Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

佐伯周子がiPad買う(No.2059)

2012-05-31 20:35:07 | ピアニスト・佐伯周子
 一昨日の5/29昼飯時に 佐伯周子 に「iPad の必要性」を(前触れも無く)振りかざされ、結局 夕飯時に ヨドバシカメラ に行って予約を入れるハメとなった(泣

 18ヶ月前に「佐伯周子がショパンコンクール見学」に行く際に、猫頭なりに『当時のデジタルユーザー情報』は認識していたのだが、18ヶ月で「世界が一変」していたわ(爆

 「音楽のデジタルユーザー環境」も相当に普通の言葉で「進化」していた。だが、糖尿病に冒されている猫頭では「使いこなし」が難しいので「佐伯周子分1台」だけ購入と相なった。何か有益な情報があれば、またブログで報告します。全く報告無い可能性も高い(爆


 普通に考えれば、この記事の続編はあらへんわな(爆
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N響、東響、山形交響楽団 どこが最も「ピュア・トーン」なのか?(No.2059)

2012-05-28 21:36:47 | 批評
私高本は猫頭であるが「古楽好き」である。「川上敦子:モーツァルトピアノソナタ全曲演奏会」と「佐伯周子:シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会」を実行する中で「犬のサンダル集め」で、全ての「全曲盤CD」は買い集め、勿論聴いた。そんじょそこらのおっちゃんとはワケが違うぞ(爆
 チョト、ヤバげな標題の件について、「核心部分だけ」書く。アブナいか?(爆


 「PMJ読者」の皆様は、「私高本 = 相当な古楽好き」をうっすら感じていることだろう。

これまでプロデュースして来た演奏家 = 川上敦子、岡原慎也、佐伯周子


を見る限り、「古楽の影は微塵もない」のだが、ブログにはいろいろと影が反映している(爆

 ・・・ってなワケで、本日号では標題の件を簡明に取り上げる。私高本 = 猫頭 なので、難しいコメントは寄越さないように!


「スダーン + 東響」 > 「飯森範親 + 山響」 >>> 「ノリントン + N響」だった『オリジナル奏法取り入れ』


大半の人には「信じられない事象」だと思うが、断言する。(あっ、また「ヤバい発言」したんだろか?)
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続編:2012.05.26 スダーン指揮東京交響楽団第600回定期演奏会批評(No.2058)

2012-05-27 21:03:58 | 批評

「はじける直前のモーツァルト交響曲の面白さ」を徹底して伝えてくれた「スダーン + 東響」の「ハフナー交響曲K385」


  どうしても書き残したいので、簡明に書く。「スダーン + 東響 のモーツァルト」では「ティンパニ が古楽様式の楽器」が用いられる。さらに付け加えれば、「1番フルート(だけ)木製フルート」が用いられた。これが『極めて効果的!』だったのだ! (マーラーではどちらも「通常タイプ」を同じ奏者が演奏していた。)

スダーンは『モーツァルトでは、オリジナル楽器奏法』を基本的に選択する指揮者


であるが、弦楽器のビブラートは極めて少なくするが皆無では無い。「装飾音」は加えない。これで

極めて新鮮なモーツァルト像が浮かび上げることができるのが「スダーン + 東響」の現在


である。「シューベルト交響曲」をテーマにしていた時代に比べて、木管 + ホルン(=木管5重奏)のアンサンブル力がはっきり上がっており、特に両端楽章でのアンサンブル力が素晴らしい効果を挙げていた。これほど素晴らしい「ハフナー交響曲」をナマで聴いたのは初めてである。スダーン + 東響、ありがとう。
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2012.05.26 スダーン指揮東京交響楽団第600回定期演奏会批評(No.2057)

2012-05-26 23:47:59 | 批評

「拡大した室内楽がマーラー交響曲」の世界を描き出してくれた「スダーン + 東響:マーラー」の名演


  音楽監督=スダーン が提唱した「オーケストラとしてはあり得ない?企画 = マーラー・リーダー(歌曲)プロジェクト」のスダーン自身が指揮する1発目。交響曲「大地の歌」を演奏するにも関わらず、関東で1回しか公演をしない(「新潟定期演奏会」が明日!)ためか、私高本がここ数年聴きに伺った東響演奏会中、最も混んでいた。老眼で定かでは無いが、約95%の入りだったか?


