Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

新国立劇場「蝶々夫人」初日 2014.01.30 批評(No.2361)

2014-01-31 20:56:46 | 批評

National theatre(国立劇場)の水準に全く達していなかった 新国立劇場「蝶々夫人」初日


 これほどつまらない「蝶々夫人」を聴いたのは初めてである。

つまらなかった原因は、タイトルロール = 蝶々夫人 = 代役の 石上朋美 の歌唱が息が浅く、「プッチーニソプラノ」の水準に全く達していなかった、に尽きる


 終演直後と、石上カーテンコールと指揮者カーテンコールに「ブーイング」がかかっていたが、石上 や 指揮者 = リン・ウィルソン の問題ではなく、「新国立劇場スタッフ」の安易な「アンダースタディ起用」だと私高本は感じる。新国立劇場スタッフには猛省を促したい。


 「日本の国立歌劇場で蝶々夫人」と言えば、(演出がスカだとしても)主役3名は「安心して聴ける」と思うのが当たり前。これまでの「新国立劇場:蝶々夫人」は(演出はともかくとして)この期待は裏切らないで来た。だがこの日は

終演直後に「ブーイング」が飛ぶ出来><


だった。この根本的原因 = 新国立劇場スタッフ の「甘いアンダースタディ起用」である。二期会や藤原歌劇団が何度も何度も上演を重ねている プッチーニ「蝶々夫人」で、石上朋美 しか起用できないのか???

第1幕フィナーレ2重唱で高いEsを張り上げる前に1小節程度(突然、かつ前代未聞!)カット & 「ある晴れた日に」の最後のロングトーンを途中で息継ぎ


という前代未聞の公演であった。これがS券 = \23,100 かよ><


 「当日券派」の読者の皆様へ。新国立劇場「蝶々夫人」は止めときなはれ。石上朋美 は「歌唱」の未熟さだけでなく、演技もヘタだから。次回公演は必ずあるので、その時の方が良い。


 これほどヒドい「蝶々夫人」が新国立劇場で上演される、とは思ってもいなかった。しかも、尾高忠明芸術監督で><
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「完成した、と思っているピアニストの演奏」 > 「未完成、と思っているピアニストの演奏(No.2360)

2014-01-30 23:54:46 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

「完成した、と思っているピアニストの演奏」 > 「未完成、と思っているピアニストの演奏


 2月4日 の演奏会の準備の為に「手持ちのシューベルトピアノCD」を全て聴き直した。漠然と聴いていた時は、

ケンプ & クリーン の演奏が良い、と思い込んでいたが、改めて聞き直したら、バトゥラ=スコダ & ティリモ の方が、「ヘンレ版第3巻」に収録されている曲では『楽章単位』ではっきり上だった


 つまり、「全楽章は完成していない」と思って録音したピアニストよりも、「全楽章が実質完成している」と思って録音したピアニストの方が上だった!

 今回、佐伯周子が演奏する曲で言えば、D279/1, D279/2, D459/1, D459/2 である。「ピアノ技巧」的には、(年老いていたとは言え)ケンプ や (まだ年も若かった)クリーン の方が勝っているような気がしていたが、私高本 = 猫頭ヒョーロンカ の妄想だった。

『完成している!』と言う確信が、名演を引き出す原動力!


と感じた次第である。「補筆完成版」については、バドゥラ=スコダ & ティリモ とは全く見解が異なるのだが(爆
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未完成では無い初期ソナタたち 第1回(No.2359)

