Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

新国立劇場「イェヌーファ」初日2016.02.28批評(No.2474)

2016-02-28 23:58:29 | 批評

新国立劇場ヤナーチェク「イェヌーファ」初日2016.02.28批評


「ベルリン・ドイツ・オペラ:イェヌーファの引っ越し公演」に限り無く近い 新国立劇場「イェヌーファ」。ヨーロッパオペラの引っ越し公演の約半額で聴けた幸せ


  主要5役が ベルリン・ドイツ・オペラ のメンバー & ハヌス指揮 & ロイ演出(&アベライン再演演出)など、脇役 + 合唱団 + オケ だけ、「東京バージョン」に取り換えただけの「ベルリン・ドイツ・オペラ版」の東京公開バージョンである。脇役陣も、新国立劇場合唱団も、東京交響楽団も、ハヌス指揮 & アベライン再演演出 に極めて忠実に従って、上演していたので、「ベルリン・ドイツ・オペラ:イエヌーファの引っ越し公演に限り無く近い」と感じた次第である。


  DVDでも販売されていた ロイ演出ハヌス指揮 ベルリン・ドイツ・オペラ ヤナーチェク「イェヌーファ」。私高本は購入していないが、前評判が高いことは知っていた。主要5役が「ベルリンからそのまま日本に来る」と言うキャストも驚き。過去にあったっけ???

  佐伯周子にも「是非是非聴いて!」と言って、座席優先で別の日を買ったくらいだ!

女声主要2役 イェヌーファ = カウネ & コステルニチカ = ラーモア が圧倒的な歌唱&演技


  これが圧倒的な印象。ラツァ = ハルトマン も シュテヴァ = ザンビエーリ も お婆さん = シュヴァルツ も素晴らしかったのだが、「存在感」として、イエヌーファ と コステルニチカ が脳裏に残る。

第2幕 と 第3幕 で頻出する「ゲネラルパウゼ」の後に開始するのが、コスタルニチカ & イエヌーファ が何度もあるのだが、特にコスタルニチカ は後ろ向きで歌い始める>< シーンさえある!


  この2人で、大きな印象が作られた、と私高本は感じた次第である。

緊張感を「ベルリンから直輸入」で、脇役陣 + 合唱団 + オケ を切り盛りした ハヌス の棒には、第3幕開始前から「ブラヴォー」が注いでいた!


  素晴らしい棒だった、と私高本は感じる。今後も招聘して欲しい。こんな素晴らしい「イェヌーファ」を聴けて私高本は嬉しい限りである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ツィガーン指揮読響 3/4 & 3/6 完売(No.2473)

2016-02-27 21:31:00 | 演奏会案内
 そんなに人気のギタリストだったのか??? う~ん、私高本は「シューベルトピアニスト」は深く知っているが、ギタリスト や 指揮者 の人気は全く知らない。ホール2杯分のチケット完売って、凄い!!!

  当日券販売 などについては、読響 に尋ねてね。

 私高本は「ギターに関しては猫頭」なので、正直「何が何だか全く分からない」です><
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新国立劇場「イェヌーファ」GPを観て(No.2472)

2016-02-26 17:30:15 | 演奏会案内

シューベルト → リスト → ヤナーチェク の流れで「時を繋ぐゲネラルパウゼ」の世界


  GPなので、どのソリストがフルヴォイスで誰がハーフヴォイスか判らないので、何も書けない。ロイ演出、ハヌス指揮、東京交響楽団、合唱団は良いぞ!
 「ゲネラルパウゼが前後の時間を結び付ける」が実感できる音楽であり、演出。D券こそ売り切れだが、C券が平日公演はジャブジャブ残っている。C席の場合、3階サイドと4階ならば、正面座席の方が良いような気がする。尚、GPの座席は 1-19-25 だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

題名のない音楽会2016.02.21放映山田和樹指揮「指揮者のわがまま音楽会」批評(No.2471)

2016-02-24 12:46:34 | 批評

題名のない音楽会2016.02.21放映山田和樹指揮「指揮者のわがまま音楽会」批評


  録画を今朝観た。毎週録画しており、倍速再生でいつものように開始したのだが、プロコフィエフ交響曲第1番第3楽章の音が出てすぐに巻き戻して、通常速度で聴き始めた。これって、「リハーサル無しかよ! マジ?!」
  正直「リハーサル無し」の演奏水準では無い。謎解きは、番組最後まで観ると「あぁ、そうか」と判った点もあるが、観た瞬間は「驚愕の世界」だった。この「指揮者のわがまま音楽会」は4段落構成になっており、次の通り。

