Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

私高本の猫頭「スクリャービン批評」(No.2035)

2012-04-12 20:48:04 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 これから書くことは、「酔っぱらいの戯言」の可能性大。焼酎呑んでいるし(爆

 また「元々の頭の容量が小さ過ぎた」可能性も否定できない。何せ「猫頭」だからなあ > 私高本

 しかも、きっかけが「佐伯周子 の リスト」を聴いて書く、ってのは「バカそのもの」としか客観的には書けない。だが書く。やっぱ、私高本 は バカ だわw


スクリャービン中期 = 作品30~57 は本当か?


 よくわからん。「佐伯周子の同日」には、誰も聞かなかったし(爆

 何で「佐伯周子のリスト」聴いて「スクリャービン」を想起したのかさえ全くワカラン。猫頭だと「前にもらったエサしか覚えていない」との動物学者発言もあるが、猫ならばもう少しは前のことまで覚えているような気がする(爆


 「私高本 = 猫頭」である。本人も認めているし、佐伯周子も認めている。猫よりは「1歩だけ前を歩んでいる」と信じたいが、実態は「猫と同じ土俵でシコを踏む」状況。やっぱ、「猫頭」である(泣


スクリャービン = 世界クラスの大作曲家


は「正しい認識」である。それが個々人の「好み」に「合う」「合わない」を別にして。だが、スクリャービン は「先細りの作曲家」であった。初期は人気あった。中期も人気を保っていた。後期は人気が消え失せていた > 実態


 音楽だけ「猫頭」が批評する。

「作品29 交響曲第2番ハ短調」を挟んだ「作品28 幻想曲ロ短調」と「作品30 ピアノソナタ第4番嬰ヘ長調」で様相が異なっているが、「作品29」がどちら側に付くか全く判らない


である。土曜日に「東京交響楽団川崎定期演奏会」にて聴くが、「交響曲の位置付」もよく判らない作曲家である。交響曲第4番「法悦の詩 作品54」だけは演奏頻度が非常に高い名作扱いなのだが。



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作曲家論 : スクリャービン第10回 (No.1369)

2006-09-13 21:49:36 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 楽譜についてトラックバック頂いた、と言うことは、楽譜掲載号は有益だ! と思われる。そこで、本日は楽譜号の続き。
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スクリャービン 推薦楽譜紹介 その3


 本日は「ソナタ秘曲中の秘曲 = 変ホ短調ソナタ」の推薦楽譜を紹介するぞ。

Sonate es-moll (1889)  Wollenweber版



3,800円(税込)



  • 推薦度  :☆☆☆☆☆
  • 正確さ  :☆☆☆☆☆
  • 資料価値:☆☆☆☆☆
  • 校訂報告:☆☆☆☆☆
  • 補筆出来:☆☆☆☆☆


 1986年出版。

Richard METZLER & Roberto SZIDON 校訂&補筆


 この曲全曲の「唯一の出版」である。
  • 第1楽章 → 後でスクリャービン自身が改訂して「Allegro op.4」に出版(Dover版に収録されている)「ソナタ楽章」とは随分違っているが。
  • 第3楽章 → 「Presto」として数回出版されている。
  • 未完成部分が残る第2楽章 → これが唯一の出版

となる。 解説は 独語だけでなく、英語も併記。(← 安心してね)
 校訂者の1人 = シドン は、「世界初のスクリャービンソナタ完全全曲録音」の栄誉を担ったピアニスト。 「推薦CD」の回に紹介してあるので、気になる人は参考にしてほしい。
 補筆も「スクリャービンらしく余計なモノの無い」素晴らしい補筆である!
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作曲家論 : スクリャービン第9回 (No.1360)

2006-09-04 21:38:53 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 本日は予定を少し変更して「スクリャービン:CD批評」にする。きっと皆様のお役に立つと思うのだが。 「スクリャービン楽譜」号は少なくとも後2回は近日中に掲載する。楽譜に関しては「ポンティ盤」みたいな「スカ」を取り上げることは無いので安心してほしい。
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『正確に弾いてもスクリャービンにならない実例 = グールド』演奏を掘り下げる



 スクリャービンは「楽譜の通り」に弾いても、「スクリャービンらしく」聴こえない。 これは断言する。 「断言できるのか?」と問い糺されればはっきり返答できる。「断言できる」 グールド が身を張って実証してくれたからだ!

