」の方は是非是非聴いてほしい!
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