  1. リハーサル無し


      冒頭に書いたのが第1印象。楽章最後まで、アンサンブルが乱れることなく「リハーサル無し」とは到底思えない出来!
  2. 暗譜で演奏


      モーツァルト「フィガロの結婚」序曲。大概の指揮者は「オーケストラメンバー全員が暗譜してくれていたら、自分の棒にもっと素早く細かく反応してくれるのに!」と心の中では感じているハズ。個別の楽器に(リハーサルとは違う)指示を出しても、視線が来ていなければ空振りになるからだ(泣
      この日のオケは、横浜シンフォニエッタ。山田和樹が芸大生の時に作ったオケで、芸大学生オケからプロオケになった、が歴史。山田 の無茶な要求(?)に見事に暗譜で応えていた。確かに、「譜面台あり」に比べて細かな表情が出ていたようだった。
  3. 楽器配置をバラバラにしたい


      プロコフィエフ交響曲第1番第1楽章。コンサートマスター=神谷未穂 を正面一番奥に配置したり、ごちゃ混ぜの配置。放送で山田自身は「良かった」旨発言していたが、「団子になった音」で第3楽章よりも聴き映えがしなかったぞ。我が家の AV装置 は、55型4K画面 + 16cmフォステクスフルレンジ + NEC A-10 なので画面も音も良いぞ!
  4. オーケストラに歌わせたい


      プロコフィエフ交響曲第1番第4楽章。呈示部は「各パートを歌う」で入り、途中から通常の楽器演奏に戻る。歌の「音程」が良いことにびっくり! だが、音量バランスは「奇妙」な感触。弦楽器パートは人数が多いから大きくなるし、管打楽器はパート1人だから小さい。『練習方法』として、有効なことは認めるが、「聴衆に聴かせる」モノなのだろうか?

  後半の2つは「聴衆をお試しで楽しませる」趣向だろう。だが、前半2つは目を見張る(耳を見張るか?)効果を出していた山田和樹の棒には深く感心した次第である。


山田和樹 X 横浜シンフォニエッタ だからこそ成し遂げられた「リハーサル無し」「暗譜で演奏」


  「リハーサル無し」については クナッパーツブッシュ が画面で紹介されていたが、晩年に大得意とする狭いレパートリーを超有名オーケストラばかりで振ったことは紹介無かった。日本にも(クナッパーツブッシュほどでは無いらしいが)「リハーサル嫌い」の指揮者がいるが、山田和樹ほどの集中力があるかなあ?
  「暗譜」については ビューロー が画面で紹介されていたが、『オケメンバーの負担が半端無いこと!』をここに書き記しておきたい。コンサートマスター=神谷未穂 だけでなく、「プロオケの首席メンバー」が多数見受けられた = 横浜シンフォニエッタ だ。大体、山田和樹と同年代以下であるから、いかに若くしてポジションに登ったか!
 そのメンバー面々が「オケ合わせ」の時間前に「暗譜」して練習に臨んだワケだ。推測になるが、「フィガロの結婚」序曲を演奏するに当たって、1回目のオケ合わせ前に「暗譜するほど弾き込んで来るオーケストラメンバー」は多いとは考えられない。横浜シンフォニエッタメンバーはその負担を担ってくれたのである。感謝!
 山田和樹 は 日フィルで「マーラー交響曲全曲」、読響&N響定期登場 など、今最も注目されている若手日本人指揮者の1人。日フィルや読響やN響で「リハーサル無し」や「暗譜」は行わないだろう。

「わがままを通してくれる 横浜シンフォニエッタ だからこそ」の 山田和樹 の指揮者わがまま音楽会


が印象深い放送だった。山田和樹 & 横浜シンフォニエッタ & 題名のない音楽会スタッフ ありがとう!!!