 「マーラーの曲」は色んな側面を持つ。

「老田裕子 + 佐伯周子:マーラー:子供の不思議な角笛から(1899年版)全曲演奏会」企画


以来「犬のサンダル集め」状態に近い。「光の当て方」に拠って、「マーラー像」は(他の作曲家に比較して)大きく異なる演奏を産むことはここに断言しよう。

スダーンは「室内楽の積み上げ = マーラー交響曲の世界」を描き尽くしてくれた!


である。
 スダーンは、トランペットもトロンボーンもテューバもティンパニを初めとする打楽器も「鳴らし切る」ことはしない。これらの楽器は「8割の音量」で止める。結果として「狂人的なマーラー像」は産まれない。私高本は好みだが、人それぞれの感性だと思う。(可能性は低いが「狂人 = 私高本」も否定できないわな(泣)
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2012.05.24 日本モーツァルト協会第539回例会批評(No.2056)

2012-05-25 22:07:11 | 批評

モーツァルト:オーボエ4重奏曲に圧倒的感銘を聴かせた 蠣崎耕三(Ob)+ 鎌田泉(Vn)+ 中村智香子(Va)+ 丸山泰雄(Vc)


 5月18日の「フィッシャー=ディースカウ死去」を知った時は驚いたと同時に深く悲しんだ。1人でも多くの方に1秒でも早く知って欲しかったので、私高本の猫頭で、読んで理解できた独語で、(おそらく日本で最初に)HP上に掲載したらしい。何でその日にフィッシャー=ディースカウを検索していたか? と言うと実は「フィッシャー=ディースカウのマーラー:子供の不思議な角笛から」を検索していたから。虫の知らせがあったのだろうか?
 アクセス数が「PMJ開始以来の数」になり、2012.05.18(金) 864 PV 353 IP 1814 位 / 1718691ブログ となったので、少なからぬ方にお伝え出来た結果となった。歌手引退して20年を経過しているが、私高本の心の中では「史上最高のドイツリート歌手」だと今でも感じている。
 5月20日(日)~23日(水)は、佐伯周子 と大阪に行き、「老田裕子(Sop)とのマーラー:子供の不思議な角笛から1899年版全曲演奏会」の合わせのためである。「素晴らしい合わせ」が出来たのだが、この件は別稿で改めて述べたい。本日号では「標題の演奏会」についてのみ語る。


モーツァルトで、ファゴットソナタK292、オーボエ4重奏曲K370、クラリネット5重奏曲K581 で「オーボエ4重奏曲が圧倒的な感動」になった奇跡の公演!


 このプログラム見たら、「クラリネット5重奏曲K581」に最も期待するのが、特に深いモーツァルト信者とは言えない私高本でもフツーである。ちなみに(ここだけの話だが)終焉に蠣崎さんにお会いした時も「曲としてはクラリネット5重奏曲の方が良いですからねえ」とおっしゃっていた。
 確かに「曲としては、クラリネット5重奏曲の方がはっきり魅力ある」のだが、「演奏は別物」である。(猫頭の私高本は事前には全く予想できていなかったのだが)「オーボエ4重奏曲」に圧倒的な感銘を受けた。

蠣崎耕三(Ob) の「アーティキュレーションの細やかさ」は、ルルー さえ凌ぐほどだった!


と書けば、来場されなかった皆様にはニュアンスが伝わるだろうか? もちろん、ルルー は大好きなオーボエ奏者である! オーボエ4重奏曲 と フルート4重奏曲 は「管楽器ばかりが目立つ構成」なことは(猫頭の私高本以前に)数多くの方が指摘している。この日の演奏も同じ解釈。弦の3名は「徹底して伴奏」に徹した。信じられない絶妙なアンサンブル。これほどまでの名曲だったのか!

 ちなみに、クラリネット5重奏曲 と ファゴットソナタ は「それなり」の演奏だった。悪くは無かったが、真ん中に「オーボエ4重奏曲」を聴いた後では印象が薄い。特に

ファゴットソナタでは、演奏家が袖に引っ込んだら即拍手が止まった、が印象深い。「日本モーツァルト協会」会員は耳が肥えているからなあ!