2014-01-29 23:12:22 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

未完成では無い初期ソナタたち 第1回



 今回から集中して「従来、未完成とされて来たが、シューベルトの脳内では完成されていたシューベルティアーデのためのピアノソナタ」を披露する。D157,D279,D459,D557,D566,D459A/3,D571 と7曲もあり、楽章組み合わせと再現部欠落の問題を抱えている。初回の今回は、堂々と「ソナタI」と初めて明記された1815年作曲のハ長調ソナタD279 と 翌年作曲のホ長調ソナタD459 である。
 これらのソナタは、「シューベルティアーデの仲間」にシューベルト自身が弾いて聴かせる為に作曲された。共演者不要なので呈示部の楽譜さえあれば、シューベルトは転調して再現部を弾くことは容易であったので、記譜されないことが多かった。
 ソナタ ハ長調D279 は、新シューベルト全集を読むと、2つのメヌエットと2つのフィナーレを持つ。第2稿(=決定稿)はD277AとD346。今回は決定稿で弾く。第4楽章終結部は新たな補筆完成版にて弾く。
 ソナタ ホ長調D459 は、両端楽章の自筆譜が残されている。序曲D470の草稿の裏に作曲された イ長調D604 が中間楽章。舞踏楽章は見当たらない。
 「高雅なワルツ」は「気の利いたワルツ集」3部作の最後の作品。多くの作曲家を魅了し続けたが、中でも「高雅で感傷的なワルツ」を作曲したラヴェルはシューベルト信奉者。「高雅で感傷的なワルツ」をさらに空想を拡げ、バレエ曲「ラ・ヴァルス」を産んだ。「ピアノ2台版」「オーケストラ版」「ピアノソロ版」の順に3版が作曲され、全て出版された。「気の利いたワルツ集」と並べてラヴェル「ラ・ヴァルス」もお聴き頂きたい。
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シューベルトピアノソナタの「楽章組合せ」問題(No.2358)

2014-01-28 22:47:30 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

ベーレンライター新シューベルト全集「記載通り」の組合せで演奏する 佐伯周子


 これまで出版された「シューベルトピアノソナタ全集」で信頼に足るものは以下の通り。(新しい順)

  1. ベーレンライター新シューベルト全集(1996-2003)


  2. ウィーン原典版(1997-1999)


  3. ロンドン王立音楽院版(1979-1980)


  4. ヘンレ版( -1976)


  5. ウニヴェルザール版(1953)


  6. ペータース版


  7. ブライトコプフ旧シューベルト全集(1888-1897)



 上記7つの全集中、「最後まで作曲されていない楽章」を掲載したのは、「ベーレンライター新シューベルト全集」「ウィーン原典版」「ロンドン王立音楽院版」「ヘンレ版(第3巻)」「ブライトコプフ旧シューベルト全集」。「ウニヴェルザール版」はD840 と D625のみ収録、ペータース版は一切収録していない。

収録楽章組合せに関しては、ヘンレ版 = ロンドン王立音楽院版 = ウィーン原典版


 つまり、ヘンレ版第3巻編集者 = バドゥラ=スコダ の判断をそのまま受け継いだだけなのである。果たして、『1976年にバドゥラ=スコダが下した判断』は現在でも正しいのか?


 2月4日に 佐伯周子 が弾く曲を「ベーレンライター新シューベルト全集」の序文を読んで見よう。

ピアノソナタ ハ長調D279 のベーレンライター新シューベルト全集の序文


 メヌエット イ短調D277A は、初期ヴァージョン(断定している)。1815.10.16 の日付を持つ6小節だけの D309A、D346 の2つの異なったフィナーレが残された。

ピアノソナタ ホ長調D459 のベーレンライター新シューベルト全集の序文


 2つ目の楽章は第142小節で途中で作曲が中断されている。(展開部の終わり)
 無関係な D459A の3つの曲(= 楽章)と組み合わされて出版された。

メヌエット イ短調D277A のベーレンライター新シューベルト全集の序文


 メヌエット イ短調D277A は、初期ヴァージョン(断定している)。

ロンド ハ長調D346 のベーレンライター新シューベルト全集の序文


 シューベルトは、2つの異なった「メヌエットトリオ」 と 「終楽章ロンド」 を残したソナタを遺した。

ピアノ小品 イ長調D604 のベーレンライター新シューベルト全集の序文



  1. 1816年9月作曲の 序曲変ロ長調D470 の「弦楽四重奏曲用スケッチ(日付無し)」の余白に記載されている。


  2. ピアノソナタ 嬰ハ短調D571+D570 の中間楽章と唱える輩がいる


  3. 用紙は 1815-1816 のみに用いられた紙。



 以上である。

新シューベルト全集 は、ヘンレ版第3巻 の組合せを D459 に関しては完全に否定している!