グールド スクリャービン(SONY SM2K52622 )





2,008円(税込)



  • 演奏   :☆☆☆
  • 資料価値:☆☆☆☆
  • 音質   :☆☆☆


(スクリャービンソナタ)1968,1970年録音。
 う~ん、グールドは大好きなピアニストであり、紹介したいのだが、この2枚組CDは「メインはショパン」なんだよね(泣

  1. バッハ
  2. モーツァルト
  3. ベートーヴェン

の3名の作曲家は(もちろん大反論があることはわかっているが)、私高本は高く評価するピアニストである。
 ・・・で、何が原因かは全くわからないのだが、グールドは「スクリャービンが好き」だったことは間違いない。 有名な「バッハ :ゴルトベルク変奏曲 新録音」の後には「スクリャービン ピアノソナタ全集」が企画されていたことがほぼ断定されているのである!!!

 ・・・で、その演奏だが、「これがスクリャービン???」と疑問符を誰もが付ける演奏。 ソナタ5番は、「グールド自身が楽曲解説」しているほどの入れ込みようだが、演奏は「変」である。何故か?


  1. 細かく正確に弾くために「テンポが遅過ぎ」
  2. ペダリングは薄過ぎ & 足りな過ぎ
  3. 解釈が「形式に頼り過ぎ」
  4. 結果として、乾き過ぎた「音質」になっている

である。

 グールドは 素晴らしいピアニスト である。 代表作「バッハ : ゴルトベルク変奏曲」であれば、4回の録音全てが素晴らしい!
  • 第2回 : 1955年盤 → CBSデビュー盤
  • 第3回 : 1959年版 → ザルツブルク音楽祭ライブ盤
  • 第4回 : 1981年版 → CBS再録音盤

の3種類は、どれもが根強いファンがいるほど、全てが「史上の名演」盤である。
 う~ん、そんなグールドが遺したスクリャービン演奏は、「スクリャービンらしさ」が全く存在しないのである。

グールドは「形式尊重の作曲家で最高の演奏をする」ピアニスト


である。信じられない人は、これを聴いてほしい。

グールド「ゴルトベルク変奏曲」第4回録音(最終録音)DVD (SONY 9048424)





3,100円(税込)



  • 演奏   :☆☆☆☆☆
  • 資料価値:☆☆☆☆☆
  • 音質   :☆☆☆☆


1981年録音。
 これを聴いて何も感じない(反撥を感じても違うぞ!)人は「バッハピアノ演奏」を避けた方が無難である。 「聴いてははっきりしない」人には、このDVDをお薦め。これが「グールドの目指していた世界の最後」と思われる。 バッハ:平均律全曲の画像は残っていないようだ。「グールドのバッハ」の画像の最終回がこれだ!
 バッハ でうまく効果を発揮している手法が、スクリャービン では全く「裏目」に出ていることがはっきりと感じ取れることだろう。
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作曲家論 : スクリャービン第8回 (No.1359)

2006-09-03 22:01:28 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 「推薦楽譜」号が「推薦CD」号に比べて、スカだった箇所判明。単純に「基準」が示されていないこと! わかったからもう大丈夫だ。 一昨日号も訂正しておいた。
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スクリャービン 推薦楽譜紹介 その2


 本日は「スクリャービン 推薦楽譜」輸入版を書く。

Dover版 スクリャービン全集 3分冊



前奏曲&練習曲全集 1,660円,マズルカ&詩曲&即興曲&その他の作品集 2,076円,ソナタ全集 1,764円(税込)