 このような「晴れの舞台」で演奏できるのは「演奏家冥利に尽きる」ことと思えてならない。あぁ、私高本も売り込まなくてはならないんだわな > 佐伯周子(爆

 K292 と K581 は、K370 ほどの感銘は与えてくれなかった。特に、K292 は、奏者2人が舞台袖に引っ込んだ瞬間に拍車が完全に鳴り止んだ。その程度の演奏。K581 は悪い演奏では無かったが、K370 の演奏の感銘は蘇らなかった。曲はこっちの方が圧倒的にいいわな(爆
 私高本は猫頭なので全くワカラン。楽譜も持っているので、全ては「私高本の猫頭」が原因である(泣
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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ 本日死去(No.2055)

2012-05-18 20:50:03 | その他

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (Dietrich Fischer-Dieskau, 1925年5月28日 - 2012年5月18日 )本日死去



 史上最高のドイツリート歌手 = ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ が本日死去しました。87才の誕生日まで後10日でした。この方がいなければ「ドイツリートの世界」は今のような活況にはなっていなかった、と感じます。「85才記念CD 10枚組」を聴きながら追悼しております。

まさに「巨星墜つ」

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下野竜也 + 読響「ドヴォルザーク:交響曲全曲演奏会最終回」2晩の批評(No.2054)

2012-05-14 19:05:41 | 批評
 私高本の不摂生が原因で「寝違い」なんて、バカな事態が(またまた)発生し、ブログ更新が滞ってしまったことに深くお詫び申し上げます。糖尿病で体ボロボロだから、『いつ死んでも医者は不思議に思わない』状況が続いている(泣
 1ヶ月ブログが更新されなかった時 = 私高本 が死んだ or 死んだ同然 になった時だわな。今日来ても誰も不審に思わないのは、医者だったら誰もが「アウト!」って言うだろな(瀑涙

 『佐伯周子のシューベルト全曲』を聴き終えるまでは、「猫エサ」と言われる(← 法貴彩子が唖然と同意していた)今の食事を続けて、何が何でも生き延びる所存。少し良くなったので、「書かなければ、私高本の存在意義が皆無」の「下野竜也 + 読響:ドヴォルザーク交響曲全曲演奏会」最終回の演奏会批評を書く。キョホホホ・・・


ブラームスどころか、ブルックナーさえも「先駆け」していた 『ドヴォルザーク交響曲全体像』を聴かせた 下野竜也 + 読響「ドヴォルザーク交響曲全曲」演奏会最終回!


 「下野竜也 + 読響 : ドヴォルザーク交響曲全曲演奏会」が発表されたのは、猫頭=私高本 の記憶では、5年半くらい前であったような気がする。「ドヴォルザーク交響曲全曲」だけでなく「ヒンデミット」も告知され、ヒンデミットの方が「文化庁芸術祭」で評価されたので、結局「定期演奏会」には1回も載せられなかった! って言う信じられない事態で終焉した!! って言うのが偽らざる感想である。
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下野竜也 + 読響「ドヴォルザーク:交響曲全曲演奏会最終回」に期待する(No.2053)

2012-05-07 20:04:31 | 演奏会案内
 明後日 5/9(水)から2日連続で標題の演奏会が開かれる。5/9(水)が初台の東京オペラシティ、5/10(木)が赤坂のサントリーホール。最終回は「人気が低い第2番」で2晩なためか、両日とも S~C席全席あり、の状況。

 私高本 は、第5番以前の ドヴォルザーク交響曲 をこのシリーズで初めてナマで聴いた。今後ナマで聴く機会が無い曲もある可能性が高い。彫りの深い演奏が特徴である。CDと比べても、彫りが深い。

 下野竜也 は、来年2013年3月末で「正指揮者退任」が決まっているので、今回が「シリーズものの最終回」となる。第1番 & 第3番~第9番「新世界より」全てが素晴らしい演奏だったので大いに期待している。

下野竜也 の記事 と 演するクリストフ・バラーティ氏からのメッセージ はこちら



リンクを貼って置くのでご覧頂きたい。

 尚、ここだけの話だが

ドヴォルザーク交響曲第2番は「終楽章=第4楽章 で ティンパニ が信じられないほど活躍する曲!」なので、首席ティンパニ奏者 = 岡田全弘 の名演が聴ける予感大!