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

益田正洋 GGサロン コンサート 2016.02.26 チケット完売(No.2470)

2016-02-23 01:31:05 | 演奏会案内

益田正洋 GGサロン コンサート 2016.02.26 チケット完売


  以前、ご案内した上記コンサートが「当日券も含め」完売した、とのことです。私高本 は毎日チェックしていたワケではありませんので、どのタイミングだったかは、主宰者にお問い合わせ下さいませ。
  私高本は「ギターに関しては猫頭」なので、正直「何が何だか全く分からない」です><

 う~ん、「フランツ・シューベルト・ソサエティ」新年会 以降、チェックしていたんだが、GGサロン コンサート「売り切れ公演」は初(のような気がする)。上手いんだよね > 益田正洋 のギター
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜が1曲も無い「シューベルト:舞曲」続々(No.2469)

2016-02-22 23:57:00 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
  シューベルト生前の「飯の種 = リート & ピアノ舞曲」であった。リート に多数「ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜」が存在していたのは、

"Franz Schubert Deutsch-Verzeichnis(1978)"(Studienausgabe) を購入してから


熟知した。私高本がシューベルトに興味を抱いたのは、1978年末の「ブレンデル:シューベルト遺作3大ソナタLive」を 当時は「FM東京 = 今の Tokyo FM」が放送してからだ。楽譜を「無意識に購入する」ようになったのは、(埼玉大学卒業後)就職して2年経って「東京都の本社勤務」になってからだった。地方勤務で特に「支出が多い」と感じたことは無かったのだが、実態としては「食費が大幅に軽減 & 借り上げ社宅の一部費用負担分」が楽になって、手元に余裕資金(・・・と言っても、家を買う、とか、車を買うの域では無い ><)が出来たのが原因。真っ先に購入した記憶がある。マルC 記載が(当時の西ドイツでは義務では無かったらしいので)全く分からないが、私高本の懐勘定からすると、1984年末以降にハズ。もっと遅かったような記憶が朧気にある。う~ん、「現在56才の私高本でさえ、こんな程度の記憶力」なので、シューベルト没後30年以上経過してからの「シューベルティアーデ参加者老人の記憶は信じない = アインシュタイン判断」を私高本は尊重する(爆


佐伯周子 は、「シューベルト作曲:ワルツ&レントラー&ドイツ舞曲」の生前出版作品番号付き作品を番号順に舞台演奏した(おそらく)世界初のピアニストである!


  実は、第1回が無事に盛況に演奏された直後に真っ先に考えたのは、「ピアノソナタをどの順に弾いてもらうか?」とか「即興曲と楽興の時をどの順に弾いてもらうか?」では無かった。「ワケわからんほど大量に存在している2巻のピアノソロ舞曲をどの順に弾いてもらうか?」であった。ベーレンライター新シューベルト全集を読み込むと、「第1巻=自筆譜&筆写譜」が優先で「第2巻=印刷譜」は「その他」扱い。う~ん、注釈読んでも何が何だかわからなかった><
 2004年8月当時、「ベーレンライター新シューベルト全集舞曲I & II」楽譜出版済み & "Michael Endres : SCHUBERT Tanze(CAPRICIO)" が発売されていたので速攻で購入した。その後、2016年に至るまで、これ以上の資料は存在しないので、正しい判断だった。


シューベルト作品は「世界初演者&日時が確定している作品」が大半なのに、ピアノ舞曲は「全部の作品で世界初演が人も日時も確定していない」><


  交響曲やミサ曲&オペラみたいな大規模作品だけでは無い。リート や (最小編成の)ピアノソロ作品 に至るまで「世界初演者 & 日時」は確定している作品が多い。
 だが、舞曲は「生前出版」「没後出版」を問わず、全く不明なのである><

「悲しみのワルツ」op.9/2 D365/2 は、「シューベルトオリジナル譜」印刷前に、(現代解釈で言えば)海賊版2種出版された!


が現実。「生き馬の目を抜く」状況だったのだ!


