Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

『音楽の真髄』って何なんだろう?(No.1983)

2012-01-22 20:08:56 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 本日号は以下の皆様の演奏を聴かせて頂いたおかげさまで書ける内容です。

岡原慎也、川上敦子、佐伯周子、法貴彩子、東京オペラプロデュース「修道院の結婚」公演関係者ご一同様、新国立劇場「ラ・ボエーム」2012年公演関係者ご一同様に深謝


 ちょっとした弾みで、1回でも上記の皆様の名演を聴いていなければ、本日号は書けない。深く深く感謝する次第である。ちなみに上記掲載順は「聴いた順番」である。「岡原慎也が最高」ってワケでは無いので、誤解無きように(、、、ってまた何かマズいこと書いたんけ?)


 「印象批評ヒョーロンカ = 私高本」が1996.12に、旧「デイリー」を立ち上げて、印象批評を垂れ流して1年経過した日に「奇跡」が起こった。「音楽の神様」が思ったんだろう > 少しは「きちんと詳細批評しろや > ボケ!」と。

 新国立劇場「ヘンゼルとグレーテル」公演がなぜか公演日が移動して、空いた1日に「ヘンシェル + 岡原慎也:冬の旅」があった。

 聴いた。

 オレは今まで何聴いて来たんだろう??? 信じられない名演だった。『フィッシャー=ディースカウ + ブレンデル』などの録音などはきちんと聴いて行ったよ。そんな水準では無かったのだ > 岡原慎也 + ヘンシェル


 招待頂いた音楽之友社の営業マンから「もし良かったら、打ち上げ会場にお越し下さい。」とお誘い頂いて「音楽の友ホール」向かいの喫茶店に行き、初めて 岡原慎也 と話した。極めて「理性的な人」だった、ピアニストには珍しく。「シューベルト」中心にいろいろと盛り上がった。師匠の シルデ も夫妻で来ていてご満悦だった。


 その4年後、「川上敦子のリスト」を猫頭=私高本 が敢行する。演奏は素晴らしかった。
 ・・・が、勿論、大赤字(泣

 しかも反響無い(爆涙


 さらに悪いことに、「指の故障」発生。急遽「モーツァルトソナタ全曲」に差し替えて演奏してもらった。素晴らしい演奏だったのだが、「父親の会社の引継ぎ」で一時演奏活動中止に追い込まれた(泣


 ・・・な時に、救ってくれたのが、旧知の「佐伯周子」である。会場を押さえていた「彩の国さいたま芸術劇場」で演奏会をしてくれる > しかも「ベーレンライター新シューベルト全集に拠る完全全曲演奏会第1回」として!

 シューベルト演奏は素晴らしい演奏会だった。他は「それなり」だったが(爆


 月日は流れる。

「老田裕子 の マーラー」聴きに、大阪に行った


 岡原慎也のご好意で、GPから聴かせてもらった。老田裕子 も 岡原慎也 も素晴らしかったのだが「とんでもない大物」が居た、それが ピアニスト = 法貴彩子。「岡原慎也の弟子」と「プログラムノート」に記載されていた。

岡原慎也を「若く再生した」 = 法貴彩子


が実感。「岡原慎也よりもドイツ・リート伴奏うまいピアニスト」なんて想定できなくて当たり前。「私高本=猫頭」が原因でないことだけはここに明記しておきたい。


 岡原慎也は別段「音量の大きいピアニスト」では無いが、「デュナーミクの巾」は極めて大きい。「岡原慎也よりも音量の大きいピアニスト」を掲載してみるか > 岡原慎也 が文句垂れても撤回しないよ(爆

岡原慎也 より音量のデカいピアニスト一覧



  1. Nikolai PETROV


  2. 小川典子


  3. 川上敦子



 はっきり断言できるのは以上3名。川上敦子は「岡原慎也と合わせて頂いた」ので絶対に間違い無い。おそらく、ペトロフ、小川典子、川上敦子 の順だと感じる。全員ナマ聴いているので。


 ・・・で、

「音量が大きければ、感動は深くなるのか?」と言う疑問が湧き上がる


のは、当たり前。それは「ちょっと違う」だわ。「猫頭=私高本」は昨年は大阪方面に大いに迷惑掛けましたが、今年は掛けません。「猫頭批評」以上の批評が掲載される鴨 > 今年(爆