である。「ティンパニファン」は何を置いても絶対に聴き逃さないで欲しい。現在、日本一のティンパニ奏者 = 岡田全弘 と感じられるから > 「オケが上手い!」のも大きいのだろうなあぁ!!!
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シューベルトの「初期ピアノソナタの魅力」は誰が語るのか?後編(No.2052)

2012-05-05 09:34:22 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 「後編」では『シューベルト大全集』を録音した盤3種類から開始する。「ピアノソナタ全集」でも無ければ、「中後期作品全集」でも無い「大全集」ですよ!

  1. シュヒター盤 → 「世界初のシューベルト大全集,鮮明な音 & 素晴らしい解釈の初期作品録音!」1970-71


      世界初の「シューベルトピアノソナタ全集 = ケンプ盤」が出て間もなく、マイナーレーベル2社から「ベーゼンドルファーインペリアルを使用してのシューベルト全集」が企画された。その1つがスイス「Tuder」レーベルに拠る 「シュヒター : シューベルトピアノ曲大全集」である。録音技師は「ウィーンの ヨーゼフ・カミコフスキー」が起用され、録音技師と調律師の関係で ウィーン で録音されている。ちなみに「ブレンデル第1回録音」がこのシュヒター大全集の録音開始前に2枚収録されており、この2枚は「ベーゼンドルファーインペリアル」で録音されている。(D960,D760,D959,D790) 狭いウィーンで情報が駆け巡ったことだろう、ブレンデルは「3枚目以降はセッション録音は全てハンブルク・スタインウェイ」起用で録音し、名声を得ることになった曰く因縁のある録音である。

    シュヒター盤は、全ての「シューベルト全集」中、録音が最高!


      録音後40年以上経過しているが、「ベーゼンドルファーインペリアルの音色を絶妙に捉えた」のは他には無い。演奏は、「1曲入魂」で初期ソナタは特に素晴らしい。「未完成楽章の扱いに統一性が無い」「舞曲を勝手に間引く」が難点。後、「超絶技巧」を有していないので、D760 とか D850 は「技巧不足」、D157第3楽章でさえ技巧不足が聴こえる。だが、『シュヒター大全集』に拠って多くの「シューベルト弾き」が曲の魅力を知った。

    声部進行が極めて明瞭で、美しいベーゼンドルファーインペリアルで綴られるのが魅力。あたかも弦楽四重奏団が演奏しているかのよう!


      ブレンデル、ダルベルト、ヴァイヒェルト、ビルソン、ヴィンケル の少なくとも5名は、シュヒター盤 を見据えて音楽作りをしている。現在廃盤なのが残念でならない。

  2. ダルベルト盤 → 「日本コロンビアが世に送り出した全集。初期ソナタの水準は高い」1989-95


      上記シュヒター盤に見習い、「ソナタは全曲、小品も完成曲全曲、舞曲は抜粋」で録音した大全集。シュヒター盤に次いで規模が大きい。枚数はこちらの方が多いが、40分収録してないCDが2枚あるなど、いろいろと難点あるよ。
      D537,D575 は結構弾き込んでいて水準が高い。ただ、スイスの ラ・ショードフォン のハンブルク・スタインウェイ録音なのだが、録音が日本コロンビア録音にしては、切れが無い。ペダリングの問題なのだろうか? 尚、未完成楽章は「シューベルトの残したママ」演奏する「リヒテル・タイプ」でこれは好みが分かれるところ。

  3. ヴァイヒェルト盤 → 「主観的にロマンティックに歌い上げる!」1984-86


      ロマンティックに歌い上げるが嫌味が無いのが最大の特徴。技巧も相当にある。未完成楽章は、演奏しない楽章と補筆版を演奏したソナタがあり、その基準は「残った楽章で纏まる」とヴァイヒェルトが思った曲は省略、「纏まりは悪い!」と思った曲は補筆版演奏のようだ。結構針を刺したハンブルク・スタインウェイでタッチも強い。ややオフマイクが特徴の1つ。

  4. ビルソン盤 → 「フォルテピアノで弾いたシュヒター盤を目指し成功!」1994-98


      これまで挙げて来た盤は全て「モダンピアノ」演奏だ。佐伯周子 はモダンピアノ奏者だからなあ。

      5種類のフォルテピアノを弾き分けての録音で

    ビルソンが、未完成楽章は適当に「抜いて」録音する対応は「まさにシュヒター盤直系」!


