今月2022年10月1日、カワイ コンサートグランドピアノ= SK-EX 公開発売開始
Shigeru Kawaiフルコンサートピアノ『SK-EX』販売開始のお知らせ | ニュース | 河合楽器製作所 コーポレートサイト
同サイズのコンサートグランドピアノを同ブランドで併売するメーカーは存在しないので、コンサートグランドピアノ= EX-L は在庫売り尽くしたら終売であろう。
◎カワイSK-EX は ヤマハCFX と同額
CFX発売以来、ヤマハコンサートグランドピアノの方が高い、が続いていたので、カワイの達成感は高いことだろう。
『カワイSKシリーズ は ヤマハCFシリーズ に匹敵』をイメージ付けしようと意図しているが、果たして事実か?
- ヤマハCFX(275cm)2100万円 = カワイSK-EX(278cm)2100万円
- ヤマハCF6(212cm)1240万円 > カワイSK-6(214cm)600万円
- ヤマハCF4(191cm)1090万円 > カワイSK-5(200cm)440万円
「6クラス」「4クラス」は、倍以上価格差ある。むしろ、ヤマハSXシリーズと比較すると良い。
- ヤマハS6X(212cm)600万円 = カワイSK-6(214cm)600万円
- ヤマハS3X(186cm)480万円 > カワイSK-3(188cm)350万円
「3クラス」だとSXよりも遥かに廉いのか、、、
C3Xespressivo = 330万円だから、カワイSK-3 と20万円差か、、、
ヤマハSXシリーズとカワイSKシリーズは鍵盤鉛調整しない中級ピアノ
SK-EX はSKシリーズとは別機種。
カワイ製造の全てのブランドを網羅する。
カワイ製造の全グランドピアノで最もアクションが良い = ボストン156。SK-EX では無い
これが最重要ポイント。
スタインウェイ はDとA&B、ヤマハ はCFシリーズ、なので意外に感じる方が多いだろう。
180cm以下で世界一のアクションは スタインウェイS(155cm), 世界2位は ボストン156PEII
ヤマハC1でもC2でも無い。ファツィオリ155 は聴いたことも見たことも無いので知らない。ファツィオリジャパンに展示してない、とのことなので、日本人は見たことないと思う。メイソン&ハムリンB(162cm) はおそらく良い、と思うのだが、見たこと無いので、わからない。
Model B • Mason & Hamlin Piano Company スタインウェイS を試作したメーカーだからである。広島市のジャズバー(?)には1台ある、とのことです。
180cm未満のピアノでは、スタインウェイS と スタインウェイ設計ボストン156PEII が抜群に良い
カワイブランドのグランドピアノアクションは「ウルトラ・レスポンシブ・アクションII」のみで 278 - 153cm 対応
カワイグランドピアノは「スタインウェイ188cmの壁」「ヤマハ183cmの壁」を打ち破る「153cm」に対応したので素晴らしい!
・・・のかな?
ボストンアクションの例もあるし、、、
最初の「ウルトラ・レスポンシブ・アクション」機種はどれなのだろうか?
カワイアクションはプラスチック製なので、製造ムラが極めて小さい
153cm -278cm が同一アクションも凄い。但し、カワイSK-3(188cm),GX-3(188cm)アクションがヤマハC3X以上、とは1度も聞いたことが無いし、私高本もヤマハC3Xの方が俊敏に感じる。
奥行きに応じて、打弦位置は変えているハズ。奥行き153cm 打弦位置で278cmアクションは作らない。「ヤマハと大差無し」と仮定すると、153cm, 161-180cm, 188-200cm, 214-227cm, 278cm の5種類か?