  • 推薦度  :☆☆☆☆☆
  • 正確さ  :☆☆☆☆(← 後期ソナタに若干の問題あり)
  • 資料価値:☆☆☆☆☆
  • 校訂報告:☆☆


1973-1991年出版。
 「作品番号が付いたスクリャービンの全ピアノソロ曲」を網羅した画期的な大全集である。安価に購入できる上、内容が充実しているので、全世界で用いられている。
  • 前奏曲&練習曲全集(原版 1966-1967)
  • ソナタ全集(原版 1964)

は全て「ソ連国立音楽出版所」版であり、ソ連が国家威信を賭けて編纂した楽譜のリプリント版。
  • マズルカ&詩曲&即興曲&その他の作品集(原版 1893-1972)

は、「作品9」のみ「ソ連国立音楽出版所」版で、他は「初版」出版社の「初版」または「同じ出版社から発行された1930年までの訂正版(← スクリャービン死後でも「出版社担当者」が生きていると推定される期間)のリプリント!

 「スクリャービン弾き」としては「作品番号の付いた全レパートリーを網羅する楽譜」であり、価値は極めて高い。
 たった1つだけ、欠点を申し上げると、ソ連を代表するピアニスト = オボーリン が校訂した「ソナタ第5番~第10番」に於いて、僅かながら「校訂漏れ」が残ってしまったことだ! オボーリン自身は「スクリャービン弾き」としては特に有名でなかったので、見落としてしまったのかも知れない。 私高本は、全部に目を通したワケではないが
  • 第6番作品62 P118 1段目2番目の小節 左手の16分休符は 「小節頭」が正しい位置(← 拍数が合わない!)
  • 第6番作品62 P122 3段目初めの小節 右手2拍目の2分音符 が 「C音 でなく 2度低いA音」

などは明らかな校訂漏れ。だが、校訂報告が無いので、自筆楽譜 or 初版楽譜 の問題をそのまま引き継いだのか、単なる誤植なのか、はわからない。
 練習曲&前奏曲全集 は、おそらく「問題皆無」だと思うが、私高本が見落としている箇所があるかも知れない。

 総じて言えば「作品番号付き作品」を全て弾きたいならば、Dover版がお薦め、である。 Peters版 などに比べても優位性が高いと思う。
 明日号も「スクリャービン楽譜」号の予定。
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作曲家論 : スクリャービン第7回 (No.1358)

2006-09-02 23:11:39 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 昨日号は、何か物足りない。単純に比較して「CD批評号」に比べて「スカ」。私高本のセーシン状況が悪いのかも。
 明日号にて、昨日「スクリャービン」掲載号を訂正した上、「向上した明日号」を掲載する見込み。どうぞご期待下さい。(う~ん、予定のスクリャービンが書けない・・・)
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作曲家論 : スクリャービン第6回 (No.1357)

2006-09-01 22:38:51 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 昨日号を書いて、1晩寝てから、もう1回「ポンティ盤」を聴いて見た。「書き過ぎ」は全く無い。 控え目な書き方だったことを、深く反省。 若き日の嬰ト短調ソナタ(1886)さえ、満足に指が通っていない! 変ホ短調ソナタ(1889)辺りになると、「音飛ばし」全開かよ!! ピアノソナタ第1番作品6 もムゴい!!! こんなバカに全曲録音させた Vox社メンデルスゾーン社長(← 有名なメンデルスゾーン家の一族です、ハイ)の神経を疑う。 「軽く弾く」ことが全く出来ていないじゃないか!!!
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スクリャービン 推薦楽譜紹介 その1


 スクリャービンは、滅茶苦茶人気ある作曲家であり、ピアノリサイタルでも頻繁に出会うし、音楽大学学生も(コンクールや試験などでも)良く弾く曲である。 本日は「スクリャービン 推薦楽譜」国内版を書く。

春秋社版 スクリャービン全集 伊達純, 岡田敦子[編集,校訂,運指]



第1巻&第2巻&第3巻 2,100円 第4巻&第6巻 3,150円(税込)