 ちなみに、1816年作曲のピアノソナタは ホ長調D459 だけである!!!


メヌエット イ短調 D279/3 と D277A 主部の比較、どちらが「初期稿」か???



  1. バドゥラ=スコダ(ヘンレ版第3巻校訂)


  2. ファーガスン(ロンドン王立音楽院版校訂)


  3. ティリモ(ウィーン原典版校訂)


  4. ゴルトベルガー(ベーレンライター新シューベルト全集校訂)



の誰もが書き残していない「メヌエット主部」徹底比較を実行した。

D277A の方が D279/3 よりも、2小節長く、デュナーミク指示も細やか、「繋ぎ目」もしなやか


  
 疑問を感じられた方は、「ヘンレ版第3巻」または「ウィーン原典版」を購入してご自分で弾いて確認して頂きたい。尚、ロンドン王立音楽院版 は、「D277A メヌエット主部」を掲載していないので、購入しても無駄である(泣
 (ベーレンライター新シューベルト全集は、確認するだけにはあまりにも高い>< ) 2小節長さが違うのだが、ロンドン王立音楽院版は、何で掲載しなかったの(爆涙


 普通に考えて、「D277A の方が決定稿」だと私高本は感じる。特に「繋ぎ目」ははっきり上。尚、この曲(=D279)は、第1楽章と第2楽章には「別稿」が無い。すると、第3楽章と第4楽章は「別用紙に書かれた方が最終稿」になる、が論理的。いかがでしょうか?
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「魔王」D328直前直後のピアノソナタ(No.2357)

2014-01-27 22:53:28 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 シューベルトが「ピアノソナタ」に着手したのは、1815年2月で18才。その時既に 交響曲2曲 + ミサ曲2曲 + 弦楽四重奏曲9曲を作曲していた。このような自体は、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンには見受けられない。モーツァルトのピアノソナタが18才の作品が最初! と思った方もいらっしゃるだろうが、K6の「ヴァイオリンソナタ = ヴァイオリン伴奏付きピアノソナタ」と明記しており、ヴァイオリンパート無しでも音楽として成立する曲である。シューベルト以降の作曲家を見渡しても、ドヴォルザーク や ショスタコーヴィチ のように「ピアノソナタを作曲しなかった作曲家」はいるが、「21曲ものピアノソナタ」を作曲した作曲家でこれほど「ピアノソナタは後出し」作曲家はシューベルト以外には皆無!


シューベルトのピアノソナタは全楽章が作曲された 21曲 中、13曲が「シューベルティアーデだけ」のために作曲された


 公開演奏会で披露のための曲は皆無、出版目的で作曲されたのは D784 以降の8曲のみ。生前に D537 だけは出版を試みた痕跡があるのだが、初期リート や 初期ミサ曲 も出版に漕ぎ着けた実績があるシューベルトがなぜか、ピアノソナタだけは消極的であった。

 ・・・と言うよりも、「シューベルティアーデ」が無かったら、「シューベルトのピアノソナタ」は1曲も生まれなかった可能性が極めて高いのだ!

「シューベルトのピアノソナタ」は「交響曲を2曲作曲したのに全く演奏見込みが立たなかった代替」として作曲開始された


 「シューベルティアーデ」で、リート(歌曲)と舞曲が演奏されたことは情況証拠から明らかであるが、ピアノソナタについては何1つ記述が残っていない。だが、ピアノソナタ(とヴァイオリンソナタ)は、「シューベルティアーデのため」に作曲され、演奏されたことが明らかである。ピアノソナタは「シューベルト自身が演奏できる範囲で記譜」されていれば充分だたから、ヴァイオリンソナタが全部記譜されているのに比べて「再現部省略」が甚だしい。これは、『シューベルト自身のみが演奏する』が原因。リートもヴァイオリンソナタも共演者がいるので、最後まで書き上げたが、ピアノソナタ は「再現部」省略してもシューベルト自身は演奏に困らなかった。