 私高本が聴いた限りでの 音量世界最大ピアニスト=ペトロフ について紹介しよう。

ペトロフ のCD売れてる順一覧


 一番上に来ている3枚組は是非是非聴いて欲しい。安いし音も良い。2枚目が最も重要で、ムソルグスキー「展覧会の絵」とリスト「パガニーニ練習曲1838年版」で第4番はもちろん難しい方で録音されている。リスト「パガニーニ練習曲」は『史上最高の録音』の名誉を録音時から今まで保持している。大ピアニストである。

ニコライ・ペトロフ「展覧会の絵」の特徴



  1. 原典版楽譜を使っているが、勝手気儘に装飾音やトリルやトレモロをブチ込む


  2. デュナーミクはムソルグスキー無視


  3. アーティキュレーションもテンポもムソルグスキー無視どころか、「音符の長さ」さえ守られていない


  4. ペダルは「ON or OFF」で、ハーフペダルは無い


  5. 結果として「遠近感」が全く表現されていない。迫力満点なんだが(爆



 録音データがこの3枚組でもその前発売された OLYMPIA盤 も一切記載が無いが、ステレオでソ連で録音した音源なので、「上のリンクしたHMVのリンク先の2番目に来ている プロコフィエフソナタ全曲」の前後の録音だろう、多分。1971-1974がプロコフィエフ録音。「ソフィアのリヒテル」よりも10年以上後になる。同じソ連在住だから間違いなく「ソフィアのリヒテル」は知っていたハズ。
 ・・・で「リヒテルとは別路線」を ペトロフ は選択した。だがこの録音は注目を集めなかった > ペトロフ追悼盤まで復刻もされなかったほどだ。

岡原慎也「展覧会の絵」の特徴



  1. 原典版楽譜を使っており、ムソルグスキーに忠実


  2. デュナーミクもムソルグスキー通り


  3. アーティキュレーションもテンポもムソルグスキー通り


  4. ハーフペダルが豊富で、私高本が聴いた限り少なくとも3種類あった


  5. 速い曲「殻を付けたひよこ」や「リモージュ(市場)」の速度が「狂人の速さ」に唖然


  6. 結果として「遠近感」豊富


  7. しかも迫力満点



である。

方向として「ソフィアのリヒテル」と同じで「彫りの深い演奏」を目指し成功した 岡原慎也


 猫頭の私高本も「展覧会の絵」詳細批評が書けるようになった。これもひとえに 岡原慎也 のおかげ様である(爆

岡原慎也、飯坂純、コンスタンティン・トリンクス、デュトワ が目指す方向は全く同じ!


なことをここに記す。扱う曲は異なり、条件が異なるが「作曲家尊重」である。指揮者の場合、ピアニストとは違った問題があり、「与えられた条件」の中で、公演を成功させる必要に迫られる。練習回数を チェリビダッケ のようにわがまま言うと、ミュンヘン・フィル 以外からはお呼びが掛らなくなったりする(爆


 ・・・で、昨年腰が抜けるほど驚いたことがあった。

岡原慎也よりも『ドイツリート伴奏がうまいピアニスト』法貴彩子


 岡原慎也の弟子。弾いたのはシューマン。岡原慎也も得意にしている作曲家だ。経歴を読むと、パリ・コンセルバトワール出身。ドイツに留学していたワケではない。
 演奏会の直後に話したが、弁の立つことに再度驚き。なぜか(シューマンではなく)ラヴェルについて話した時間が長かった。それから1ヶ月半の間に関西の2つのコンクールで優勝、立派な「コンクール荒らし」である!
 「ABC音楽振興会ニュース November 2011 第20回ABC新人コンサート」号を送って頂いたが、審査員の皆様の興奮が伝わって来る。

審査員一同が「法貴彩子のラヴェル両手協奏曲」を聴きたい!


との強い意思が感じられた。確かに「法貴彩子のラヴェル」は尽きることの無い弁で、私高本も感じたからなあ。

2012.02.11 法貴彩子のラヴェル両手協奏曲 with 飯森範親+大阪フィル


で『音楽の真髄』が聴ける、と信じ、大阪の福島に向かう。

飯森範親

は、現在、山形交響楽団音楽監督、東京交響楽団正指揮者、いずみシンフォニエッタ大阪常任指揮者、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団名誉指揮者、ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者 であり、オケからの信頼が極めて厚い指揮者である。飯森範親 も審査員の1人であり、「法貴彩子のラヴェル」に惚れ込んだ中の1人。これほど指揮者に惚れ込まれての「協奏曲デビュー」なんて、『奇跡の演奏会』だ!!!
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