188-227 は同一の可能性も高い。その場合は4種類。スタインウェイはA(188cm)B(211cm)共通アクションらしいから。あぁ、カワイ製造スタインウェイ設計ボストンは156-215cm 同一か、、、
188cm 3機種SK-3, GX-3,GL50 は間違いなく同アクション。カワイは「SK-3クラス」をイメージさせているが、ヤマハC3Xには達していない。(ヤマハSとCはハンマーもアクションも同一)アクションはヤマハが上である。(多分1999年カワイSKシリーズ新発売が最初)
ディアパソンアクション
大橋幡岩 - Wikipedia創業者=大橋幡岩 のWikipediaである。1948年ディアパソンブランド創設、1980年没。1948年ディアパソン創立、1958年オオハシピアノ創立、なので、ディアパソンピアノを設計したのは 1948-1957 である。
1980年は私高本が1台目=カワイKG6C 購入の年であり、既に「ディアパソン = カワイ傘下」で購入対象ピアノとして弾いた。「シュワンダー式アクション」であった。去年3月に弾いた時は、ヘルツ式アクションだった、と感じた。KG6C で(私高本も佐伯も)苦労したので、間違えないと思う。
ディアパソン小型グランドピアノ(164-166cm)は、大橋幡岩アクション183cm用を打弦位置だけ短くした「カワイの設計」機種。大橋幡岩の設計が良かったようで、特に悪くない。ボストンほどには達していないが。1954発売「ヤマハG2,G3,G5,G7」アクションは研究して反映させたハズ。多分G3用に製造し、G7まで引っ張った、と推測。G2 は1954-2022まで、シュワンダー式 → ヘルツ式 だけ変更(多分1971年1月)しただけで68年も継続使用している。G7用ならトラブルだらけだが、G3用なら問題少ないwww
ボストンアクション
ボストンピアノの設計 | Steinway & Sons 公式サイト - Steinway & Sons
スタインウェイによって設計されたボストンピアノは、最高級のピアノ製作と継続的な改良によって培われた製法を駆使して製造されています。ボストンピアノは、スタインウェイ.
<引用>
スタインウェイが所有するハンマープレスで製造された洋梨型ハンマー。正確な位置で弦を叩くこれらのハンマーは、最高の音色を生むように設計されています。
<引用完>
スタインウェイS(155cm)に出来る限り近く製作した。ここにしか記載が無いから誰も言わないが「ボストンハンマー = ニューヨークスタインウェイ製造」なのである。スタインウェイジャパンもこのページのみだし、カワイも島村楽器も言わない。浜松ピアノ店も言わない。言った方がボストンピアノ売れると思うのだが。(皆、高い機種売りたい、なのだと思う)
尚、エセックスは全く異なる。
Essex Grand Piano EGP-155F - Steinway & Sons
<引用>
ESSEX grand hammers are specified by STEINWAY and made by Imadegawa in Japan using German–made hammer felt and hornbeam moldings. Based on the exclusive designs of STEINWAY & SONS, the ESSEX action is made of wood (not plastic) and is characterized by a faster repetition, better stability, and heightened responsivenes — allowing the musician to play with maximum expression and control.
<引用完>
「日本浜松市今出川製造ハンマー + パールリバー製造アクション」がエセックスピアノ。本気度が全く違う。「今出川」は1980年当時は大きな会社だったのだが、現在は社長1人で経営している会社、どの位売れているか? 読者の皆様が想像して下さい。
ハンマー
- カワイ SK → カワイ製造SK用。SK-EXと同一の工程で作られたもの
- カワイ GX → カワイ製造GX専用。オーストラリア産またはニュージーランド産の極上の羊毛を圧縮した、毛足の長い良質なフェルトを採用
- カワイ GL → カワイ製造GL専用(多分、アンダーフェルト無し)
- ディアパソン → 独レンナー社製造
- ボストン → ニューヨークスタインウェイ社製造
レンナー社は「一定水準以上」しか製作しない。だが「ベヒシュタイン用を横流し」はしない。「設計書通りのハンマー」を提供する。ベヒシュタインを研究した大橋幡岩はどこまで「ベヒシュタインに似せた」のだろうか?
ボストンピアノのハンマーは上記の通りニューヨークスタインウェイ社製造である。
ハンマーは、レンナー、アベル、ロイヤルジョージが世界3大ブランド。ハンマーフェルトだと、フィルツファブリク
Filzfabrik Wurzen が著名、ハンマーは作っていない。(ベヒシュタインハンマーフェルト & エセックスハンマーフェルトがフィルツファブリク社と推測する)
google検索する限り、オーストラリア産&ニュージーランド産羊毛で「ピアノハンマーフェルト用で有名」は無かった。
スタインウェイ社、ベヒシュタイン社はハンマーヘッド自社製造が有名。あっ、ヤマハ・カワイも自社製造。
オーストラリア産 or ニュージーランド産 に「ピアノハンマーフェルト」最適の羊毛、あるのでしょうか??