  • 推薦度  :☆☆☆☆
  • 正確さ  :☆☆☆☆☆
  • 資料価値:☆☆☆☆(← 一部が未刊行のママ、7年近く経過している)
  • 校訂報告:☆☆☆☆


1986-1999年出版。
 国内版のスクリャービン楽譜であれば、絶対の自信を持って、このシリーズを薦める。 「初版 + ソ連国立音楽出版社版 + ペータース版」を徹底的に調べた上での「批判校訂版」である。 「世界に向けて誇ることが出来る楽譜」だと確信する。 この楽譜は「スクリャービンのピアノ全曲」を(2台版も含め)狙って刊行された。
 このまま、素晴らしい楽譜が「スクリャービン全集」として出版される手筈は整っていた。 たった1つ、『伊達純 の 余命 がほんのわずか足りなかったこと』以外は。
 リンク先をクリックしてもらえればすぐに理解して頂けると思うが、「1~4 + 6」が刊行されており、「5」が欠番。実は「7」も予告されていた。
  • マズルカ集
  • 即興曲集
  • ワルツ集
  • 「作品2」(!)
  • 「作品9」(!)

などが欠けており、「スクリャービン弾き」としては「全レパートリーを網羅する楽譜」に成り得ない。

 ・・・が、伊達純の死去に伴い、「5 & 7」は刊行される見込みが立っていない模様。 もし、「1~4,6」のレパートリーを弾きたい方には、絶対のお薦め楽譜である。
 明日号は「スクリャービン : 輸入版楽譜」のお薦めの予定。 1人でも多くのピアニストの皆様が、スクリャービン を素晴らしい演奏で弾いてほしい! 「スクリャービンの名演」聴きたい人は(私高本に限らず)多いと思うぞ!!!
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作曲家論 : スクリャービン第5回 (No.1356)

2006-08-31 19:22:15 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 本日号は「注意報」を書く。

スクリャービン Michael Ponti 盤全集にだけはご注意を!



 私高本は、CDランクを付ける時に

  1. 是非聴いた方が良いCD
  2. 聴いた方が良いCD
  3. 聴いても聴かなくても益も害も無いCD
  4. 聴かない方が良いと思われるCD
  5. 絶対に聴かない方が良いCD

の5段階に分けて考えている。できる限り「トップランクだけ」を薦めることにしているが、「次のランク」を書くこともあるだろう。 しかし、スクリャービンを書いていて、これだけは書き留めなくてはならないことを思い出した。

カタログ上唯一の全集盤 = Michael Ponti 盤 は質が極めて劣悪!



ということを。 まずは先日、Best3 で紹介したピアノソナタ全集から。

ポンティ ソナタ全集 (Vox Box CDX 5184)



1,420円(税込)



  • 演奏   :☆
  • 資料価値:☆☆☆(← 曲数は多いが)
  • 音質   :☆☆


1973-1974年録音。
 私が薦めた「Best3」のどの演奏と比べてもらっても良い。「同じスクリャービンのソナタ???」と疑問を感じる「スカ」な演奏が全12曲延々と続く。
  • 楽譜面をさっさと表面だけ舐めて
  • 難しいパッセージはさらさらと音を抜いて演奏

であるから。 スクリャービンの魅力である「官能の世界」はどこにも存在しない!

ポンティ ピアノ音楽全集 (Vox Box CD5X 3606)



1,924円(税込)



  • 演奏   :☆
  • 資料価値:☆☆☆(← 曲数は最大であるのだが)
  • 音質   :☆☆


1973-1974年録音。
 5枚組で 1,924円だが、はっきり言って「高い」と感じる。弾けないパッセージを丸ごとカットしたり(Allegro op.4)など、無名な曲になるとやりたい放題! ソナタよりもさらに悪い。

 「スクリャービンの全てのピアノ曲を聴きたい」と思った人(← あっ、私高本もそれで手を出したのだった、、、)が、手を出し易いCDだが

「聴かない方が悪い先入観を持たずに済むので良い」レベルの演奏

である。 悪いことは言わない。 衝動買いだけは止めておこう! しかし「音質」も、Vox録音の中でも「最低」に近い。 キンキンとうるせえ!!!
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作曲家論 : スクリャービン第4回 (No.1355)

2006-08-30 22:37:39 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 昨日号は、私高本が熱くなったかも知れない。本日からは「普通に冷静な高本」に戻っているのでご安心下さい。 今日は「作曲家論:スクリャービン」の続きです。
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スクリャービン「ポエム」集CDが存在しない!