 「魔王」作品1 D328 の直前に書かれたソナタが D279、直後に書かれたのが D459。「魔王」と言うシューベルト単独歌曲の頂点に立つ作品の直前直後に作曲され、2曲ともに高い意欲に満ちあふれている。

  1. D279 は、「時間的規模」を「ベートーヴェン交響曲」並みにしたい!


  2. D459 は、「デュナーミク巾」を「魔王」初稿&2稿以上にした!



 対照的な2曲の魅力は是非、佐伯周子 の演奏でお確かめ頂ければ、ご理解頂けることと思います。
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「高雅なワルツ」とラヴェル「ラ・ヴァルス」(No.2356)

2014-01-26 21:30:52 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

「高雅なワルツ」、リスト「ウィーンの夜会」第6番、ラヴェル「高雅で感傷的なワルツ」「ラ・ヴァルス」


 1827年1月22日、シューベルトにとって『生涯で最も音楽的に信頼を置いた出版社 = トビアス・ハスリンガー社』から初めて出版された曲が「高雅なワルツ」作品77 である。この曲を皮切りに、ハスリンガー社は、「幻想ソナタ」作品78、「冬の旅」作品89、即興曲集作品90、「白鳥の歌」を出版する。
 「高雅なワルツ」には自筆楽譜は全く遺されていない上、筆写楽譜も皆無。同じ1827年2月12日にディアベリ社から出版された 「感傷的なワルツ」作品67 が旧作品を繋ぎ合わせたのと極めて対照的!
 「ドイチュ番号」にてシューベルト全作品を番号付けした オットー・ドイチュ は1951年「シューベルト作品主題カタログ」を出版した時に

「高雅なワルツ」作品77 は1951年現在では自筆楽譜筆写楽譜共に見つかっていないが近年中に発見されるだろう、と考えて「作曲年不明」のD966以降の D969 を与えた


 だが、2014年に至るまで見つかっていない。シューベルト が生前 ハスリンガー社 から出版した作品は全て「重要作品」であることは、上記作品リストからお判り頂けるだろう。

 シューベルトの生前出版した全ての「ワルツ集」作品9、作品18、作品33、作品50、作品67、作品77、作品91 の7作品集中、「フォルティシモで始まりフォルティシモで終わる」堂々とした曲集 は、作品33 と 作品77 だけである。作品33 は、『ザウアー&ライデスドルフ社専属契約解消』の第1作であり、カッピ社 から出版されていた。作品77 は『ハスリンガー社契約開始』第1作。全7集の中でも、最も強く深い印象が残り、シューベルト死後最も愛された舞曲集となった。


 フランツ・リスト(1811 - 1886)は、シューベルトの歌曲トランスクリプション、「さすらい人幻想曲」協奏曲版、舞曲トランスクリプション などで、シューベルト死後に作品を世に広めた。
 この内、舞曲トランスクリプション は「1849年ピアニスト引退」後の1852年に9集が作曲され『ウィーンの夜会』の名前で出版された。歌曲トランスクリプションのように過度に派手なカデンツァは一切無い為、リスト作品中、非常に多くのピアニストがレパートリーとした。現在まで「第6番」は特に人気が高く、CD録音も多い。この第6番は、「高雅なワルツ」の第9番&第10番、「感傷的なワルツ」第13番 の3曲が原曲。リスト生前の1879年に第2版が出版されたが、ラヴェルは既に4才になっていた。


 モーリス・ラヴェル(1875 - 1937)は、1911年に「高雅で感傷的なワルツ」を出版する。シューベルト「高雅なワルツ」「感傷的なワルツ」と同じように8曲のワルツが連続して演奏される形式を踏襲した。初めにピアノソロ版、続いてオーケストラ版が作曲された。
 1919 - 1920年、「高雅で感傷的なワルツ」を引用したバレエ曲「ラ・ヴァルス」が作曲された。「ラ・ヴァルス」には ラヴェル自身の解説が楽譜冒頭に掲載されている。

