Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

ピアノソナタ変ニ長調D567第4稿(No.1798)

2011-02-25 23:44:07 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
D567(ソナタ2)が一旦1817年6月に完成した後、「ソナタ3」「ソナタ4」「ソナタ5(D571)」「ソナタ6(D575)」を完成させ、「6曲セットのソナタ集」を一旦完成させた。1817年8月のことである。「ソナタ3」と「ソナタ4」は「完全な断定は不可能」であり、ベーレンライター新シューベルト全集でも断定は為されていない。私高本は D664(現在伝承している稿と違う可能性大)と D459A(終楽章が必要)と推定している。


ピアノソナタ集6曲が完成した後の主なシューベルトの作曲は次の通り。

  1. ピアノ独奏のためのヒュッテンブレンナーの主題に拠る13の変奏曲イ短調D576(1817.08)


  2. ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(第4番)イ長調D574(1817.08)


  3. 弦楽三重奏曲変ロ長調D581(1817.09)


  4. 歌曲「エルラフ湖」D586 op.8/3(1817.09)


  5. 交響曲第6番ハ長調「小ハ長調」D589



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ピアノソナタ変ニ長調D567第4稿(No.1797)

2011-02-22 20:48:11 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
この曲は「最新シューベルト主題カタログ(1997)」では、D568とされている。だが多くのシューベルト学者が D567 のまま使用を続けている。「ウィーン原点版楽譜」校訂者 = ティリモ もその1人。本稿でも D567 を変ニ長調稿では使用する。

1951年の「初代ドイチュ編纂シューベルト主題カタログ」の当時から、「なぜシューベルトは改訂したのだろうか?わからん??」と言う意見があった曲だ。詳細は次の通り。

  1. 両端楽章は D568(変ホ長調改訂稿)がはっきり優れている


  2. 緩徐楽章は D567(変ニ長調稿)の方がしっくり来る



だからである。私高本だけが唱えているのではない。アインシュタインなども明言している。
「ベーレンライター新シューベルト全集」にて楽譜として初めて公開された功績の1つが、D567 の「稿」が印刷されたことだ。これまでは学者が研究室で見るしか無かった楽譜が誰もが見れるようになった。D567 & D568 については、「ピアノソナタ第1巻」にて印刷された。

  1. D567 変ニ長調稿第1稿 → 2楽章構成(第1楽章 変ニ長調完成 + 第2楽章 ニ短調未完成)


  2. D567 変ニ長調稿第2稿 → 3楽章構成(第1楽章 変ニ長調完成 + 第2楽章 嬰ハ短調完成 + 第3楽章 変ニ長調 おそらく完成)


  3. D568 変ホ長調最終稿 → 4楽章構成全部完成(第1楽章 変ホ長調 + 第2楽章 ト短調 + 新第3楽章 変ホ長調 + 第4楽章(旧第3楽章) 変ホ長調)



第1稿と第2稿が作曲されたのは1817年6月。楽譜の細部を見ると、第1稿の後に第2稿が作曲されたことは明らか。なぜなら、「最終稿の形 = 第2稿」になっているからだ。つまり「シューベルトは、わざわざ同主調に移調して作曲し直した」ことになる。なぜなのか?

響きが「より良くなる」から、と推測される


そのくらい「しっくり来る響き」なのだ。

緩徐楽章について「嬰ハ短調稿」と「ト短調稿」はほとんど外見上は変わらない、が最大の特徴。完全に「増4度上げただけ」


である。つまり、「最終稿は全体を単純に増4度上げただけ」である。『軽い音』になった。それが良い方向になったかは大いに疑問。ブレンデルのように 「完成ソナタの中で D568 だけ弾かないピアニスト」まで現れる始末である(爆

シューベルトはいくつかの曲について、信じられないほどの粘着気質で改訂をする。この D567 がその1曲。一旦、第2稿にて「3楽章ソナタ」として完成した曲を延々と改訂するのである。この続きは明日。
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シューベルト「ドイツ舞曲」D790(No.1796)

2011-02-13 18:52:57 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
一昨日の「佐伯周子のショパンピアノソナタ第2番」は素晴らしい演奏だった上、オイリュトミーの身体表現が視覚的に合致しており、相乗効果が目覚ましかった。