響板
- カワイ SK → また、響板用のスプルース材は長期の天然乾燥期間により、含水率や音の伝播速度(音の伝わる速さ)などの音響特性が高いレベルで安定することが研究の結果わかっています。さらに、木材には湿度が変化すると寸法も変化するという性質がありますが、天然乾燥期間を長くすることで、そのような影響も受けにくくなるなど、環境への順応性が高まることも判明しています。Shigeru Kawaiがその製作工程において、効率やスピードを優先させることなく、響板素材の天然乾燥の期間に強くこだわるのは、それが最上級のグランドピアノであるための必須条件のひとつだからなのです。
- カワイ GX → 弦振動を空気振動、すなわち音にかえる「響板」は、「音色」「音量」「音の伸び」「音のバランス」に大きく影響する、ピアノの心臓部ともいわれる部位です。音質に大きな影響を及ぼす響板は、比重および音の伝播速度に関する独自の厳格な基準を数値的にクリアし、さらには木を知り尽くしたクラフトマンの感覚的な基準にも適合した材料だけを使用。豊かで重量感のある低音と、明るく伸びのある中高音を実現しています。
- カワイ GL → 一切記載無し
- ディアパソン → ディアパソンが使用する素材は、カナダ北部やアラスカの厳しい自然環境に育った針葉樹スプルースです。響板の振動が、木目に沿って素早く流れ広がるような設計を得るために、木目の年輪が細かく、まっすぐに伸びた均質の柾目材を使用しています。
- ボストン → まっすぐで、木目の詰まった無垢のシトカスプルース材(積層加工なし)。1センチあたり最低3層の年輪。高音域から低音域へ薄くなっている構造で、響板が自由に振動し、長く豊かに伸びる響きを実現。厚さ8ミリから6ミリに徐々に薄くなる設計。
SK, ディアパソン, ボストン は、北米スプルース1層響板。SK が「長い天然乾燥」強調、ボストン「1センチあたり最低3層」強調、ディアパソン「柾目」強調。
GX は「スプルース」文字が見当たらない
GX-7(365万円) が積層響板とは信じられない。1層スプルース響板と信じたい。(365万円以上の積層響板ピアノを日本でも発売されているが、、、)だが、GX-1(185万円)辺りは微妙。ヤマハC1X(185万円)と定価同額だが、
カワイは「値引き合戦」が凄まじい、は業界では有名
定価同額だと「実販売価格は5~10%安い」なのだ。私高本がKG6C購入時も5%引き、ヤマハC7LAXP&スタインウェイBは定価購入。GX-1 は90%販売だと166万5千円。ヤマハC1X(185万円)よりも積層響板ヤマハC1TD(150万円)の方が近い。競合が少ないセミコンサートグランドピアノでも値引いた実績なので、競合だらけの180cm以下のベビーグランドピアノは値引き幅も大きい、と考える方が自然。10%で済む???
競合は、ヤマハC1X&C1TD、ディアパソン166、ボストン156&163、フォイリッヒ161、エセックス155、、、
小型グランドピアノ合戦を仕掛けたのは1970年カワイKG1(164cm)発売
韓国サミック&ユンチャンが小型グランドピアノ製造&日本輸出攻勢を掛ける10年以上前である。
- KG1(1970- )- RX1(1995- )164cm
- GX1(2013- )166cm
カワイは小型グランドピアノを主戦場とするために、「同じフレームを使用の同寸法ディアパソン」を製造販売している。1958年にカワイ子会社になっているので、小型グランドピアノ=安いグランドピアノを普及させた実績。大橋幡岩が開発したのは、183cm&210cm だけである。
尚、「カワイブランドアップライトピアノ」にもスプルース響板の表記無し。「ディアパソンアップライトピアノ」はスプルース響板表記あり。
胴体
- カワイ SK → 記述無し
- カワイ GX → 記述無し
- カワイ GL → 記述無し
- ディアパソン → 記述無し
- ボストン → リムと呼ばれるグランドピアノ専用の側板は、スタインウェイ&サンズの設計思想を継承しています。リムはピアノを安定させ、響板を支えます。ボストングランドピアノぼアウターリム(外リム)はマホガニーを積層させて作られており、インナーリム(内リム)は堅木メープルを使用しています。この高品質な硬質木材は木目を水平にそろえて貼り合わされており、これによってピアノ本体の安定性を高め、パワーのある豊かな響きを引き出しています。ボストン グランドピアノ | Steinway & Sons 公式サイト - Steinway & Sons
ボストン だけが「ヨーロピアンピアノ」、他のカワイ製造は アメリカピアノ
響板面積設計
- カワイ SK → 記述無し
- カワイ GX → 記述無し
- カワイ GL → 記述無し
- ディアパソン → 記述無し
- ボストン → 革新的な「ワイドテイル」設計によって、同様の奥行を持つ他のピアノより大きな響板面積を備えています。この幅の広い構造のケースにより、奥行178cmのボストングランドピアノが、奥行188cmの他社製ピアノと同じ大きさの響板面積を持つこととなり、パワフルで豊かな音を生み出し、実際より大きなサイズのピアノを演奏しているかのような感覚を実現します。
これ、余りにも控え過ぎで、言葉不足です。
ボストン156 > カワイSK3(188cm) の音量
これまで弾いたボストン156 で最も整調整音が良かったのは、カワイ広島店。隣に置いてあった カワイSK3(183cm)よりも鳴るのだ。ヤマハC3X(188cm)よりも鳴る。
スタインウェイS(155cm,1050万円)がヤマハC3X(240万円),カワイSK3(350万円) より鳴っても驚かない人でも、ボストン156PEII(230万円) がヤマハC3X,カワイSK3 より鳴る、は驚く
ボストン156PEII=230万円、ヤマハC3X=240万円、カワイSK3=350万円、だからなあ、、、
価格一覧
- SK-EX → 2100万円(278cm)ファースト・ライン
- EL-X → 1900万円(278cm)ファースト・ライン
- SK-7 → 730万円(229cm)多分ファースト・ライン
- SK-6 → 600万円(214cm)多分ファースト・ライン
- ボストンGP-215PEii → 457万円(215cm)スタインウェイのサード・ライン
- SK-5 → 440万円(200cm)多分ファースト・ライン
- GX-7 → 365万円(229cm)
- ボストンGP-193PEii → 355万円(193cm)スタインウェイのサード・ライン
- SK-3 → 350万円(188cm)多分ファースト・ライン
- GX-6 → 315万円(214cm)
- SK-2 → 300万円(180cm)多分ファースト・ライン
- ボストンGP-178PEii → 296万円(178cm)スタインウェイのサード・ライン
- GX-5 → 275万円(200cm)
- ボストンGP-163PEii → 259万円(163cm)スタインウェイのサード・ライン
- ディアパソンDG-183 → 250万円(183cm)ファースト・ライン
- GX-3 → 240万円(188cm)
- ボストンGP-156PEii → 230万円(156cm)スタインウェイのサード・ライン
- GX-2 → 200万円(180cm)
- GL-50 → 200万円(188cm)インドネシア製造サード・ライン
- GX-1 → 185万円(166cm)
- ディアパソンDG-166 → 180万円(166cm)ファースト・ライン
- GL-30 → 150万円(166cm)インドネシア製造サード・ライン
- GL-10 → 120万円(153cm)インドネシア製造サード・ライン
- ファースト・ラインは、ディアパソンが極めて割安
- ボストン と カワイSK は短寸法では競っているが、長寸法では SKが高い
カワイはボストン出荷台数を完全把握なので、156-178 だけをターゲットにしている
SKシリーズ新発売=1999年なので、ボストン売れ筋=178 を SK2(180cm)で叩く、が目論見。音量的にはボストン156 の方が響くのだが。
「ピアノでココロ豊かな人生を」ピアノ愛好家のための 浜松ピアノ店 は、SK、ボストン、ディアパソン を取り扱い。(GXとGLは取り扱い無し)
スタインウェイ希望で予算不足の人へはボストン178&163、ヤマハC3X以上希望で予算不足の人へはディアパソン、を薦めている様子。
予算不足だが、スプルース1層響板で一定以上のアクション希望者には、最適の選択 = ボストン&ディアパソン。ボストン156=230万円、ディアパソン166=180万円、ヤマハC2X以下のピアノよりもアクション良い、と感じる。
42年以上「開発費完全ゼロ」のディアパソン、ヤマハC3X=240万円 を意識した スタインウェイ社価格設定。絶妙な価格!
カワイ製造ピアノを購入するならばコンサートチューナー=三木淳嗣さん納品整調の浜松ピアノ店。15万円追加で鍵盤鉛調整をしてくれる!
を絶対にお薦めする。カワイSKシリーズ も「中級ピアノで鍵盤鉛調整無し」だからである。私高本が2021年3月に店頭に伺った瞬間は置いて無かったように記憶しているが、「ボストン購入なら156がお薦め」。ディアパソン166 なら、鍵盤鉛調整込みで195万円!
尚、ディアパソンDG-166 180万円ファースト・ライン の金額は覚えておいて欲しい。
どの機種がお買い得か? は読者各自で考えて欲しい。