 今まで「シューベルト生前出版譜」を中心に、佐伯周子ベーレンライター新シューベルト全集完全全曲演奏会を進めて来たが、今回「自筆譜中心の視点」に転じて見ると、違う角度からの「見る目」があった。

 「シューベルトの音楽世界」を十全に伝えて行きたい

と切に願っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜が1曲も無い「シューベルト:舞曲」続(No.2468)

2016-02-21 21:59:32 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 兄フェルディナンド・シューベルト と シュパウン の立場から、「ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜」(Wittecek-Spaun)を考察する。

ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜 の特徴



  1. 生前出版の op.1 - op.97, op.100, op.106 は筆写させていない(確実)


  2. シューベルト自身が「出版契約」に至った op.101 - op.105, op.107 - op.108 も筆写させていない(確実)


  3. 兄フェルディナンド・シューベルト がシューベルト没後早々に「出版契約」に至った 「白鳥の歌」D957, 弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」D810, op.109 - op.131 も筆写させていない様子


  4. リート「イフィゲニア」op.98/3 D573(1829.07.10出版),リート「酒を呑むヴァレンシュタイン軍の槍兵」D931(1830出版),リート「十字軍」D932(1832.01.05出版) や 「詩編23」op.132 D706(1832.03.12出版) や 「遺作3大ピアノソナタD958 - D960」(1839.04.26出版)以降出版楽譜は、ヴィッテツェク=シュパウン筆写譜あり


  5. 即興曲第1集後半(D899/3-4)は、出版社ハスリンガー が「カネは支払った状況」と考えられるのに「ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜」を作成しているので、『シューベルト没後大プロジェクト』として、ハスリンガーも「筆写を許した」ほどの権限を有していた


  6. オーケストラ曲 & オーケストラ伴奏曲 は筆写させていない(ほぼ確実)


  7. 室内楽曲中、「弦楽アンサンブル曲」は1曲も現存していない。D956 & D887 を筆写させなかったのか? 筆写させたが、出版後廃棄 or 紛失したかは不明


  8. ピアノソロ舞曲は一切筆写させていない



である。この事実から推測すると、「ヴィッテツェクへの報酬」は「1ページ当たりいくら」だったようだ。兄=フェルディナンド・シューベルト は シューマン が訪ねて来た時に、交響曲「グレート」D944 の自筆譜を手渡し、それが世界初演に繋がり、「シューベルト再評価」に繋がっているから、「曲の価値」は充分に理解していた。だが、「ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜」は作られていない。


 兄フェルディナンド・シューベルト が シューベルト「ピアノソロ舞曲」をどのように考えていたかについて、書面は残っていない。だが、「ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜」は一切作らなかった。

◎「シューベルティアーデで踊り狂うだけのための曲」と思っていた可能性が高い

 言葉を換えれば「芸術的音楽」では無い、って言う、「ドイツ国内の印税(?)」識別の「ポップス音楽」に該当するのかも知れない。グルダ がやたら噛みついていた(グルダの言葉を借りれば)悪法だ(爆
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜が1曲も無い「シューベルト:舞曲」(No.2467)

2016-02-20 20:22:33 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜(Wittecek-Spaun)が1曲も無い「シューベルト:舞曲」


  私高本はドイツ語の単位が埼玉大学で揃わなかったバカ頭(中国語で卒業したよ~ん)だが、「シューベルト文献」は「犬のサンダル集め」のごとく集めている(爆

  ベーレンライター新シューベルト全集 が重視していて、「主題カタログ新版(1978)」には全て掲載している(だろう)資料なのに、アインシュタイン著「シューベルト」とか、他のシューベルト著作から「完全に無視されている」かのように感じられるのが、「ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜」である。これは、(資料が少なくて断定出来ないのだが、状況証拠から判断するに)フランツ・シューベルト の兄=フェルディナンド・シューベルト が「フランツ・シューベルトの死後」に『未出版曲を楽譜商との交渉中に紛失しないための筆写譜作成』を目的に作られた筆写譜、と推定される。

 フェルディナンド・シューベルト は、歌曲もピアノ曲も室内楽曲も分け隔て無く、「筆写譜依頼」をした。そのおかげで、「自筆譜はオークションやらで行方不明になっているシューベルト楽曲が現代に引き継がれ、永遠の命を保っている曲も多い」のだ!

 だが、アインシュタインを初めとする「シューベルト学者」は(ベーレンライター新シューベルト全集関係者を除き)全く興味が無いようだ。『ヴィッテチェク=シュパウン』日本語表記ででグーグル検索掛けると「ありません表示」が出る(爆


ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜 は「遺作3大ソナタD958,D959,D960」も筆写したが、ベーレンライター新シューベルト全集「楽譜」を購入してもその記載が見付けられない><


くらい、「資料的価値」は高い、とは言えない><
  だが、決して低くは無いのである = ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜。


 交響曲 とか オペラ とか ミサ曲 のように、フランツ・シューベルト 死の直後に「カネになるとは思えない大編成」の楽曲は、作られなかった様子。
 ・・・と言うことは、兄フェルディナンド・シューベルト か、シュパウン のどちらかが、 ヴィッテツェク に「カネを支払って写譜させた楽譜」なのである。これで現代にまで伝わった楽曲(大半が1884-97年編纂のブライトコプフ旧シューベルト全集まで)が多い。フェルディナンド・シューベルト & シュパウン & ヴィッテツェク には感謝するばかりである!