本日から、3月28日(月)の佐伯周子チェコ音楽コンクール2010第1位優勝記念演奏会のプログラム曲目解説を行う。


 多くの楽譜&書物では、題名が「レントラー」となっている曲集である。シューベルトは生前に既に「レントラー」と言う舞曲は知っており、「作品67=D734」にて『ウィーンの貴婦人レントラー』を出版している。但し、この1集だけに用いた名称であり、他の曲には一切用いていない。
 1864年に初出版された。出版社=シュピーナ(ウィーン)。現存する自筆譜に忠実な出版。作品番号に「171。遺作」が振られた。あまり意味ない番号であったが。
 ほとんどどの本にも楽譜にも書いていないが、

ブラームスが校訂出版した最初の曲 = ドイツ舞曲D790


である。

多くのシューベルトファンから見ると『ブラームス = 旧シューベルト全集交響曲部門の校訂者 = 第1番~第6番を世界初出版した功績大』


と感じているだろう。事実である。
 ・・・が、「ピアノ曲」に関しては全く事情が違うのである!

  1. 出版時に「校訂」に関与した曲集は、出版時の数え方で3集(D790,D946,D366+D814)


  2. 3集ともに「シューベルトオリジナルから自由に離脱した校訂」



なのである。


『ブラームスのシューベルトピアノ曲への手の入れ方』 → 1年経過毎にヒドくなっていく


であった。この D790 は「最良」なのだ!

変えられたのは「題名だけ」 = D790


が実績。うーん、シューベルトは「ドイツ舞曲のテンポで」と明示しているんだよな。「レントラー」とかは全く書いていない(爆


 ブラームスは、1864年頃(ブラームス31才)から「自由にシューベルトの自筆譜を見ることが出来る立場」だったと推察される。信じられないほど多くの「ブラームス筆写楽譜」が現存している。「大作曲家」の中で、これほどまでに「先輩大作曲家を写譜した作曲家は、ブラームスとバッハだけ」のような気がする。シューベルトも先輩作曲家の写譜が多い作曲家の1人だが、「ブラームスのシューベルト写譜」だけで軽く、「シューベルトの全体写譜量」を越すモノが残っている。「残っている」だけで、廃棄されたモノが多い可能性は否定できないのだが。


 何で「レントラー」に題名が変えられたのか? J.シュトラウスファミリーの「曲名」を調べ尽くしてもよくわからない。ブラームスの好みなのか? 出版者=シュピーナの好みなのか? 全く証拠は残っていないので摩訶不思議な感触。普通に考えれば「ワルツ」に題名変えた方が「楽譜が売れた」と思われるだけに不思議なのだ。ブラームス? シュピーナ? どちらも「儲けたい」だろうに!!!

 3月28日には、『シューベルトの名手 = 佐伯周子』が弾くので安心して聴いてほしい。ちなみに、ここだけの話だが

D790/2 = D783/1, D790/8後半 = D783/10後半


である。
 ドイッチュは、「D790 は D783(=作品33) より後の作曲」と推測したが、どう見ても誤り。「D790 が先で、名曲を抜粋して D783 を作曲&出版」が事実である。その時に「D790/1」が外されたのが、誰もが感じる疑念。そう、私高本も感じる(爆

 シューベルト自身が感じた?

 作品33の出版者 = カッピ が感じた?

うーん、よくわからん(泣
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明日、佐伯周子がショパンピアノソナタ第2番演奏(No.1795)

2011-02-10 21:48:21 | ピアニスト・佐伯周子
主催演奏会告知した直後に「2月11日(金・祝)にショパンピアノソナタ第2番演奏するので聴きに来てね!」と佐伯に言われた。唖然。「シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会の初回」にも強く佐伯が主張して入れた曲なので、思い入れが強いらしい。つい先日東京都調布市で開かれたジョイントコンサートで演奏していたのもショパンのワルツだった。(うーん)
 とにかく、演奏会告知だけはしておこう。

【2012オイリュトミー100年祭に向けて】
2011年2月11日(金・祝)15:00開演
当日券 2300円
神奈川公会堂(東神奈川駅徒歩4分、仲木戸駅徒歩5分、東白楽駅徒歩5分)

私高本には言わないが、どうやら「佐伯周子はショパンが好き」らしい(爆
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佐伯周子チェコ音楽コンクール2010第1位優勝記念演奏会(No.1794)

2011-02-08 21:16:07 | ピアニスト・佐伯周子
来る3月28日(月)東京文化会館小ホールにて、標題の演奏会を開く。

乞う、ご期待!
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