 スクリャービンが「ピアノソナタ」と並んで、生涯に亘って、力を入れて作曲した分野は「ピアノ独奏用ポエム(詩曲)」である。 作品32の「2つのポエム」から始まって、生涯続く。 極めて短い時間空間に「リスト発明の交響詩の世界を盛り込む」意欲からスクリャービンが創り上げた世界であり、相当に成功しているのだが、
  • ピアノ「ポエム」CDは
  • 『全集が無い』だけでなく
  • 「スクリャービン ポエム集(選集)」さえも存在しない

が実情。 スクリャービンが悪いのか? ピアニストが悪いのか? CD会社が悪いのか? CD購入者が悪いのか?

 ・・・で、「スクリャービン : ポエム」が多く収録されていて、演奏の良いCDを紹介するために、CDを聴きまくった。 数枚新規に購入もした、やはり「この1枚」かも? と思えるCDに出会えれば幸せなのだが、「スクリャービン : ポエム」では出会えなかった。 う~ん。
--------
 ちなみに、
  • 「ポエム」だけでなく
  • 「練習曲」集でも
  • 「前奏曲」集でも
  • 同じように「CDが存在しない」のが
  • 『スクリャービンの世界』

なのであるが!
 スクリャービンでは、「ピアノソナタ偏重のCD録音界」が『現世の日本』である。何故かはわからない。
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作曲家論 : スクリャービン第3回 (No.1353)

2006-08-28 10:05:32 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 本日は「スクリャービンピアノソナタ全集」CD批評を掲載する。 スクリャービンピアノ作品中、最も規模が大きいので、ピアニストの意欲をそそるらしく、数多く発売されて来たし、今後もされて行くことだろう。
 尚、人気ある「中期ソナタ」だけ力が入って、「後期ソナタ」は聴くに耐えないCDが多い中、初期~後期 がムラ無く良いモノだけを選んだので、安心してほしい。
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スクリャービン ピアノソナタ 全集 Best3 一挙掲載!



第1位 アムラン (Hyperion CDA 67131/2)





4,024円(税込)



  • 演奏   :☆☆☆☆☆
  • 資料価値:☆☆☆☆
  • 音質   :☆☆☆☆☆


1995年録音。
 とても「爽やかなスクリャービン」である。技巧的な難しさは全く感じさせない。 スクリャービン自身が「技巧的に悩ましく感じてほしいと思ったパッセージ」さえも、きちんと弾く。 単一楽章ソナタとして作曲された「幻想曲ロ短調 作品28」や、若き日の生前未出版の「ソナタ 嬰ト短調(1886)」も収録されているので、1種類だけ購入するならば、これがお薦め!
 録音は信じられないほど、鮮やか。オーディオファンの方は是非是非この盤を聴いてほしい。

第2位 シドン (DG B00002477)





2,596円(税込)



  • 演奏   :☆☆☆☆
  • 資料価値:☆☆☆☆☆
  • 音質   :☆☆☆


1968~1971録音。
 アムラン盤とは対照的に、1音1音を押し込むような演奏である。「アムランと対極のスクリャービン像」を聴くならば、コレが最適。重くくらいシドンのタッチが、深く沈み込んでいく「スクリャービンの思索」を暗示する。後期ソナタでの色合いは、他のCDでは聴けない。 技巧は全く不足が無く、「弾けている」。

 資料的価値は最高! 変ホ短調ソナタ(1889) は、過去2枚しかCDが発売されていないと思うが、世界初録音がこれであった。シドンは

変ホ短調ソナタ(1889)世界初出版楽譜 の 共同補筆者 & 校訂者!