   ・・・と言いながら、少々頭を抱える私高本であった。なぜなら

シューベルトピアノソロ舞曲には「ヴィッテチェク=シュパウン筆写譜」が1曲も残されていないから!!!


 この点を指摘した文章は、私高本は(英語とドイツ語文献を含めて)見たことが無い。他の言語は知らないよ(爆


 シューベルト「舞曲」にも、「筆写譜」は数多く存在する。「op.9 D365」「op.18 D145」は特に多い。他にもあるよ、D299 のように作曲年を詐称して ヨゼフィーネ・コラー に「マリー・シュパウンに捧げた 1818」と書いた筆写譜を誰かに作らせ、捧げた曲もある。自筆譜には 1815.10.03 って明記されているんだけどな(爆


 だが、兄フェルディナンド・シューベルト の判断は「フランツ・シューベルト の舞曲はカネにはならない」だった様子。1828年以前に何がウィーンで起こったのだろうか?


ヨーゼフ・ランナー が1824年に「自分のウィンナ・ワルツ演奏団体」を有して、ヨハン・シュトラウス1世 もそれに続いた状態


  フランツ生前は「冬のワルツシーズン」にはカネに出来ていたのだが、兄フェルディナンド・シューベルト は交渉才覚は乏しかったようだ。武田信玄 と同じく、「死んだ」とバレていると足元叩かれるよな(泣
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シューベルティアーデの時期「歌曲と舞曲の作曲時期から読み解く」(No.2466)

2016-02-19 22:02:39 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
  従来、シューベルト没後、しかもシューマンが交響曲「グレート」自筆譜を発見してメンデルスゾーン指揮にて世界初演して以降の「シューベルティアーデ参加者の(没後11年以上経過してからの)記憶頼りの文章を基準に書くライターが多い。中には没後30年以上経過した記憶も混ざっている。猫頭私高本は現在56才だが、26才時の記憶は極めて曖昧><

  住んでいたのは、埼玉県久喜市の公団マンションの1階で、勤務していた会社は東京都中央区なことは鮮明なのだが、どの演奏会を聴いたのか? どのCD(またはLP)に感動したのか? などは相当に曖昧。確か、リコーダー に凝っていて、ブリュッヘンの録音や楽譜を購入して今よりもリコーダーを聴いたり吹いたりしていたことは覚えているのだが、どの曲をいつ楽譜を購入したのか? とかどの楽器をいつ購入したのか? なども曖昧><
 今よりも「録音は新譜購入が多かった」ので、CDやLPの発売日付を見て思い出すくらいである(爆

 シューベルトは31才で死んだ。友人は過半数が年上。60才過ぎてから、細かな日付を思い出せるのか? は私高本は、大いに疑問に感じている。不思議なことに、

カロリーネ・エステルハージ(D929 & D940)、ヨゼフィーネ・コラー(D575 & D299)など、実際に作品献呈を受けた女性の回顧録は見たことが無い!


 多くの文章が「老人(or 中年)に至った記憶が曖昧なシューベルティアーデ参加の男性が、「いかに自分がシューベルティアーデ内でシューベルトに深く影響を与えたか!」を熱心に語っている。

シューベルティアーデ詩人の中で 最も名曲となった「夜と夢」D827,「小人」D771,「悲しみ」D772 を作詞した コリーン はシューベルトよりも早く 1824年に没しているし!