ラヴェル「ラ・ヴァルス」



  1. 渦巻く雲の切れ目からワルツを踊る人々が見える。<冒頭>


  2. 雲は次第に晴れ、やがて豪華な広間で踊る人々の姿が見える<A>


  3. シャンデリアの光が輝く<B>1855年頃のウィーン宮廷



 2台ピアノ版、オーケストラ版、ピアノソロ版 の順に作曲され、ピアノソロ版にはご丁寧にオーケストラで割り当てた楽器まで書き込まれ、あちらこちらで「3段楽譜」になっており、「2本の手、10本の指」で弾くのは無理><

 昔から多くのピアニストが弾いて来たが、ピアニスト毎に違う音を弾いているのは、ラヴェルのオリジナル楽譜が原因。さて、佐伯周子 はどの音を選んで弾くのだろうか?
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新国立劇場「カルメン」2014.01.19批評」(No.2355)

2014-01-19 23:27:49 | 批評

圧倒的に素晴らしかった ケテワン・クモクリーゼ のカルメン!

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大型知性派ピアニスト 堂々 東京へ登場 法貴彩子(No.2354)

2014-01-18 19:12:40 | 批評
 アンコール曲以外は、私高本は全て初めて耳にする曲ばかりで構成されたプログラムビルディングで本格的ソロ東京デビュー を飾った 法貴彩子(ほうきさやこ) だったが、全ての曲が「手の内」に入っており、表現巾が デュナーミク も テンポ も極めて大きく、作曲家の意図を再現したように聴こえた。

大型知性派ピアニスト 堂々 東京へ登場 法貴彩子


 2ヶ月前に 兵庫県立芸術文化センター にて同一公演を開いており、各曲も また プログラム全体も掌握し切ったように感じた。
 法貴彩子 の優れたポイントは

  1. 全曲の構造をはっきり把握しており、「音楽の流れ」「声部制御」が高く維持されている


  2. リズム感が徹頭徹尾躍動している


      遅い箇所でも、ピアニッシモの箇所でも、どこを切っても躍動!
  3. ペダリングが絶妙。特に ノンペダル と 長い長い踏み変え無し は圧巻!


      現代作品に頻出する 特殊ペダリング も勿論何の苦もなく聴かせてくれました。
  4. 『音』自体の美しさ。明るく細身の通る音色!



 私高本はあまり現代作品を聴く方ではないが、レパートリー の傾向は違うが6日前に同じトッパンホールで聴いた ムラロ の メシアン を想起するほどのレヴェルの高さである。


 法貴彩子 は2012年に集中して聴いたピアニスト。4回聴いて、1回が日本ドイツリート協会でシューマン歌曲の伴奏、1回がラヴェル両手協奏曲、2回が「ラヴェル+現代作品」だった。当時は「現代作品はラヴェルほどは説得力が無い。だがおそらく私高本の理解力不足だろう。」と思っていた。
 今日の演奏を聴いてはっきり認識した。

聴いたことの無い初聴の曲であっても(しかも現代作品であっても)演奏が素晴しければ私高本も大いに感動する!


 このことを教えて頂いた 法貴彩子 に深く感謝する次第である。


 今後は、「関西エリア」で『マーラー交響曲第4番 & 第6番 の(他人の手に拠る)編曲版』などが予定されている。
 これほど「現代作品」を説得力ある演奏できるピアニストを私高本は、ムラロ しか知らない。(ついつい、メシアン ピアノソロ全集購入してしまった、、、)

 この「大型ピアニスト」の今後は目が離せないが「ソロ」はどの方向に舵を切るのだろうか?
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「D459A」の3楽章とは別の曲の「D459」(No.2353)

2014-01-17 21:52:23 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

ベーレンライター新シューベルト全集には「D459」はソナタ、「D459A」は構成がはっきりしない3つの楽章、と明記され、別の巻に収められている


 この事実を これまでレコーディングして来た全てのピアニストは無視して来た。

D459A を含む BA5525 が1988年発行、D459 を含む BA5553 が2000年発行


なので、ケンプ と クリーン を除くピアニストは全員が目にすることができたことになる。

なぜ D459 2楽章は「D459A」と抱合せで弾かれるのか? → 「2楽章ソナタ」楽曲をシューベルトは作曲しなかったから!


 ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン には、それぞれ「2楽章ソナタ」が存在する。ベートーヴェンピアノソナタ第32番 のような大傑作もある。
 だが、弦楽四重奏曲第6番変ロ長調 は2楽章が残されているのだが、2楽章で演奏するための曲か? 中間楽章が紛失したのか? 中間楽章を作曲するのを止めたのか? 同じ調性の 第4番の両端楽章の差替楽章なのか? ははっきりしない。

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10月24日はご来場ありがとうございました。2月4日東京文化会館ソロ公演は予定通り開催します(No.2352)

2014-01-16 23:45:01 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

10月24日はご来場ありがとうございました。2月4日東京文化会館ソロ公演は予定通り開催します


 10月24日公演のあまりの名演に(佐伯周子でなく)私高本が「燃え尽き」てしまいました。2004年8月に開始した当シリーズが15年掛けて到達しようと思っていた高み以上の到達点に(6年も早く)達してしまい、今後の目標が全くわからなく呆然自失の状態でした。

 ちなみに当日アンコールは、小森谷巧 のトークの通り「Litanei D343」でした。


 今後の「柱」を決めることが出来ました。

シューベルト作品の大系 & 詳論


です。2月4日公演以降、順次掲載します。内容は、

  1. シューベルト作品を「大系」立てた上に


  2. できる限り多くの作品を「大系」中のどの位置に位置するかを明確にして


  3. 焦点となる作品については「詳論」を記載する



です。
 ピアノ曲が中心になるのではなく、リートも室内楽も管弦楽曲も合唱曲もオペラも同等の比重で書きます。2014年現在、『シューベルト論』を統括的に書けるのは、私高本以外にいないような気がします。これは、

  1. 佐伯周子


  2. 岡原慎也



の2人のおかげさまです!!!

  1. 世間で『シューベルト未完成ピアノソナタ』と言われる作品をブレンデル曰くの「全集」以上の水準で演奏する 佐伯周子


  2. 日本初(もしかすると世界初?)で『シューベルト歌曲全曲』をナマ演奏した 岡原慎也



 この2人のおかげさまで、「シューベルトの全体像」が理解できました。例えば「シューベルティアーデ」は通説の1821年開始よりも少なくとも6年は早い 1815年には開始されていた! などなど。

 「糸を紡ぐグレートヒェン D118」「魔王 D328」「ますピアノ5重奏曲 D667」「未完成交響曲 D759」「さすらい人幻想曲 D760」「弦楽四重奏曲第14番 死と乙女 D810」「交響曲グレート D944」などの有名曲は全て詳論致します。「3大歌曲集」は詳論しますが、これまでに圧倒的多数の著作物が出回っていますので、掘り下げ方は「あっさり系」に見えるかと思います(爆
 「魔王 D328」「ますピアノ5重奏曲 D667」は、どこよりも『深い』ぞ!!!


『佐伯周子シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会』は前々回から、演奏の質がはっきり向上して来ており、初期の「未完成とされるソナタ(=ヘンレ版第3巻収録)」で爆発する!!!




 佐伯周子10月24日公演批評などについては後日掲載します。

 2月4日公演にお越し下さいませ。



 余談 : 離婚を突き付けられた「前妻」から連絡があり、「生きてるか?」と尋ねられた。「生きてるよ」と答えたら、「それなら良かった」と言われて切れた。おそらく

  1. 死んでる


  2. or 寝たきり



推測だった様子。う~ん、そんなもんか?そんなもんだろな(爆
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