Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

東京オペラプロデュース「プロコフィエフ:修道院の結婚」2012.01.14初日批評(No.1975)

2012-01-14 22:23:28 | 批評

サービス精神満点の「舞台音楽作曲家 = プロコフィエフ」の最高傑作オペラ「修道院の結婚」が十全な形で日本初演された > 東京オペラプロデュース の手に依り


 一昨日の「直前に吠える」で書いたように 「大作曲家の代表オペラ」でも「日本初演」されてない曲は結構ある。プロコフィエフ については私高本の感覚では 1912「ピアノソナタ第2番」 ~ 1944「シンデレラ」の間の作品が全盛期であり、前半が「ピアノ協奏曲」中心、後半は「ロメオとジュリエット」と「シンデレラ」&「戦争と平和」(作曲順がよくわからん!)の間で「舞台作品の全盛期」に感じる。(猫頭なので、異論があってもコメントには書かないで下さい><)


 プロコフィエフオペラ中、どの作品が最高傑作なのかはわからない。ゲルギエフ指揮「プロコフィエフ6オペラ全曲盤」を聴いた限りだと、最も長い作品 = 「戦争と平和」で、次が「修道院の結婚」だった。折角の機会だったので全部聴いて見たが

私高本の感性に最も合致したプロコフィエフオペラ = 「修道院の結婚」


だった。なぜか?

「修道院の結婚」は、バレエ「ロメオとジュリエット」「シンデレラ」と並ぶ「観客を楽しませよう!」の意気込みが最も高いオペラ!


に感じたからだ。

『登場人物が異常に多い』が「プロコフィエフ オペラ」の最大の特徴の1つ!


で、「戦争と平和」はゲルギエフ指揮盤では6頁あった。「修道院の結婚」は3頁。ヴェルディやプッチーニやワーグナーではこんなに登場人物は多く無い。モーツァルトもロッシーニもだ! キャスティングが相当に難しいオペラだろうことは、容易に想像できた。東京オペラプロデュースでは、1人2役 を演じる役柄を6名配置(12役)した。だが、「役相当」なのか? などは、全くわからない。CD聴いても、スコア読んで無いから「誰が歌っているのか?」さえわからんところだらけだったし(爆
 CD解説では「あらすじ」さえ、「東京オペラプロデュースチラシ」よりも粗かった > 4000円以下のCDの「粗筋」だからしゃーないか(泣


 オケは「臨時編成オケ」。一昨年にも同じ名称を用いているので、「必要に応じて集まる集団」のようだ。演奏が開始される。変形8型だが、第1ヴァイオリンの「音程の巾広さ」はせめて「ヴィブラートの範囲内」に収めてほしい。 1番トランペットは音色は極めて美しいのだが、結構裏返る(爆
 N響首席の関山よりも「裏返る瞬間が解るので息を抜く技巧」を有していた。メンバー表で確認したら アレクセイ・トカレフ。演奏家の名誉のために先に書いておくが

「勝負所の第3幕の長い長いトランペット・ソロ」は完璧だった!!


 明日の2日目公演は冒頭から気合い込めて吹いて下さい。聴きに伺うのでお願い申し上げます ><


 ソリスト陣の歌。

メンドーザ役 = 佐藤泰弘 と ルイーザ役 = 大隅智佳子 の圧倒的な「声の饗宴」!


 「ロシア物の声楽作品」だと、大切なことがある。勿論、ソプラノも大事なのだが

主役バスの低音が轟くことが必須!


 「ボルガの舟歌」や「ショスタコーヴィチ:森の歌」で検証してちょ。これが轟かないと「ロシア風」には決して聞こえない > 例え、どれほどソプラノが良くても > 全く記憶して無かったじゃん > 猫頭の私高本


 印象深かったソリストを記す。(ほぼ)登場順で

  1. 佐藤泰弘


  2. 西塚巧


  3. 大隅智佳子


  4. 田辺いづみ


  5. 羽山晃生


  6. 羽山弘子


  7. 岸本力



「マスク1~3」については、もしかしたら聴き誤っている可能性大。その時はご指摘下さい。スコア読んでいないので、誰が瞬間トップ歌っているのか全く不明です、しかも.「仮面」付けてるし><
 終演後の聴衆の反応は、大隅智佳子、佐藤泰弘、羽山晃生 には盛大なブラヴォーが掛けられたが、田辺いづみ と 羽山弘子 には無かった。

大隅智佳子 の圧倒的に歌唱に「聴衆は圧倒された」から


だろう。(こうなると、Aキャストで出演した方が良いのか、も選択の余地があれば考えどころになる。)田辺 と 羽山 は聴衆に愚痴こぼさないで下さい。素晴らしい歌唱でした! ><


 過去に「プロコフィエフ : オペラ」を「日本の聴衆」に教えてくれたのは、他ならぬゲルギエフであった > 「戦争と平和」だった

 素晴らしい公演だった、との評価であり、誰もが異論を唱えていない。

 ・・・で、「オペラ・ブッファ」の「修道院の結婚」である。『悲劇よりも喜劇が上演は難しい』は演劇でさえ常識。まして「オペラ」の世界では、さらに難しい(泣


八木清市演出は極めて「作曲家」方向。飯坂純指揮は(スコア見たこと無いが)おそらく「プロコフィエフ方向」


と確信する。この2人、ちょっとヤバいくらい条件キツいんだよね(爆
 まず、演出。壮大なプロコフィエフの構想で場面転換が多い。

4幕9場もある! 八木清市 は、2つの大道具の裏表 を自由自在に組み合わせることで「スムース」と「場面設定」双方を解決!


 「喜劇」ならではの「明るい大道具」は是非是非ご自分の目で見て欲しい。衣裳も「役柄」をはっきりと打ち出しながら、「綺麗な方向」でデザインされている。  

 そろそろ寝ないと明日公演に行けない可能性あり > 老体高本(爆


 明日は、今日よりさらに素晴らしい公演になると信じている > 特に 1番トランペット と 第1ヴァイオリン
コメント
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