シューベルトは「作曲を楽譜出版商に売ることで生活した世界初の作曲家」


であり、

シューベルト自身の記録は99%「シューベルトの楽譜」である! 「自筆譜」「生前出版譜」「没後出版譜」「生前筆写譜」「没後筆写譜」全てを含む「楽譜」である


 いろいろと問題含みな曲もある。だが「シューベルト研究」は『楽譜研究が中心』と私高本は感じる。

 さて、「シューベルティアーデ」について限定して見よう。「年老いたシューベルティアーデ参加者の曖昧な記憶」では 1825年以降 がシューベルティアーデの全盛期 に見えるが、これは完全に「老人の思い違い」である。この点については、私高本が最初に気付いたワケではない。アルフレート・アインシュタイン著浅井真男訳「シューベルト:音楽的肖像」のP100からに記載されている。1963年訳本出版なので、半世紀以上前に アインシュタイン は「年取った友人たちの回顧録が記憶違いが多い」をはっきり実感していたのだ。

シューベルティアーデ最盛期は、1815年「12のトリオ付きドイツ舞曲」D135+D139+D145+D146 から始まり、1824年11月「アルペジオーネ・ソナタ」D821 & 「2つの変ホ長調ドイツ舞曲」D366/17&D783/D8 まで


である。この前にもマイアーホーファー詩「湖にて」D124(1814.12.07) や、この後にも ショーバー詩「狩人の愛の歌」op.96/2 D909(1827.02)などが作曲されているので、活動期間がここだけでないことは明白。だが、

1815 - 1824.11 の10年が「シューベルティアーデがシューベルトの作曲エンジンに火を灯した


ことは間違いない。

「ゲーテ詩作曲集中時代」「ピアノソナタ作曲集中時代」「オペラ作曲集中時代」「自作歌曲変奏曲集中時代」


と軸は転々とするが、一貫して「シューベルティアーデ友人の詩に作曲」「踊るための舞曲を作曲」していた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これから聴きに行くコンサート(No.2465)

2016-02-18 23:58:33 | 演奏会案内

  1. 2016.02.26 益田正洋GGサロンコンサート 現代ギター社GGサロン


      シューベルトは「シュタウファー作のギター」を持っていたことが明らかになっている。1814.02.26編曲&追加作曲の「フルート、ヴィオラ、ギター、チェロ の為の マティーク原曲の編曲」D96 では、シューベルト自身がギターを弾いていた、と推測できる。その後も シューベルティアーデ会場にピアノが無ければギターを弾いていたことがある、と推測される。なぜなら、1824年11月作曲の アルペジオーネソナタD821 は、シュタウファー からの依頼で作曲されたからだ。
      「シューベルト時代のギター音楽」は興味深く、

    ソル のソロ作品は好き!


    である。他には、バッハのリュート作品やスペイン系の作曲家作品。批評が書けるほど、ギターは知らないので批評は書けないだろう(爆

     興味ある人は ここ をクリックして下さい。

  2. 2016.02.28 新国立劇場 ヤナーチェク「イエヌーファ」初日


      新制作プロダクションだが、ベルリン・ドイツ・オペラ で 2012年に上演された クリストフ・ロイ 演出の借り物。チケットもじゃぶじゃぶ余っているので再演は無いだろう。私高本は、「今年度の最大の出し物」と感じており、GP も聴きに行く(2/25)。尚、佐伯周子 も聴きに行くが、日程は全く別。『座席最優先』で選ぶとこうなる(爆

  3. 2016.03.04 ツィガーン指揮読響「フランス&スペイン」プログラム 芸劇


      ギター気分が盛り上がったところに 「アランフェス協奏曲」があるので、聴きに行く。指揮のツィガーンは初。どんな演奏になるのかは、「カルメン」組曲「三角帽子」「ボレロ」も含めて楽しみ。マイク使うなよ > ギター=朴 葵姫(パク・キュヒ)
     他日公演売り切れ & この日も僅少って、人気あるギタリストなのか???
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私高本の好みは(No.2464)

2016-02-17 22:56:16 | その他
>牛田君の5年以上のファンです。本当にラフマニノフのようでした。
>高本さんもファンになってくれたことが共感します。
>今後は牛田君のコンサートを全部批評してくれればうれしいです。お願いします。

 コメントありがとうございます。相当重大な誤解があるようですが、私高本の好みは

ピアニスト では 佐伯周子 がトップ。です


であり、

続く「好みのピアニスト」は、岡原慎也、川上敦子、今井顕、小倉貴久子、佐藤卓史 などなど


であり、

「作曲家の意向」通りに演奏する方向


です。ショパン「バラード第1番」を「多分ショパンの意向通りには弾かないピアニスト = 牛田智大 は「Piano Music Japan でメインに取り上げて行くピアニストでは無い」です。読響来シーズンのショパン:ピアノ協奏曲第2番は、批評掲載すると思います。特に、読響からは何も受けていませんが超注目公演だ! と私高本が感じているからです。
 しかし、他公演に関しては、批評予定は全くありません。今回公演で、「牛田ピアニズム」は相当な範囲で感じましたし、他に特に(良い点も悪い点も
感じませんでしたから、、、)