であり、世界で最も スクリャービン変ホ短調ソナタ(1889) を熟知しているピアニスト!
 アムランに含まれている単一楽章ソナタとして作曲された「幻想曲ロ短調 作品28」や、若き日の生前未出版の「ソナタ 嬰ト短調(1886)」も収録されていて、史上最大曲数収録盤でもある。
 使用ピアノは、おそらくベーゼンドルファー。

第3位 オーストビュ (BRILLIANT 99963)





792円(税込)



  • 演奏   :☆☆☆☆
  • 資料価値:☆☆☆
  • 音質   :☆☆☆☆


1990録音。
 「廉価盤しか買わない人」には絶対のお薦めがコレ! 全曲で 800円未満!

 以前は、ノルウェイの Simax レーベルで録音発売され、今も現役盤のようである。丁寧に弾き込まれた演奏で、「おだやかに流れて行くスクリャービン」。BRILLIANTレーベル 中でも最も質の高い演奏の1つ。
 生前に出版された10曲のソナタだけの収録。現在も、楽譜は全ての版で「ソナタ全集」楽譜が、この盤の10曲だけを掲載している。嬰ト短調ソナタ(1886)も、変ホ短調ソナタ(1889)も、幻想曲ロ短調作品28 も「別の楽譜」で売られている。
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作曲家論 : スクリャービン第2回 (No.1352)

2006-08-27 22:27:18 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 読者の方より「ガーシュインが一区切りしたら、スクリャービンを書いてほしい」との言葉があったので、昨日号にてガーシュインは一段落したので、本日号はスクリャービン を書く。
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音楽史上の奇跡 = スクリャービン


 スクリャービンは、音楽史上でも希有な存在である。

  1. ショパン + リスト から開始され、ピアノ音楽だけを発展させた

  2. ロシア生まれ&育ちであるのに、ロシア音楽と一切無関係な曲ばかり作曲し、「世界的作曲家」の地位を築いた

  3. 「法悦の詩 作品54」を唯一の例外として、ピアノ音楽以外には全く傑作を遺さなかった(← 問題発言かも?)



 オケ曲もピアノ協奏曲も室内楽も歌曲も、はっきり言って「スカ」である。

全ての語法が ピアノ! が原因


と感じる。唯一の例外である「法悦の詩」も、ピアノソナタ第5番作品53 を下敷きにした作品の上、ピアノソナタの域にまでは達していない。

 だが、魅力的だ、ピアノソロ曲は! ソナタに限らず、詩曲や幻想曲やワルツなどが何と色彩豊かなことか!!
 多くのピアニストが魅せられ、嵌り、一生を費やしてしまう作曲家の1人である。生前も女性に大いにモテて、「2人の妻が避暑地に一挙に訪れて混乱に陥った」との記述があるが、これだけの曲を作曲すれば、「あり得る!」と思う。

 作品番号にて、「作品60以降」の後期作品についての評価は、未だ定まらない作曲家に思えるが、「作品54以前」だけを捉えても、「世界最高の作曲家」の1人である。

 明日号もスクリャービンの予定。
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作曲家論 : スクリャービン第1回 (No.1346)

2006-08-21 16:14:34 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 今日、佐伯周子 と 帝国ホテル の インペリアル・バイキング に行って来た。 日比谷公園すぐそばの風景=絶景な立地の最上階17階にて、落ち着いた室内 & 温かい出来立てのおいしい料理 & 目配せの行き届いた サービス。「超一流とはこういうもの!」をおいしい料理と共に教えて頂いた。
 8月13日 佐伯周子新シューベルト全集に拠る完全全曲演奏会Vol.2 を食事をしながら振り返ったのだが、素晴らしい環境で振り返ると素晴らしい案が出てくるモノだ。やはり「環境が大切」は真理!
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 予告した5名の「総合評価」のアンカーは、ABC順で「S」のスクリャービン。

スクリャービン(1872-1915)総合評価



ピアノソロ曲:☆☆☆☆☆
ピアノ協奏曲:☆☆☆
ピアノ室内楽:☆
連弾&2台 :☆☆
歌曲伴奏  :☆
ピアノ教育 :☆☆☆☆

音楽史評価 :☆☆☆☆☆

コメント 等は明日号以降にて。
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