      D840第4楽章を抜いた、なんて完全にパクり。D459+D459A や D625 でも驚異の「楽章抜き」をしている。「シューベルト時代のフォルテピアノ録音」としては、あまり収録が良い方には聴こえない。オランダやら、ニューヨークやら、トロントの「グレン・グールド スタジオ」やら、北カルフォルニア音楽大学 やら、トロント「CBCスタジオ」やらを、ハンガリーの「フンガロトン」スタッフがかけずり回ったのが原因の1つだろう。「ホールトーン」が全く感じられないんだよね > スタジオ録音といえども。とにかく「残響不足」。私高本 は「オンマイク好み」なので、残響不足に感じる録音は少ないのだが、その数少ないのがこれ。「フォルテピアノでシュヒター盤直系」聴きたい人向け。
      
  5. ヴィンケルプロデュース「ブリリアント11枚組」 → 玉石混交だが「素晴らしい ヴュルツ盤2枚 + バール盤」2000


      2000年たった1年で「シューベルト大全集CD11枚組」をリリースすることを決意したのが、プロデューサー = Pieter van WINKEL。本人もピアニストで D946全3曲 と D947 を演奏しているんだが、D947 の方は「ドイチュ番号」間違えて記載されている(泣
      ピアニストは9名で、内1名はフォルテピアノを演奏する! と言う一見すると「何だ?こりゃ??」状態に見えるのだが、きちんと統一されている稀有な例である。
      ピアニスト9名で11枚分を分けているが、漫然と見ると分かり難いが、相当に「依怙贔屓の強い」選曲になっている(爆

    1. 「モーツァルト:ピアノソナタ全集」をリリースさせた 大お気に入りピアニスト = ヴュルツ に2枚『最優先』呈示


        結果、D960 + D537,D575,D664 を選択した。録音を聴く限り、「D960 では ブレンデルの影響最大、D537,D575,D664 では、シュヒター盤を想起させる 声部進行の流れ」が素晴らしい演奏!
    2. 次はおそらく Frank van de LAAR に優先的に2枚。D959 と D850 と言う「技巧的な大ソナタ」2曲!


        おまけとして、余り興味ない3曲も付いて来たようだ。(D557,D566,D840) 技巧的な2曲の仕上げは「普通」。特に良くも悪くも無い。
    3. 次はおそらく Martijn van den HOEK に優先的に2枚。『即興曲集全曲 + さすらい人幻想曲』!


        おまけとして、ほとんど興味無い「舞曲集」を押し付けられたようだ(爆
    4. 残りの配分は不明。バール に来たのは「残り」だった様相


        この辺は全くわからん。『バール 補筆&演奏』は(好みに合うかどうかは別として)『世紀の補筆』だ。この1枚を聴くだけで価値のある「大全集」である。バール はリリースを見ること無く死んでしまったんだよねえ(瀑涙

     こんな感じの「大全集」である。

  6. プリュデルマシェール(プルーダーマッハ)盤 → 「ライブ感」を楽しむCD 2001-02


      若き日には「精密なベートーヴェン、シューベルト、ドビュッシー」を聴かせてくれた プリュデルマシェール が「ライブ録音」レーベル = トランザール にて「CD復帰」してくれた。「そこに聴衆がいて楽しんでいる臨場感あふれる録音」であり、ミスタッチは無いのが驚異的!
      ライブ録音としてこの水準を確保している安定度は信じられないが、あくまで「ライブ録音として」なのだ。やや安全運転になってしまっているのは、「ライブ録音の宿命」なんだよねえ、、、

  7. クリーン盤 → 「シュヒター盤と並ぶ ベーゼンドルファーインペリアル録音の規範」1971


      主要連作小品集 + 「さすらい人幻想曲」をブレンデルに先に録音されてしまった後で出てきた企画らしい。おそらく DGの「ケンプ盤」の成功を見て、VOX のメンデルスゾーン社長(← メンデルスゾーン一族だよ~ん!)が企画した。この頃には、ブレンデルは離れていたので、おそらくクリーン に行った、と推測される、実態はわからん(爆
      VOX録音中でも「出色の出来」の演奏 & 録音。これは1人でも多くの人に聴いてほしい。確実にベーゼンドルファーインペリアル録音で、おそらく「ウィーン録音」。録音技師 = カミコフスキー だと推測するが、記載が全く無いのでわからない(泣

  8. バドゥラ=スコダ盤 → 「フォルテピアノのシューベルトの到達点!」1991-96


      バドゥラ=スコダ2回目の「シューベルトピアノソナタ全曲録音」との伝説を伝え聞いているが、1回目の録音 = ベーゼンドルファーインペリアル を見たことも聞いたこともないので、本当に2回目なのか? は確認していない。

    シューベルト初期ピアノソナタをセッション録音で2回録音したのは、バドゥラ=スコダ ただ1人!


    だと記憶している。(猫頭なので、ツッコミ入れ無いように!) 初期ソナタの「切れ」と「冴え」は最少に言って「フォルテピアノ奏者」では抜群であり、「モダンピアノ奏者」でも ヴュルツ や シュヒター クラスである。
      5種類の フォルテピアノ を弾き分けているが、他の フォルテピアノ録音 とは比較にならない「録音の良さ」も指摘しておく。
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シューベルトの「初期ピアノソナタの魅力」は誰が語るのか?中編(No.2051)

2012-05-04 18:10:15 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
「シューベルトの初期ピアノソナタだけの全集」をリリースして発売したピアニストは1人もいない。私高本がここに断言する。「初期ピアノソナタ」は少なくとも「ピアノソナタ全集」かそれ以上の企画の中で発売される。1種類だけ『初期から後期までの未完成とも受け取れるソナタ集」がバラ3枚発売されたが、別のピアニストの「ソナタ全集の補遺」に思える。整理整頓が悪いので、手持ちCD全部かどうかは不明だが、ゴールデンウィーク期間中でヒマなので、「全集企画」のCDに収められている初期ピアノソナタ全部を聴いて見た。どのピアニストが「初期ピアノの魅力」を語ってくれているだろうか?
 聴いた順に書く。「手前に置いてあったから」なんて理由で先に聴いたのもあるので、特に「お薦めの順」とかにはなっていないし、録音順とかにもなっていない。全部聴くと、GW徹夜で聴き通しても時間的に無理なので、主として D537 と D575 を中心に聴いた。気に入ったピアニストは、他の曲も聴いたよ~ん。

「シューベルト初期ピアノソナタ録音を全部聴いて見ました」大プロジェクト報告記



  1. ケンプ盤 → 「弾き込めていますか?」1968


      ドイツ・グラモフォンが威信を賭けて、「シューベルトピアノソナタ全集 + 主要作品集」を世界初録音したステレオ盤。後期の曲には味わいのある曲もあるのだが、初期ソナタは「???」ってくらい弾き込まれていない。リサイタルで1回も弾いていない曲もある感じ(泣
      ブレンデルが誉めそやしている ケンプ だが、初期ソナタでは「絶妙のペダリング」が全く使われていないのも不思議。後期は使っているんだがなあ。

  2. ブレンデル盤 → 「安全運転で弾きました!」1982&2000


      『シューベルトピアノソナタ復興の祖 = ブレンデル』は、初期ピアノソナタは D537,D575,D664 の3曲だけ録音を残した。しかも1回ぽっきり。私高本は発売と同時に3曲とも購入して聴いたが、唖然とした。「中後期作品と比較して、仕上げがぼやけている」からである。D537第2楽章に D959第4楽章 のロンド主題がある。誰が聴いてもわかる。スタジオ録音だけで4回も D959 は実行している上にライブ録音も何種類かある。
     ・・・が、D537第2楽章はそれは「安全運転で弾きました」と言うだけ。

     D575 は「ウィーンデビューリサイタル」で弾いた「思い出」の曲らしい。69才の時にライブ録音で残した。D537 に比べて18年も経過しているために、さらに「安全運転」である。同時期のライブ録音でも、D959 や D960 は切れがあるのに(涙