 読者の皆様は、気付かないと思いますし、(私高本は気付かないように留意している点が)『その公演に私高本が招待されているか?どうか?』です。この度の「牛田智大リサイタル」批評は、トータル出費では私高本の出費でした><

 だから「悪く批評する」のが、『朝日新聞を中心とする批評軍団』です。私高本は、

「好みは好み」


「リズムは刻め」



でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

速報! 小澤征爾がラヴェル「子供と魔法」サイトウキネンライブCDでグラミー賞(No.2463)

2016-02-16 22:37:42 | その他

速報! 小澤征爾がラヴェル「子供と魔法」サイトウキネンライブCDでグラミー賞最優秀オペラ録音部門受賞


  2013年夏の 小澤征爾指揮 ラヴェル「子供と魔法」のサイトウキネンライブCDが グラミー賞グラミー賞最優秀オペラ録音部門受賞 を受賞した。おめでとうございます!!!
 日本人の「グラミー賞最優秀賞受賞は分野をまたがって7人目」の快挙。該当CDを最も安く売っているのは、多分 ここ 。興味ある人は是非是非聴いて下さい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベーゼンドルファー新フルコンサートグランドピアノ=280VC を試弾した 続(No.2462)

2016-02-15 22:07:59 | グランドピアノの買い方・選び方

「ウィンナ・トーン」を守っている = ヤマハ。ピアノ=ベーゼンドルファー だけでなく、ウィンナ・ホルンもヤマハが製造している!


が実績なので、大いに期待した。
  中野坂上のベーゼンドルファージャパン店舗は、銀座ヤマハのピアノ売場以上にエレガントな配置。グランドピアノが各機種1台づつ置かれていた。入口から見て、左奥に 280VC はあった。

 試弾の許可をもらい、シューベルト 即興曲第6番D935/2 を弾き始める。「ん?、ウィンナ・トーンが無い!」が第一観。

「ウィンナ・トーン」って、残響(余韻)が ベルリン・フィル や スタインウェイ に代表される「ドイツ・トーン」よりも大きく残る、なのだが、280VC は「ドイツ・トーン」の楽器なのだ!


 しかも、ヤマハ渾身の名ピアノ=CF-X ほどの「レスポンスの良さ」は全く無い。1世代前のCF-IIIS に似ている。受付の女性に「立ち上がりが良いでしょ!」と言われたが、上野の 東京文化会館小ホール で CF-X を弾いた経験があるので、同意することは出来なかったので、「私の好みには合いません」とだけ返答して置いた。


 立ち上がりの良さ を追及するならば、ヤマハ CF-X & スタインウェイ D が良い。「ウィンナ・トーン」を追及するならば、 ベーゼンドルファーインペリアル が良い。ベーゼンドルファーインペリアル は 音の立ち上がりが良いピアノではなく、「残響が豊かなピアノ」。シューベルト や モーツァルト を相性の良い腕の立つピアニストが弾くと抜群に効果が出る。(相性が悪いピアニストが弾くと、シューベルト や モーツァルト でさえ、ボロボロになる>< )

ベーゼンドルファー280VC は、「ウィンナ・ホルン を フレンチ・ホルン 並みのレスポンスを与えた楽器」であり、余韻も吹き飛んだ


が最も判り易いだろう。価格も ヤマハCF-X 並みなので、私高本の好みには全く合わなかった。佐伯周子 には、旧型=ベーゼンドルファーインペリアル をこれからも弾いてもらうことを決意した次第である > シューベルト完全全曲演奏会

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベーゼンドルファー新フルコンサートグランドピアノ=280VC を試弾した(No.2461)

2016-02-14 23:53:45 | グランドピアノの買い方・選び方

ヤマハ が 「CF-X」開発後に、何で ベーゼンドルファーVC280 を発売したの?