  3. 内田光子盤 → 「譜読み間違いが多いが『理想のブレンデル演奏』を弾き込む」1998,2001


      「ブレンデル & ブレンデル亜流のシューベルト」で初期ピアノソナタを聴きたい人へのお薦めの1つが 内田光子。D537,D568,D575,D664 の4曲しか録音していないが、ブレンデル よりも1曲多い。(ブレンデル亜流ピアニストはほとんどがこのパターン!)しかも、きちんと弾き込んだ演奏。「スタインウェイの整音」も極めてブレンデルに近いピアノ(針刺しが多いハンブルク・スタインウェイ!)で弾かれ、情感は「ブレンデル以上」である。内田光子 の「タッチの強靭さ」には注目して欲しい。手放しで絶賛したいところだが、実は(初期ソナタに限らないのだが)『内田光子のシューベルトは、譜読み間違いが他ピアニストに比較して圧倒的に多い』のが、評価が大きく分かれるポイント。「原典楽譜が自筆譜のみで、スケッチも存在しない曲」での譜読み間違いが多いんだよね(泣
     「モーツァルト → シューベルト の順で演奏会も録音も進行したのは、フィリップスの意向」とのインタビューが数回掲載されているが、モーツァルト録音時に比較して「譜読み間違い」がシューベルトは圧倒的に多い。D537第2楽章 は、聴く人が飛び上がるような譜読み間違いがゴロゴロしている(瀑涙
     録音時53才、あぁ「今の私高本よりも1才年上か!」老眼の進行がキツかったんだろうなぁ > 53才の内田光子。もっと若い時に、シューベルトに取り組んで欲しかったばかりである(涙
     尚、手本の無かった D568 の切れは悪いのも少しだけ悲しい。

  4. シフ盤 → 「ベーゼンドルファーで『ブレンデルのシューベルト像』が聴ける」1992-


      アンドラーシュ・シフ は、日本人の世界的ヴァイオリン奏者 = 塩川悠子 と結婚しているためか、日本には「良い情報」のみが伝わっている傾向が極めて強いピアニストである。夫婦仲が良いことは、とても良いのだが「演奏内容」とは、あまり関係無いように私高本は感じる。(・・・なんて、ほざいているので、2回も「離婚でポイッ!」をされたのも私高本の実績なんだが、、、)
      「ブレンデル & ブレンデル亜流のシューベルト」演奏家で「オレが第1人者だ!」と思っていて、それなりに「売れた」ピアニストが シフ である。「企画力抜群」「ブレンデルが初期に弾いていたベーゼンドルファーでシューベルト」などなど、極めて豊かな発想で彩られた演奏が「録音」に残された。「シューベルト:ピアノソナタ全集」とか「ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ の 美しき水車小屋の娘 動画」とか「ペーター・シュライアー との 3大歌曲集」とか。
      どれもが「悪くない」のだが、『お手本が見え透いてしまう』上に、仕上げが悪いのが難点(泣

      「ベーゼンドルファーを弾くブレンデルのシューベルト」聴きたいならば、『ザルツブルク音楽祭のブレンデル』を聴くのが最善。引退直前まで「ザルツブルクだけはベーゼンドルファーで弾く」を通していた。整調 & 整音 も「ブレンデルの思い通り」だったんだろうね。

    ◎「シフのシューベルト演奏の最大の欠点 = 打鍵が弱過ぎる!」

     佐伯周子が「ペトロフ や 小川典子 並みの強靭な打鍵」が無いことは知っている。「シューベルトの世界」や「スメタナの世界」や「リストの世界」は描き尽くして来た、と感じるし、評価されて来た。

    ◎「シフの打鍵 はあまりに弱い!」

     これに尽きる。「引退を考えていたフィッシャー=ディースカウが シフ と『美しき水車小屋の娘』を録画したが、『これで引退したら死んでも死に切れない!』と思い、エッシェンバッハ伴奏で翌年に「撮り直し」が実績、である。
      この「弱々しい打鍵」では、ハイドンもモーツァルトもベートーヴェンも、もちろんシューベルトも「本領」は描き出せないだろう。反論があれば、フィッシャー=ディースカウまでどうぞ(爆


  5. プラーネス盤 → 「弾き込んだブレンデル亜流」1995-2002


      「ブレンデル収録曲 + D568,D625」で「シューベルト偉大なソナタ群」と言う名でCDリリースした プラーネス。室内楽奏者としての活躍は素晴らしいし、ソロでも シャブリエ はこれまでのピアニスト中でもトップクラス。
      ・・・だが、シューベルトは「ブレンデル亜流」になってしまっている。但し、ブレンデルが弾き飛ばした初期作品を「丁寧に弾き込んだ」のが味わい。内田光子 のように「老眼で譜読み間違い」も無いので安心して聴いて欲しい。
     尚、「ブレンデル亜流」は多いぞ。「ブレンデルの弟子」は全員省く。なぜなら「聴けるピアニスト」は イモージェン・クーパー ただ1人、後は全員スカ。よくも「指の廻らないピアニストの卵」ばかり拾って来るモノだ、しかもペダリングが下手揃い。唖然とするばかりだ(爆
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シューベルトの「初期ピアノソナタの魅力」は誰が語るのか?前編(No.2050)

2012-05-03 17:44:37 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 「シューベルトピアノソナタ全集CD」はおそらく有力なモノは全て購入して聴いた。(「犬のサンダル集め」に近い習性がある。これさえ無ければどれだけ蓄財できたのだろうか、、、)「世界初録音 = ケンプ盤」から21世紀に至るまであれこれ「大きな期待」を抱いて聴き、いろいろと得るモノも大きかったが

シューベルト中期 + 後期 である D760 以降に比較すると、演奏の質が格段に下がっている(瀑涙


が実情である。例えば「世界初録音=ケンプ盤」は「ベートーヴェンソナタ全集」に比較しても、格段に「楽譜の読み込み」だか「弾き込み不足」のどちらか(または両方)が顕著である。今も現役盤なので、疑った方は両方購入して聴いて下さい><

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佐伯周子のシューベルト(No.2049)

2012-05-01 21:36:54 | ピアニスト・佐伯周子
 夏に演奏会がある。「美しき水車小屋の娘」と「20才のシューベルト(ソロ)」である。今から心が震える。「どんなに素晴らしい演奏会になるのだろうか?」と。

 全ては演奏家の肩に掛かっている。「佐藤雄太 + 佐伯周子」の2人がその「結果」を出す。「佐伯周子 が選んだテノール」だから、私高本は「素晴らしい演奏」をする、と信じている。佐藤雄太 は、今回が「ソロデビュー」になるので、紹介しておこう。

リリック・テノール 佐藤雄太


  声質は「リリック・テノール」。高音まで美しく伸びていく音が無限かのように感じられる。シューベルト「美しき水車小屋の娘」は「高音」がきらきら輝く感触が魅力の1つだが、

佐藤雄太 は『シューベルトの初版楽譜通り = シューベルトの意図通り』に歌う


 これは意外に少ない事象であり、「テノール」と銘打っている歌手でも下げて移調した曲を含むことが多い。先日、『フェルナーの冬の旅』について記載したが、「美しき水車小屋の娘」は「2点A」が第7曲にあり、これが「ドイツリートテノールの通常レパートリーの最高音」であり、大抵下げて「2点G」程度で歌っている。歌ったテノールは(以下略)
 ちなみに「引退公演」でも シュライアー は「2点A」で歌っていたが。

 佐藤雄太 の美点をもう1つ上げよう。

佐藤雄太 は、音程が確か!


 これは、読者の皆様は実際の舞台にて確かめて頂きたい。


 さて、『佐伯周子 のシューベルトの魅力』について述べる。

佐伯周子 が培ってきた ピアノソロ & ピアノデュオ で表現して来た「デュナーミクの巾広さ + アーティキュレーションの精密さ + ペダリングの緻密さ」が「ドイツリート伴奏」でも聴ける!


 先日、「美しき水車小屋の娘」全曲通し練習を聴かせてもらった > 佐藤雄太 + 佐伯周子

 その日はそのまま「上野優子のモーツァルト」を聴きにバタバタしていたので、すぐには気付かなかったのだが

「美しき水車小屋の娘」は「シューベルト最大のピアノソナタ=遺作の変ロ長調ソナタ」さえも上廻る時間数を要する!


 「冬の旅」に比べても、「ピアニストの演奏が充実していない録音だらけ」なのである。この辺りについては、またこれからの合わせに従い、詳細報告をして行きたい所存である。
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