  佐伯周子「ベーレンライター新シューベルト全集に拠るピアノソロ曲完全全曲演奏会」をほぼ1年ぶりに開催する直前 = 2015年12月 に「ベーゼンドルファーホームページ」を見たら

ベーゼンドルファーVC280 の新発売


があった。う~ん、「第9」演奏会も押し迫っていたし、佐伯周子シューベルトも押し迫っていたので、「早く聴いてみたい」と思っていたのだが、1/6 & 2/4 の 佐伯周子演奏会 が終わった後の 2/7 に、東京メトロ 中野坂上駅直結の ヤマハ「ベーゼンドルファー」売場 http://boesendorfer.jp/products/standard/model280vc.html にあるモデルを試弾しに足を運んだ。 http://boesendorfer.jp/about/shop.html 見ると、他には展示されてない予感がしたからなあ。


  ヤマハ が ベーゼンドルファー を買収して数年が経過した。セミコンサートグランド以上の機種で「新機種発表」は今回が初めてだった。大いに期待して中野坂上に向かったのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

牛田智大ピアノリサイタル2016.02.13批評(No.2460)

2016-02-13 20:58:30 | 批評

『21世紀のラフマニノフ または コルトー = 牛田智大』を聴かせた!


  5才から「コンクール荒らし」をして、8才から5年連続で「ショパン国際ピアノコンクール in Asia」で第1位を獲得した 牛田智大。これまで、TVや雑誌で数多く取り上げられて来たピアニストだが、本日初めてナマで聴いた。感じたことは冒頭記載の通り。「コンクール向けに調整している16才」では絶対無いよ。本プログラムトリ=ムソルグスキー「展覧会の絵」をこの日の通り、コンクールで弾いたら必ず本選には残れないからなあ(爆


  これまで、牛田智大演奏会に足を運ぶきっかけになったのは、2016-17年度の読響芸劇シリーズでショパンピアノ協奏曲第2番を弾く、が目を引き(耳を引き?)購入したからだ。牛田智大 のメインレパートリーかどうかは判らない。だが、前記の通り、ショパン関連コンクールで5年連続して第1位だからなあ。今回のプログラムにも、「バラード第1番」入っていたし。


「自分の型」を確立したピアニスト = 牛田智大 と感じるピアニズム = 『ラフマニノフ型主観奏法』


  この演奏会、チラシを見た時に感じた「第一感」は、『編曲モノ』ばかりじゃん! だった。リスト と ラフマニノフ の「自作協奏曲のピアノソロリダクション」を含めれば、ショパン:バラード第1番 1曲のみがオリジナル曲。後は全て編曲モノ。カツァリス でもここまでは編曲モノ満載にはしない(爆

  私高本は、「作曲家の意図を再現する演奏家」が好きである。昨日の カンブルラン指揮読響:マーラー交響曲第7番「夜の歌」 の名演も、「マーラーの意図」通りだったと感じたので絶賛した。本日の牛田智大の演奏は、(おそらく)グリンカ、チャイコフスキー、ショパン、リスト、クライスラー、ムソルグスキー の意図とは、大きく乖離していた、と感じる。
 だが、聴いた後の感覚は「爽快」だ! これは

牛田智大が「自分のピアノ演奏技巧」を十二分に発揮して、聴衆を「感動の渦」に巻き込んだからだ!


  圧倒的なテクニック。特に「ノンペダルで延々と指で繋ぐテクニック」は凄い!  さらに加えれば、第6曲「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」の「シュミュイレ登場」の時に Des 音を和声が変わるまで、ペダル踏み換えをせずに保持する! などの新たな狙いが高い効果を挙げていたことは明記したい。素晴らしい耳の持ち主だ = 牛田智大!

  全てが良かった、と言いたいのだが、ショパン「バラード第1番」は、違和感大だった。途中で他のピアニストが膨らませない内声部を強調したが、違和感が大きい。う~ん、「カツァリス風」に聴こえてしまうのだ。「他のピアニストとは違いますよ!」が最優先して、「ショパンの意図」とはかけ離れているかのように。

  好みは私高本とは違うが、「ピアニスト」として 東京オペラシティ大ホールの2階までを埋め尽くし、3階も半分以上埋める人気のピアニスト=牛田智大。その人気は1時的なモノでは無い。曲の解釈 & 技巧的テクニック に深く支えられている。 読響 との「ショパン:ピアノ協奏曲第2番」も期待しているのでチケットを購入して置いたぞ!
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする